ライブ・レビュー (2001)

2001年に見に行ったライブの感想です。



2001年に見に行ったライブ

2001.4.9 DARK TRANQUILLITY, CHILDREN OF BODOM 渋谷ON AIR EAST
2001.5.19 ULI JON ROTH 東京厚生年金会館
2001.5.30,31 MAGMA 渋谷ON AIR WEST
2001.6.23 SOILWORK 渋谷ON AIR EAST


番外編(知人のレビュー)


2001.3.16 RENAISSANCE (By 尾久橋庵人氏) 東京厚生年金会館



・DARK TRANQUILLITY, CHILDREN OF BODOM(2001.4.9 渋谷ON AIR EAST)

デスに最適な日付(死月苦日!)は狙ってのものでしょうか?
スーツでデスは厳しいので、 この日は会社を休み、持病の腰痛の治療で整体に行って準備万端。 マイブームのジャムバンドを渋谷IKOIKOで漁った後、オンエアへ向かいました。
まずはダートラです。 確かボーカルのミカエルは医者にデス声を止められていて、 デス声や疾走曲を封印し、昔の面影が見られない...という噂を聞いていたのですが、 新作は何故かデス声復活!...今回のライブはどうなんだろう? とあれこれ考えているうちに、新作のトップを飾るTHE WONDERS AT YOUR FEETでスタート。
ルックス的にまず驚いたのが、ボーカルのミカエル... まるで伊豆のサナトリウムから脱出してきたような、不健康なやせ型体系なのです! しかしそのきゃしゃな体系からは考えられないような、 迫力満点のデス声で楽曲をぐいぐい引っ張っていきます。
医者に止められてたはずなのに大丈夫なんでしょうか? デス声封印がファンに不評だったのがわかったのかもしれませんが... 医者の静止を振り切って、体を犠牲にしてしぼり出す声、 これぞ究極の「デス声」といえるのかもしれません。
ただこちらの心配をよそに、ミカエルの表情はやたら明るかったです。 (もっと神妙な顔つきをしていた方が楽曲のダークなイメージにしっくりくるのに!...)
他のメンバーはキーボード以外は体が頑丈そうでした。 特にリズム隊の2人はスキンヘッドだったし... (昔は髪の毛あったはずですが、方向性を変えたことの表れなのでしょうか)
そして問題のキーボード!、人の良さそうな会社員風ルックスでしたが、 ひどかったのがステージ上でくしゃみ!ばかりしていたこと... 花粉症なのか?日本に来て体調を壊したのかはわかりませんが、 どうしても目がそっちに行ってしてしまうので緊張感が失われます! ほとんど白玉系だったため、音的には支障は出ていなかったものの 他のメンバーだったら大変なことになっていたでしょう。 やけ酒なのか演奏中にも関わらずビール?をがぶがぶ飲んでいました。
新作の中からは、RUNDOWN、FEAST OF BURDEN、サビが「酒〜酒〜酒〜!」と聴こえるFABRICなど、 比較的ライブ映えする曲が選ばれていましたが、うれしいことに過去曲も多く演奏されました。 クリーンボイスが印象的なUNDO CONTROL、そして、メロデスとしては最も脂が乗っていた時期の、 HEDON、ZODIJACKYL LIGHT、 極めつけは、メロデス史上に残る超名曲である彼らの最高傑作PUNISH MY HEAVENなどなど、 さすがベテランだけあります。選曲は良かったと思います。
演奏ですが、もこもこした感じで音のバランスが悪く、 特にギターはアルペジオやソロなどがテクニック的に危なっかしい感じでしたが、 ミカエル怒濤のデス声により充分客の心をとらえていたように思います。
この状況は以前のIN FLAMES公演にそっくり!... 方向性は違っても、さすが兄弟バンド?だけあります。 (演奏テクニックに関しては、あまり似て欲しくなかったですが...(^^;)) ただ時間が経つにつれ体が温まったのか、演奏やバランスの難点についても 徐々に改善され、しっくりいくようになりました。
個人的ハイライトは、演奏されることを全く期待していなかったPUNISH MY HEAVENですが、 前半に早々と演奏してしまったのはちょっともったいぞ (アンコールにとっておけば、絶対にもっと盛り上がったのに...)
ということで、演奏面で難ありといいながらも、 ミカエルのデス声復活&大健闘のおかげでもあって、 デスの持つ「絶望感、怒り、悲しみ」のイメージは十二分に演出出来ていたと思います。 想像していたよりも随分良いライブでした。
しかしそんな印象も、イントロとともに真打ちチルボドが登場し、 BODOM AFTER MIDNIGHTをぶっ放したその1音目から一気に吹き飛んでしまいました...
全然違います。この違いは一体何?! ボルテージは早くもさきほどの64倍ぐらいです。 興奮のあまり気が付いたら思わず両手で悪魔サインを突き上げていました。 もちろんまわりの盛り上がりも違います。
ダートラに悪意は全くないのですが、あまりにチルボドがすごいので、 ダートラが半前座的なバンドに思えて来ちゃいました。 ダートラの時に感じた音のバランスの悪さもチルボドでは問題なし、 すっかり改善されていました。(ダートラ側に問題があったのかなぁ...)
IN FLAMESの時に心配したのと全く同じです。 どう考えてもチルボドはやはりソロでツアーすべきでしょう。 他のバンドを完全につぶしてしまいます。 先輩バンドなのに最初に追いやられたダートラは、心中穏やかで無いかも知れないですが、 この観客の反応と演奏水準の高さを見れば、致し方ないことに気付くでしょう。 デスメタル系でテクニック的に並ぶことが出来るのは、 いまやARCH ENEMYぐらいですね。
名曲TOWARDS DEAD ENDの出だしでは、感情の高ぶりを押さえきれずに、 われを忘れて叫んでしまいました。 出だしのギターメロのところでは大合唱。 (歌詞がわからないからこういうことしか出来ないんだけど...) 名曲だけあってやはりこの曲は盛り上がります。 中間部の「○○○○〜」のところは今回もゴマかされてました!(^^;)
続くLAKE BODOM、WARHEARTもたまりません。 やはり死ぬほど聴いているせいか、旧作の方が心が躍ります。
しかし彼らは一体何者なんでしょう... ほとんど休み無しに疾走し、ダレることなく超絶高速フレーズを弾きまくり続けます。 (ダクトラの256倍ぐらい音数が多かったように感じます。)
DREAM THEATERを始め超絶バンドのほとんどは「能ある鷹」状態で、 ここぞというときしか必殺テクは出さないものなんですが、 彼らはどこを聴いても超絶テク高速フレーズ金太郎飴状態!。 他にこんなバンドは存在しないかも知れません。 悪く言うとたれ流し状態で耳がなれて超絶を超絶と感じなくなるとも いえるんですけど。(他のバンドにしてみれば贅沢な話だ!) いつか彼らも歴史を重ねるとともに、きっと落ち着いちゃうんでしょう... そういう意味では今が旬だと思います。
アレキシはデス声で咆吼しながら、 ギターを縦にかまえて腰を据えた独特のフォーム(ギターが「V」だからでしょうけど)で 次から次へと流麗なフレーズを畳み込んでいき、 歌っていない時は常にステージ中を動き回り観客へのアピールも忘れません。 まさに八面六臂の大活躍。
ヤンネもこれに負けじとこれまた信じられないような密度のプレイを展開し、 オーケストラ・ヒット連打も絶好調!
リズム隊の疾走具合も切れ味抜群、 特に猛スピードで延々と叩き続けるドラマーの体力はすさまじいものがありました。
もう1人のギターことアレキサンダーは存在で目立ってました。(^^;) (前回来日時に比べてまた太ったのでは?) 世の中にはイングウェイ、ティモ・トルキ、マイケル・ロメオ...と 速弾きギタリストには巨漢が多いですが、アレキサンダーはバッキングが主体なので、 もうちょっとソロを弾いてくれても良いのでは?と余計なことを考えちゃいました。
前回に比べて演奏面で進歩したかどうかは良くわかりませんでした (なぜなら前回もすごかったから!)が、 観客に対するパフォーマンスには随分余裕が出ていました。
中盤「初めて日本でやった曲」みたいな紹介で SILENT NIGHT, BODOM NIGHTが演奏された時は、 その時に聴いてたぞー!と思い、うれしくてアピールしたくなりました。 2年前のあの忘れられない衝撃が再現されたかのようです。 私と同じような客も多かったようで、この曲はかなり盛り上がっていました。
今回も恒例のアレキシとヤンネの掛け合いコーナーは健在。 サラサラの髪を振り乱しながらギターをかきむしるアレキシは、 男から見ても怪し美しくて本当にホレボレします。 生まれ変わったらアレキシみたいになりたいもんだ。 #1つだけ難点がありますが...(^^;)
ヤンネはソロ時のパフォーマンスが随分と改善され (もちろん演奏面ではなく客へのアピールという点で)、 前回のようなたどたどしさは無くなっていました。 ただ、高速難解フレーズを弾いているときは まるでおしっこを我慢しているような表情になるのがおかしかったです! (1人でビールたくさん飲んでたから本当に我慢してたりして... もしかしてビールは度胸付けのため?!)
テンション上がりっ放しでいい加減へロヘロ状態になっているというのに、 その後もDEADNIGHT WARRIOR、彼らの代表作ともいうべきCHILDREN OF BODOMが演奏され、 全く休む暇を与えてくれません! 折角病院に行ったばかりなので、クビを振らないよう自制していたのですが、 チルボド登場後は制御不能!上下にクビを振りまくってました。 (これじゃ病院に行った意味が...)
アルバムを連想させる、赤、緑、青のライティングはとても良かったです。 今まで見た照明の中で一番効果的に思えました。 #照明のことを考えてアルバムの色を決めてたら偉いなあ。
アンコールの最後はなんとカバー曲SHOT IN THE DARK!... 最後にきてはじめてリラックスした演奏です。
賛否両論あると思いますが、チルボドのライブで初めてサビを歌えたので、 個人的にとても嬉しかったし、気持ちよかったです。 (しかし、この曲で「ジョイザダ〜ッ!」ってデス声で絶叫したのがトドメを刺す結果となり 翌日は声が出ませんでした!)
サビが歌える曲については是非次作あたりで検討して欲しいです。 (IN FLAMESのEPISODE 666の中間部の(黄色い?)サルでもわかる「666!」のような キャッチーな歌詞があるともっと盛り上がるはず!)
チルボドの演奏が終了した後、やっとダートラを思いだしたところ、 チルボドにはダートラで感じられた「ダーク/デスな雰囲気」が微塵もないことに気付いて 苦笑してしまいました。デス声以外はどこにもデスらしさが無〜い! かっこいいからそれで全く問題無いんですけどね。
今回の公演をまとめると、 ひっそりと線香花火をやってわびさびをじみじみ感じた後、大規模でど派手な花火大会が始まり、 しかも大フィナーレが1時間近く続いていたような感じです。 ライブ終了後、余韻を残しつつ現実に戻され、どこか淋しさが残りました。
今回ももちろんチルボドTシャツを買ってあげました。(ごほうび!) 次回こそ単独公演にするしかないっしょ!


・ULI JON ROTH(2001.5.19 東京厚生年金会館)

にわか雨が止むのを待っていたため、開始時間ぎりぎりに到着。 2階席の後方だったため何度も階段をかけあがりやっと席に着くと まもなく伊藤正則がひょっこりと登場、 23年振りとなる今回のライブがいかに価値があるかをやたら熱っぽく語りだしました。
思い入れが十分伝わってきて、気分が盛り上がってきたところで ウリが登場し1曲目はSKY OVERTURE...この曲はほんとに感動的で美しい! ウリとスカイギターの魅力全てが凝縮されている完成された楽曲と言って良いでしょう。 いきなりもっていかれました!
あまりに素晴らしかったので余韻に浸ってしまい、 その後に続いた数曲が霞んで聴こえてしまったほどです。
ウリはルックスのせいかものすごく頼りなさげに見えるのですが、 スカイギターを手にすると別人ですね。 これ以上はヤバイ!ってところまで極限まで高い音を、七色に変化するビブラート入りで 次々とひねり出していきます。
途中仙人らしさを演出するためか、ドライアイスを利用する場面がありましたが、 すごい勢いで噴出し、すぐにステージ全体が真っ白になったのは笑いました。(不自然すぎ!)
ヴィヴァルディの四季はアルバムに収録されていた「夏」だけでなく、 今回新たに「冬」も演奏されました。 怒濤の高速ピッキング&フィンガリング、 低音から超高音への派手な駆け上がりフレーズなどなど見せ(聴かせ)所が満載。 ウリとスカイギターのコンビにしか弾くことの出来ない楽曲であることを わかりやすく証明してみせるかのような凄みを感じました。 またバロック系の楽曲はロックとの相性が抜群ですね。 でもどうせなら四季を全部やってくれればよかったかな... (←スペインのカナリオスじゃないんだから)
ウリはとっても気難しいイメージがあったのですが、 曲の合間に良くしゃべるしゃべる!...とってもフレンドリーでびっくりしました。 観客から赤ちゃんの泣き声が聞こえたときには、 すぐさま泣き声をシミュレート(スカイギターならでは!)するなど、 お茶目な一面も見せてくれましたし、 演奏途中にシールド抜けという仙人らしからぬ初歩的なミスもかましてくれました。
テクニカルなベース・ソロのあとに続いた、 ドン・エイリーのキーボード・ソロはコージー・パウエルや レインボウなど懐かしのフレーズを随所に織りまぜた、 ベテランらしいものでした。 ただ馴染みのフレーズに反応して、 一部の観客が盛り上がって手拍子を始めたと思ったら、 すぐ別のアイデアに移って、手拍子のタイミングが合わなくなる! という繰り返しが何度もあり、これには苦笑い。 (何度もタイミングはずれてるんだから、客も手拍子やめりゃいいのに!)
ドン・エイリーが頑張ってくれたのであまり文句を言いたくはないのですが、 ヴィターリは今回も駄目だったんですね。 ほんとに来る気(やる気)があるんでしょうか? これで3回目!?ちょっとひど過ぎではないでしょうか?(腹立たしい!) そのうち日本のファンの間で不買運動が起きるのでは...(^^;)
ソロタイムのあと、雰囲気が変わり、 荘厳でオペラティックな楽曲(後にBRIDGE TO HEAVENと判明)の中、 とてものびのある美しく感動的な歌声が館内に響きわたりました。
こんなに歌がうまいなんて一体どこのドイツ人だ?...(^^;) ウリが今回のために発掘した超大型新人?と思いましたが、 後にトミー・ハートと紹介され納得。 しかし、それにしてもトミーがこんなに歌がうまいとは... フェア・ウォーニングで知っている以上のパフォーマンスでした。
荘厳な演奏も最高で、スコーピオンズとベルリンフィルの競演時の 感動的な楽曲HERE IN MY HEARTを連想させました。
トミーの参加に驚いている間もなく、なんと山本恭司が登場... いつの間に友達に?!。
そしてここでスコーピオンズのWE'LL BURN THE SKY...そういえばこの曲は、 スコーピオンズとベルリンフィルの競演でも取り上げられていました。 こんなことなら一緒にやればいいのに... 本当はウリもベルリンフィルとやってみたいだろうに.... と思ってしまったのは私だけでしょうか?(^^;)
続いてウリの「ジャパニーズ・フルート!」との紹介で 山本恭司が「荒城の月」導入部をサスティンたっぷりに (遠くて気付かなかったのですが、E-Bowを使っていたそうです。) 尺八シミュレート状態で奏でた後、まさに23年前タイムスリップ状態へ突入。 あの伝説が甦ります。
2曲続けてクラウス・マイネが憑依したような(←まだ生きてるって!)トミー・ハートが きれいな日本語の発音で歌い上げます。
途中、トミーは観客に一緒に歌うよう煽り、 昔からのファンは感慨深げに歌っていたようでしたが、 新しめのファンはどうも、思い入れが弱く歌詞も知らずに戸惑っていたようでした。 (実は私も持っているTOKYO TAPESのCDは荒城の月がカットされているため あんまり思い入れが強くないです...すみません!)
トミーの歌は世界一クラウス・マイネに似ていると思いますが、 歌よりも似ていてびっくりしたのが観客への挨拶! 言葉そのものは違っていたと思いますが、発音や雰囲気がTOKYO TAPESの 「オゲンキデスカ!、スバラシィ!」という名フレーズにそっくりでした。 ほんとに憑依していたのでは?(←だから死んでないって!)
山本恭司はこの2曲だけかと思いきや、ちゃっかりまた後半にも登場! 最終的には5曲ぐらい弾いていたのでは? しかもおいしいソロパートなどもたくさん任されてました。 ウリを見に来たのにちょっと出番が多すぎるぞ!...と 文句の1つでも言いたいところなのですが、 ウリに触発されたのか素晴らしいパフォーマンスを披露していたので全く文句はありません。 ...というよりも、左端にいた寝起きのままステージにあがったような格好の ほとんど目立たないサイドギター(唯一ソロタイムも無し)をクビにして、 このままウリと全世界をツアーして回った方が良いのでは? と思うぐらいパフォーマンスも相性も良かったです!
音の出し始めタイミングを合わせるのが難しく、ちょっとズレもあった GYPSY CZARDASは曲に動きがあって掛け合い的展開もあるのでとってもステージ映えしました。 このヴァイオリニストはとにかく大忙しで大奮闘。 なんと曲によってはトランペットも吹いていました。
彼のヴァイオリンとトランペットによる味付けに ドン・エイリーのキーボードによるオーケストラアレンジのおかげで すっかり簡易版オーケストラが出来上がっていたといって良いでしょう。
新旧さまざまな楽曲を展開した後、クラシックカバーのハイライトともいえる、 ベートーヴェン・パラフレーズこと「第9」が演奏されました。 この曲は原曲が素晴らしく、レインボウの影もちらつくだけあって すっかり気分が高揚してしまいます。 本当にロック風アレンジが似合いますね。 ドラマティックなラストの盛り上がりにまたまた感動です。
メンバーが引っ込み一息ついた後、続いては待ってましたのジミヘンモード。 1曲目はWATCHTOWER! (個人的にはAFFINITYバージョンを連想しちゃいます。)... そしてそしてこのうれしい選曲に続き披露されたのは超名曲LITTLE WING... 心も体も全てがギターの一音一音に一体化したような究極の演奏... これはもう絶対にジミヘンが憑依しています。 おそらくどんな霊媒師のお祓いも効かないことでしょう!
感情むき出しの泣きソロの連続に、このまま延々とソロを続けて弾いてくれー。 演奏をやめないでくれー。と心から思い続けました。
ジーノの曲を演奏するなど、弟思いの一面を見せた後、 大ラスはTOKYO TAPESのラストに収録されていたDARK LADY... この曲に関してはウリのくせのあるボーカルも合いますね。 最後まで「23年」という長い歴史にこだわりながらライブは幕を閉じました。
トルコ行進曲、G線上、バーバヤーガ、パガニーニ、 ELECTRIC SUN、スコーピオンズだとPICTURED LIFEとか まだまだやって欲しい曲がたくさんありましたが、 これはウリの芸歴が長い表れでしょう。 良くも悪くも「23年」というあまりにも長い年月を実感することのできたライブでした。
昔を知っている人には文句無しの内容だったと思いますが、 昔を知らない私のような若いファン!(汗)にとっては、 ちょっと過去にこだわり過ぎているように見えたかもしれません。 (「荒上の月」における観客の反応が全てを物語っていたような気がします。) ただウリのカリスマ的な魅力は、全てのファンに十二分に伝わったことでしょう。
次回はあるのでしょうか?(また23年後とか言わないように!) いつかステージで本物のオーケストラと一緒に共演させてあげたいなあと思うのでした。

・MAGMA(2001.5.30,31 渋谷ON AIR WEST)

まずは5/30、ライブ1週間ぐらい前から体調を崩してしまい、 この日のためになんとか立て直そうと努力したものの 結局復調せず当日も会社を休みライブ直前まで寝込んでいました。
しかしこんなことで待ちに待ったフランスの怪物を見逃すわけには行きません! 気合いを入れて渋谷へ向かいました...が、 会場へ着くと早くも長蛇の列が...(せっかく10番台だったのに...)
しょうがないので階段脇に並んでいると、 その横をどこか見覚えのある2人が素通りしていきました。 よーく見るとなんとステラとイザベル! しかしあまりにも素っ気なかったので何も言えませんでした... (どーせフランス語もコバイヤ語もしゃべれないけど!)
入場後なんとか前から3列目ぐらいの位置を確保、ステージ上を見渡したところ、 セットは至ってシンプルでしたが、 目を引いたのがバスドラのサイズ...これがやたら小さかったです。 (クリスチャンの体をばかでかく見せるためだったりして!)
しばらくして無差別級柔道チャンピオンのような出で立ちのクリスチャン (想像以上にでかかった!)をはじめ、 全メンバーが登場。会場が一瞬沸いて静まりかえった後、なにか異様な緊張感のなか、 「カツ、カツ...」とクリスチャンがリムショットでカウントを開始し、 待ちに待った生マグマ初体験となる1曲目、THEUSZ HAMTAAHKがとうとうスタート。
「バキッ、バシッ、バキッ、バシッ、ドコドコドコ〜!」 クリスチャンがいきなりすさまじいパワーとキレのあるドラミングを見せつけます。 ○※□★△×●!?・・一体なんなんだ、これは...す、凄い、凄すぎる... それに重苦しいベースと重厚なボーカルなどが覆い被さり、 今まで全く感じたことのない、すさまじい破壊力をともなって、 衝撃が体中に襲ってきます。 圧倒的な威圧感に、後方へはじき飛ばされてしまいそうでしたが、 なんとかこらえました!
この後もとにかくクリスチャンのスティックさばきが気になって仕方がない! それというのも、クリスチャンがものすごい強力なオーラを発動しているためであり、 しばらく他のメンバーを見る余裕がほとんど無かったです。
立ち位置ですが、左側に男性ボーカル2人、右側に女性ボーカル2人、 キーボードは両脇に置かれ、 中心のドラムを挟み込むようにギターとベースが並んでおり、 対称的で絵的にきれいでした。
そして各人が演奏中に役割の無いときは後ろに引っ込んだり、 見せ場でちゃんと前に出てきたりと動きも良く練られていました。 (ギターとベースの2人が怪しい雰囲気で前に出てきたのが印象的でした。) 観客をあおるような派手な動きはありませんが、 無駄の一切無い良く練られたステージングといえるでしょう。
視覚的な要素もありますが、予習していたパリライブなんか屁みたいなもんです。 やっぱり生で間近で見れるのは最高ですね。 武道館や東京ドームじゃここまで感動できないはずです。(←そんなことあるわけ無いけど!)
圧倒+感動という感じであっと言う間に1曲目が終了したのですが、ここでハプニング。 右側のエレピの音が出なくなってしまったとのことで、修理のため時間をとりました。 ともすると間延びしてしまうところでしたが、 オオヤマさんの奮闘ですぐに復旧(一同大拍手!)し、2曲目WURDAH ITAHへ突入です。
声をメインにすえたこの曲では、 あのベルナール・パガノッティの息子アントニーがやたら目立ちます。 高低、強弱、緩急をつけたいろんな種類の声を絞り出していきます。 特に絶叫部分は説得力がありました。 そして印象に残ったのが、クセなのか力が入りっぱなしで小刻みに震える マイクを持っていない方の手そして指の動き!... 見ていて感情移入しやすく、つい目がそこに行ってしまいます。
ほんとに手と指を使って声を出してるようにも感じるほどで、 この手の動作がのおかげで表現力が数段アップしていたと思います。 (実はアントニーは手を縛ったら声を出せなかったりして!) このまま才能が順調に伸びていけば、 偉大な親父を超え、パガノッティといえば「アントニー」と言われる日が来るのも近いでしょう。
ベースのフィリップは、 クリスチャンの顔を小刻みにぷるぷる横に振るしぐさが うつってしまったのかのように同じような顔の動きをしていました。 ただし若いので、クリスチャンのようにほっぺたがプルンプルンにはなっていませんでしたが(爆)! 腕だけでなく、顔や全身を使ってベースを弾いている感じで、 こちらも感情移入しやすかったです。
クリスチャンとの関係は見ていてとても緊張感があり、 時折クリスチャンがまるでフィリップを試すかのようなドラミングを見せているようにも思えました。 クリスチャンもそうですが、フィリップもほとんど弾き続けで休む暇が無いんですよね。 曲の後半でやっと休める部分があり手首を合みあわせてぐりぐりする動作をしていました。 手首(と首!)に蓄積する疲労はきっと相当なものなんでしょう。
2人体制の女性ボーカルですが、やはりステラに一日の長がありました。 存在感もすごいのですが、パーカッション、手拍子、キーボードも弾きこなし、 そのリズム感も抜群! 歌いながらのパーカッション(特にシャカシャカ缶を振るやつとか)なんかは、 相当難しいと思うのですが全く問題なし! 会場前ですれ違った時とは全くの別人でした。
やはりマグマには必要不可欠な存在で、 クリスチャンの次に外せない、代わりのいない人物といってよいでしょう。 離婚したからといって、クリスチャンも簡単にステラれないわけです!(^^;)...納得!
またこの曲では、ギターのジェームズが、 左端の「みんなのキーボードコーナー!」でキーボードを担当、 時折歌を歌ったり(瞬間最強ボーカル5人体制!)、 効果音として口で風の音を担当(これぐらいなら出来そう!)するなど 芸達者ぶりを見せつけていました。
ちなみにこのステージ左の「みんなのキーボード・コーナー」は、 ジェームズだけでなくいろいろなメンバーが入れ替わって弾いていました。 パーカッションもそうですが、 みな自分の専門担当以外にもいろいろやることが多いです。 マグマのメンバーは本当に大変ですね。
実は当初、このWURDAH ITAHは何度予習しても、THEUSZ HAMTAAHKと似て聴こえてしまったため、 続けて聴くと単調に感じるし、超名曲MEKANIK DESTRUKTIW KOMMANDOH(以下M.D.K.)に比べても 魅力が乏しいし、長いし... と思っていた(生粋のマグマファンに怒られそう!)のですが、実際に生で見るとやはり違います。 THEUSZ HAMTAAHKと似てるのは一部分だけだし、展開の多い魅力的な曲だったんですね。 この場で生で体感して楽曲の良さがやっとわかった気がします。(遅すぎ!) といいながらもやっぱりちょっと長いかも。後半少々だれちゃいました!(←おいおい)
畳み掛けるように2曲目WURDAH ITAHが終了した後、すぐにあのM.D.K.のイントロが流れたので、 きっとハプニングがあって1曲目の後に休みいれたから、すぐにM.D.K.を演奏するんだなあ〜 と思って気分が高揚したんですが、すぐさま演奏中止、おいおいなんなんだ? これにはなんだか気分がすかされました!
メンバーが一旦引っ込んだ後再登場し、とうとう念願のM.D.K.の演奏が始まりました。
ここまでアントニーの手の動きに圧倒され印象の薄かった(といいながらもアントニーの大先輩!) もう1人の男性ボーカル、ジャン・クリストフ・ガメーが 「めかにっく・・・(ためて)・・・ですとらくてぃぶ・・・(ためて)・・・こまんどぉー!」 とドスの利いた声で絶叫。これが死ぬほど格好良いっ! 3部作中、観客をあおるような箇所はここだけなのでひときわ大きな歓声があがります! ここに来て彼の存在感をたっぷりと発揮してくれました。 この声域(声質)はアントニーには出せないでしょう。
中間部のインストパートであるベースソロ〜ギターソロの流れがまたすごかった。 ソロタイムがやたら長いのに全然だれません。良くアイデアが尽きないものです。
特にベースソロのあとの超絶早弾きフレーズ以降はすさまじいのなんの! クリスチャンのドラミングも加速度をともなって、まさに火花が飛び散るような 危険な雰囲気で最後まで一気に突進していきます。
ONE SHOT組のパフォーマンスはみな素晴らしいのですが、やっぱりなんといってもベース... マグマの場合、インスト面ではクリスチャンの次に重要なパートであり、 歴代のスーパー・ベーシストとどうしても比べられてしまう可哀想な立場ですが、 フィリップのベースは比較など馬鹿らしくなるほどの強烈な演奏で 全然負けていなかったと思います。
パリ3枚組ライブに比べて、このM.D.K.は今回ブラスが無いことになりますが、 迫力不足とかそんなことは全然気になりませんでした。 出だしにはコバイヤフレーズが付け足され、 終盤は減速すること無く一気に突っ走り、 ラスト絶頂後のまったりしたパートは今回はカットされるなど、 かなりパリライブとは違った構成になっていましたが、 どんな形でもM.D.K.はM.D.K.!、素晴らしい演奏であることにかわりはありません。 個人的には爆裂したまま終わる今回の構成の方が良かったと思います。
M.D.K.の演奏が終わった後も、「まだまだこんなもんじゃ叩きたりんんんん!」 と言わんばかりに、勢い余ってシンバルを何度か叩くクリスチャンの姿には 本当にほれぼれしました。圧倒、圧巻、やっぱり生M.D.K.は格別!
興奮さめやらぬままメンバーが紹介された後、 最後のアンコール(新曲だそうです)はオファリングまるだし風の クリスチャンの「声」をメインにした静かめな演奏でした。 リズムから解放されたクリスチャンの「声を使ってこれだけの表現ができるんだよ、アントニー君!」と 言わんばかりのパフォーマンスは、さきほどのドラミングとは表現手法が違うものの、 感情むき出しの魂の音を捻り出していくという点では全く同じです。 そしてクリスチャンが徐々にテンションをあげていき、 頂点に達したときはコルトレーンが完全に憑依したような錯覚を受けました。 (ってコルトレーンのことはそんなに詳しくしらないんだけど。(^^;))
ここで思い出したのが、 11日前、アンコール時にジミヘンが完全に憑依していたウリ・ジョン・ロート来日公演! 素晴らしい先人がいたからこそ、 後世に素晴らしいアーティストが生まれているわけですね。 クリスチャンの魂は誰が受け継ぐんでしょう...
クリスチャンの絶叫が絶頂を迎えた後、優しいステラの声とともに、 ライブ会場の観客をふんわりと包み込むような雰囲気で、静かに演奏は終わりました。 照明もやすらぎの緑色です。さっきまでとは全く違うマグマの一面... 「21世紀の癒やし系マグマ」を見ることが出来ました。
ライブ終了後は、東京近郊のプログレファン全員集合といった感じで 多くの方にお会いしました!本当にこの世界は狭いです。 雨が降っていたため、マグマ傘が飛ぶように売れていたのには笑いました。 (この傘ってユニオンでチケット買ったときおまけで配っていたのに...) ディスク・ユニオンも随分商売上手です!
この後ひょんなことから、とあるオフに参加することになり、幸運にも マグマファン歴四半世紀以上!というすごい方々と会談することが出来ました。
マグマの長ーい歴史や、前回来日時のエピソードや演奏の違い、 今日のライブでコーラスの間違いやベースの弦が切れる(普通切れないと思うけど!) などいろいろアクシデントがあったことを知りました。 そんなことがあったなんて、クリスチャンかぶりつきだったのと、 初体験で舞い上がっていたため全然気が付きませんでした! まだまだ修行が足りないってことですね。 (ちなみに私はマグマ歴10年ちょっとです!(^^;))
翌日、興奮さめやらぬままやっとの思いで出勤し、 一日中そわそわしながらそれなりに仕事をこなし、 前日の反省から早めに会社を出ようとしたその瞬間、トラブルの電話が...(ToT)
無理矢理翌日に解決するように話を付けて、急いで会場に到着したのですが遅かった! 観客は80番台目まで入場...この日も10番台を確保していたのに... この時点で最前列クリスチャンかぶりつき計画は失敗に終わりました。(ユーザのバカー!)
前日より後方に位置し観客を見渡すと周りに若いメタラー軍団が来ていました。 確かにそんじょそこらのデス/ドゥーム系バンドに比べても よっぽどヘヴィーだし、破壊力あるし...こういう聴き方もありだなぁ... と1人で納得。やっぱりマグマはそんじょそこらのプログレバンドとは格が違います。
この日は何故かEX-GIRLという前座が出演。奇妙なステージングを披露してくれました。 すぐ終わるのかな?と思いきや、これが結構演奏時間が長かったです。 立ち見ということもあり、遠くから来ている人もいるし、 なによりもマグマという強烈な個性を考えれば、必要なかったんじゃないかな? 周りにもイライラしたり失笑したりと面食らっている人が大半で 本人達にはちょっと気の毒でした。 後半のB-52'S風の曲は面白かったし、悪いバンドでは無いんですけどね。 ...ただ日本語で語りかけるのはやめて欲しかった!(目が合うとこっぱずかしいゾ。) 前日には前座が無かったことや長い演奏時間から、 中にはEASTとWESTを間違えて入場したと思いこみ、焦っている人なども見かけました。 これについてはあらかじめ事前に観客に説明した方が良かったと思います。
前座EX-GIRLの演奏終了後、マグマのメンバーが出てくるまでの間、 こんどは何故か「日本庭園でかかってそうな曲」(ロー・ハイドではありません!)が チャカチャカ流れていてますます妙な雰囲気になっていきました。 昨日はこんなこと無かったのに...本当に今日はどうしちゃったんだ?って感じです。 待ち時間も長いし、気分はどんどんしらけ気味になってしまいました。
こんな状態でしたし、前日に見てるから比較的落ち着いて見れるだろう?と 演奏前は思っていたのですが、 マグマのメンバーがようやく登場し、ひとたび演奏が始まると全然駄目!、 最初からボルテージあがりっぱなしになっちゃいました。 2夜連続で見ているのに全く退屈しないのは、 場内にピンと張りつめた緊張感のせいかもしれません。
昨夜あれだけすごいパフォーマンスを繰り広げておきながら、 この日はそれを上回るかのようなキレを見せつけていきます。 本当にこのスタミナはどこから沸いて来るんでしょう? 前日よりもやたら良かった観客のノリに後押しされたのか、 日本の環境に慣れてコンディションが上向きだったのか、 最終日ということで全てを出し尽くそうとしたのか、 演奏もかなりスムーズでダイナミックです。
トラブルもなく、すさまじい熱気をともなって THEUSZ HAMTAAHK、WURDAH ITAHと夢のような時間が経過していきました。
そしてこの日のM.D.K.は本当にすごかった!... この2日間で最も切れまくった、最高中の最高の演奏を披露してくれました。 観客のボルテージも頂点に達していましたし、 記憶がぶっとぶぐらい格好良かったです。
ギターとステラのユニゾンも気持ちいいし、 ベース〜ギター・ソロもすごいことになっているし、 ハイライトともいえる、ステラの「ザ〜イン!」(これ大好きなんだよなー。)... 前日はほとんど歌えなかったのに、この日はいつの間にか完全に我を忘れて、 カタコトのコバイヤ語で歌いそして叫び、ラストではわめきちらしていました! (超名作「LIVE」にてKOHNTARK演奏終了後、 絶叫しまくってる女の人の気持ちが心底わかりました)
実はM.D.K.の直前に休んでる間は、連日の立ち見でもあり 腰がパンク寸前で本当に倒れそうだったのですが、 演奏が始まると興奮のあまりそのことを忘れてしまい、 演奏終了後は腰痛がすっかり治っていました。 いやはやマグマ療法の効果は絶大です!
演奏終了後のメンバー紹介でハプニング!、 イザベルはステラを紹介するとき、 コバイヤ・ネーム?を使わなきゃいけないのに、 まんま「ステラ・・・(汗)」と間違って紹介してしまい、 場内大爆笑!。それまで張りつめっぱなしだった空気が一変し、 とっても和やかな雰囲気になりました。 (2日間を通じてこんな妙な空気になったのはここだけ!)
演奏、歌唱面では、完全にステラに圧倒されて影の薄い存在だったけど、 最終日の最後に意外な形で存在をアピールしてくれました!
存在感といえばキーボードのエマニュエルも演奏では縁の下的な存在で さほど目立っていませんでしたが、 メンバー紹介時にロッカーよろしく「マグマ!〜」と観客をあおり、 ちゃんと目立っていました。
メンバーは1人ずつかわるがわる紹介されていくのですが、 クリスチャンがエマニュエルを紹介した後、 マイクを隣のフィリップに何度も渡そうとしていた際、 フィリップが全然気付いていないように見えました。(これは前日もそうだった!) あとで怒られたんじゃないかな〜?
前日と同じ癒やし系(イタコ系?)新曲が披露された後、 最終日だし、昨日とは違う曲(特にHHAIあたり)が演奏されるのでは、 と秘かに期待していて、ずーっと手拍子をしていたのですが、 残念ながら他の曲は演奏されませんでした。 演奏の素晴らしさはもちろんのこと、同じように考えていた観客も多かったようで、、 メンバーが引っ込んだ後も拍手は長い間なりやみませんでした。
帰りのグッズ売場では、なんとM.D.K.の楽譜が半額で売られていたので購入 (実際に使うかどうかはわかりませんが(^^;))。この後この楽譜を大事に抱えて 昨日とは別のオフへなだれ込みました。
オフに参加した方全員(10名以上)が大興奮&大満足状態のように見えました。 まあ、あれだけすごい体験をした後ですから当然といえば当然でしょう。 私はオフの間じゅうライブの余韻が続いていて話をしてもうわのそら状態でしたが、 オフ後も全く治らず、まるで大きな穴を体にあけられ、心を吸い取られたかのような なんとも不思議な気分のままフラフラと帰宅しました。 この日の夜は疲れていたにもかかわらず 布団に入っても興奮して全然眠れませんでした。
当初勢いだけでチケットを両日買ってしまい、 連続で見に行くなんて無謀だったかな?... と、ちょっと弱気になっていましたが見に行って大正解でした。 チケットを両日押さえた過去の自分の判断を褒めるとともに、 何故前回の来日公演を見に行かなかったんだ?と後悔の気持ちも出てきました。
生涯にこれだけすごいライブはそうそう見れるもんじゃありません。 こんなすごいものを生で間近で見れたなんて幸せにも程があります。 生きていて良かったと心から感じることが出来ました。
そもそもマグマはライブバンドであり、 ライブ盤とスタジオ盤の間には大きな隔たりがあると思っていたのですが、 今回初めて生のライブを体験し、生ライブとライブ盤の間にも 大きな隔たりがあるということを痛感しました。
もはやマグマのスタジオ盤などは 聴けない体になってしまったかもしれません! 事実、興奮さめやらぬまま、翌日家でパリライブを復習したのですが、 あまりピンと来なかったし... まさに究極の体験をしてしまったといえるでしょう。
こういう体にさせられてしまった以上、もう彼らを生で見るしか無いですね! ということで今から次回のライブが待ち遠しくてたまりません。 次回はKOHNTARKOSZ1〜3とZESS?、楽しみだ〜。(気が早すぎ?)
PS.ライブ終了後の数日間、アントニーの手の動きがくせになっていました! (これってマグマ病?)

・SOILWORK(2001.6.23 渋谷ON AIR EAST)

体と心の調子が悪い状態が続いており けだるい状態のままライブの日が来てしまいました。 疾走系のバンドを見るのには全く適していない状態だったので、 ちょっと勿体なかったです。 (ドゥーム系のバンドだったらちょうど良かったかもしれないけど!(笑)) ということで、いつもより印象が薄く、レビューも短めですが、 決して彼らが悪いわけではありません。
少し遅れて会場へ着いたら、うかつにも演奏がスタートしていました。 (よく考えたら前座が無かったのね!)一瞬あせりましたが、 まずはチルボド公演の半券を見せ北欧福袋プレゼントにエントリーしたのち入場。 既に場内はものすごい熱気に包まれていました。
ステージと観客とが一体になって演奏が進んでいきます。 特にTHE ANALYSTやNEEDLEFEASTなど3rdの曲は盛り上がります。 彼らが3rdでいかに飛躍的な成長を遂げたか ライブパフォーマンスからも知ることが出来ました。
しかし、折角良い雰囲気で盛り上がっていたにも関わらず、 PREDATOR'S PORTRAIT演奏後「ドウモ」と言い放ち、帰ってしまったのにはびっくり。 当初は何かアクシデントでもあったのかと思いました。 彼らなりに考えた演出なんでしょうが、意図が全然伝わらなかったです! しばらくしてやっと戻ってきたときには、会場内はすっかり妙な雰囲気になってました。 勿体なかったと思うんだけどなあ。
仕切直しということで、この後気合いを入れ直したかのように ぐんぐんテンションがあがっていきました。 とことん疾走感がありヘヴィーでアグレッシブな楽曲がとにかく続くので、 観客もダイブしまくりです。今まで見たライブの中で一番ダイブ数が多かったように思います。
ギタリスト2人はどちらもテクニック、ステージ上のパフォーマンスとも申し分無く かなりの腕前でした。 2人が交互にソロやバッキングを行うような感じでしたが、 アーク・エネミーやチルボドに比べてちょっと個性に欠けているかも知れません。 とはいうものの、ギターソロで弾きすぎることが無いので好感が持てます。 程良い長さで、あくまで楽曲リフ重視、ノリ重視といった感じです。 おかげでライブの疾走感が失われなかったのだと思います。
デスメタルバンドはどこもそうですが、ここのドラマーもすごかった... その桁外れのパワーとスタミナには頭が下がります。 図体のバカでかいベーシストはくわえタバコがさまになっていました。
バンドとしての音が引き締まっており、 ダクトラやイン・フレイムスなど同国のメロデス第一世代?に比べて 明らかに演奏がうまいので安心して見れました。
しかしバンドの主役はなんといってもボーカルのスピードことビヨーン。 その名の通りスピード感あふれるパフォーマンスと力強い咆吼で バンドをぐいぐい牽引していました。また観客を煽るのがとてもうまい! 観客が疲れたり、だれたり、おとなしくなりそうな空気を事前に察知して、 いろんな方法で観客をのせていました。これは天性のものなのでしょう。 パフォーマーとしてとても素晴らしかったです。 ルックスはシリル・アビデイ風の喧嘩の強そうなやんちゃ坊主に見えました。
全体的な演奏の印象はアークエネミーの泣きソロを減らして 疾走度をアップさせたような感じでしたが、 ビヨーンの大奮闘のおかげで想像以上に楽しめました。 フロントマンがしっかりしているとライブが締まりますね。
ライブ中盤で水をたくさん持ってきたので、ステージ上からみんなにぶちまけるのかと 思いきや、ニコニコしながらみんなで分けて飲んでね!と ステージ前の客に水を手渡しで配給していたのにはビックリ。 デスバンドにあるまじき微笑ましい光景でした。
拳突き上げ系とでも表現したくなるような体育会系の男くさいパフォーマンス... イン・フレイムスもアーク・エネミーもチルボドも、 流麗なギターソロなどから女性的な部分を持ち合わせているように思いますが、 このバンドはとことん男!男!男!
しかし途中から感じだしたのですが、一歩間違うと、 男くささがねじ曲がった禁断の世界!にも見えてしまいます。 背の小さい人の良さそうなギターと体格の良いビヨーンは仲良しなのか? ○○なのかわかりませんが、コソコソ耳打ちしたり、じゃれてみたりと 2人だけの怪しい世界ができあがってるようにも見えました。(事実だったらやだなあ!) ギターは上からアイアンクローされたりもしてたし。(小さいからってそりゃ無いでしょ)
そう思ってみているとビヨーンの動きもどんどんコミカルに見えてきて笑えました! (本人は格好良いつもりかも知れませんが...) キメ部分でリズムに合わせて、右、左、右、左と交互に観客をあおるような動作は、 安いお笑い芸人の動きみたいにみえるし... さらに投げキッスの連発や、神に祈りをささげるように両手をバンザイしたままのおじぎ... 明らかに変です。一体何者?おかしいゾ!
さらにビヨーンは日本語がやたら上手。 「ドウモアリガトウ」はもちろん「カンパイ」、「カカッテコイ」...などなど ボキャブラリーも豊富だし発音も流暢。どこで覚えたんでしょう。 日本公演に備えて、スウェーデンで駅前留学でもしてきたのかな?
アンコールは3rdの冒頭を飾るBASTARD CHAINで始まりました。 今のところ暫定的にこの曲が代表曲ってことになるのかなあ... 捨て曲が無いかわりに、これといったバンドを代表する名曲が無いのがちょっと残念ですね。
最後の最後でようやく、唯一北欧メタラーな風貌ながら地味な演奏に徹していたキーボードが 紹介されましたが、ソロタイムでも音は小さいし、丸っこくて目立たないし... 存在感が無いに等しくちょっとかわいそうでした。 さすがに迷カバーBURNはやりませんでした!
ビヨーンは去り際に胸のバンドロゴマーク入れ墨をタオルでふきふきしてから 観客へ投げ込んでいました。彼なりのバンドに対するこだわりが 感じられる光景でした。
北欧福袋は見事にはずれました。 しかし応募者は100人以上いたと思うのですが、あれだけ煽っておいて 当選者たったの3人は少なすぎるのでは...?(一体何がもらえたのやら?)
会場の外で、サインをもらえると聞きCDを買ったところ、 色紙には「TO ALL OUR JAPANEZE SOILERS」と書かれていて笑ってしまいました。 そ、そいらーずって!...ほんとにどこまで愉快な連中なんでしょう。 しかしこのライブで「ソイラー」はたくさん増えたことでしょう。


2000年に見たライブを見る ライブのトップページへ戻る 2002年に見たライブを見る
トップページへ戻る

inserted by FC2 system