うつの症状が改善したおかげで、多くの作品を聴き、レビューすることができました。(前年から82%up!)
A.C.Tの新作がEPじゃなかったら1位にしていたんだけどなー。
日本にも良質な(クサい)作品がわんさかあることに気づいた1年でした。
ノルウェーの新鋭シンフォ・バンドによる2nd。 この泣きはすごい!...叙情派ファン必聴です!! CAMEL、KAIPAあたりをルーツに、 北欧らしい特徴あるメロディを織り込み、 母国語の響きを大切にした繊細なシンフォを作りこんでいるんですが、 一旦ギターにスイッチが入るとさあ大変... 泣いて泣いて泣き続けます。 特にラストは限度を超えていて... 涙が枯れるまで、狂ったように泣き続けています。 (アダージョ(コンチェルト・グロッソ1)のニコのソロが頭を過りました。) 同国の重鎮KERRS PINKをアップデートさせたといっても良いかもですね。 将来さらなる名盤を残せるポテンシャルを持っています。今後も要注目です! |
個人的にスウェーデン史上最高と思っているプログレ・バンド、アクトの新作。 5曲入りEPですが、内容が素晴らしすぎるので紹介することにしました。 このところヘヴィー化が進んでいて、 それはそれで格好良いとは思っていたのですが、 ここにきてまさかの原点回帰!... 彼らにしか作り出せない、 キャッチーでマジカルなメロディが完全復活しています。 そうそうアクトに求めているのはこういう音なんだよう!(2曲目、4曲目は神曲!) バンドがこの状態にあるうちに、一刻も早く 新作アルバムを出してほしいです。 |
これは素晴らしい!!
メロディを極限まで突き詰めた日本のメロコア・バンドの作品。 リリースからかなりの時間が経過していますが、 みずみずしく鮮烈なサウンドが容赦なく心に突き刺さります。 たまには普段聞かないものにも手を出してみるものですね... これだけメロコアにはまるなんて、20年ぶりくらいじゃないかな? (一時期BAD RELIGIONばかり聴いていた時期がありました!) 日本人の脳髄に直接訴えかけてくる「日本的」な「哀愁」を 強く押し出した演奏は中毒性があり、しばらく他の作品が聴けなくなりました。 どこかで聴いたことがあるような、 思わず口ずさみたくなるメロディばかりが詰まっています。 この音の良さが理解できるなんて、日本人で良かったなぁ... |
マイク・オールドフィールドを独自に解釈し、
和の要素を取り入れた美しい音楽を創造する日本の至宝、
アストゥーリアスの2nd。 みずみずしく透明感あふれるデビュー盤の流れを汲んでいて、 聴いているうちに心が浄化されていきます。 無機質なイメージが強いですが、ラストの大作で出てくる、 ロック色の強い展開には意表を突かれました。(こういうの大好き!) この時代を象徴するようなシンセの音色もツボです。 次に聴くのは3rdにしようかな、アコアスにしようかな、エレアスにしようかな... |
日本の音楽シーンに多大な影響を与えた偉大な名盤。 まだこんなにも素晴らしすぎる作品と出会えるなんて... 音楽を聴き続けて良かった!と久々に感動しました。 結構いろんなタイプの楽曲が収録されていますが、 格好良かったり、お洒落だったり、古さを感じることが一切ありません。 また、はっぴいえんどや山下達郎を強くイメージさせる場面が多くて 聴いていて思わず笑みがこぼれてしまいます。 商業的には成功しなかったようですが、 この作品の極めて高い音楽性に着目した、 前述のミュージシャン達の感性は凄いと思います。 1969年ってやっぱり特別な年なんだなあ... |
現在も幅広い活動を続けるブルガリアの多作多才のアーティスト、
コンスタンティン・ジャンバゾフが在籍した
メロディアス・ハード・プロジェクトによるデビュー盤。 果てしなくクリアーなメロディが延々と綴られていきます。 心温まるウェットなヴォーカルも、 うるさすぎる(←誉め言葉です)超絶高速ギターも、 素晴らしく、辺境色は皆無です。 あのNELKO KOLAROVとも交流があるのも頷けます。 ブルガリアって周辺国に比べて数は少ないものの、 内容の良いものがちらほらあるんですよね〜。 |
アメリカのポップ・アーティストによるデビュー・ソロ。 根っこはビートルズとクイーンですが、 その上に古今東西のポップス要素を多数散りばめていて 非常にカラフル&キャッチーです。 特筆すべきは、プログレ風アプローチが導入されていて、 随所で泣きのギターやメロトロンが 聴き手の心をぎゅっと鷲掴みにします。 プログレ・ポップ好きは是非聴いてみてください。 個人的には名盤だと思います。 (音は違いますが、BRYAN SCARYとか好きな人に 聴いてもらいないなあ...) 新作では、残念ながら方向性が変わってしまったようです... 是非是非この路線でもう1枚お願いします!!! |
数あるイタリアン・シンフォの名盤の中でも、
特別な輝きを放つ極めつけの神盤「受難劇」のリメイク&完全盤。 こりゃ参った...想像をはるかに超える感動の連続に、 頭がおかしくなりそうです。 (あれだけ感動した「スノーグースのリメイク&完全盤」って、 いったい何だったんだろう...) 若い頃、マーキー32号を片手に何度も聴き狂い、 脳に焼き付いたフレーズがなぞられることで、 感動が何十倍にも増幅されるのでしょうね。 演奏もアレンジも最高なんですが、とにかく歌が素晴らしすぎます。 |
デビュー盤がポップ・マニアの間でかなりの話題となった
PAUL STEELが在籍するピアノ・ロック〜パワー・ポップ・バンドのデビュー盤。 中心人物のMIKE LORDの才能もかなりのもので、 メロディを口ずさみたくなるすこぶるキャッチーな楽曲が集まっています。 フレッシュで疾走感のあるキラキラな演奏も素晴らしく、 幾度も胸がときめきます。 次作が待ち遠しいのですが、 その後どうなってるんでしょうね? (船頭が2人いると...ってな良くあるパターンだったら嫌だ...) |
ワイルドハーツを率いた天才、
ジンジャーによる渾身のパワー・ポップ作。 いわゆる「おもちゃ箱」的な作品で、 次から次へと予測不能な展開が続きますが、 ひたすらエネルギッシュでキャッチーです。 マニアックな捻りも効果的で、 何度もリピートしたくなってしまいます。 ジンジャー本人が全身全霊で 音楽を楽しんで表現しているのが伝わってきて 最高に共感できます。 他の作品もこれからのんびり押さえていくことにします! |
マレーシアのロック・アーティストによるメロウ極まりないソロ作。 隣国インドネシアのお株を奪うような、 甘く切ないメロディが溶けきれないほど 盛り込まれ、濃度と粘度がすごいことになっています。(個人的に大好物) 古い映画音楽風のアレンジ、自己陶酔的な歌唱、 男のロマンを感じさせ独特の雰囲気は、 まるでインドネシアのBEBI ROMEOのようです (←このたとえでピンとくる人何人いるのかな...) 彼が在籍しているバンドHUJANや、 本作をサポートしたメンバーが在籍するインドネシアのSOREあたりも そのうち押さえたいと思います! |
着実に活動を継続している
オランダの中堅シンフォ・バンドによる2017年作品。 彼らのアルバムを聴いたのは久しぶりなんですが、 あれれこんなバンドだったっけ?! ジェネシス〜ポンプ系を継承したキーボード重視のシンフォから、 メタリックなギターを押し出した 産業ロック〜メロディアス・ハード入りシンフォに変化しています。 オランダらしさも強化されていて、 カヤックやヴァレンタイン風の展開も出てきます。 (個人的にはこの路線変更は大歓迎!) 1曲目とラストは名曲でしょう。 今後アルバムを通じてこのクオリティが出せるよう、 さらなる成長を期待したいです。 |
マルタ共和国で結成され、現在はチェコ共和国で活動を継続する、
ややこしい経歴のメロディアス・シンフォ・バンドによる3rd。 前向きで明るくピュアなメロディが詰まった 感動的な力作となっています。 組曲をまとめあげる構成力、安定した演奏力も持ち合わせている 相当な実力の持ち主であり、次作のリリースが待ち遠しいです。 内容の割には評価も知名度も低過ぎでしょう。 I AM THE MANIC WHALEあたりが気に入ったシンフォ・ファンは必聴です。 |
ふわっと軽くてひたすら聴きやすかったデビュー盤が
楽しかったピアノメインのポップバンドによる2nd。 デビュー時のフレッシュさを維持したまま、 80年代風のダサさとオシャレさが同居したアレンジが強化され、 聴き応えが一気に増しています。 このサウンドを考えると「ゴールデン・バブルス」というバンド名は、 日本人のほうが感覚的にしっくりくるんじゃないかな。 BEN FOLDSが引き合いに出されることが多いですが、 MIKAやLA CASA AZULに近い部分もあるように思います。 彼らのヘナチョコ感は中毒性があるんだよなぁ... |
聴いてしまうのが勿体ないのと、
聴いているうちに気分が落ち込むのでは?
との思いからなかなか聴けなかった大名盤。 なんだ全然普通じゃないか... ビートルズの影をちらつかせながら、 本人の思いをそのまま音にしたような、 シンプルで美しい楽曲が並んでいます。 (余計なこと考えず、もっと早く聴いてりゃよかった!) 本人がすぐ近くで演奏している感じがして、 優しくおだやかな気持ちになりました。 二度と新作を聴けないのがつくづく残念です。 |
メタル・チャーチの中心人物、
カート・ヴァンダーフーフ率いる
アメリカン・プログレ・バンドによるデビュー盤。 カートの70年代アメリカン・プログレ・ハードに対する憧れが 一音一音からしっかりと感じとれる内容で、 シンセ、オルガン、メロトロンの主張が激しいです! まるでカンサスを超攻撃的に改造し、ド派手に仕立て上げたようなスタイルは、 パワフルかつスリリング...単純明快で格好良いです。 思っていたよりも数倍良かったので、 次作以降も「カート」に入れておこうっと! |
デヴィット・ボウイのジギーでスターダストな世界を再現した、
アメリカのインディーズ系ポップ・ロック・バンドの作品。 楽曲がかなり良くできているし、演奏も自然な感じで好感が持てます。 ワンダーミンツのメンバーも絡んでいるようで、 時折ソフト・ロック〜ピュア・ポップ的なアレンジが 飛び出すのが隠し味となっています。 隅々までマニアックなこだわりが感じられる ポップ・マニア向けの傑作です。 |
エイリオンで圧倒的な存在感を放っていた
天才マイク・ミルズ率いるオーストラリアの変態
ミクスチャー系バンドによる傑作。 プログレ、メタル、ハード・ロック、ポップス... 様々なジャンルを網羅して滅茶苦茶やってますが、 核となっているのはクイーンなのでとてもキャッチーです。 (とはいえ、ヴァレンタイン等とは対極に位置します。 ここまでクイーンを革新的に発展させた作品は他に思いつきません!) お遊びでザッパやツェッペリンが出てくるところも素敵です。 作曲力、演奏力、歌唱力...いずれも規格外レベルの とんでもないクリチャー(ほんとに人間なの?)といえるでしょう。 今後も売れることなど考えず、ちっちゃくまとまることなく 好き放題暴れまわってほしいです! |
すい星のごとく突如シーンに登場した、
ポップス界の救世主的バンドのデビュー盤。 多くの先人たちの知恵を盗みながらも、 斬新なアプローチで楽曲を組み立てています。 個人的には、ホワイトアルバムやサムシング/エニシングに 近い感触を感じました。(明らかに褒め過ぎですが...) ダダリオ兄弟の才能を考えると、 今後も名盤をハイペースでリリースしてくれることでしょう。 |
実力派声優さんの2ndアルバム。
細部まで作り込まれた1stが素晴らしかったので
2ndも入手してみました。 少し路線を変えたのと、末光篤が関わっていないこともあってか、 1stほどスッと入ってきませんでしたが、 筒美京平の王道アイドル路線、沖井礼二のシンバルズ路線、 さらには、大迷惑な7曲目、 ドント・ストップ・ミー・ナウな10曲目、 部屋とYシャツな13曲目...などなど、 いちいち書いていたらキリがないぐらい良いアルバムに仕上がっています。 声優の強みを活かし、場面場面でいろんな声を使い分けることで、 竹達彩奈自身の魅力もクローズアップされています。 次作も聴いてみようかな... |
アルゼンチンならではの叙情性に満ちあふれたデビュー盤で、
多くのマニアの心を鷲掴みにした
新鋭メロディアス・シンフォ・バンドによる待望の2nd。 本作もメロディアス・シンフォの名盤と言ってよい仕上がりです。 どうやったらこんなにも美しく切ないメロディばかり 思いつくんだろう... 繊細極まりない歌心、ノスタルジックな空気感とともに、 パステル調の音世界がゆるやかに形成されていきます。 音に身をゆだねていると溶けてしまいそうになります。 どうかバンドが存続して新作がでますように! |
近年映画が作られるほどマニアに愛されている
メンフィスのパワー・ポップ・アーティスト、ヴァン・デューレンが
かつて率いていたバンドの唯一作。 池上彰かよ!と言いたくなるバンド名ですが、 ヴァン・デューレンらしいミラクルなメロディと、 MTV全盛時を彷彿とさせるアレンジが 思った以上にマッチしています。 (1曲目はホール&オーツかと思いました。) ガッツあふれる歌唱も感情移入しやすくて良いんですよね〜。 ユートピアあたりが好きな方には是非とも聞いてもらいたい傑作です。 |
個人的にはシャウトとルール・ザ・ワールドの
イメージが強すぎるTFFが2004年に発表した作品。 本当にあのTFF?...こんなにも明るく丸くなったの... ピンと張りつめていた独特の空気感は消え、 めちゃくちゃ親しみやすいポップ作になっていますが、 メロディ、アレンジともに 練りに練り上げらていて完成度は半端ないです。 さすが天下を取ったバンドは一味も二味も違いますね。 ビートルズ、ELO、XTC、フロイド、スーパートランプ... 頭をよぎったのは全てイギリスのバンド... 彼らがイギリスのバンドであることを再認識しました。 こんな名盤作れるんだから、続編を是非期待したいです。 これでエンドなんて言わないでね。お願い! |
アメリカの究極かつ最早のビートルズ・クローンによる音源集。 当時アルバムを出せず2003年にようやくリリースされています。 これまで、数多くのビートルズ影響下バンドを漁ってきましたが、 彼らは明らかに一線を越えています。 特に2〜4曲目の流れは顕著で、 当時お蔵入りになったのは、天罰が下ったからではないか? と本気で思ってしまいます。 こんなにもクリソツな曲をわざわざ渡英してアビー・ロード・スタジオで制作し、 同時代(69年)に世に出そうと思うなんて、メンバーはメンタル強すぎでしょう! ただ、単なるクローンと切り捨てるには惜しい、 キャッチーで魅力あふれる楽曲も数多く収録されています。 嫌悪するビートルズ・ファンもいるかもしれませんが、 WE ALL TOGETHERやKLAATUが大好物な方なら絶対に押さえておきましょう。 私は後者なので本作は名盤だと思います! |
傑作「12 25」の出来栄えが素晴らしかったアメリカのクリスチャン・プログレ・バンドの作品。 スポビ〜ニール・モーズに通じる安定感のある温故知新的シンフォをやっていて、 力強いメロディとコーラスには大いに心を動かされます。 時折ヴァイオリンが出てくる場面はカンサスを想起させます。 信念がある音楽はやはり何かが違いますね。 ちなみに主要メンバーのBILL HUBAUERは、 その後ニール・モーズ・バンドに加入しています。(適任すぎ!) |
首都ウィーンが音楽の都と称されているものの、
目立ったバンド、アーティストが少ないオーストリアから、
かなりのポテンシャルを持ったシンフォ新人が出てきました。 まだ粗削りでもっさりしたところはありますが、 70年代の王道プログレ・バンドを丸呑みしつつ、 近年のフラキン、スポビ、マジェンタあたりをお手本とした 現在進行形シンフォの理想的なスタイルが貫かれています。 小刻みに展開が変化しますが、その一つ一つがメロディアスです。 メンバーはまだ若いようなので、今後大きな成長が期待できるでしょう。 こういうバンドはきちんと評価して育てていかないとですね! |
既に解散してしまった
スウェーデンの70年代回帰型プログレ〜ハード・ロック・バンドによるデビュー盤。 リリース時にちょっとしたレトロ・ロック・ブームを巻き起こした名盤でもあります。 上の前歯で下唇を強く噛みしめ 「ヴァ、ヴァ〜ティゴ〜!!」と絶叫したくなるような オルガンやメロトロンが鮮烈に耳に刺さりますが、 他のメンバーも音に相当拘っていることがすぐにわかります。 70年代初頭の熱気、凶暴性、抒情を うまく切り取り自分たちのものにしています。 ソングライティングも強力で、 聴き手をぐいぐい引っ張りこむ魔力を秘めています。 単なる模倣バンドと違い、魂がしっかり込められているのが良いです。 個人的にはマーティン・グリフィスっぽい マイルドなヴォーカルが気に入っています。 |
他の追随を許さない驚異的な泣きメロで多くのマニアを号泣させた
国産メロデス・バンド、SERPENTの後継バンドによるデビュー盤。 ギターをより前面に押し出し、アグレッシブ度が増しているものの、 メロディのクサさは期待通り半端ないです!... どうやったらこんなクサいフレーズばかり思いつくんだろう... 泣きに飢えているメタラーは絶対に聴いてみてください。 日本以外での評価はどうなんでしょう? フレドリック・ノルドストロームあたりにプロデュースして もらえたりするとうれしいのですが... |
国産メロデスのクオリティが格段に向上したことを
裏付ける最良の一品。 北欧メロデス風の冷たさや透明度は、 「北海道」の血によるものでしょうか... 初期イン・フレイムス、アーク・エネミー、チルボドあたりをミックスし、 理想的な形でアップデートさせたような スタイルで、1曲目からラストまでダレずに駆け抜けていきます。 順調に活動を続けているようなので、 次作以降もチェックしたいと思います。 |
インドネシアのガッツあふれる
ハード・ロック〜メタル・バンドのデビュー盤。 当時の同国の音楽シーンを反映していて、 70年代のプログレ、ハード・ロック色と、 80年代以降のメタル色が絶妙に混じり合っています。 (決してプログレ・メタルにはならないところがミソ!) レインボウの影響も強く、前年にGOD BLESSが発表したSEMUT HITAMと 同路線の内容です。 あ、本作もお家芸であるパクリをちゃんとやってくれてます! マニアの方は是非!(笑) |
他を寄せ付けない圧倒的な完成度を誇る傑作を
ハイペースで生み出し続けるロシアの怪物シンフォ・バンドによる2011年作品。 今回も期待を全く裏切ることの無い、 とことんクラシカルかつドラマティックに迫ります。 緻密な計算のもと様々な音色を何重にも重ねあわせた構築美に 満足できないシンフォ・ファンはまずいないでしょう。 安定感はメキシコのCASTと甲乙つけがたいです。 でも個人的にはしょぼいヴォーカルを変えてほしいなぁ... |
ワールド・ディスクの店内で流れていたのをキッカケに
入手したイタリアのプログレ・バンドの3rd。 世間では、ピッキオ・ダル・ポッツォが引き合いに出されたり、 アヴァン系ジャズ・ロックに分類されているようで、 個人的にはまず手に取ることの無い音なのですが、 自分にとっては、ポップでオシャレでカンタベリー入りで ひねくれ度も緩いのでとても気に入りました。 音楽は実際に聴いてみないとわからないということを 再認識しました。(当たり前ですが...) ネット試聴も良いですが、リアル店舗めぐりも 大切にしていきたいと思います。 |
ノルウェーのTOTOと称されるフュージョン〜AOR系バンドのデビュー盤。 とても新人バンドとは思えないプロフェッショナルな演奏、 プロダクションが頼もしいです。 ジェフ・ベック、ラリー・カールトンあたりをお手本にしたクロスオーヴァー、フュージョンに、 AOR、産業ロック、メロディアス・ハードを同居させたようなサウンドで、 当時の音楽シーンを切り取った贅沢な一品といえます。 フォーカス風の曲も入っているので、気になる方はチェックしてみてください。 |
アメリカの良質なポップ・バンドの作品。 良い曲とそうでもない曲の差が激しく、 曲数が多くてダレるところもあり、 いかにもインディーズらしいなぁ...と思っていたら、 デモやアウトトラックを集めたコンピものだったようです(笑)。 なるほどどおりで...それを考えるとかなり良いバンドだと思います。 他のアルバムを聴くのが楽しみになりました。 |
この時代の韓国らしさがぎゅっと詰まった
男性2人組デュオのデビュー盤。 同国のNEMESISを調べているときにひっかかり、 韓国まるだしなクッサクサなメロディに魅了され入手しました。 まともに聴いていられないような曲も中にはありますが、 ドラマティックに泣きまくるメロディを、 驚異的なハイトーンで歌い上げるバラードには 心を大きく揺さぶられます。 韓国もインドネシアも一昔前が良かったんだよなぁ〜。 |
スペインからまたもや面白いメタル・バンドが見つかりました。 本作は2ndになりますが、クイーンとドリーム・シアターを掛けあわせたような ユニークなスタイルを確立していて、 同国のDRY RIVERのお株を奪うような強烈な個性を持っています。 スペインらしい暑苦しいヴォーカルがくどいのなんの、 これまた良い仕事をしています。 意表を突きまくる曲展開も冴えわたっています。 |
いかにもロシアらしい怪物らしさで、
ところせましと暴れまわる、
アグレッシブなジャズ・ロック・バンドの作品。 旧ソ連時代(70年代)から活動していたとは思えない、 シャープでエキゾチックなパフォーマンスはスリル満点です。 アルバムタイトルとは真逆で、完全に「肉食系」ですね! もっと他にも演奏を聴きたいっ。 |
ムーン・サファリ、カヤック、クイーンに通じる
メランコリックなメロディ・センスを持った
フィンランドのシンフォ・バンドによる3rd。 1stに比べると、瑞々しさは残したまま、 アイデアは増え、表現力も増していて、成長した姿を確認できます。 ただし、ヴォーカルの弱さは改善されていないのが痛いです。 そろそろ新作を聴きたいところですが、そのときにはヴォーカル面を改善して欲しいです。 毎回、音とのつながりが感じられないジャケも要改善ですね! |
メタルコアのシンボル的バンドによる2016年作品。 一時期在籍したマイク・ポートノイの影響もあるのかもしれませんが、 すっかりプログレ・メタル化しています。 トップを走り続けてきた彼らだけあって、 ずっとこの路線を突き詰めてきたバンドのように、 質が高くずっしりと聴きごたえがあり格好良いです。 本作で新たなファンを獲得できると思いますが、 彼らに求める音とのズレを感じて離れてしまうファンのほうが 多いのでは?...とちょっと心配になってしまいました。 (余計なお世話ですが...) |
カナダはケベックの無名なフュージョン系ギター・トリオによる作品。 ジェフ・ベックに影響を受けながらも、それだけに留まらない プログレッシブな感性を持ったギタリストが結構な曲者で、 なかなか面白い演奏となっています。 土台となるリズム隊もしっかり主張していますし、 サポートでキーボードも入っているので、だれることなく聴き通せます。 大騒ぎするほどの内容では無いですが、埋もれたままにしておくには もったいない一品です。 |
イタリアのラウンジ系ユニットの作品。 古き良き60年代の映画音楽を彷彿とさせるような、 カラフルでおしゃれな音作りが耳をやさしく刺激してくれます。 「渋谷系」という摩訶不思議でマニアックなジャンルの底の深さを 感じとれる一品ともいえるでしょう。 オルガンがさえわたる「蜜の味」は名演だと思います。 |
イスラエルのメロディアス・シンフォ・バンドのデビュー盤。 なんとイスラエル・プログレ界の伝説的存在である、 SHEM TOV LEVIが参加し、透き通るような輝きを放つフルートを 流麗に奏でています。 (演奏技術は一切さび付いていません。) 全編インストなのでやや地味に感じられるところはありますが、 ほどよく楽曲が練り上げられ起伏もあるので、 最後まで一気に聴き通すことができます。 ラティマー風ギターもいい感じで泣いていて、 キャメルへの憧れを強く感じます。 TELEGRAFといいAPERCOといい、 イスラエルってなにげにCAMEL好きが多いですね。 |
日本で根強い人気を誇るパワー・ポップ〜ハード・ロック・バンドの
初期を代表する傑作2nd。 メロディの良さはもちろんのこと、 若々しい勢いがあるのが良いです。 半音ずつ上昇下降する彼ららしいメロディラインも 垣間見れるのがうれしいです。 ビートルズの他、ラズベリーズやチープ・トリックが 頭をよぎるのは彼らがアメリカのバンドだからでしょうね。 かなりメタル寄りのギターも華があって良い感じです。 |
のちに名プロデューサーとなる
テッド・テンプルマンが在籍していたことでも知られる、
ソフト・ロック・バンドの最高傑作。 某スーパーの影響で定期的にソフト・ロックを補充したくなるんですが、 今回は数ある名盤の中から本作をピックアップしました。 ひたすらドリーミーでノスタルジック!... 現実世界から逃避するにはもってこいの内容です。 世界中がこういう音楽であふれていたら争いは起きないんだろうなぁ... 極めつけはなんといってもドリフターでしょうね。 奇跡的な名曲・名演だと思います。 |
アメリカの風変わりなパワー・ポップ・ユニットによるデビュー盤。 80年代に結成されただけあって、 かなり多くの引き出しを持っているようで、 ELO+バッド・フィンガー+ビートルズ (やり過ぎて鼻につく人もいるかも)な1曲目に すぐさま心を奪われます。 その後、この曲を超えるほどでは無いものの、 良質なパワー・ポップ路線を基本としながら、 プログレ・ポップ〜ニッチ・ポップ風味を ちらつかせるなど、なんともマニア好みの作品となっています。 面白いので2ndも聴いてみようっと! |
とびきりイキの良いアメリカのNWOTHMバンドのデビュー盤。 打倒ENFORCER?と言わんばかりに、多くの先輩たちをリスペクトし、 疾走を続け、ピロピロとギターを弾き倒しています。 下手な小細工をせず、演奏に臨場感があるのが良いです。 メタルはやっぱりこうでなくっちゃ... キラーチューンは無いですが、 ヴォーカルとギターがしっかりしていると バンドは引き締まりますね〜。 |
ティモ・トルキとアンドレ・マトスをはじめ
メロスピ界のドリーム・チームとでもいうべき、
豪華すぎるスーパー・バンドによる唯一作。 関連バンドを並べると、ハロウィン、ガンマ・レイ、 ストラトヴァリウス、アングラ、ソナタ・アークティカ... あり得ないぐらい贅沢です!(メタル版UK?) メンバーが全盛期を過ぎていることもあり、 サプライズ的なものはありませんが、 前述した関連バンドのファンを裏切ることのない力作に仕上がっています。 (このメンバーで下手なものは出せないという思いはあったかもしれませんが...) もしバンドが存続していて、ライブで関連バンドの曲を演奏しまくったら、 ものすごく盛り上ったんだろうなぁ (で、本体の曲をやると盛り下がるという!(笑)) |
イギリスのマルチ・ミュージシャンによるシンフォ系ソロ・プロジェクトの作品。 全体的にはガーデンシェッドのイングランドを薄っぺらくした感じです。 聴き入ってしまう場面が多いですが、冗長な場面もあり、 まだまだムラがあるのがちょっぴり残念です。 とはいえ印象的なフレーズをいくつも作りだせる能力は持っているので、 精度が上がってくれば目の離せない存在になることでしょう。 バンドで活動しても面白いかもですね。 |
インドネシアのみずみずしい
ピアノ・ロック〜ポップ・バンドのデビュー盤。 インドネシアのお家芸である甘く切ないメロディ、 GITA GUTAWAにも通じるキュートでピュアな女性ヴォーカル、 躍動感にあふれ表情豊かなピアノが調和した見事な傑作です。 初恋を連想させる初々しさで胸がキュンキュンしてたまりません! 若さって良いですね。次作を聴くのをためらってしまいます。 |
世代的にどうしてもコマネチが浮かんでしまうルーマニアのシンフォもの。 バンド名はブチェジ山が由来なんでしょうか? 東欧ものにありがちな、閉塞感や重苦しさは一切無く、 軽快で聴きやすいシンフォ作となっています。 個人的にはボーナス曲(イスラエルのKAVERETっぽいピアノを主体とした、 ヒネリ入りポップ曲...ブライアン・メイも出てきます!)が大好物なのですが、 本編の内容も当然良いので、プログレ名盤紹介にも掲載します。 |
インドネシア・ポップス界を代表するアーティスト夫婦が手掛けた
大ヒット映画のサントラ盤。 サントラといっても、2人が在籍するPOTRETと MELLYのソロの中間に位置づけられるような内容で、 立派な音楽作品として十分成立しています。 この頃のMELLYは神がかっってますね〜。 他アーティストへの楽曲提供も含め、 すごいペースで楽曲を量産しているはずなのに、 どの曲もMELLYらしい耳に絡みつくようなメロディと しっとりしたパフォーマンスを堪能できます。 近年続編が作られているようなので、 そちらもチェックしたいと思います。 |
驚異的なポテンシャルを秘めたドイツの新鋭メタル・バンドのデビュー盤。 いわゆるジャーマン系では無く、 ずいぶん前に流行った超絶テクニカル+ネオクラシカル路線を 徹底的に追及しています。 目新しさはゼロなんですが、単純に懐かし格好良いです!! SYMPHONY X、ARTENSION、AT VANCE、TIME REQUIEM... といったバンドがせめぎ合っていた時代を知らない若い人には、 新鮮に聴こえるかもしれないですね。 完成度はものすごく高いです。 ヴォーカルがなにげにうまいと思っていたら イアン・パリーでした。まだこれだけ歌えるんですね〜。 |
最高のジェリーフィッシュ・フォロワーとして広く知られる
スウェーデンのメリーメーカーズのメンバー、DAVID MYHRのデビュー・ソロ。 アルバム発表は十数年ぶりだと思うのですが、 卓越したポップ・センスは全く衰えていません。 どの曲も煌めいています。(特に1曲目とラスト曲が秀逸!) むしろ充電期間の長さが、いいほうに働いているようにも思えます。 (アイデアをためこんでいたのでは?) 今後も順調に活動を継続してもらいたいと思っていたら、 既に2ndソロも発表されているようで一安心です! |
現シンフォ界を牽引するBIG BIG TRAINに在籍していたヴォーカリストのソロ作品。 フロイド&ELPリスペクトなオープニングからドラマが始まり、 歌を重視しながら、印象的なフレーズを随所に配備し、 起伏に富んだ内容で最後まで一気に突き進む 説得力にあふれたシンフォ作品となっています。 ゲストがうまくアサインされ、 みな要所要所で的確に仕事をこなしているのがポイントとなっています。 単なるヴォーカリストのソロと思わないほうが良いですね。 ニール・モーズのソロ作に匹敵する完成度だと思います。 |
衝撃的なデビューを飾った新世代の雑食系大所帯プログレ・バンドによる2nd。 A.C.T風のメロディアスな出だしに 意表を突かれましたが、すぐに本性をさらけだし 超絶ど変態ぶりを発揮していきます! 前作のとんがり具合を残しつつも、 挑戦を忘れず、さらに幅を広げているのがうれしいです。 やりたい放題に暴れまわっているような印象を与えながら、 各楽器が主張しあったり、調和したり、 計算され尽くし統制のとれた 見事なアンサンブルで畳みかけています。 あと、この手のテクニカル系バンドは大抵ヴォーカルが弱いんですが、 このバンドはやたら歌がうまいんですよね。一切欠点が見つかりません! 最近3rdも発表されたようでこちらも楽しみです。 (ただ醜悪なPRビデオだけは見ないほうが良いかも!) |
ベネズエラのシンフォ・バンドによる2nd。 さすがに近年のバンドだけあって、 楽曲も演奏も一定水準を超えています。 意外と器用なバンドでいろいろとスタイルを変えて攻めてきますが、 個人的には、ダントツでEL DIABLO SUELTO (ベネズエラ古典音楽の名曲)のカヴァーが気に入りました! 南米という個性をいかせる、 この路線を強化していってほしいなあ〜。 |
ブラジルの女性ヴォーカリストによる、
ハードでグルーヴィーな歌ものバンド作。 ブラジルを代表する名アーティスト達の過去の作品をとりあげ、 初期の椎名林檎的!なアレンジで蘇生させているのですが、 これがえらく格好良いです。 のたうちまわる極太ベース、 燃えたぎるギター、 切れまくるドラムが絡みあった演奏を、 南米独特のパッションを携えた粘りのあるヴォーカル (女優でもあることから表現力が半端ない!) がぐいぐいと引っ張り、音を束ねていきます。 近づくと火傷しそうなヒリヒリ感もたまりません。 特にアルバムタイトル曲はスリリングです。 ひさびさにスタジオ入って爆音を出したくなりました!ブラボー! |
メガデスらしさが全て詰まった歴史的名盤であるデビュー盤をリミックス、リマスターし、
ボーナス音源を多数追加した究極進化盤(2018年発表)。 33年間の技術力の進歩のおかげで驚くほど音質が向上し、 若かりしムステインの近寄りがたいデンジャラスなオーラが、 ビンビン伝わってきます。 ありったけの怒りや憎しみを音楽にぶつけた姿が生々しいです。 これが本来の姿だったんですね。殺傷能力はメガデスからギガデスにアップしています! 既にデビュー盤を持っている人も買い直すしかないですね。 (個人的には「地下の怪物」的な雰囲気が漂う、 もとの音質も嫌いじゃないです) ムステインの早期回復を期待したいと思います。 |
フィンランドのプログレ・バンドが残した唯一作。 当時のメジャーなバンドに影響を受けることなく、 独自の世界を切り開こうとする硬派な姿勢が音に表れています。 ヴァイオリン、オルガンを中心とした のんびりとした歌もの(母国語の響きがユニーク!)と思いきや、 ハード・ロック〜ジャズ・ロック風の 盛り上がりをみせたり、なかなか正体が掴みづらいです。 のちにクラシック界で成功するメンバーも在籍しているとのことですが、 本作が黒歴史的な扱いになってたら嫌だなぁ!(笑) |
ドラマティックでシンフォニックなイギリスの新鋭メタル・バンドのデビュー盤。 いかにも壮大な作品のように思えますが、意外にもコンパクトにまとめられているので、 構えることなくさらりと聴けるのが良いです。 勇猛で男らしいヴォーカルがパワフルな演奏を従えて 聴き手にがんがん迫ってきますが、 ヘヴィ過ぎず、クサさも適度...やり過ぎることの無い、 絶妙のバランス感覚を持っています。 面白味という意味では弱いけど、 次も聴いてみたくなる内容です。 |
ずば抜けたセンスと安定した表現力でシーンの先頭を走り続ける
アメリカの名シンフォ・バンドによる12年作。 これまでと同様、潤沢なアイデアを持ち込み、 楽曲重視でじっくり練り上げた貫禄の内容です。 押さえるべきツボは押さえ、 無駄なものは躊躇なくそぎ落としているので、 繰り返しリピートしても、つど新たな発見があります。 今回はGGのGG(ジェントル・ジャイアントのゲイリー・グリーン)が参加 したこともあってかエコリン度が高い印象です。 毎回書いている気がしますが、なぜ人気が出ないんでしょう... 即効性という点で弱いからなのかな? |
ジェリーフィッシュの遺伝子を受け継いだポップ・バンドの3rd。 ギターがメインの至ってシンプルなパワー・ポップで、 すぐに飽きがきそうなんですが、 青春まっしぐらな楽曲と、その楽曲にマッチした声質、歌唱が心地良いので、 ついつい繰り返し聴いてしまいます。 この時代って、彼らのような極めての質の良いパワー・ポップ・バンドが ひしめき合っていましたよね〜。 またこの手の音楽が盛り上がらないかな。(歴史は繰り返すはず!) |
ドイツの中堅クリスチャン・メタル・バンドの4th。 本作も安定したB級感が全体を支配していて実に和みます!。 コストと時間をかけず、品質もそこそこの ジャーマン・メタル(チーパー・メタル?!)なんですが、 シンプルな分、メロディのクサさを際立たせることに成功しています。 個人的には意外と演奏にガッツがあるのが気に入っています。 本作も楽曲によりクオリティにばらつきがあります。 バーニング・ハートは一酸化炭素中毒になりそうな感じだなぁ... |
傑作ENIGMAにより、「南米のA.C.T」(←勝手に呼んでます!)
としての地位を確立した、ブラジルのプログレ・バンドの2nd。 ENIGMAを発表する7年前ということもあってか、 あらゆる面で発展途上です。 本作を先に聴いて「ダイヤモンドの原石」と気づく人はほとんどいないでしょう。 ただ存在感をあるベースや、くせのあるヴォーカル、 意表を突く切り返しなど、個性的なサウンドではあり、 この後彼らがどのように成長し、次作につなげていったのかを 考えると結構楽しめます。 早く新作を出してくれ〜。 |
一部のメロスピマニアから熱狂的に支持されたデビュー盤から4年、
満を持して発表された、スペインのメタル・バンドによる2nd。 音楽性、パフォーマンス、プロダクションが格段に進歩し、 王道メジャー・バンドに肩を並べる仕上がりとなっています。 これだけはっきりと成長が感じられる例も珍しいです。 1stのメロスピ系なクサさを保持しながら、 さらにテクニカル&様式美系(SYMPHONY X風)のクサさもカバーし、 あり得ないレベルのクサみを味わうことができます! 成長と引き換えにクサさを失うバンドが多い中で、 これは稀なケースだと思います。 やっぱりスペイン語ヴォーカルは気合が入りますね〜。 DARK MOORの2ndに並ぶスパニッシュ・メタルの名盤といえるでしょう。 |
ウクライナの辺境メロスピバンドによるデビュー盤。 ロシア民謡の影響を感じさせる爆クサなメロディを導入し、 バカの一つ覚えのようにドコドコと爆走し続けています。 ワンパターンで、仕掛けも少なく、飽きやすい内容ではありますが、 その筋のマニアの心をとらえて離さない 辺境B級メロスピのお手本のような貴重な一品と言えます。 プロダクションのもっさり感もマニアには隠し味になっちゃんですよね〜。 2nd以降はどんどん垢ぬけちゃうんだろうなあ。 |
マーキー31号のアメリカン・プログレ特集で目にした時から
ずっと聴きたかった幻の一品。
(CD化された際に破顔し即入手しましたが、
勿体なくて温めていました) 期待が膨らみすぎたせいか、感動は薄めでした(笑)が、 マニアなら大いに共感できる、 プログレへの愛情がたっぷり注がれた傑作です。 まるでイエスやEL&Pに憧れていた少年が、 誕生日にシンセやメロトロンを買ってもらい、 楽器をいじり倒しているような熱情が微笑ましいです。 プログレ名盤紹介にも掲載します。 |
バークリー音楽大学出身の凄腕メンバーが結成した
新世代のプログレ・フュージョン〜テクニカル・インスト・バンドの2nd。 人間業とは到底思えない超絶技巧がすさまじいのなんの... 聴いていて呆れるというか、ここまでくるとちょっと嫌になるというか...(笑) 各人が奏でる多大な音符の絡み合いに悶絶しまくりです。 ジャンルは違うものの、どこかドリーム・シアターらしさが感じられるのは、 大学のカラーなんでしょうか? 若々しく、勢いのある、清々しい傑作といえるえしょう。 全然関係無いけど、あの矢口壹琅がバークリー出てたなんて知らなかったデス! |
「時計仕掛けのオレンジ」ならぬ「時計仕掛けのリベンジ」を
タイトルに据えたニュージーランドのプログレ・バンドによる唯一作。
(そういやKLOCKWERK ORANGEってバンドもありましたね...) 時代的にこのあたりから、 ジェネシス・フォロワーが出現しだしますが、 このバンドもジェネシスから多大な影響を受けた ユーモラスなシンフォを作り上げています。 プログレ名盤紹介にも掲載します。 |
斬新な発想で王道シンフォを料理したデビュー盤が
痛快だったスペインのハイブリッド系プログレ・バンドの2nd。 初期の音源も含んでいることもあって、 前作から比べると全体的なインパクトは弱めですが、 それでも聴きごたえ十分です。 ユーモア精神、毒気、クイーンのリスペクト度は、 同国のDRY RIVERと甲乙付けがたいです。 ラストはピングーかと思いました! |
ゾンビーズの復活(ゾンビだけに!)を思わせる
デビュー盤が素晴らしかった、
アメリカ×ウクライナのポップ・ユニットによる2nd。 路線は全く変わっていません。 デビュー作である前作と比べると必殺曲が無いので、 地味な印象を受けますが、聴きこむたびになじんできます。 前作が気に入った方ならすんなり楽しめる ドリーミーなポップ作となっています。 それにしても、最新技術で距離を埋めて出来上がった プロダクトが極めて古くアナログなのが なんとも面白いです! |
アメリカのプログレ〜テクニカル・デス・バンドのデビュー盤。 時々激辛カレーが食べたくなるのと同様、 ふと、えげつないものが聴きたくなり、 ネットを探索して本作にたどり着きました。 メンバー全員が狂ったように超絶変態フレーズを 惜しげもなくぶちこみ、疾走し続けます。 この手のバンドの多くは、聴いているうちに頭が麻痺して、 最後は退屈に感じることが多いんですが、 埋もれやすいベースはフレットレスで主張しまくるし、 雰囲気作りが多いキーボードはピアノをがんがん弾きまくるし、 シュレッド一辺倒になりがちなギターは、アコギを多用するし... 最後まで緊張感が持続する傑作に仕上がっています。 各人の引き出しの多さも凄いですが、 これだけの個性を束ねてまとめ上げる手腕も凄いと思います。 |
旧ユーゴを代表する本格的なハード・ロック・バンドのデビュー盤。 母国語ヴォーカル以外、辺境色は一切感じられません。 同時代の欧米のバンドに負けることのない、 スリリングで勢いあふれる演奏に心が熱くなり、 ギターを爆音で弾き倒したくなりました。 ヴァーティゴやネオンあたりのオルガン・ロック・マニアも必聴です。 プログレ名盤紹介にも掲載したいと思います。 |
ビートルズがアビーロードを発表したり、
ツェッペリンやクリムゾンが登場した年に、
裏でちまちま作られ産み落とされていたサイケ〜電子音楽の怪作。 数年前から気が向いた時にだけ聴いていた (聴いているとなんか疲れる...)ので、 特に「最近はまっている」わけではないのですが、 なんともいえない魅力があるので、 プログレ名盤紹介に掲載します。 当時のチープな機材でこれだけ創造的な音楽を作るなんて、 相当試行錯誤したのではないでしょうか。 あ、スピーカーでは聴けない作品なので注意しましょう。 お子様も聴かないほうが良いですね。 (内容知っている人は何故だかわかりますよね!) |
ドイツの中堅プログレ・バンドによる3rd。 2ndが思いのほか良かったので入手しましたが、 本作も手ごたえ十分です。 多種多様な音楽要素を取り入れるフットワークの良さはもちろん、 しなやかで柔軟性に富んだ演奏が光ります。 本作のすべてをしっかりと受け止めたいのに、 それに見合うだけの余裕が取れないのが歯痒いです。 スポビやイズのようでもあり、 アクトやイット・バイツのようでもありながら、 自身のスタイルを完全に確立しているのが頼もしいです。 この後も続々と作品が作られているのも嬉しいです。 |
若き日のイングウェイがアルカトラス加入前に在籍していた
メタル・バンドの作品。 音は古臭いですが、イングウェイ関連作としては、 アルカトラスともソロ時代とも異なるスタイルなので、 ある意味新鮮です。 この時代を象徴するようなベタベタな「ヘヴィメタ(笑)」枠内で、 必死に自己アピールを繰り返すイングウェイが ちょっぴり愛おしく思えます。 当時の同業のギタリストに与えた衝撃は 半端なかっただろうなぁ〜。 |
一度見たら忘れられない顔面ジャケ
(「服部」にインスパイアされた?!)が秀逸な、
スウェーデンのメロディアス・シンフォ・バンド、
ユニコーンによる初期の貴重な音源集。 北欧デスメタル界の重鎮ダン・スワノが参加していますが、 デスメタル要素は皆無の爽やかなシンフォ作となっています。 89〜90年の音源(一部は再録)ということで、 当時らしい詰め込み過ぎない空間を感じさせる音作りがグッドです。 ダン・スワノの変則的なドラミングはもちろん、 太くて伸びやかなヴォーカルもユニークです。 当時も今も似たバンドが見当たらないので、 再結成してくれないかな。 |
個人的に某コンサル会社を思い出してしまうスウェーデンのメロスピバンド、アクセンスターの2nd。 以前耳にした際、あまり印象に残らず ちゃんと押さえていなかったので、改めて聴いてみました。 絵にかいたようなソナタ・アークティカ・フォロワーとして、 クオリティが極めて高いのは事実ですが、 軽さ、薄さがどうしても気になってしまいます。 (機械的というか、魂があまり入っていないというか...) ただ耳にすんなり入ってきて、テンションは上がるので、 作業用BGMにはとても向いているように思います! |
マクソフォーネとともに、70年代イタリアン・シンフォの
総決算的な名盤を残した名バンドによるまさかの復活作。 いやはや、評判の良さは耳にしていましたが、 ここまで当時の自分たちに寄せてくるとは驚きです。 1stを愛聴したファンはみな感動に打ち震えることでしょう! オリジナルメンバーが4人も在籍していると強いですね。 (オリジナル・メンバーが1人だけいれば、後は誰でもいいよね!的なケースとは 明らかに違います!) これだけファンを期待させておきながら、現在再解散しているようで ちょっと許せないです。 中心人物であるミケーレ・コンタのソロ作に期待することにしましょう。 |
古今東西、ビートルズのカヴァー作品は星の数ほど存在しますが、
日本でも深町純がこの手の作品を作っていたのですね。 生粋のジャズ・マニアからいかにも冷笑されそうな作品ではありますが、 個人的には「大衆向けのわかりやすさ」を有しているところが、 深町作品の醍醐味だと思っています。 直球ど真ん中な選曲もステキです。 ひねりは少なく、エフェクトや多重録音も適度なので、 ピアノの一音一音に安心して耳を傾け、ゆったりと ビートルズ愛に浸ることのできるなかなかの一品です。 |