ライブ・レビュー (2002)

2002年に見に行ったライブの感想です。




2002年に見に行ったライブ


2002.1.26 CARAVAN TRIBUTE TO THE LOVE GENERATION
2002.3.24 RICHARD SINCLAIR 南青山マンダラ
2002.4.19 DREAM THEATER 東京国際フォーラム
2002.4.27 四人囃子、スモーキー・メディスソ 東京厚生年金会館
2002.5.5 EDGUY, RHAPSODY 川崎クラブチッタ
2002.5.11 PFM 川崎クラブチッタ
2002.6.21 SINERGY, ANGRA 渋谷AX
2002.9.14 IL BALLETTO DI BRONZO 吉祥寺スターパインズカフェ
2002.10.15 JIMMY SMITH BAND FEATURING MARK WHITFIELD ブルーノート東京
2002.11.5 21st CENTURY SCHIZOID BAND 東京厚生年金会館
2002.12.23 BIKERIDE, MELLO CADS, RIVIERA, LINUS OF HOLLYWOOD 恵比寿ザ・ガーデンホール



・CARAVAN(2002.1.26 TRIBUTE TO THE LOVE GENERATION)

ここ数年の来日ラッシュの中でも、超目玉といえるキャラバン初来日。
会場はお台場のTLGだったんですが、 TLGに行くのは初めてだったのでお台場に着いてから行き方が分からず右往左往しました。 建物全体がおしゃれなつくりになっているってことなんでしょうけど、 あまりにもわかりにくいし、案内も不親切です。 おかげでかなりの時間をロスして焦りましたが、開演前になんとか到着しました。
着席しゆっくりと待っていると、 リラックスした会場の雰囲気そのままにメンバーがゆっくりと登場し、 演奏が始まりました。
頼りなくてか細いパイの声は全く変わっていません! この弱々しい声と、デイヴのカンタベリー独特のオルガン音を聴くと、 曲の新旧に関わらずつくづくキャラバンだなあ...と感じます。
年齢のせいか、ますます牧歌的でのどかなキャラバンの持ち味が増していた一方で、 ツアーメンバーのギタリストであるダグ・ボイルがスリリングな超絶ソロをがんがん決めていました。 これがキャラバンにしては必要以上(笑)にうまい! 原曲の雰囲気を壊すこと無く新風を吹き込むといった感じのバランスが絶妙で、 ダグのおかげで演奏にスリル、若々しさ、躍動感がありました。 特に新しめの曲であるLIARなどでその持ち味は十分に発揮されていました。
ジェフリーのビオラはとっても伸びやかで魅力的でしたが、 フルートも吹けるとは知りませんでした。
徐々にウオーミングアップしていくような感じで演奏が進んでいきましたが、 始まって数曲しか演奏されていない段階で、 なんと早くもハイライトと言えるNINE FEET UNDERGROUNDが... パイが曲紹介しただけで私も含め会場はやたら盛り上がりました。
デイヴの出だしの「カンタベリーオルガン音」(実際はシンセで出していました。)を 聴いただけで体に電流が走りました! 途中変な音色が若干混じっていた気がしますがそんなことは全く問題ありません。
なにしろ何十回...いや何百回と聴いてきたあのメロディがあの演奏が、 次々と目の前で生で披露されていくのですからたまったものではありません。 とにかく心底感動しました!
ダグのギターに負けじと奮闘しているかのようなデイヴの ソロはまだまだ斬新で音が若いように思いました。 そのダグはソロだけでなく中間部、ボトルネック奏法で効果音を演出するなど大活躍。 リチャード・コフランのツボをしっかり押さえたドラミングも心地よかったです。
そして私が最も大好きな、終盤のインストで盛り上げた後のリチャード・シンクレアのボーカル・パート に差し掛かる直前、ここをパイがか細く歌ったらどんな雰囲気になるんだろうなあ...と ずーーーっと考えながら聴いていたら、 パイではなくベースのジム・レバートンが歌いだしたので ちょっとスカされたような感じでした!
しかし、もちろんリチャードには適わないものの声質がなかなか合っており さほど違和感無く聴けました。少なくともここはパイが歌うよりは全然良いです。 そしてジムの声にパイのボーカルも絡み、力強さを増した歌メロには胸が熱くなり、 目が潤んでしまいました。
その後ハードで力強いインストで夢のようなひとときは終了し、ひとまず休憩に...。 休憩中はしばらく余韻に浸ってぼーーーっとしてしまいました。
ほとぼりが冷めた頃にメンバーが再登場しメドレー形式の演奏を披露。 デビュー盤の曲も混じっていたのがうれしかったですが、 なんといってもTHE LOVE IN YOUR EYEが良かったです。 しかしこの曲はフルで聴きたかったなぁ... ソフトマシンでお馴染みのBACKWARDSは何度聴いてもしんみりまったりくると同時に、 マイク・ラトリッジのグラサン顔が頭に浮かんでソフツの3を聴きたくなります。 様々な時代の楽曲がメドレーの中に収まっていたわけですが、 まるで1つの組曲のように感じさせる絶妙な選曲、構成が光りました。
その後新しめの曲が続いた後、待ってましたのFOR RICHARD! 静かな立ち上がりから少しずつボルテージがあがってきて ラストで最高潮に達する演奏に胸が高鳴りました。 音がスカスカなイメージが強い彼らですが、 ラストでは7人編成全員が音を強くならしているのでとっても分厚い!... THE NEW SYMPHONIA並にメリハリがあって格好良かったです。
アンコールは当然のように盛り上がり、ラストは2ndのタイトル曲でもある、 キャッチーなIF I COULD DO IT ALL OVER AGAIN, I'D DO IT ALL OVER YOU(長い〜!) とても楽しい雰囲気でコンサートの幕は閉じました。
ステージ上はほんとに楽しそうでした。想像していた通りの雰囲気です。 この楽しそうな雰囲気が、パフォーマンスににじみ出ており、 会場は終始和やかな雰囲気でした。 終盤、お酒がきいてきたのか 小もの打楽器を使ってジェフリーがおどけていたのがとても微笑ましたっかです。
しかし、デイヴだけ右側に引き上げ、他のメンバー6人は左側から退場していましたが、 控え室が別だったんでしょうか? 演奏後、みな観客に答えるように前に出てきてくれたのに、 デイヴだけは出てこなかったし... 客へのアピールは音だけで良い!って感じでしょうか? なんとなくデイヴらしいなあ...と思いました。
ライブ終了後なかなか客が帰らないと思ったら、 メンバーが客席に出てきてくつろぎだして、 そこへあっと言う間にサインの列が出来てしまったのでびっくりしました。 みんなちゃんとサイン用にアナログ盤や紙ジャケCDを持ってきているんですね。 最後にこのようなサービス?があるとは全く知らず、何も持っていなかったので、 結局私はサインをもらえませんでした(涙)。残念...
初めて聴く曲も多く改めて彼らのキャリアの長さを感じました。 普通のバンドだと初めて聴く曲は集中力が欠けて 退屈しちゃうことも多いんですがそこはキャラバン!... どの曲も分かり易いので問題なくライブを楽しむことが出来ました。
ステージと客席との距離が近く、飲食しながらライブを楽しめるという環境は、 キャラバンというバンドのカラーにとってもマッチしていました。 目や耳だけでなく、あの独特のゆったりのんびりしたキャラバンらしい「空気」を 肌で感じることが出来たのも大きな収穫だったと思います。
これでリチャード・シンクレアのライブがますます楽しみになりました!


・RICHARD SINCLAIR(2002.3.24 南青山マンダラ)

南青山という普段縁の無い場所おしゃれな場所で無事マンダラを発見。 かなり小さいスペースに客をぎゅうぎゅう詰めにしたような感じでちょっと息苦しかったです。
開始時間がかなり遅かったので、きっと演奏は1時間ぐらいで終わっちゃうんだろう... と思っていると、時間前だというのにリチャードがエレアコ片手にひょっこりと登場。 そして私の大好きなNINE FEET UNDERGROUDのハイライト部分を歌い始めたので、 早速感動していたら、歌を忘れたのか途中でおちゃらけてずっこけました! まあ、出だしだし肩ならしといった感じなのかな?と思っていましたが 続くIN THE LAND OF GREY AND PINKを始め、 その後もずっとそんな感じでリチャードの1人リサイタルが延々続いていきました!
なんだかコードも歌もその場でアレンジしまくりです。 その昔、どこかのTV番組でかまやつひろしが酒に酔いながら自分の世界に入り込み、 気持ちの良い音、コード、フレーズをその場で探しながらギター1本で 歌っていた映像が脳裏によぎりました。
途中から観客にやって欲しい曲のリクエストを聞き、歌いはするものの、 すぐにやめてしまったり、歌詞がとびまくりだったり... (歌詞のわからないところは全てスキャットでごまかしてました。)
当初はリチャードがアルツってるのかと思いましたが、 これはリチャードの性格によるものなのでしょう。 他の人であれば、歌詞ぐらい覚えて来い!まじめにやれ! ってことになるかもしれません...ほとんどスレスレの状態ですが、 リチャードがやるからなんでもOKといった感じです(貫禄!)。
しかし過去のインタビューなどからある程度予想はしていたものの、 こんなにスーパーマイペースな人格だったとは... だからキャラヴァンのメンバーには理解されず愛想をつかされたとか?!
しかし、まったく衰えていない美しい歌声が響くだけでまったりしてしまいます。 あの伸びのある声は全く変わっていませんでした。 ノドに負担のかかる歌唱法ではないのできっとまだまだこの美声をキープし続けてくれるでしょう。
全く飾り気がないといえば聞こえが良いですが緊張感は全くありません。 仲の良い友人を家に招いてパーティーの合間に曲を演奏しているといった感じでしょうか? 時折自分の世界に入り込んでしまい。単なる個人練習みたいな時間もありましたが、 やはりリチャードのすることなのでなんでも許せちゃいます。 そして何かリチャードが妙なアクションを起こすたびに場内に笑いが起きていました。 天然キャラは得ですね!
この状態でかなり引っ張り多少冗長気味になってきたところで、 均衡を打ち破るかのようにキーボード担当の清水氏が登場し、 ピアノ入りでのFITTER STOKE HAS A BATH...また選曲がニクイ!
演奏に鍵盤が入るだけで随分と色が出てきますね。 改めて生ピアノって素晴らしい楽器だなぁと思いました。
休憩後、トリオ・ロス・オパビノスだけの超絶演奏がありました。 このライブで唯一緊張感があったのはこの時間帯だけだったと思います!(笑)
彼らの超絶演奏が終わると、リチャードがベースをもってノコノコ登場、 ストラップがショッキングピンク!だったのがおかしかったです。
リチャードがベースと歌を担当したバンドスタイルの演奏が始まりました。 SHARE IT、LET'S EAT、WINTER WINE、BIG JOBS、GOLF GIRLなどの代表曲が演奏されましたが、 リチャードのマイペースぶりはそれまでと変わらず、 トリオ・ロス・オパビノスのメンバーもタジタジといった感じでした。 演奏に若干の違いはあるものの、あの楽曲をバックにリチャードの歌がのるだけで 感動してしまいます。
途中ベースの4弦が切れるアクシデントがありました (マグマじゃないんだから...なんとなくベースの弦も切れるまでは張り替えないような気が!)が、 弦を手に入れるとおもむろにステージ上で自ら巻きはじめました。 巻いてる途中、他のメンバーが場つなぎ?で演奏をはじめても、 それにあわせて弦を巻きながらマイクをたぐり寄せ歌う姿勢に場内爆笑! 弦を巻いている間も客をひきつけるなんてリチャードにしかできないかも。
アンコールのラストはDIDN'T MATTER ANYWAY... これでしんみりと終わったかと思いきやなんとその後にまだ続きがありました。
リチャードだけがトレードマークの毛糸帽を脱いで登場、 ライトを落とした中、モニターの音を下げる意志がPAに通じないので 自らモニターのプラグを抜き、生音だけでひっそりと演奏をはじめました。
とにかくこんな雰囲気でのんびりと時間が過ぎていたので、 1時間程度で終わるという予想は見事にハズれ、気が付いたら終電の時間になっていました。 長時間の立見で足腰がヘロヘロでしたが気合で走ってなんとか間に合いました。 でもきっと帰れなかった客もいたことでしょう。 (休日は終電が早いなんて、リチャードは全然考えてないでしょう!)
観客だけでなくメンバーも自分のペースに巻き込み、 このマンダラの中では全ての時間がリチャード中心に動いていました。 極論かもしれませんが、リチャードの前には、 歌詞も楽器もいらないのかもしれません。 実際に楽器がなくても人間カラオケ状態でしたし... この強烈なキャラクターは人間国宝といっても良いでしょう!

後日、ひょんなことでカラオケにいったら、 SHARE ITとWINTER WINEが入っていてビックリ。 (誰がリクエストしたのでしょう。もしかしてリチャード?!)
もちろんリチャードになったつもりで歌ってきました。 まあそんなにうまく歌えなかったけどOKでしょう。 だって本人もテキトーだったし!(笑)


・DREAM THEATER(2002.4.19 東京国際フォーラム)

今回、国際フォーラムははじめてだったのですが、 アクセスがとっても便利でびっくり。有楽町駅からこんなに近かったなんて... 時間が余ったのでビックカメラでRAGEのCDを購入して会場入りしました。
しかし敷地がやたら広く2階の座席に到着するまでにちょっと疲れました。 とりあえず椅子に腰掛けたところ座り心地がとてもゆったりとしていました、さすが新しい会場は違います。 (ライブでは結局ずっとスタンディング状態だったのであまり意味ありませんでしたが...)
場内ではRADIOHEADがかかったりしてました、 ドリームシアターとはフロイドでつながっているってことかも知れませんね。
場内放送で2部構成であることが伝えられ、 なんだかカルメン・マキ&OZみたいだなあ...なんて考えている中メンバーが登場、 1曲目は予想通りめちゃくちゃヘヴィーなTHE GLASS PRISONでした。 しかし音が大きいだけで反響してよくわかりません... また、キャラバンやリチャシンなど身近なコンサートを連続で見てきたせいもあるかもしれませんが、 ステージがやたら遠くに感じました。あまりにも遠過ぎです(大泣)。 また音楽に合わせて体を動かしていても周りにぶつからず快適なんですが、 その分空間がスカスカしていてライブの熱気がどうも伝わりにくいように思えました。
その後もデビュー作から最新作までまんべんなく選曲されていきましたが、 残念ながら音の悪さは全く改善されませんでした。 彼らの作品はほぼリアルタイムで聴いてきたので その曲を聴いていた当時のことを思い出してそこそこは盛り上がれるのですが... まるでガラス張りの会場の中で、ガラス越しにライブを見ているような疎外感を覚え 心のどこかで冷めていました。 といいながらもANOTHER HAND〜THE KILLING HANDなど、 古くから親しんできた名曲ではしっかりと盛り上がることが出来ました。
明らかに見るたびに増量しているラブリエは妙なアクションが目立ちましたが、 ノドのコンディションが良く、とても良く声が出ていました。
中華料理屋から借りてきたような360度大回転テーブルにキーボード1台を設置して 引き倒しているジョーダンはとても気持ちよさそうでした。 技術の進歩もありますが、昔からやたら多くの機材を並べたがる鍵盤奏者が多い中、 シンプルに1台で勝負している姿はとても新鮮でした。
ぺトルーシは今回も引き出しの多さを見せ付けるような様々なスタイルで弾きまくっていました。 途中RUSHのザナドゥ?(ギターのボリューム奏法のところ)を弾いている場面があり、 予想していなかったこともあり興奮して思わず声が出てしまいました。 すぐ終わっちゃのが残念でしたが...
マイクは相変わらず難しい変拍子をキープしながらも、 スティックを無邪気に良くまわし、良く投げて、良く落とす!...と サービスしまくりでした。 セットではバスドラが3つも並んでいてびびりました(3本足?!)が 当然セットを使い分けて叩いていただけでした!
そしてベース音は相変わらず今回もほとんど聴こえませんでした。(これでいいのかミュング!)
演奏曲の中にはわからない曲もありました。恐らくプロジェクトものも折り込まれていたのでしょう。 (関連作品がありすぎてさすがに全部追いきれてはいないので...) 秘かにTRANSATLANTICを期待していたんですがやってくれませんでした!
最後のほうは周りの客は明らかに疲れてだれているようにみえましたが メンバーだけは元気です!この体力はすごい。
休憩をはさんで第2部ですが、休憩時間がまだそんなに経過していない段階で SIX DEGREES OF INNER TURBULENCEのイントロが流れだし休憩中の客があわてて戻ってきましたが、 なかなかメンバーが出てきません。これがやたら長い! ここもメンバーに演奏して欲しかったな〜。
無人演奏がかなり続いたため深遠な夢世界になかなか入りづらかったですが カンサスのTHE WALLにそっくりのメロディラインの良さを再確認できました。 壮大なドラマが幕を閉じた後はその余韻も覚めやらぬうちにメトロポリス2の曲も披露。 このアルバムの曲はやっぱりどことなくフロイドしてますね。(こっちもTHE WALL?!) 弾きまくり超絶パートの音が大きすぎてよくわからなかった分、 音数の少ない静かなしっとりした歌パートが際立って聴こえました。
アンコールでは予想通りPULL ME UNDERが披露されましたが、 なんと中間部にメタリカのMASTER OF PUPPETSを大胆に導入! これがやたらに盛り上がりました。 (実はこのコンサートで一番盛り上がったかも!)私はもちろん周りの客もみな大合唱です。 ドリームシアターってメタルファンが多いんだな〜と改めて感じました。
最初に彼らを見たときは小さいライブハウスだったのに、 どんどんハコが大きくなってきてそれはそれでうれしいのだけれど、 そのおかげでせっかくの超絶演奏をがダンゴ状態になるなど 楽しめなくなってしまったのがとても残念でした。 とりあえずもうこの会場の2階席はやめておこうっと!


・四人囃子、スモーキー・メディスソ(2002.4.27 東京厚生年金会館)

今回のチケット代はなんと8000円...た、高すぎる〜。 なんでもスモーキー・メディスンだかメディスソだかっていうバンドと競演するとのこと。 あとでそれなりにすごいメンツであることはわかったものの 金子マリもチャーにも特に興味ないし(失礼)...四人囃子だけにして半額にしてくれないかな? (4000円だと格好がつかないからこういう形をとったのか?) と思いつつも生で四人囃子を見れる機会はこれが最初で最後かもしれないので やむを得ず見に行くことにしました!
音源を発表していないスモーキー・メディスソに比べ、 数多くの作品を世に残した実績のある四人囃子が当然メイン扱いだと思っていたのですが、 先にステージへあがったのはなんと四人囃子!... ステージに何人かが出てきておもむろに音を出し始めたので メディスソのPAチェックか何かだろうと思っていたら、 いつのまにか「おまつり」へ移行、そこでやっと四人囃子であることが判明! 心の準備が全く出来ていなかったのでかなりあわててしまいました。
突き抜けることのない森園勝敏のまったりとしたギターとボーカル、 音色が独特な坂下秀美のオルガン、シャープで安定した岡井大二のドラム、 複雑な動きをみせる佐久間正英のベース...全てが70年代のライブ音源と同じです。 当時にタイムスリップしたかのようにも思えました。
その後も勿体つけることなく過去の代表曲が演奏されていきます。 空飛ぶ円盤に弟は乗るし、ネッシーは泳いじゃいけないし、 カーニバルはやってくるし(「カーニバル〜」は昔バンドで演奏していたので、 まるで自分がステージ上で演奏しているような気分になりました。) とにかくもう大変です。 大したMCも無く、曲が終わると間髪いれずすぐ次の曲が演奏されてしまうので 余韻に浸れることが出来ずちょっと勿体無く感じました。
四人囃子のボックスも買ったまま忙しくてほとんど聴いておらず、 親しんで聴いてきたのは初期の森園在籍時だけであり、完全に予習不足だと思っていたのですが、 披露されたのその初期の曲だけだったので全く問題なくライブを満喫できました。
代表曲はほぼ演奏されたと言って良いでしょう。 しかし「レディ・ヴァイオレッタ」までやってくれるとは思いませんでした。(渋い!)
「なすのちゃわんやき」では複雑な展開もなんなくこなし、 メンバーの卓越した演奏力が全く衰えていないことを見せ付けました。 佐久間のリコーダーも良いアクセントになっていました。
そして極めつけは「一触即発」...なんて贅沢なんでしょう。 森園のアーミングと各種エフェクト(ディレイやスローギア!など)を駆使した混沌としたギターに、 シャープな坂下のオルガンが突き刺さり、 場内は異様な雰囲気に包まれました。これぞ四人囃子の真骨頂。 この独自の音空間、音世界を生で体験できて心底良かったと思いました。
普通のバンドは復活ライブとなると、過去曲をいじったり、 大胆なアレンジにしてみたり...といろいろ趣向を凝らすものですが、 四人囃子の場合は執拗に「当時のまま」に徹していました。 これはこれでとても頼もしく感じました。
後から考えると動きもMCもほとんど無く、 観客に対するアピールは皆無!... 観客を気にせず淡々と決められた仕事をこなしていくように見えました。 (ってこれもまあ当時そのままということで...!(笑))
意外だったのがメディスソ、全くアテにしておらず、 曲がわからないので寝てしまうのでは...と事前に心配していたのですが、 予想に反してとても楽しむことが出来ました。
初っぱなになんと四人囃子の「空と雲」をカバーするという裏技! 余裕を見せつけながらも観客を引き込み、四人囃子とは対称的に動きのあるパフォーマンスを展開。 観客との一体感を図ってその気にさせるのがとても上手いです。 さすが歴戦のツワモノが揃っているだけあり、バンドのグルーヴ感は絶妙でした。
そして有名なカバー曲が多かったので自然に入り込めました。 ジャニス、ジェフ・ベック・グループ、スリー・ドッグ・ナイトなどなど... 特にベックものは私の大好きな選曲だったので心が躍りました。
観客よりも演奏しているメンバーのほうが楽しんでいるような感じで、 それが音に表れていたと思います。 プレーヤーの感情が音に表れるから、 機械よりも人間の生演奏のほうが断然面白いってことを 改めて知らされたような気がしました。
難しいことは考えずに純粋にロックの良さ、バンドの気持ちよさが じんわり伝わってくるようなステージング。 さきほどの四人囃子とは対照的です。
なるほどこういうことだったんですね。 メインが四人囃子だったら興行としては盛り下がっていたことでしょう。 別に四人囃子のようなライブ・パフォーマンスが悪いというわけではないのですが、 ライブ全体を考えると、パフォーマンス的に華のあるバンドをうしろに持ってきた方が 断然盛り上がりますから... おかげで全体としてもかなり満足の行くライブでした。
客層はかなり年輩の方が多かった気がしますが、 一体どちらを目当てにした客が多かったんでしょう。
後日ライブの様子がTV放映され、再びライブの感動を味わうことが出来ましたが、 通常見ることの出来ない舞台裏 (控え室でスモーキー・メディスソの「空と雲」を耳にし、 あっけにとられる四人囃子のメンバーの表情がなんとも笑えました!) が見れたのが面白かったです。


・EDGUY, RHAPSODY(2002.5.5 川崎クラブチッタ)

電車の中で「指輪物語」を読みソレっぽい気分を盛り上げた状態で川崎へ到着。 今回は1人でギリギリの時間帯にいったのですが、会場が見つからずにとても焦りました。 いつの間にか場所が変わっていたんですね。
時間をかなりロスしたおかげで既に会場はぎゅうぎゅう詰め... 結局かなり後方になってしまい前がよく見えません。 これは会場にヤング層!が多く、彼らの身長が近年高くなっているせいもあるのかも...
まずEDGUYが登場、最初は音が良く分かりづらかったですが、 徐々に改善されていきました。基本に忠実でシンプルなステージングです。 なかなかの実力の持ち主ということで安心して楽しむことが出来ました。
メロディを口ずさみやすい曲ばかりですが、 インパクトがやや弱い点はアルバムのイメージと全く同じでした。 (もちろん及第点は超えているんですけどね。) レスラーで例えると若手時代のジャンボ鶴田みたいなバンドですね!(なんのこっちゃ) もちろん鶴田のようにこれから大成していってもらいたいものです。
やってほしかった大好きな3曲(ULTRAVOXのカバーHYMN、 守護神伝風の壮大な名曲THEATER OF SALVATION、 そして代表曲FAIRYTALE)のうち 演奏されたのはFAIRYTALEだけだったのがちょっと残念でした。 盛り上がりはなかなかのものでしたが、 短い演奏時間でアンコールも無くあっさりと終わってしまいました。
まあEDGUYにしてみれば相手が悪かったかも! 会場全体が同じ初来日ながらこの後に続くRHAPSODYへの期待で気もそぞろ、 アンコールどころではないといった感じもありましたし... 結果的にはメインディッシュにコテコテのRHAPDOSYが控えているので、 腹6分目ぐらいで食い足りないと感じさせる 今回のセットリストぐらいでちょうど良かったと思います。
一旦幕がおりセッティングが始まりましたが、 場内はRHAPSODYにものすごく期待する空気に満ちあふれた異様な雰囲気でした。 おそらく私と同じくデビュー盤LEGENDARY TALESを聴き、あまりの凄さにノックアウトされ、 その後次々と発表されるアルバムの完成度に毎回歓喜するとともに、 来日公演の期待がどんどん膨らむものの来日する気配は無く、 ずーーーっと待たされじらされ続けてきたファンがたくさんいたことでしょう。
膨らんだ期待でいまにも張り裂けそうになった空気を突き破らんばかりに、 ジャケットの世界を立体化させたようなセットが出現し、 演劇じみたキャラクターによる壮大なオープニングのあと、 ついにメンバーが登場し、演奏が実際に始まったときの盛り上がりといったらすごかったです。 CHILDREN OF BODOMやSYMPHONY Xの初来日時の盛り上がりも相当でしたが、 その比じゃありません。 あまりにもすごくて一瞬さっきまで頑張っていたEDGUYが可哀想になってしまいました。
EDGUYのトビアスがスタジオ盤と比べて若干安定していなかったのに対し、 ファビオのボーカルはスタジオ盤のそれを上回っていました。 特にスローバラード、中でもイタリア語で歌い上げる部分は格段によかったです。 PFMやMAXOPHONEでも感じたことですが、やはり母国語だと感情の入り方が違うのでしょう。
ルカのギタープレイは当然冴え渡っていましたが、 ツアーメンバーのギタリストもかなりの強者でルカとのコンビネーションも抜群... 結構難しいソロパートもなんなくこなしていました。 (もしかしたらルカよりうまかったりして!)
多くの観客が歌詞を良く覚えており、歌メロはつねに 観客がコーラスをしているような感じでした。みんなえらいです。 ステージと会場が一体になり、 コテコテな単語(例えばVICTORYとか...)を叫びながら、 拳を突き上げるようなアクションは、 最初のうち一瞬恥ずかしくなったりもしましたが、 演奏が進むにつれ全く気にならなくなりました!
しかしさすがRHAPSODY、どれも聴いたことのあるドラマティックな名曲ばかりです。 今まで発表した全てのアルバムに捨て曲が無いという事実を証明しているかのようです。
途中ドラムとベースのソロコーナーがありました。 ドラムソロではアレックスが機械のような正確なスティックさばきを披露、 さすがは元SIEGES EVENです。 ベースソロではRHAPSODYらしからぬ、チョッパーを取り入れた ファンキーなもので、それまでの流れから考えてかなり浮いてました! ツアーメンバーだから許されたのかな?
今回最も聴きたかった、「新世界」を導入し ドラマティック&シンフォニック極まりないTHE WIZARD'S LAST RHYMESを やってくれたのはとってもうれしかったです。 長尺曲だしオーケストラ・メンバーがいないのでやらないだろう... とあまり期待していなかった分余計にうれしかったです。
歌詞がわからないのでそれまではあまり歌っていなかったのですが、 この曲は特別...いてもたってもいられなくなりテキトーに歌ってました。 特に「新世界」のパートや、ギター、キーボードのキメ・フレーズにあわせ、 「オーオーオー」とメロディをなぞれたのが気持ちよかったです! FIRTH OF FIFTH風のギター・ソロ・パートでしんみりした後、 ラストに向けて大疾走したときは感動のあまり倒れそうでした。
その後もアンコールで盛り上がった後、 演劇風のエンディングで幕を閉じ全て終わっったと思いきや、 名残惜しそうにメンバーが出てきたのには感激しました。ファビオは歌まで歌ってくれました。 彼らも早く日本でこの素晴らしいパフォーマンスを披露したかったんじゃないかな? そんな思いが伝わってくるような一幕でした。
初来日公演は予想以上に成功したといえるでしょう。 ただ、ファビオが最初から最後まで一貫して 「トウキョ〜カワサキ!」って連呼してたのだけは気になりました! 誰だ変なこと教えたのは?(笑)


・PFM(2002.5.11 川崎クラブチッタ)

PFMを初めて目の当たりにする私のようなファンにとっては「幻の映像」が現実のものとなり、 27年前のライブを見ているファンにとっては「甦る世界」と言った感じでしょうか?
まさかの再来日公演にワクワクしながら、 ラプソディ(イタリアつながり!)公演で6日前に来たばかりの川崎へ到着。 会場には椅子が敷き詰められており全席指定... 観客の年齢層がかなり高いこともありいつもとはまるで雰囲気が違います。 会場にいる観客の中に私と同様ラプソディ公演を掛け持ちした人は 何人ぐらいいたんでしょう?
スタートはいきなりハンスの馬車... のっけからこんなに初期の曲をやるとは思ってなかったです。 切れ味鋭くかなりハードな演奏で早くも気持ちは高ぶりました。
そして続けられた曲は、 私にとってのPFM初遭遇となる 思い出の曲、人生は川のようなもの(RIVER OF LIFE)!! 壮大なキーボードが会場全体を包み込んだ後、 荘厳に鳴り響くムシーダのアコースティックギターの なんとも美しい響きを聴いた途端目頭が熱くなり、 この曲をはじめて耳にしたとき(確か18か19だったはず...もちろんLPです)の 思い出がよみがえりました。
あまりにも出だしの感動が深かったため 気がついたら爆音(実際はクリムゾンの「宮殿」の途中のような終わり方)とともに曲が終わってしまいましたが、 その後もサービス過剰とも思えるような 「幻の映像」〜「蘇る世界」という黄金期を中心としたセットリストが続きました!
PHOTOS OF GHOSTSでは中間部の小気味良いギターカッティングか格好良かったし、 PROMENADE THE PUZZLEでは途中の「パンパンパンパパーン」が歌えて気持ち良かったし、 FOUR HOLES IN THE GROUNDでは圧倒的な演奏力に酔いしれたし、 場内の手拍子に合わせたリズムのおかげで スタジオ盤とはまた違った印象となったIL BANCHETTOに、 宝石のようなハーモニクスが美しく リコーダーが心に染みたDOLCISSIMA MARIA... などなど、もちろんその他の曲も含め最高の演奏が続けられていきました。
感慨や余韻に浸る間もなく、 次々と名曲が目の前で披露されていくのですからたまったものではありません! 途中で「ヤメテクレー」と叫んでいる客がいましたが、 その気持ちも良くわかるというものです。
多くの歳月を経てパフォーマンスに渋みが増しているかと思いきや、 LIVE IN USAや4枚組ライブ盤のそれを全て吹き飛ばす程の 若々しいパワーがみなぎっていましたが、 その根源となっていたのがバンドのイニシアチブを握っているミッキー・カーチス似!のチョッチョです。 全身をバネのように使って生み出されるリズムの躍動感は素晴らしく、 淡々としたそつのないサポートドラマーとの差は歴然でした。 ドラミングの途中で時折立ち上がり観客を煽る姿ははまるでメタルドラマーのようでしたし、 チョッチョの一挙手一頭足に目が離せませんでした。
またチョッチョはドラムだけでなくボーカルでも大活躍。 パントマイム風の動きを取り入れたりしながら ステージを右往左往と激しく動き回っていました。 その際にお腹と背中にスティックを何本もさしていて、 時折そのスティックでカウベルを叩いたり、 前からシンバルを叩いたりと大忙しです。 暴れ回っているため、勢い余ってスティックを落としても、 すぐに次のスティックを取り出せます! なるほどギタリストがマイクスタンドにピックをたくさんつける発想と同じだったんですね... と思っていたらそのスティックがタンバリンのストッパー としての役割まで果たしたのには笑いました! 激しい運動のたまものかチョッチョはとても若々しい体つきでした。 ぼってりとした文字通りお菓子屋さんの親父のような風貌のムシーダと同世代とは思えません。
チョッチョ以外のメンバーはいたって地味でした。 ムシーダはやはりアコースティック系のプレイがさえていました。 プレモリはメロトロンやPFM独特のシンセ音の使用が少なかったのがやや残念でしたが、 ルックスどおり!堅実な演奏でした。
最初のうち、歌はニュートロルスに劣るかな?なんて思ってましたが、 徐々に調子をあげみな声が良く出ていました。 やっぱりイタリア人は歌がうまいってことですね。
GGの影響を強く感じずにはいられないミスター9〜5時の ドラムロール部はフルートを使って欲しかったです。(キーボードでの代用が残念。) ヴァイオリンが大活躍するアグレッシヴなウイリアムテル序曲はやっぱり盛り上がります。
アンコールは甦る世界のイタリア語バージョン。 そして最後はやっぱりセレブレイション! その昔無謀にも自分のバンドで演奏していたのを思い出し「セ〜レブレイション!」と 気持ちよく歌っていたのですが、 中間部はイタリア語だったのでちょっとすかされました!... が、この名曲にPFMの全てが凝縮されているような印象を受け、 ラストを締めくくるに最もふさわしい曲であることを再認識しました。
プログレ系とは思えないほどの盛り上がり (特に一部熱狂的なファンがいて大騒ぎ!)によって、 PFMがプログレバンドとかシンフォバンドとかいう前に 素晴らしいライブバンドであることを証明したといえるでしょう。
大成功に終わったので問題ないとは思いますが、 またすぐに来日してくれることを期待したいと思います。


・SINERGY, ANGRA(2002.6.21 渋谷AX)

連日ワールドカップ開催で盛り上がる中、 なんとライブ当日はブラジル−イングランド戦が開催されるという事態に... (対バンがメイデンやジューダスだったら大変なことになっていたのでは?!) ライブの成功を考えブラジルを応援していたところ、 会場内で無事ブラジルが勝ったという情報を知りホッとしました。
ますは来日2回目となるシナジーが登場。イントロの後、 3rdのオープニングであるインパクト絶大の例のタン吐き捨てSE (実際にキンバリーがやってたら大騒ぎになってたでしょう!)でスタート。 キンバリーが登場した瞬間、前回同様また笑いが起きるのかと思いきや 今回はさほど笑いは起きませんでした。さすがにみんな慣れたのかもしれません。
久々にアレキシを見ましたが、やっぱりメチャクチャうまい&格好良いです。 チルボドと違って歌を歌う必要が無く、 ギターとステージアクションに専念できるせいもあってか、 余裕を持ってプレイしてるように感じました。 (でもこの余裕は愛するキンバリーが隣りにいたせいかも!)
しかしもう1人のギターであるローペもアレキシに全く負けていませんでした。 アレキシとの超高速ソロを完璧にハモりまくるなどテクニシャンぶりをみせつけてくれました。
しかしこのバンドの主役はあくまでキンバリーです、 お披露目といった感のあった前回来日時に比べ、 今回はステージング、ルックス!ともにさらにパワーアップ(増量!)しています。 この人は歌がどうこういうより、存在そのもの... エンターティナーとしての才能がずば抜けていますね。 ある意味メタル界の宝といって良いでしょう!
MCでは「日本チャチャチャ!」とかおどけたり、 ギターを取り出し弾く真似をしてその後ろでアレキシが高速ソロ弾きしたり (これぞ夫婦変則二人羽織ギター?) といろいろと楽しませてくれました。 このサービス精神にあふれた人の良さと愛すべきキャラクターに アレキシはやられたんでしょうね!
ただ終盤に観客を数人引っ張り出してステージに上げ、 一緒に盛り上がろうとしたのだけは失敗でした。 恥ずかしがりやの日本人はこういうの最も苦手なんだって!
一応3枚のアルバムからまんべんなく演奏されましたが、やっぱり BEWARE THE HEAVEN、THE WARRIOR PRINCESS、VENOMOUS VIXENSなどデビュー盤の曲の良さが 際立っているように感じました、 シナジー創立時の陰の立役者であるイェスパーの存在は大きいですね。
さて次はアングラです。 予想通り復活作オープニングを飾る、 UNFINISHED ALLEGRO〜CARRY ONクリソツ!のIN EXCELSIS〜NOVA ERAでスタート。
メンバー登場前は、シナジーの盛り上がりがすごかったので大丈夫かな... と少し心配していましたが、そんな心配を簡単に吹き飛ばすように、 演奏が始まった瞬間、みな暴れまくる歌いまくる!... みなパワーを温存してたんでしょうか? それぐらいシナジーを上回る圧倒的な盛り上がりをみせました。
しかし、シナジーのエッジの鋭い音に耳が慣れてしまったせいもあるのかもしれませんが、 音がもっさりして抜けが悪いのがとても気になりました。 それどころかギターソロは前面に出てこないし、 肝心のエドゥの歌は観客の歌声にかき消されて全く聴こえないし、 かなり音の状態が酷かったです。 観客はそんなことおかまいなしに盛り上がっていましたが...(笑)
SYMBOLS時代からエドゥの歌のうまさに惚れこみ、 アンドレより絶対に歌がうまいと思っていたのに、 エドゥの声が貧弱だったので、声量が無い?、本番に弱い?などと考え、 ちょっとショックを受けましたが、 演奏が進むにつれ、どんどん声が前面に出てくるようになり (どうやら最初の数曲は音のバランスが著しく悪かったようです。) やっぱりエドゥの方がうまいと感じ一安心。 表情豊かだし、高音も安定してひっくり返らないし... 素晴らしいボーカリストを手に入れたものです。 ルックスも格好いいし、もう言うこと無いですね。
ルックスといえば若干オヤジ臭くなってきたキコですが、 ギターテクニックは相変わらず冴えに冴え渡っていました。 間近で神業的プレイを拝めたのにはとても感激しました。
しかし今回はラファエルの素晴らしさにもかなり目を奪われました。 タッピングを多用したテクニカルなプレイなどは、 これまで全てキコが弾いていると思っていましたが、 ラファエルも多くの超絶ソロをなんなくこなしていました。 アコギでも綺麗な音を出していたし、歌もうまいし、 キコがいなくても十分バンドを引っ張っていけるだけの 実力を持っていると感じ、 ラファエルには失礼かもしれませんが大いに驚きました。
途中、なんと全員がラテン・パーカッションを担当 (ジェントル・ジャイアントもびっくりですね!)という サンバ・コーナー?!が用意されていて良いアクセントになっていました。 いつの間にこんな練習してたんでしょう? ブラジル人ならみな生まれながらにしてパーカッションは上手なんでしょうか? まるで新春かくし芸大会みたいでした。
終盤には、今回最も楽しみにしていた復活作の極みともいえるRUNNING ALONEが演奏されましたが やっぱり名曲ですね...とても泣けます。 ラストのエドゥのシャウトには大いに感動しました。
アンコールではNOTHING TO SAYなどでさらに盛り上がったあと メンバーが去りましたが、まだUNFINISHED ALLEGRO〜CARRY ONが演奏されていないので、 もちろん観客は全員臨戦態勢のまま! そして2回目のアンコールでとうとうUNFINISHED ALLEGRO〜CARRY ONが演奏されると、 観客全員が狂ったかのように絶叫し暴れまくってこの日最高の盛り上がりをみせ、 長かったライブは終了しました。
今回のライブが大成功に終わったのはワールドカップでのブラジルチームのおかげでしょうね。 ほんとブラジルが勝ってよかった〜!


・IL BALLETTO DI BRONZO(2002.9.14 吉祥寺スターパインズカフェ)

なんとあのイル・バレット・ディ・ブロンゾがまさかの来日! という情報を知ったあと、それなりに気になってはいたのですが、 当時のメンバーはジャンニ・レオーネ1人だけ (大体オリジナルメンバーは皆無!)だし、 そのジャンニ自体の活動もずっと耳にしていないし... こりゃ高いお金出して見に行ってもがっかりするだけだろうと思い、 もともと彼らのライブを見に行くつもりはありませんでした。
しかしライブ前日、ひょんなことから彼らのファン・パーティに参加。 そこでのジャンニのキーボード弾き語り (新曲、クイーンのカバー、そしてあのYSの抜粋などを熱演) に圧倒されたため急遽翌日のライブも見に行くことにしました。
ちなみに、このパーティではジャンニへの質問コーナーがあったのですが、 1つの質問に対しジャンニがやたらしゃべりまくって、 ほとんどジャンニ独演会みたいになってました。 しかしおかげでYSに対する知識を得ることが出来ました。 YSは「イプシロン・エッセ」と読む(昔のプログレ師匠からそう教わった!) のだと思っていましたが、「イース」と読むのが正しかったんですね。 またYSのコンセプトは 「戦争後に生き残った男が、目が見えなくなり、耳が聞こえなくなり、 喋れなくなり、コミニケーションがとれなくなって...」というような かなり悲観的なもの(うろ覚えなので少々間違いがあるかもしれません(汗)) だということもはじめて知りました。
結局当日券でライブを見に行くことになったのですが、 予想をはるかに上回る観客が集まっており 場内のいたるところに人が密集していて大変でした。 フラキン来日時ぐらいの入りを想像していたんですが 一体なんでこんなに人気あるんでしょう? きっとあのYSの魔力に魅せられたファンがたくさんいるってことなんでしょうね。
結局立見スペースの最後方に陣取り、 遠くのステージを背伸びして前の客の頭をよけながらちらちら見るといった感じの 劣悪な環境でした。 せっかく高いお金を払ってる (入場時「ドリンクは飲まないから、ドリンク代を別途払わなくてもいいだろ!」 と交渉してる人がいました(^^;))のですから全ての人が 快適にライブを見れるよう工夫して欲しかったです。
レオ・ネロ名義のソロは12年近く聴いていなかったこともあり、 ほとんど知らない曲ばかりに聴こえましたが、 恐らくそのソロ作と今回の来日公演のために用意された新曲が披露されていきました。
オルガン、ピアノ、シンセ...どれも神憑り的な指さばきです。 もちろん指のもつれなども無く、常に緊張感が漂っていました。 (どこかのカンタベリーのオッサンとは大違い? (←別に悪いと言うわけではありません、念のため!))
ジャズ/フュージョンをベースとしていることを感じさせるテクニカルなベース(^^;)と、 切れの良いハキハキとしたリズムをうみ出すドラムも ジャンニに負けじと奮闘していましたが、 やはり千両役者のジャンニとは格が違うようです!
そしてライブも後半に差しかかったところで、遂に観客全員が待ち望んでいたと思われる 伝説のYSがスタート。出だしの部分はどうするのかと思っていたらテープを使っていました。 バックのスクリーンに スライド映像で当時の写真(若き日のジャンニはめちゃくちゃ格好良く見えました!) やアルバムジャケットなどを次々と映し出すという効果的な演出の中、 独特の音色のオルガンが静かに流れると、 場内は荘厳な雰囲気に包まれました。 やはりYSは特別で神秘的なパワーを持った名曲であることを 場内の空気からひしひしと感じました。 前日のパーティーでYSのコンセプトを聞いていたので、 より一層曲にのめりこむことが出来ました。
YSはキーボードのみならずギターの比重もかなり高いと思っていたのですが ギターレスでもさほど違和感はありませんでした。 音色や展開の工夫、また迫力あるリズム隊の活躍も手伝って 見事に乗り切っていたといえると思います。 ただ中世的な雰囲気を醸し出していたチェンバロ音を多用しなかったのは残念でした。 ギターレスを補うために分厚い音を多用したかったのかもしれませんが...
ジャンニの声は衰えるどころかさらに甲高く、力強くなっていました。 もちろん年齢を重ねた分表現力は増しています。 きっと自己管理がしっかりしていて、向上心の強い人なんでしょうね。
ジャンニ本人がファッションなどを意識して若作りしている部分もありましたが、 ルックスだけでなく、演奏、パフォーマンス、感性...どれもが エネルギッシュで年齢を全く感じさせませんでした。 チープなロックスターのような動きを見せたり、 いきなり観客席にビラをまいたり、観客の顔にスタンプを押したり、 仮面のようなものをかぶって登場したり...といった意味不明で怪しい動きも含め、 まだまだ落ち着かずにトンガっているように見えました。 当時と変わらずいまだにトンガってるなんて凄いことです。
予想以上の熱演だったので、ステージが良く見えず、集中しにくい状態だったのが悔やまれます。 ああ前で見たかったな〜早く決断してさえいれば...


・JIMMY SMITH BAND FEATURING MARK WHITFIELD(2002.10.15 ブルーノート東京)

久々に本格的なジャズを見にいくということで 少々緊張気味にブルーノートへ向かいました。
ブルーノートは今回で2度目。前回は8年ぐらい前だったのですが、 そのときもジミー・スミスでした。 そもそもヴァーティゴやネオンのマイナー系ブリティッシュ・オルガン・ロックが めちゃくちゃ好きな私にとってジミー・スミスは特別な存在なのです。 もし彼がいなかったらオルガンという楽器が これほどポピュラーなものにはならなかったでしょうし、 AFFINITY、STILL LIFE、CRESSIDA、INDIAN SUMMER...達による オルガンロック名作も生まれなかったでしょう。
前回ハイテンションで入場してきたジミー・スミスにいきなり抱きつかれ 感激したことを思い出しながら会場入りしたら、 雰囲気が全く違っていてびっくり... いつの間にか改装して広くなっていたんですね。
最前列を希望し、ちょうどドラムのまん前に位置することができましたが、 いつものロックやメタルものと全く異なる客層や雰囲気に やっぱり緊張が解けませんでした!
演奏が始まり満を持してジミー・スミスの登場となりましたが、 なんだかヨロヨロとした足取りのためかステージにあがるまでに やたら時間がかかっています...こんな状態でしっかりとした演奏が出来るのかなぁ? と不安に思いましたが、いざオルガンの前に座って鍵盤に触れた瞬間 まるで別人...というより神に変身! オルガンの一音一音が心地良く、リズムの上をコロコロと自在に転がっていくようでした。
観客にブレイク時のカウントダウンを頼んだりするなど盛り上げ方も上手... さすがは百戦錬磨です。 途中「さくらさくら」のフレーズを盛り込む場面があり、 ちょっと前に見たイル・バレット・ディ・ブロンゾのライブで ジャンニ・レオーネがこの曲を歌っていたのを思い出しました。 やっぱり海外で日本の歌というと「さくらさくら」なんでしょうか? (荒城の月やスキヤキも有名でしょうけど。)
曲が終わるたびに普通のお爺さん(年齢を考えれば当然か...本人は74歳と言ってました。)に戻り、 やたらと長い間しゃべリ出す(疲労回復までの時間稼ぎ?)のですが、 カタコトの日本語と英語がゴチャ混ぜでモゴモゴと喋っているので、 内容についてはほとんど良く分かりませんでした。
ドラム&ベースが目の前の位置だったので、 かなりリズムが強化され耳に飛び込んできましたが、 この2人が生み出すナチュラルなリズムのおかげで自然と体が動いてしまいます。 生音ドラムはきもちいいですね... 繊細かつ大胆なスティックさばきを間近で見ることができうっとりしました。
ジミーと並んで今回目玉となっていたギタリストの マーク・ホイットフィールドはちょうど反対側だったのでほとんど見えませんでした。 ロック・バンドでは無いのでさすがにこちら側に移動することも無くちょっと残念でした。
とにかくジミーをはじめ演奏しているメンバー全員が気持ち良さそう... 観客以上に演奏を楽しんでいるように見えました。 ソロ回しの合図や掛け合いなどを目くばせで合図しているシーンはゾクゾクしました。
ジミーが高齢のせいかアンコールも無く、曲間のしゃべりも長かったので 実質の演奏時間はかなり短いものでしたが、 ジミーの神がかり的なオルガンが聴けただけで満足です。 改めてジミーとオルガンは一心同体であることを感じました。 きっとジミーからオルガンを取り上げたら一気に老けてしまうのでは? (でもオルガンを毎日弾き続けていたら120歳ぐらいは生きそうな予感も!...) 本物の中の本物を見れて本当に良かったです。


・21st CENTURY SCHIZOID BAND(2002.11.5 東京厚生年金会館)

月初かつ連休明けで問い合わせが殺到する恐れがある上、 廃盤フェア初日だったので当日は会社を休むことにしました。 (恐らく私と同じ考えで会社を休んだ方も多いのでは?) レスポンスの酷さにイライラしながら廃盤フェアで10枚注文後、 精神科に通院(まさに今回のバンドにピッタシ?)し、その足でそのまま会場入りしました。
1曲目はサックスが暴れまくるPICTURE OF THE CITY、 そして続けざまにCAT FOODとのっけからアグレッシブな名曲2曲が演奏されました。 普通ならここですっかり興奮状態に陥るところなのですが、 なんとなくステージと会場との間に温度差を感じ、どこか物足りませんでした。 極端な言い方をすれば、観客を放っておいて 淡々と決められたセットリストをこなしているような印象を受けたのです。
音のバランスもかなり悪かったようで、このままの状態で ライブが終わってしまうのだろうか...とちょっと焦っていたところ、 その後のマイケル・ジャイルズのソロ作のタイトル曲であるPROGRESSから見事に挽回! この曲はこの会場ではじめて聴きましたが、 まるでソフト・マシンの未発表曲みたいでやたら格好良かったです。 独特の間で入ってくるオカズや神経質な刻みはまさにマイケル・ジャイルズの真骨頂! フレーズだけでなく想像以上にドラミングが力強いのが頼もしかったです。 年齢的に最もキツい楽器だと思いますが、 いまだにこれだけ叩けるとは思ってもみませんでした。 また美青年だったイアン・マクドナルドの容姿がかなり変貌してしまったのに対し、 マイケルはさほど年を取ったようには見えませんでした。 もともと老け顔だったせいで今ごろ得をしているのかも!(笑) そしてジャッコのホールワース風ギターも大活躍。 64 SPOONSでかなりの才能を持ったギタリストだとは思っていましたが、 生で見てその凄さを再確認できました。 このPROGRESSのおかげでその後の演奏は全く問題なく楽しめました。 クリムゾンの呪縛から一旦逃れたおかげで自然体の演奏が出来たのかもしれませんし、 観客も夢と現実とのギャップを埋めることができたのかもしれません。 いつの間にか音のバランスもすっかり改善されていました。
終盤もしくはアンコールで演奏されるものとばかり思っていた宮殿では、 昔ライブで演奏し歌ったことを思い出し、 自然に口と指が動いていました。(といいながら歌詞はかなり忘れていましたが!) そのうち彼らの演奏とシンクロし まるで自分もステージに立ってるような不思議な感覚に陥りました。
意外だったのはLADIES OF THE ROAD... もともとスタジオ盤ではあまり印象の強い曲ではなかったんですが、 ライブではひときわ輝いていました。 今回のバンド編成にうってつけの楽曲だったと思います。 狂おしいサックス、重苦しいリズム、 そして時折織り込まれる良い意味でミスマッチなビートルズ風歌メロ... 普段メル・コリンズやイアン・マクドナルドが担当しているキーボードを ピーター・ジャイルズやジャッコが入れ替わって弾く場面もあり、 まるでプチ・ジェントル・ジャイアントのようにも感じました!
それにしても、ツイン・キーボード、ツイン・フルート、ツイン・サックス...と場面に応じた 様々なバリエーションを、歴戦の強者であり超実力派の2人が担当しているのは反則モノです! おかげでどの曲もスタジオ盤に比べ、静と動の格差が激しく増大していました。 中でも風に語りてのツインフルートの比類なき美しさは この世のものとは思えませんでした。 本当に泣きそうになりました。
ジャッコの歌はグレック・レイクをかなり意識していたと思います。 ただ風に語りての歌い方はちょっと戴けなかったですが... (I TALK TO THE "WIND"のところの歌いまわしがあっさりし過ぎ!... 原曲を死ぬほど聴いているのでちょっとした違いも気になってしまうんですよね。) フリップ特有の丸っこいフロント音を多用せず、 エッジの鋭い音を多用していたのは、ジャッコのギタリストとしての プライドの表れかもしれません。
エピタフの後のアンコールではマクドナルド&ジャイルズのバードマンの抜粋... 無限への広がりを感じさせるような壮大なアレンジでした。
そしてラストを飾るのは21世紀の精神異常者!... 最後の力を振り絞ったかのようなキレまくった演奏は圧巻でした。 いやはやこの曲を21世紀に生で聴くことが出来るなんて全く想像できなかったです。 でもここまでやったらついでにムーンチャイルドもやって1stをコンプして欲しかったなぁ。 (贅沢過ぎ?)
後ろ向きだという意見もあるかと思いますが、 個人的にはフリップが在籍する現クリムゾンのパフォーマンスよりも 断然楽しめました。(ライブは難いこと抜きにして楽しんだもの勝ちでしょう!)
私が17歳の誕生日に出合ったがために人生を変えられてしまった、 32年前の奇跡ともいえる「クリムゾン・キングの宮殿」は、 決してフリップの才能だけではなく、優れた個性が集結したからこそ 作り上げられたものだということを 改めて知らしめる公演だったといえるでしょう。 素晴らしい時を過ごすことが出来て本当に幸せだったと思います。


・BIKERIDE, MELLO CADS, RIVIERA, LINUS OF HOLLYWOOD(2002.12.23 恵比寿ザ・ガーデンホール)

12/23は私の誕生日!...いつもなら年を取ることで かなりブルーになっているところですが、 今回ばかりは嬉しくて仕方がありません。
良質のポップ作品を輩出し続けるフィルターレコード開催のフィルターナイトに、 好きで好きでたまらないポップ神、ライナス・オブ・ハリウッドが バンドを引き連れて来日。 しかも普段なら1万円払ってでも見にいくところを、 フィルターレコードのCDを買いまくりキャンペーンに応募した結果、 招待券が見事に当選...
これはライナスから私への誕生日プレゼントだと勝手に解釈して 当日は浮かれまくっていました。おかげで、会場に向かう途中、 恵比寿ガーデンプレイスにたむろするうざったいカップル軍団も 全く気になりませんでした!
立見の最前列ほぼ中央を確保し、宣伝ビデオを見ながらしばらく待っていると メロ・カッズの謎の男であるデヴィッド・ポナックが登場し、 ブロードキャスターの外人コメンテーター並み!の流暢な日本語でMCを担当。
デヴィッドのルックスの格好さと日本語のうまさに驚いているうち、 トップバッターのバイクライドが登場。 アメリカの田舎町にいそうななんとなく垢抜けないルックスでしたが、 ちょっと捻りをきかせながらもハツラツとした元気の良い演奏を続けていきました。
様々なタイプの曲があったので一概にはいえませんが、 なんとなく初期XTC+チープトリックみたいであり 曲を知らなくてもなかなか楽しめました...
しかし会場に詰め掛けたフィルター好きのオシャレなポップスファンにとっては 音楽性がちょっとロック寄りでハード過ぎたかもしれません。 おかげでステージと観客との間の空気が異なり、その分盛り上がりに欠けたようにも感じました。 最後にメンバーが配ったバンド特製バッジは最前列にいたおかげでゲットできました!
2番手のメロ・カッズはライナスつながりでCDを聴いており、 ソフトロックをルーツに持った音楽性とデヴィッドのキャラクターに かなり期待していました。
冗談で「トラの毛皮が敷かれたセットがあって、ガウン着て、ブランデー片手に出てきて ソファーに横たわって歌うんじゃないか?」なんて想像していましたが、 そんな想像を軽く上回る世界が次々と繰り広げられていきました!
なんと両脇に踊り子として白人&日本人美女をともなっての登場! 衣装もガウン、純白スーツ、パジャマ(+犬スリッパという徹底ぶり)と、 曲によって何度も着替えていました。
大切な曲と紹介された「○ープランド」 (デヴィッドぐらい格好良かったら行く必要ないのでは?... ん、もしかして踊り子さんたちは○ープから現地調達したんじゃないんだろうなあ!)を 始めとしたアルバム曲にバカラックのカバーなどを交えて演奏(というよりもショー)が 進んでいきました。 しかしデヴィッドよりも、目の前の吉野紗香似の踊り子さんが とてもなまめかしく踊るので気になって仕方が無かったです。 何度も目が合って恥ずかしくなっちゃいました!
演奏面では、トランペットの出来るギタリストをはじめ実力者が揃っていましたが、 ベースを除いて皆かなりおやじ臭いルックスでした。(デヴィッドを目立たせるため?) 途中のメンバー紹介ではじめてベースがライナスであることを知り、 イメージとの違いにちょっとびっくりしました。(かなりゴツかった!)
曲が終わるたびに毎回「あ”〜っ」とオヤジくさいため息をつきながら、 愉快な日本語MCで観客をぐいぐいメロ・カッズ・ワールドに引きずり込み、 場内は異様に盛り上がっていきました。
そしてラストでは、デヴィッドがクライマックスで切なく絶唱し力尽きて倒れこみ、 曲が終わったかと思いきやまた演奏がスタート、 心配そうな踊り子2人に支えられやむなく起き上がり、 なんとか残った力を振り絞って絶唱しまた倒れこんで、 曲が終わったかに見えてまた演奏がスタート... みたいなやりとりを何度も繰り返して場内は大爆笑! まるで昔のビジー・フォーや笑パーティーを見ているようでした!(古〜)。
デヴィッド・ポナックという男の持つ才能と魅力を存分にみせつける 練りに練られたゴージャスなエンターテイメントぶりはとにかく見事でした。
3番手のリヴィエラは、メロ・カッズの異様な盛り上がりの 後だったこともありステージはシンプルで地味に映りました。
特に妹は座ったままで動きが少なく目立ちませんでした。 唯一兄がちょこちょことは動き回っていましたが、 どうやらとても恥ずかしがり屋みたいで、観客と目を合わせず はにかみながらギターを弾き歌っているように見えました。 観客へのアピールもあまりありませんでした。
ずっとそんな感じだったので、 「魅せる」という意味ではライブ慣れしていないようにも感じましたが、 肝心の演奏自体はとても本格的!特に兄のギターテクニックは相当高度でした。 ピックをほとんど使わずエフェクトも最小限にとどめていましたが、 その分繊細なニュアンスやアクセントが音にしっかりと表れていました。
ピチカート・ファイブ+カーペンターズ+カーディガンズ にボサノヴァなどの多彩な音楽性を加味し、 さらにヨーロッパ的なエッセンス(ドイツというよりはスウェーデンやフランス風な 匂いを感じました)で香り付けしたようなサウンドはさわやかで心地良いです。 今最もオシャレな音では無いでしょうか? (これはもう「渋谷系」を通り越した「恵比寿系」と呼べるのでは?!) 後藤敏昭のグルーヴ感のあるサポートも的確で違和感は全くありませんでした。
そしてようやく大トリのライナスが登場。 楽曲から想像していた繊細なイメージとは随分異なる体格の良いルックスはまだしも、 何故かサクソン!のTシャツを着ています。一体何考えてるんでしょうか? 想像と実物とのギャップはさらに大きくなりました!
しかし一旦演奏が始まると、アルバム以上にあたたかい歌声でやさしく包みこんでくれます。 SAY HELLO TO ANOTHER GOODBYE、HEAVENLY、 NICE TO BE PRETTY、BUILDING A SHIP、TO BE A GIRL... この世のものとは思えないぐらい美しいメロディばかりが 自分の目の前で披露されていることが夢のようで、すぐには信じられませんでした。 全く身動きが全く取れなくなり、何度も涙があふれてライナスがぼやけて見えました。
それなのに曲が終わるたび、傍らに置いてある謎の日本語メモを1枚ずつ読み上げ 「ミンナノヒザニスワッテモイイデスカ?」、「ワタシノフトモモヲモンデクダサイ!」、 「オチャクンデコイ!」など訳わからんことを言って笑わせ、 すぐに現実に引き戻してくれます。(このメモ書いたのはデヴィッドじゃないかな?) またそれだけではなく、 いきなりヴァン・ヘイレンの有名なライト・ハンド・フレーズ (これよく練習したな〜)や、メイデンのトゥルーパーを弾いたりと、 曲中と曲間のギャップは2億光年!... 実際のライナスはこんなお茶目な人だったんですね。
バンドメンバーの演奏も素晴らしいものでしたが、 中でもダイナミックなドラミングが良かったです。 ライナスの魂を心の底から理解していないとあれだけ心のこもったドラムは叩けないでしょう。
あっという間にライナスの時間も終わり、長かったパーティーも終わりかと思いきや 最後はデヴィッドの仕切りによって、出場者全員が総登場し、 彼が作ったというポップなクリスマス・ソングで楽しく幕を閉じました。
フィルターレコード万歳!...最高の誕生日&クリスマスプレゼントをありがとう。
ものすごく素晴らしいイベントだったからこそ、 観客が少なめだったのだけがちょっと勿体無く感じました。 フィルターレコードにはこれまで以上に頑張ってもらって、 この素晴らしくポップな音をもっと多くの人に広めていって欲しいと思います。 もちろん来年もフィルターナイトを実施よろしくお願いしまっす!



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