ライブ・レビュー (1998)

1998年に見に行ったライブの感想です。



1998.1.10 DREAM THEATER 横浜ベイホール
1998.6.25 HELLOWEEN ゆうぽうと簡易保険ホール
1998.6.27 SYMPHONY X 川崎クラブチッタ
1998.9.27 筋肉少女帯(80年代の筋肉少女帯) 渋谷ON AIR EAST
1998.10.3 BLIND GUARDIAN 新宿リキッドルーム
1998.11.16 ARCH ENEMY 新宿リキッドルーム
1998.12.5 ANGRA 東京厚生年金会館



・DREAM THEATER(1998.1.10 横浜ベイホール)

ベイホールなんて、全然聞いたことなかったのでちょっと不安だったけど 中に入ってるみると、せまいし、ステージが近いし、なかなか良い雰囲気。
1曲目からいきなり、最新作で一番やってほしかった 最高傑作LINES IN THE SANDが演奏され、 あまりの格好良さに卒倒しそうになった。
その後も最新作から、様々な曲が演奏されたが 今までの曲と比べて、かなりおとなしめの曲が増え、またバラエティ豊かになったなぁ との印象を持った。
特にHOLLOW YEARSの美しさなんか絶品ものだった...
...ていいながらJUST LET ME BREATHEみたいな超絶曲もちゃーんと120%再現してるんだけど。 (この曲の中間部ギター&キーボードバトルのリズムは、 ほんとわけわかんなくてかっこいい)
個人的には、新作の中からは、ANNA LEEもやって欲しかった。
過去の作品からは、
ライブ映えのするUNDER A GLASS MOON
おなじみPULL ME UNDER
やらないわけがないTHE YTSE JAM
など、選曲も素晴らしかった。
アンコールのラストはMETROPOLIS PART 1で締めてくれるし。
全体的な印象だが、とにかく全員バカうま!
もちろん今までのライブビデオで、 各メンバーのテクニックのすごさはわかっていたが...
今回初めて目にしたデレクのキーボードもすごかった。 歪み+モジュレーションをきかせた 自己主張の強い、かなりくせのある(見た目のキャラクター通り?)音で ギターに負けず、目立ちまくっていた。 (最後は歌まで歌っちゃうし...)
トータル的に見て、今まで見てきたライブのうち 一番印象に残る、大満足の完璧なライブでした。
やっぱり、ライブはこういうせまいスペースじゃないと...
(東京ドームなんて、誰が何やってるのか 全然分からないし、音が反響しまくって、全然乗れないし...)
ライブって臨場感が大事なんだなぁ、と改めて感じた夜でした。


・HELLOWEEN(1998.6.25 ゆうぽうと簡易保険ホール)

イントロとして予想通り、新作の1曲目 DELIBERRATELY LIMITED PRELIMINARY PRELUDE IN Z が流れる。
この曲の出来映えは、過去のアルバム1曲目(序曲)と比較しても一番ではないだろうか? こんな曲を書いてしまうウリはすごい...
等と考えてるうち、いきなり EAGLE FLY FREEとDR. STEINの2連ちゃん攻撃!
観客も一気に大興奮....のっけから反則だよ、こりゃ...
マイケル・キスクと比べて、アンディの歌は... 等と考える余裕もないまま、興奮して頭振って あっという間に、この2曲は終わってしまった。
この後は、新生(復活?)ハロウィンの 過去3作からのシングル曲を中心に、佳曲、名曲が 次々と演奏されていく...
I CAN、SOUL SURVIVOR、WAKE UP THE MOUNTAIN、WHERE THE RAIN GROWS、WE BURNなどなど...
こうして続けて聴くと、名曲の多さに改めて驚かされる。
TIME〜THE TIME OF THE OATHの間の流れも絶品だった。
(THE TIME OF THE OATHはファンやメディアで何かと不評だが、アンディの声質にも ピッタリだし、とても格好良いと思う!... 大体、メンバーも気に入ってるみたいだし!)
あとは、新作の中でも特にお気に入りの ヘビーかつプログレッシブな PUSH、REVELATIONの2曲を演奏してくれたのがうれしかった。
どちらも速い速い!
REVELATIONは、決めのところが ちょっと揃ってないような気がしたが... まぁ、良しとしましょう。
今回目を見張ったのは、アンディの頑張りと ウリのドラミングの正確さかな...
特に、アンディは前回来日時、全然声が出ず、観客に助けられてた と聴いてたので、あんまり期待していなかったが かなり歌えていた。うれしい誤算!
相当満足行くライブだったけど、けちを付けるとすれば 終盤だれたことぐらいかなぁ。
アンコール前のPOWERの途中を観客に歌わせるとことか やたら長くて、観客も疲れてきてテンション落ちたし、 アンコール入っても FUTURE WORLD、HOW MANY TERASとか 演奏だれてるし 最後のツアーメンバー紹介なんか、いつまでやってんだよ! って感じだった...
それでも、全曲歌詞をちゃんと覚えて、 メンバーのおちゃらけにすべて 好意的に付き合ってあげる日本のファンは 偉い!偉すぎる!
またそういう根強い固定ファンを キープし続けている、ハロウィンは やはりすごいなぁ、と改めて思った一夜でした。


・SYMPHONY X(1998.6.27 川崎クラブチッタ)

一生見れないだろうと思っていた、SYMPHONY Xのライブ!
ハロウィンのライブで痛めた 首と腰をさすりながら待っていると THE DIVINE WINGS OF TRAGEDYの冒頭部分が流れ 会場が荘厳な雰囲気につつまれる。
そしてメンバーが出てきて 1曲目からOF SINS AND SHADOWS... 非常にありがちだが、格好良い流れ!
観客のテンションも初っぱなから大盛り上がり!... 前の方にいたので、押しつぶされるやら、突き飛ばされるやら
この曲が終わった時点で、 今回のライブを見る前、誰しもが考えていたであろう 「SYMPHONY Xライブできない説」 は、見事に打ち砕かれた!
とにかく全員ばかうま!、まさかこんなに弾けるとは
特にマイケル・ロメオのレガート奏法...
左手で一体どういうフィンガリングすれば あんなになめらかに音が出るんだろ...超高速弾きなのに...
ご飯をたくさん食べれば良いのか?...いやそんなことはないはずだ!(^^;)
ロメオは途中の曲で、ソロ中目を覆われながら 難解なフレーズを弾きこなすという芸?まで披露していた!
(これ、今回のライブのために、練習とかリハとかやったのかな?、なんか笑える!)
あとは、ドラマーが元のジェイソンに戻っていたのも 良い方に働いたかもしれない
(個人的に、ドラマーはジェイソンの方が合ってると思う... 1stあたりの軽めの音は好きじゃないけど...)
それから、ボーカルのラッセルがまた良い味だしてた。
なにかというと曲の決めで、手を突き上げる! (違いは手がグーだったり、パーだったりするだけ?)
もちろん、1曲の中でもいろんなスタイルで (ある時は情感豊かに、ある時は攻撃的に、ある時は汚く) 歌いこなす技術はかなりのものだった...
曲自体は、3rdと4thの曲が中心に演奏されたが、 賢明な判断だったのではないだろうか?
特に4thの曲が多かったが前作路線の延長上にある、 SMOKE AND MIRRORSもやったし
SONATA〜IN THE DRAGON'S DENの流れも良かった
THROUGH THE LOOKING GLASSは、ドリームシアターだし!
でも和音階が見事に融合されてない、アルバムラストを飾る迷曲! LADY OF THE SNOWは演奏しなかった、これも正解だったと思う。
しっかし、THE DIVINE WINGS OF TRAGEDY やるとは思わなかったな...
この曲は長いし、だれるんだよなぁと思ってたら 周りもテンションが落ちてて、笑ってしまった。
でも、あえてこの曲を演奏しきった プロ根性に拍手!すごいことはよーく分かったし!
そして、アンコール前の
SEA OF LIES
OUT OF THE ASHES
の2曲で、盛り上がりは最高潮!、 あまりの興奮度に、ほんと倒れるかと思った。
このバンドで一番キャッチー(良い意味で)でB級臭さを全く感じさせない 完璧な2曲をここに持ってくるとは...
選曲、曲順ともに大満足!またすぐ日本に来て欲しいなあ...
こんなにライブがうまいんだから 日本だけでなく、他の国でもライブをやらせてあげたい!
...あ、その前に本国でも作品出せるようにしないとね...
結局、興奮冷めやらぬまま勢いで、
翌日、ますます酷くなった頚痛、腰痛をこらえながら
お茶の水ディスクユニオンでの 握手会に参加してしまいました。
間近で見た、ロメオはやはりでかかった!
「キノウノライブ、サイコウデシタヨ!」とか英語で!言いたかったのだが いざとなったら何もしゃべれなかった...
前の女の子はメンバーに手紙を渡したりして、談笑してたというのに...情けない
ピネーラ、ロメオの2人と握手したが、 ロメオの手は思ったとおり、肉厚で、指も短かかった
どうしてあの手で、指であんなフレーズが弾けるのか不思議でしょうが無い...
と、その日はまだ痛みの残った首を傾げながら帰り、
家で、即
SEA OF LIES
OUT OF THE ASHES
を弾いてみたが、握手後だからといって うまく弾けるようになる訳がなかった。当たり前だ!


・筋肉少女帯(80年代の筋肉少女帯)(1998.9.27 渋谷ON AIR EAST)

なんと80年代の筋肉少女帯の再結成ライブである。
80年代の筋少には大きな思い入れがある。 当時、日本のロックシーンに全く目を向けず、 ひたすら海外のプログレ作品を聴きまくっていた自分にとって 例外的に聴き狂っていたバンドだからであり、 最初にメジャーでの1st「仏陀L」を聴いたときは度肝を抜かれたものである。
そのサウンドはギミック的要素が強いものの、 パンク、メタルだけでなく、 クラシックやジャズ、その他いろいろな要素を取り入れた 独自のプログレッシブなものであった。 例えるなら、パンク+メタルに ピーター・ガブリエル在籍時のジェネシスのような演劇性、 ドアーズのような詩世界、 キング・クリムゾンのような叙情性、攻撃性、前衛性 (三柴江戸蔵はキース・ティペットのようである)、 ELPのようなクラシカルな音世界、そしてお笑い!といった 様々な要素をミクスチャーした 独自のものといった感じか(ちょっと誉めすぎ!?)。
自分の意志で始めて見に行ったコンサートも筋少である。 1989.1.12(平成になったばかり)横浜市西公会堂、チケットは2000円であった。
当時のメンバーは筋少史上最強といえるラインアップであり 大槻、内田、太田の現メンバー+キーボード三柴江戸蔵、ギター横関敦であった。
恐ろしくテンションの高い素晴らしいライブであり、 大いに感動&興奮したのを覚えている。 それ以後様々なアーティストのライブを見てきたが このときほど心が高ぶることはなかった。
その後、サウンドの中核を担っていた三柴が抜け、 テレビ、ラジオへの露出度も大きくなり 大槻のカリスマ性も薄まってしまった後は 興味が薄れてしまった...
と、前振りがやたら長くなってしまったが、 今回の再結成にはあのときの感動と興奮をもう一度という特別な思いがあった。
当時と全く同じように 三柴のピアノソロで幕を開け、 髪の毛を切り山田五郎のようになってしまった大槻をはじめ、 メンバーが登場 過去の名曲、代表曲を次々と展開していった モーレツア太郎、夜歩く、最期の遠足、ノーマンベイツ、マタンゴ、日本の米、 その他インディーズ時代の曲も演奏された (勉強不足かもしれないが、今回初めて聴く曲もあった)。
全てがあまりにも格好良く、美しく、激しく まさに80年代の筋少がパワフルに再現され、卒倒ものであった。
特に超名曲!サンフランシスコ中間部での三柴の パイプオルガン音による荘厳な響きを聴いたときには 9年前と同様、「このまま死ねたら幸せ!」と思ったほどである。
今回はライブに備え全く予習していなかったが、 ほとんどの曲を脳が体が覚えていて、自分の歳も忘れ 自然と興奮し飛びはね首を振り叫びまくっていた。 (まわりの古くからのファンもきっとそうだったはず!)
途中、迷曲ボヨヨンロックを披露したのもうれしかった。
また大槻のMCも冴えまくっており、 「お前ら80年代の筋少を見たことがあるか?」と言われて 手を挙げたら、「お前ら30代だな!」(俺はまだ28だぞー)、 「お前らいまだに朝目覚ましにレインボウのキル・ザ・キング聴いてるな!」 と返ってきた、これには大爆笑。
また、猪木の引退の「この道を行けば〜」やら第一次UWFの濃いネタ(誰もわかんないって) を出していた、マニア魂炸裂、これには深く共感した。 ホントに大槻は他人とは思えない! (若い時代にクリムゾンやELPを聴きまくり、 格闘技マニアで、アイドルネタ、芸能ネタに詳しかったり、 エヴァにはまってたり、カウンセリング受けたりしてる...等々)
終盤、アンコールで演奏された 釈迦、いくじなし、孤島の鬼で最高に盛り上がり、 あっと言う間に幕を閉じてしまった(それだけ素晴らしかったということです)。
今回もとにもかくにも天才三柴の存在感に圧倒された (そうとう増量された体型にも圧倒されたが)。
もう三柴理(江戸蔵)の超絶プレイは2度とおがめないのだろうか... 今回の再結成を知らず、ライブを見れないで残念がってる人が 周りにたくさんいるし、 是非是非また企画、再結成してほしい...
帰りに先行発売していたCD「80年代の筋肉少女帯」を買って帰ったが その内容もとても良かった。
やはり、このまま終わりにするのはあまりにももったい無さ過ぎる
その後、帰宅途中、ものすごい量の汗をかいたまま、 脱水症状寸前と疲労で体が震えている状態で、 外の雨でびしょぬれになり、電車で冷房にあたり、 その後、1ヶ月近く風邪に悩まされることとなった...
今回こんな素晴らしい思いをしたのだから良しとするか...


・BLIND GUARDIAN(1998.10.3 新宿リキッドルーム)

風邪でコンデション最悪の中、なんとか新宿まで出て やっとこさリキッドルームへ到着(前日まで会社を休んでいた)したが 熱が下がらず、意識朦朧、最後まで持つのか心配だった...
予想通り、最新作NIGHTFALL IN MIDDLE-EARTHのオープニングWAR OF WRATHで 始まり、FINAL CHAPTERで幕を閉じるまで 新作の曲が多いのかと思いきや(INTO THE STORM, NIGHTFALL, BLOOD TEARS, TIME STANDS STILLなどが演奏された)、 過去のアルバムからの曲がやたら多く演奏された。
そりゃ観客も盛り上がるはずである。
VALHALLA, THE SCRIPT FOR MY REQUIEM, WELCOME TO DYING, IMAGINATION FROM THE OTHER SIDE, LOST IN THE TWILIGHT HALL... 気が付いたらブラガってこんなに持ち曲の多いベテランバンドだったのか... てな感じである。
2度目のアンコールでのMIRROR MIRRORで盛り上がりは頂点に達した。
アンコールで彼らの中で一番好きな曲 LORD OF THE RINGSもやってくれたのもとてもうれしかった。
古いファンとしては欲を言えば、MAJESTYもやって欲しかったな。
(となりでずーっと「MAJESTYやれ〜」と叫んでる人がいた、 わかるぞその気持ち!)
今回特に印象に残ったのは ハンズィの迫力あふれるボーカルである。 ボーカルに専念したのは大正解でしょう。
あとは観客のコーラスのすごいこと! コーラスパート以外もずーっと歌ってる人までいるし (「Tokyo Tales」からある程度予想はしていたが、 皆さんこれほどまで徹底しているとは思わなかった) まさに観客もバンドメンバーの一員(コーラス担当)と言った感じ。 時々は観客のコーラスがあまりにもでかすぎて ハンズィの声も、演奏も聞こえなくなるほどだった!(^^;) ブラガのファンはほんと偉い。
周りがほとんど歌っているので、 ある程度、ブラガのファンじゃないと(歌えないと) 取り残されたような感じを受けるだろう... 初心者のファンにはちょっときついかもしれないな...
かくいう自分も、もうちょっと歌詞覚えておけば良かったなぁ とちょっと悔やんだ。
それまでずーっと風邪で寝込んでいて、 当日も熱があり、喉も痛くて声が出なかったのだが コンサート終了後にはすっかり声が出るようになり元気になっていた。
音楽ってすごいなぁ、と思っていたのもつかの間 翌日からさらに状態がひどくなってしまい、 1ヶ月近く風邪ひきっぱなし...まぁ、しょうがない...
余談だが、今回のライブ前に予習として TOKYO TALESをテープに落とす際、 近くにあった90分テープに上書きしたのだが そのテープにはもともと「TOKYO TAPES/SCORPIONS」が入っていた。 偶然とはいえ、なんか不思議!


・ARCH ENEMY(1998.11.16 新宿リキッドルーム)

待ちに待ったライブである。 今回は立見&デスメタルなので、会社帰りにスーツで... なんてわけにいかず、会社を休むほど気合いをいれて臨んだ。
初のデス系バンドのライブであったが、 さすがにいつものメタル系バンドとは客層が違っていた。
デス/ハードコア系から流れてきたような暴れたい客と メロディック路線(ジャーマン、北欧!)好きで、 ユニオンのメタルコーナーにいそうなおとなしめの客 の大まかにわけて2パターンに分かれていたように思う。 (ちなみに自分は後者...)
前座バンドDEFILEDが出るのを知らなかったので、 DEFILED登場時一瞬盛り上がってしまった。 メロディックスタイルでは無いのでちょっと苦手だったが、 日本にもこういうバンドがいるなんて ちょっとうれしかったりもする。
DEFILEDは客の反応がおもしろかった。 ハードコア系の客は前で早くも暴れており、 メロディックメタル系の客はうしろで少しひき気味に見ていた!
DEFILEDの演奏が終わったあと、主役が出るまで整備に時間かかりすぎた。 BGMとしてレインボウの名曲群が延々とかかっていたから間が持ったものの ...KILL THE KINGも名曲だけど、 A LIGHT IN THE BLACKが最高に格好良いなぁ、 コージー惜しいことをしたなぁ...等と思っているうち、やっと主役が登場 登場するなり、LET THE KILLING BEGIN、BEAST OF MAN、EUREKA が休む間もなく演奏され、この時点で早くもノックアウトされてしまった。
文句なしに格好良い!
演奏も安定していて、汚くも美しく、 過激で泣けて、疾走感があって、重くて... これぞメロデスの1つの理想形である。
普段と比べ、やはり観客の盛り上がりは過激である。 前の方はがんがん暴れまくっていて、ちょっとひいてしまった。
でも曲間に「う゛おぉぉぉぉぉ〜!」とデス声で唸っている観客が 多数いたのには笑ったけど...
その後、かなりの曲が演奏されていったが、 今回個人的に一番やってほしいと思っていた DIVA SATANICAの疾走感はすごかった。 リズムの速さ、疾走感、切れ具合、過激さでは、この曲が一番際だっていた。
中盤に演奏された新曲も素晴らしかった。 従来より、メロディックな部分とアグレッシブな部分が、 より一層増幅されたような曲だった。 来年でる新作の曲だというが、大幅な方向転換は無さそうで安心、 これからも付いていくぞー!
アモット兄弟は根っからのギタリストなんでしょう。 ソロなどアルバムと変えて弾いていた部分がかなり多く目立った。
ワウの使い方とチョーキングが絶妙なウリ・ロートっぽい兄マイケル(ステージ左)と スウィープを多用し、高速クラシカルフレーズをばしばしキメまくる イングウェイっぽい弟クリストファー(ステージ右)のコンビネーションが絶妙であった。
その真骨頂といえるのが、本編、アンコール(1回目)のラストに持ってきた FIELDS OF DESOLATION、BRIDGE OF DESTINYの2曲! (ラスト付近にアルバムのラストのツインハモリがある曲 を持ってくるなんて、日本公演だから?...) 終盤の兄弟のハモリは絶品としか言いようが無い。
実際には、曲によって、ハモリのタイミングがあって無かったり エフェクトのエコー処理の仕方が甘かったり 2人のギターのバランスがあってないなど キメの甘い部分も多少気になったが、それでも十分満足! (数日前からドリーム・シアターの超絶ライブCDを聴いていたせいかも(^^;))
欲を言えば、BLACK EARTHやってほしかったな、 あとは、COSMIC RETRIBUTIONあたりも...まぁこれは アコギへの切り替え難しいから無理か?
アンコール2回目は、原曲よりも数倍速い!メイデンのACES HIGHの後 大ラストBURY ME AN ANGEL...これはやはりアーク・エネミーの魅力全てが つまった超名曲でしょう、大いに盛り上がりライブは幕を閉じた。
また来日したら絶対見に行こうっと!


・ANGRA(1998.12.5 東京厚生年金会館)

やたら長いオープニングインスト(今回のために用意された?)の後、 まずはWINGS OF REALITYで幕を開け、 一気に、LISBON, NOTHING TO SAYと続けて演奏された。
最近見に行ったコンサートは立見ばかりだったせいか、 当初観客がおとなしいように見えたが、 この3曲でみな体が温まったのか?雰囲気が徐々に良くなっていった。 (つかみはこの3曲でバッチリ!)
WINGS OF REALITYはライブの数時間前、 自宅でヤングギター10月号のスコアを見てコピーしてた (もちろん1/2ぐらいしかコピーできてないが...)ので、 1曲目からはやくもボルテージ上昇!
それにしてもアンドレ・マトスのインパクトはでかい... ヒラヒラ衣装、ハイトーンシャウト、 両手を広げて大げさに歌うさまなど見てるうち、 ジョン・アンダーソン(イエス)を思い浮かべてしまった。
ステージアクションもまた派手でマイクスタンドを 持ち上げたり、背中に抱えたり、くるくる回したりなどなど... とにかくマイクスタンドがないと落ち着かないといった感じである。 そのため、スタンドの位置直しやら、マイクシールドのひっかかりほどきやら 裏方のお兄さんも大変...
前半のハイライトは ANGELS CRYそれも中間部(パガニーニのクラシカルパート!)でしょう。 鳥肌モノの格好良さである(その分クサいけど...)。 中間部演奏後、演奏再開するまで ブレイク時間をやたら長くとるところなどは心にくいばかりである。
後半のハイライトは、なんといってもCAROLINA IVでしょう。 曲を半分ぐらい演奏した後、リズム隊の各ソロや、 SILENCE AND DISTANCEなどに入り、 もう観客のだれもがこの曲のことなど忘れたころを見計らって CAROLINA IV後半部に戻る...うーん一本取られた... これぞライブの醍醐味、良く考えたなぁ...
キコのギターテクニックは予想以上にすごかった。 最近超絶系ギタリストといえば ルックス的に難のある人ばかりで(おデブ系、おヒゲ系など!...) 格好良いギタリストは貴重である。是非頑張って欲しい。
ソロではバッハのバロック曲を両手タッピング(スタンリー・ジョーダン風) で軽々と弾いてみせたのが印象的だった。 ほんとに様々なテクニックを持っているが 何をやってもうまい人はうまい... ソロのあとそのままSPEEDへなだれ込むところも格好良かった。
この後1回目アンコールラストでは メンバーがそれぞれ楽器持ち替えて(ボーカルはラファエル・マトスとコール!) ジューダスのLIVING AFTER MIDNIGHTを披露したが、 この曲自体がアングラらしさのカケラもない単純明快なロックンロールなので、 観客の反応はあまり良くなかったようにみえた... まぁこれはブラジル人の陽気な一面を垣間見たってことで...
2度目のアンコールのUNFINISHED ALLEGRO〜CARRY ONの流れで 盛り上がりはピークに達した。 そりゃそうだ、この曲やらなかったら暴動起きるでしょう! 観客のコーラスももちろん最大。 「SO CARRY ON〜」のところは事前に歌詞を覚えておいたので 気持ちよく歌えた(きっと、キーは高すぎてあってなかっただろうけど(^^;))
大ラストはなんと自分たちの曲ではなく、 メイデンのRUN TO THE HILLSであった。 (ジューダスの時と違い、こっちは結構盛り上がっていた!) アークエネミー同様、 ジューダス、メイデン両方をカバーしていたのは非常に興味深い。 ブリティッシュ2大巨頭の影響がいかに偉大かを物語っているといえるでしょう。
アングラの中でも1、2位を争うぐらい 格好良い究極のギターソロが光るZ.I.T.O.もやって欲しかったけど... まぁ、あんまり欲張ってもしょうがないか...
全体を通して感じたことだが アングラが他のバンドと一線を画しているのはキコのテクニックや アンドレのハイトーンボーカルだけでなく、 アンドレがキーボード(シンセ、ピアノ)を弾けることと、 独特のラテン系リズムでしょう。(NOTHING TO SAYなどは 客がどこで手拍子すれば良いのかわからず、 周りの手拍子がバラバラだったので苦笑してしまった。) これらのおかげで全体を通して起伏のある、彩り豊かなライブになったと思う。
曲によりハウるなど、少々問題があったが、 これだけのパフォーマンス、曲数、 しかも良く練られた構成だったので (ブラジル出身なので、構成などはさほど凝らず、 その日の気分でソロなどを変えて弾くぐらいだろうと思っていたが大間違い、 計算され尽くしていた。これはうれしい誤算。) とても満足行くライブだった。
98年のライブ納めがアングラで本当に良かった。



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