2013年に聴きまくったアルバム57枚を順位付けして紹介します。
引越と激務の影響で時間が取れず、あまり音楽を聴けなかったのが残念です。
引越といえば、新居の2部屋がCD段ボールで埋まっているため、
大量の未聴CDがどこにあるかわからずとても困っています!
(といいながら早くも2013年に購入した未聴CDがタワーに...)
イギリスの新人プログレ・メタル・バンドによるデビュー盤。 うおお、ものすごい原石をハケ〜ン!(死語)...なんじゃこりゃー?!... デビュー時のPAIN OF SALVATION、デビュー時のA.C.T、 SOPHISTICATED〜UNEVENの頃のSIEGES EVENがまとめて 襲い掛かってきたかのような衝撃的な内容に失禁しそうになりました!! 私が大好きなバンドのしかも一番好きな時期のエッセンスを凝縮してくるとは... まるで私のホームページから好きな音を徹底的に分析して作品を作ったとしか 思えないです! こういうバンドはスウェーデンの専売特許だと思っていましたが、 イギリスから出てくるなんて予想外です。 演奏テクニック、作曲能力、楽曲構成力、アイデアセンス... 時計の針を一気に進める超名盤です。 これまで数多くのプログレメタルバンドを耳にしてきましたが、 確実に個人的BEST5に入ります。 こういうバンドは売れてくれないと本当に困ります。 前述のバンドが好きな方は絶対に押さえてください! |
ブリティッシュ・ポップス史上に残る大名盤を引っさげ
輝かしいデビューを飾った正統派ポップ・バンドの2nd。 これまで素晴らしいデビュー盤を残したバンド、アーティストのほとんどが、 2ndで失速(というか2ndが出るだけマシ?)するのを目の当たりにしてきたので、 本作に過度な期待をしないようにしていたんですが、 そんな心配は無用でした... 今回もとんでもない出来映え(超名盤)となっています。 彼らは10年に1度出るか出ないか...といった最高級レベルのバンドだったんですね〜。 華々しいブリティッシュ・ポップの伝統を確実に受け継ぎ、 過去のあらゆるポップバンドを完全に消化し、 自分たちの世界を作り上げています。 メロディがキラキラしていて、コーラスがきれいで、 どんなタイプの曲をやっても名曲になってしまう... まるでクイーンやELOのように音楽ファンだけでなく一般人まで虜にするような、 絶大な安定感を持っています。 前作に比べ前向きで明るい曲が増え、 メンバーが楽しんでアルバムを作っているのが伝わってくるのが良いです。 (このあたりSECRET POWERSと通じるところがあると思ってます...) 本作を入手するなら絶対に限定2枚組を買いましょう。 |
デビュー盤で一気に北欧シンフォの頂点に登りつめてしまった
ムーン・サファリの2nd。 フラワー・キングスを限りなく青臭くしたようなピュアな音楽性は さらに磨きがかかっています。 メロディへの拘りも半端なく、湯水のごとく美メロが溢れ続けています。 目新しさこそないものの、メロディ、演奏、歌、コーラス... 他の要素があまりにも素晴らしすぎて美しすぎてもう泣きそうです。 2枚組のシンフォ大作なんて、彼らの作品じゃなかったら、 絶対体壊しちゃいますよ(年齢が年齢なので...)。 彼らの作品なら10枚組でも聴き続ける自信があります。 (←別腹?いや別耳というべき...?) 1stに続き2ndも超名盤とは...恐れ入りました。 |
アメリカから突如現れた天才ポップ・アーティストによるデビュー盤。 特に海外で高い評価を得ているのでとても期待していたんですが、 これはすんごい...全ポップス・ファン必聴の名盤です! 例えるならジェリーフィッシュとクイーンとトッド・ラングレンとベン・フォールズ・5を足したような感じ... このスタイルはどう考えても日本のポップマニアを直撃するはずなのに、 日本で何故あまり知られていないのかが不思議でなりません。 ちょうどBRYAN SCARYからがヒネリを全部抜いたらこんな感じかもしれないなぁ。 底なしの才能に惚れ惚れしていたら、彼が南アフリカ生まれと知り妙に納得。 トレヴァー・ラヴィン、ダンカン・マッケイ、ダンカン・フォール... 南アフリカって突如鬼才が出現するんですよね〜。 曲だけでなく歌もコーラスも最高です。 全力で応援するので絶対に2nd出してくださいね。頼みますよ! |
聴くのと&紹介するのがあまりにも勿体無くて
ついつい10年以上寝かせてしまった
プログレ・ハード〜プログレ・メタルの隠れた大名盤。 ギター、ベース、ドラム.の超絶演奏力も さることながら、ヴォーカルを含むメンバー全員が 独創的な表現力を持っており、 さらにバンドとしてまとまることで、 驚異的なパフォーマンスを披露しています。 演奏だけでなく楽曲の出来栄えも完璧で、緻密に計算されているので 聴くたびに新たな発見があり、 聴けば聴くほどこのアルバムにのめり込んでしまいます。 サウンドをたとえるなら、 ラッシュ+フロイド+ガンズ+レッチリ+エクストリーム+U2+ディジー・ミズ・リジー +ウォッチタワー+ツェッペリン...?!... ぐわあ...わけわからん...これでアルバムの偉大さが1/100も伝われば良いのだけれど... このアルバムがブレイクしていれば、 その後のプログレ・メタルの歴史も大きく変わったことでしょう。 (ドリーム・シアター偏重主義にはならなかったように思います。) それにしてもこのアルバムの知名度はなぜこんなにも低いんでしょうか? 〇WHERE IS HARRISON FORDって曲に当人からクレーム? 〇ジャケットが倫理的によろしくない? なにか話題にならないよう裏の力が働いてるんじゃないの?... とわけのわからない想像をしてしまうほど、 知名度とクオリティとの間に乖離があると思っています。 #単に私の感覚が世間とズレまくってるだけ? |
ロイ・エアーズのバンドに参加していた才能豊かなギタリスト唯一の作品にして、
レア・グルーヴ〜ジャズファンクの大名盤。 まだ世の中にはこんなに凄い作品があったんですね... 自分がこの手のジャンルに詳しくないせいもありますが、 なんて表現して良いかわからないぐらい、 すさまじく格好良く、オシャレで、無条件にワクワクドキドキして 感情が抑えられなくなります! 全曲名曲ですが、中でもナラダ・マイケル・ウォルデンの常軌を逸したハイテンションな ドラミングが存分に味わえる 7曲目(←トッドのイニシエーションを黒くしたような感じ!?)と9曲目は最高! こんなすごい曲を聴いてしまうと、 「超絶」を売りにするジャズ・ロック名盤も ぬるく思えてしまいます。 時間の無いジャズロックファンもこの2曲だけは聴いてほしいなぁ。 それにしても、これだけの天才なのに何故この後にアルバムを 残せなかったんでしょうか... 登場が早すぎたのか、それともロイ師匠に 「弟子の分際でワシよりすごいものを作りやがって!...」てな感じで 消されたとか?!(笑) |
名トランペット奏者ドナルド・バードの教え子達で結成された
ジャズ・ファンク・バンドによる、
1st(73年作)+2nd(74年作)のカップリングCD。 おおおおお、こういうレア・グルーヴものをずーっと探してたんですよ〜!(泣) オシャレで格好良く、スリリングでメロウでガッツがあって ...最初から最後まで鳥肌立ちまくりです! 90年代にアシッド・ジャズにはまっていた人には絶対に聴いてもらいたいけど、 第二期ジェフ・ベック・グループからワイアードあたりが好きな人とかも そこそこはまるんじゃないかなあ? コモドアーズのマシンガンみたいにブリブリとシンセがうなりまくる 2ndが特に気に入りました。 今後ももうちょっとレア・グルーヴものを漁ってみようっと! |
アメリカの天才ミュージシャン、アンドリュー・ゴールドの代表作といえる3作目。 デビュー時に既に完成していたスタイルの延長線上にある作風で、 のんびりゆったりまったりなポップ・ワールドを展開しています。 心にじわじわくるやさしいメロディ、すこぶる洗練されたアレンジ、 安定感抜群の演奏、これぞまさにプロ中のプロの仕事です。 きっと何十年経っても色褪せることは無いんだろうなあ... 誰にでも自信を持っておすすめできる名盤です。 4曲目を聞くとポールのワンダフル・クリスマスタイムを思い出すのは私だけでしょうか? |
常軌を逸したクサさだけで一部のファンに絶大な支持を得ている、
スウェーデンのメロスピ・バンドの4th。 その昔、ジャケットと前評判に期待して購入したデビュー盤の 内容の貧弱さにガッカリし、ずっと聴かずにいました (こんなことやってりゃ、そりゃいじめられるよぉ...(ボソ)) が、本作を安さにつられて拾ってみたら、 なんとまあ見事に成長しているじゃないですか! この「成長」ってヤツは実に厄介で、大半のバンドは、 成長しなくていいところだけ成長しつまらなくなっていくことが多いのですが、 彼らは成長しなくていいところはそのまんま残し、 成長してほしいところだけちゃんと成長するという離れ業をやってのけています。 まさに、アゴに苦痛のアッパーカット(高校時代、AGONYをそうやって覚えました!)を くらったかのように最初から最後まで悶絶しっぱなし... 個人的にこの手のクサメタルの頂点はノクターナル・ライツの2ndだと 思っているんですが、それに迫る勢いを感じます。 なにげに時折ジョン・ロード(というかケン・ヘンズレー?)が 憑依するハードなオルガンが格好良いです。 |
「次世代の渋谷系」を牽引するスペインのウルトラ・ポップ・バンドの作品。 破竹の快進撃を続けた彼らもここらで一休みといった感じでしょうか、 彼らの過去の名曲群を、世界中の多くのバンド、アーティストにカバーしてもらったり、 ジャクソン5の名曲をカバーしたり、ライブ音源を入れたり... 悪い言い方をすれば「手抜きアルバム」といえますが、 その分いつもの彼らとは違った魅力が引き出されているのが面白いです。 名曲SEXUAL REVOLUTIONなどは何度も出てくるので、「シゲルマツザキリスペクトかよ?」 と言いたくなりますが、関わっている連中のキャラがびんびんに立っているおかげで 結局楽しめます。 個人的には、ライブ音源(躍動感でわくわくします、ライブ見てみたい!)、 エイプリルズのカバー(日本語だと渋谷系っぽさが増すんですね)、 ヨンジンのヴォーカル(この組み合わせは反則でしょ。PEPPETONES×MOCCAのボーカル並みにズルい!) が気に入りました。 どうでもいいですが韓国語バージョンでは「カブッタヨ!」(←私にはこう聴こえます!)ってフレーズが やたら耳に残りました。(笑) |
スペインのLA CASA AZULを手掛け、
渋谷系の発展に寄与し続ける天才アーティストによる、
ソロ名義の初期デモ音源集。 素敵すぎ!...デモ音源とかもう関係ないっしょ... LA CASA AZULとなんら変わることの無い 「天の川」のようにキラキラ輝くポップな楽曲ばかりが並んでいます。 Jリーグが始まった1993年からこんなにもオシャレな音を ちまちまと作り出していたことに改めて驚かされました。 曲名に「ビートでジャンプ」(←この和訳のセンス好き!)が無いのに なんでこのタイトルなのかなぁ...と思ってたら聴いて納得!... センスは神レベルですね〜。 LA CASA AZULを聴いたことが無い人は、ここから時代順に 追いかけていくのもありだと思います。 デモ音源だけどちゃんとした名盤だと思いますよ〜。 |
ジャーマン・メタルを象徴するスーパー・バンドによる2012年作品。 まずは新ヴォーカルのキレ具合が強烈... 新ヴォーカルの選出の際、彼らはドラえもん方式ではなく、 ルパン方式を採用したのですね。 かつて強烈な個性を放っていたウドと違和感が無く、 アクセプトのヴォーカリストとしては、 ありえないくらいジャストなメンバーだと思います。 そしてこのヴォーカルに負けないくらい楽曲も演奏も圧巻... ...とことんパワフルかつメロディアスです。 この両者がぶつかりあってうまく調和することで、 世界最高レベルのメタル・サウンドが完成するわけですね。 (例えるなら「この超極太麺には、この超濃厚スープが不可欠だよなあ...」 みたいな感じ?) 過去の栄光を思い出し、背伸びして全盛期に近づけてみました的な 頑張ってる感は一切無く、無理なく自然にやっているうちに ごく当たり前に凄いものが出来あがっているところが良いです。 まだまだ現役まっただ中、というか、今後まだまだ上積みがありそうな 勢いさえ感じます...恐れ入りましたぁ。 改めてアクセプトをリスペクト(笑)したくなる名盤です! |
元ジェリーフィッシュのポップ職人による4枚目。 3作目(当然購入済)を先に聴く予定だったんですが、見当たらなかったので、 先にこちらを聴くことにしました。 素晴らしいデビュー盤を発表した後、 どんどんネタ切れしてつまらなくなるアーティストが多いですが、 やはり天才は一味も二味も違います。 アイデアが枯渇するどころかさらに増量、色とりどりで鮮やかになった印象を受けます。 その溢れんばかりのアイデアを1曲、1枚にうまく整理して 押し込める能力もさすがです。 美しいメロディ、コード進行を書いたうえで、 それをほんのちょっといじくって、 単に耳通りの良いパワーポップ作品に終わらせない ところが天才の天才たる所以といえるでしょう。 ポップスファンなら当然聴いておくべき名盤です。 |
徹底したドラマティックな作風で、一気にマニアの注目を集めた
ドイツのメロディアス・シンフォ・バンドによる4作目。 「キャメル+ジェネシス」という鉄板の組み合わせだけでなく、 フィンチに代表されるような、テクニックとメロディを共存させる オランダっぽさを織り込んでいて 日本人のマニアなら絶対に無視できないようなサウンドを仕立て上げています。 今となっては絶滅危惧種レベルのみずみずしい感性を持った キーボードとギターがせめぎあいがらメロディを紡いでいき、 聴き手をゆったりと幸せな気分に導いてくれます。 減点材料はピーガブ気取りのヴォーカルくらいかなぁ(ちょっと鼻につきます)。 とはいえ、メロディアス・シンフォが好きな日本人なら 押さえておくべき傑作だと断言します。 |
世界に十分通用する実力を持つインドネシアのプログレ・バンド、
ディスカスの中心人物、イワン・ハサンが在籍する
新バンドのデビュー盤。 根本はインドネシアの真骨頂ともいえる メロディ至上主義のポップ・ロック作なのですが、 エスニックなアレンジ、天界で奏でられているようなハープ・ギター、 ヘヴィでアグレッシブなギター・ソロ、意表を突く切り返し、 クールなカンタベリー風味... と、イワン・ハサンが自らの趣味を無理やり?押し付けて ぶち壊しにかかっています!(他のメンバーもよく許してるよなぁ...) ただ決して楽曲がハッサンすることはなく(笑)、ぎりぎりのところで 踏みとどまっているのがポイント... ディスカスのファンなら絶対に押さえておくべき傑作です。 個人的には2曲目にやられました。 (インドネシアの3拍子ものスローバラードには全面降伏して涙するしかありません...) 次回作も十分期待できそうです。 (あ、ディスカスのほうもお願いしますよ〜。) |
日本人マニア特有の「ブリティッシュ・ポップに対する徹底した憧れと拘り」の
結晶といえるメロディ、演奏、アレンジと
70年代ブリティッシュ・ポップのシンボル的存在である、
デヴィッド・ペイトンの歌唱が合体した、
スーパー・ポップ・バンド、ビーグル・ハットによる2009年の作品。 前作も素晴らしい作品でしたが、 本作は日本人メンバーとデヴィッドの距離が縮まり、 さらに印象深い名盤に仕上がっています。 (今思うと、前作は気合が入っていた反面、肩に力が入っていたんじゃないかな... 本作のリラックスした雰囲気の中に感じられるなにげない輝きは特筆に値します!) トロピカルな雰囲気が楽しいセイラー風の曲なんか顔がにやけちゃいます。 (パイロット&セイラーのダブル万年筆攻撃〜!) で、そろそろ新作出てないのかな...と思ったら どうやらもうバンドが解散してる???...え、誰か嘘だと言ってー! (公式っぽいサイトに解散のことが書かれているんですが、 なんか外国人ハッカーに攻撃された後みたいにも見えるので、 実はデマ?...そうならうれしいんだけど...) これほどの名盤を作り上げて心が満たされちゃったのかな? 再始動を強く希望したいと思います。 |
南米シンフォ界の巨人ことメキシコのCASTによる2000年作品。
ひょえ〜...既にこの時点で70年代ジェネシスを進化させたバンド独自のスタイルは
確立されていたんですね〜。 とにもかくにも豪華絢爛できらびやかなことこの上ないというか... ラーメンで例えるなら「超大盛りの具材全部のせ」といったところです。 次から次へと場面が目まぐるしく変化するかと思いきや、 印象的なフレーズを繰り返し、その上を様々な楽器が幾重に重なりながら、 美しく彩っていくさまは実に見事です。 聴いていると、時折果てしなく天に昇っていくかのような 気分を味わうことが出来ます。 シンフォファンが求める一つの究極形を示していると思います。 本作を聴いて、少なくともこのLEGACY以降の作品は全て名盤であると 確信することができました。 |
イギリスはスコットランドのシンフォ・バンドによる傑作。 新人バンドかと思いきや、 以前カセットでアルバムを出していた(←インドネシアかよ!)こともある 活動歴の長いバンドであり、本作は復活作となります。 ジェネシス影響下のシンフォに スペイシーでデジタルなアレンジを取り入れたサウンドは、 まるでアルイエン・ルカッセンがポンプをやってる感じで、 ユニークです。 活動歴の長さが良い方向に働いていて、 重厚かつ荘厳な仕上がりとなっていますが、 歌メロがキャッチーで聴きやすいのが良いです。 キーボードの音選びはツボをついているし、 ギターの泣きも見事だし、随所で感動できます。 これはかなりの掘り出し物といえるでしょう。 |
マレーシアのビートルズ!と称される
最強の辺境ポップ・バンドによる唯一の作品。 あまりにも聴くのが勿体なくて7年も寝かしていましたが、 その甲斐がありました。 サプライズ!サプライズ!ってこっちがだよ〜! とにかく甘〜いメロディがスコールのように容赦なく降りかかってきます。 サウンドがビートルズというよりは、 ペルーのWE ALL TOGETHERとそっくりなのが興味深いです。 ビートルズが生んだ一卵性双生児がペルーとマレーシアに生き別れになったって 感じでしょう! こんなすごいアルバムを残すなんてどんな輩なのかと思ったら、 幻の名バンド、OCTOBER CHERRIES(←シンガポールだった気が...とにかく再発切望!)のメンバーで 結成されたとのこと...どおりで凄いわけですね。 人によっては、耳にこびりつくお下品なシンセが耐えられないかもしれません。 でもこれが良いんですよ!だって歌は英語だし、民族色は無いし、 辺境っぽさを感じるのはこのシンセだけなんですから... 個人的には泣きが究極な9曲目にやられました。 (聴いていてイタリアのTRIPの2ndを聴きたくなりました。 確か似てる名曲が収録されていたはずなんですが、LPしか持っていないので、 すぐに聴けないのです...) |
台湾の渋谷系ポップ・ロック・バンド、ワンフーの作品。 アジアは才能あふれる渋谷系バンドの宝庫といえますが、 本作もそれを裏付けるかなりの傑作といえます。 男女混成バンドらしく、ワイワイガヤガヤ仲良く楽しく作られていて、 ウルトラハッピーな気分になりますが、途中に織り交ぜられた泣きのスローバラードも 心に響きます。 題名通り「青春」を強く意識させる甘酸っぱさが特徴といえるでしょう。 親日な台湾らしく、一昔前の日本のポップス〜歌謡曲に近い感覚があり、 自然と耳になじむのもポイントが高いです。 ニンテンドー風アレンジなんかもいかにも電脳な台湾らしくて良いです。 バンドはまだ活動中のようで一安心...他の作品も集めなくては。 |
アルゼンチンが誇る南米一の様式美バンドによるライブ盤。 バンド最大の売りである、 リッチー&イングウェイなギターは ライブで一体どうなっているんだろ...と 少し不安でしたが、ふたをあけてみたら、 リッチ―やイングウェイがライブで いかにも弾きそうなフレーズばかり!... リフもギターソロも滅茶苦茶格好良いので ギターばかりに耳を奪われてしまいます。 他のメンバーはあまり目立ちはしないものの、 スタジオ盤と比べると躍動感がありいきいきとしています。 RATA BLANCAを未聴の方は、このアルバムから 聴き始めると良いかもしれませんね。 それにしても「G線上のアリア」を恥ずかしげもなく取り上げるなんて、 いかにもアルゼンチンらしいよなぁ... (他にできるのは、韓国とインドネシアくらいでしょう!) |
ビートルズへの愛情がたっぷり詰まったイタリアの3兄弟による
パワー・ポップ・バンドの作品。 ビートルズ解散から40年以上経っていますが、 いまだに彼らの影響を受けた素晴らしいバンドが 世界中から次々と出現していることを嬉しく感じます。 中でも本作のクオリティは相当なもので、 思わず「うまいねえ〜、これでもインディーズ?」(←古いよ) とうなりたくなります。 ビートルズに特化したタイプで、 これほど内容の濃い作品はちょっと思い出せないぐらいです。 イタリア人の仕事とは思えないくらいの丁寧な作りこみには感服せざるをえません。 あまりに出木杉君なので、中には鼻につく人もいるのでは? と妙に心配してしまうほど練られています。 まあビートルズ好きならこれはマストでしょう! 6曲目は何度聴いても泣けます。 |
スペインから彗星の如く現れ、アイソン彗星のごとく消えてしまった、
幻のメロディアス・ハード・バンドによるデビュー盤。 スペインには、泥臭さや暑苦しさで攻めるいかにもなタイプと、 スペインらしさを一切感じさせない洗練されたクールなタイプに二極化していると 思うのですが、このバンドは後者に該当します。 いまどき珍しいくらい素直でひたむきなメロディの宝庫となっており... 全メロディアス・ハード〜産業ロック・ファンが歓喜する内容となっています。 特に一音一音のピュアさは半端なく、 まさに「天使の涙」を寄せ集めて作られたかのようです。 丁寧に歌い上げる程よくウェットなヴォーカルも光りますが、 このバンドの武器は超絶ギターソロでしょう。 楽曲の良さを数段階レベルアップさせる驚異的なソロをピロピロと 弾きまくっています。 誰もが次回作を期待したいところですが、中心メンバーである 超絶ギタリスト君は既に事故でこの世を去っています... きっと天国でギターを弾きまくって、リアルに天使が涙しているんだろうなぁ... |
何をいまさらなフランク・ザッパの名作。 ホット・ラッツに感動しアンクル・ミートで挫折した後、 十数年接触を避け続けていたザッパの作品に挑戦することにしました。 聴きやすいと言われてる作品だけどザッパだからどうかな...と疑いつつ 再生しようとしたらあれ?再生できない! なんと、入手したCDが3台のプレーヤー全てで再生不可。 やっぱりザッパとは縁がないのかなぁ...と挫折し、 CDを軒下に吊るそうかと思いましたが、 なんとか返品交換して聴くことが出来ました。 (ザッパのリマスターものは他でも回収騒ぎがあったようですね、 今回のリマスター版は作りが大雑把?!(←それがいいたかっただけだろ!)) 肝心の内容ですが、これって本当にザッパなの?ってくらい オーソドックスな内容でびっくり。 仕掛け、ユーモア、超絶演奏...も確かに凄いのですが、 一人のロッカーとしての魅力がクローズアップされているのが良いです。 特にUNCLE REMUSの泣きのギターとか格好良すぎ... まさかザッパを聴いてこんな気持ちになるとは思ってなかったなあ。 こういう天才中の天才はクローン作ってもいいんじゃないんでしょうか? |
デビュー盤で最強のブラインド・ガーディアン・フォロワーっぷりを
見せつけたジャーマン・メタル・バンドの2nd。 首謀者であり元ブラガ出身のトーメンが早くも脱退 (当面(笑)は活動を続けると思ったのに...)したため、 あまり期待していませんでしたが、 1stよりも男らしく、力強く、筋肉隆々になっていて、 驚きました。 ブラガ初期の勢いをさらに増幅させた感じですが、決して一本調子ではなく、 カラフルになった印象を受けます。 (特にマイク・テラーナが良い仕事していますね。) ブラガだけでなく、時折出てくるオペラチックな展開からは、 サヴァタージらしさも感じ取ることが出来ます。 ラスト前まではとにかく格好良いのに、 最後のカバーでテンションがガタオチするのは私だけでしょうか?! (誰のせいでもありゃしない〜って?、そりゃないでしょー) |
世界を席巻した衝撃的なデビューが記憶に新しい、
オーストラリアの骨太ロック・バンドによる2nd。 やりたい放題暴れていた野生児が、ビートルズと出会って 表現力がぐんとアップした反面、少し大人しく きれいにまとまってしまったような感じでしょうか? 名盤1stに比べてセールス的には少し残念な結果に終わったようですが、 クオリティは同レベルかそれ以上でしょう。 (1stは、自分たちがやりたかったことと時代が求めていたものとが 一致しただけだと思います。) 近年の王道ロック・アルバムの中では、 突出した存在だと断言できるので、 ロック・ファンならつべこべ言わずに押さえましょう。 |
ノルウェーのカラフルなポップ・バンドによる3作目。 懐かしくもあり新しくもあるサウンドで、 直球と変化球をうまく使い分けています。 つかみ所が無いように思えますが、 メロディはきちんと耳に残ります。 スウェーデンに比べると数は少ないですが、 ノルウェーはとんがった才能を持つ極めてユニークなバンドが 時折出てくるんですよね。 きっとモーターサイコも「キミタチサイコダヨ」と認めてくれていることでしょう! まだ底を見せていない気がするので、他のアルバムを入手するのが楽しみです。 |
レイン・エクシードのトミー・ヨハンソン、
ディヴァインファイアのクリスチャン・リレグレンの2枚看板による
スウェーデンのネオクラシカル系メロスピ・バンドの2nd。 強力なデビュー盤が記憶に新しいうちに、 早くも2ndを届けてくれました。 前半がやや退屈に感じられるので、 トミーもさすがにオーバーワークかな... と思いきや、ラストに向けどんどん内容が濃くなっていき、 確かな満足を得ることができます。 音楽性に変わりはありませんが、1stよりも起伏が激しくなり 1曲1曲が印象に残りやすくなった感じがします。 この調子なら、今後も上積みが期待できそう...大いに期待したいと思います。 どうでもいいけどこのバンドのコンセプトって、 ジャケ、スタイルともにアイアン・マスクとかぶってる気がします! |
優れたジェリーフィッシュ・フォロワーとして2枚の傑作を
発表してきたアメリカのインディーズ・ポップ・バンドによる3作目。 これまでと比べ、 さわやかで人懐っこいメロディのキャッチ―度がより一層アップした 快心の仕上がりとなっています。彼らの最高傑作と言ってしまって良いでしょう。 ジェリーフィッシュのフォロワーはとかく短命 (本体がそうだから仕方ない?)で、1枚しかアルバムを残せないことが多い中、 この時点で3枚も傑作を発表している事実が、 彼らの優等生ぶりを証明していると思います。 絶対にもっと評価されるべきバンドなんだけどなぁ... |
アルゼンチンから現れた歌ものシンフォ・バンドのデビュー盤。 DVD付なんですが、大型サイズの変形仕様だったので 届いた時にはびっくりしました。 で、デビュー盤からこんなに気合入れて大丈夫? といいたくなるところですが、アルバムを聴いて納得... 中身の充実ぶりがすさまじいことになっていて、 ここ数年で最も「新人離れ」という言葉があてはまるように思います。 叙情的でありながらも前向きで温かい肌触りは、パブロ・エル・エントラドールを 彷彿とさせますが、彼らの良さは、 シンフォ・ファン、プログレ・ファンよりも、 イマジネーティヴで美しく優しい音をこよなく愛するポップス・ファン のほうが受け入れやすいように感じます。 順調に2ndも出ている(またもや変形ジャケ!)ので いまから聴くのが楽しみです。 |
フィンランドのヴァイキング・メタル・バンドによる2012年作。 多くの北欧ヴァイキング〜トラッド系メタル・バンドが、 ファンの望まない方向に進みつつある昨今、 三つ子の魂百までと言わんばかりに奮闘してくれていて頼もしい限りです。 威風堂々とした存在感とひきかえに、 疾走曲が激減してしまったのはとても残念ですが、 ヴァイキング魂はしっかり入っています。 そういう意味では、ファンが彼らに何を求めているかにより 本作の評価が大きく分かれると思います。 いずれにせよ、このジャンルの中では、 トップクラスに位置する作品と言えるでしょう。 |
ドイツのスラッシュ・メタル界の大御所、
パラドックスの2009年作。 最初から最後まで徹底してシャープでアグレッシブ!... 名盤HERESYから20年も経っているなんて到底考えられません。 いまだに若々しくて脂がのりまくっている感じから、 ENDGAMEを発表したメガデスが頭をよぎりました。 最大の武器であるリフの強みを強調するため、 べたつかない程度にメロディを盛り付けていく さじ加減も絶妙です。 久々にスラッシュの格好良さを再認識できました〜! |
アメリカのインディーズ系パワー・ポップ・バンドの作品。 ビートルズ、クイーン、デヴィッド・ボウイといった過去の大物から、 現代的なパワーポップまで、本人たちがやりたいことを全てやりきったような ごった煮ポップ作品となっています。 エレキとアコースティック楽器の使い分けもメリハリがあって良い感じですし、 適度なひねり具合も良いアクセントになっています。 クイーンとパワー・ポップの両方を聴ける方なら 今後チェックしておくと面白いと思います。 |
まだまだあります世界の渋谷系シリーズ! 「インドネシアのカーディガンズ」(←この言い回しって何バンド目?!) による男女混成バンドのデビュー盤。 MOCCAに比べると、音作りだけでなく、ファッション、ジャケットなど あらゆる部分で懐古主義を貫き通していて、 ソフトロック色が強いです。 またインドネシアらしい緩い空気感が、 このアルバムをさらに魅力あふれるものにしています。 若気の至りというかあまり深く考えずに勢いでアルバムをまとめたような 印象を受けるので、 きっと、本人たちが10年後に聴いたら赤面するんだろうなあ...と 勝手に想像してしまいました。 しっかし、インドネシア人ってクイーンとカーディガンズが あれば何杯でもご飯食べられそうですよね! (だからインドネシアものが大好きなんですが) |
フィンランドのメロデスバンドによる2011年発表の5th。 イン・フレイムス、ダーク・トランキュリティ、アモルフィス... 偉大な先人達のエッセンスをブレンドし、 古き良き北欧メロデスの伝統を受け継いだ良心的な内容です。 彼らならではの個性を感じ取ることはできませんが、 とても安定感があります。 多くのファンに確実に支持されることでしょう。 「昔のメロデスは良かった」と思っている方には、ぜひ耳にしてもらいたいと思います。 合格点は余裕でクリアしているのですが、 欲を言えば、一撃必殺の曲、メロディ、リフが欲しいですね〜。 私の耳が肥えてしまったせいなのか、 十分満足できる贅沢な内容なのに、僅かですが物足りなさも感じます。 |
いつの間にか解散していたインドネシアの名バンドDEWAを率いていた
アフマッド・ダニによる新プロジェクトの作品。 題名もプロジェクト名も強烈!...インドネシアは相変わらず直球ど真ん中ですね。 他の国からこの発想は出てこないでしょう。 ただROCKしているのは前半だけで、 後半は優雅なビッグ・バンド・ジャズ風に過去の自作曲をアレンジするなど、 ROCKに拘っているようには到底思えません! (とりあえず思いついたものをやりたいようにやってみた感が漂っています。) 直球といえば禁じ手といえるマイ・ウェイのカヴァーまで収録!... それもガラにもなく真剣に魂込めて歌いあげちゃってます。 DEWA時代に比べると尖がった感じが無くなってますが、 天才の作品なのでそれでも傑作には仕上がっています。 次回はカヴァー、焼き直しものでは無く、メロディメーカーとしての才能を 発揮したアルバム(新曲)を期待したいところです。 (その前にIIって出すつもりあるのかな。) |
デビュー盤で、弱冠ハタチながらなにからなにまで1人でこなすという
離れ業をやってのけた天才ブライス・エイヴァリーによるひとり・パワー・ポップ・プロジェクトの2nd。 デビュー盤ではピアノのイメージが強かったんですが、 ジャケットどおり、今回はギターも目立っています。 ヴォーカルもワイルドさが出てきて感情移入しやすくなり、 前作より表現の幅が増したように感じられます。 ポイントはデビュー時のみずみずしさをちゃんと維持しているところでしょうね。 自分がまだ若かった頃を思い出し、懐かしくもあり、恥ずかしくもあり、 なんとも甘酸っぱい気分にさせてくれる傑作となっています。 |
いつのまにか四半世紀以上のキャリアを積み上げていた
アメリカのパワー・メタル・バンドによる2011年作品。 どことなくペインキラーを思い出させる 最高のオープニング曲にはじまり、重厚感と疾走感を併せもった 強靭な正攻法のパワー・メタルをゴリゴリとぶちかましていきます。 実は、このバンドは相当前にヴィニー・ムーア目当てで聴いたアルバムが 今一つだったので、それ以降ずっと無視し続けてきたんですが、 今になってここまで成長、進化を遂げていたんですね〜。 ここまでいろいろなことがあったと思いますが、 「継続は力なり」という言葉を具現化したような 力作だと思います。 |
いかにもイスラエルらしいシンフォを奏でる、
新人バンドのデビュー盤。 高度な演奏能力、緻密な構成力、カンタベリー系の肌触り、GG風のヒネリ、 荘厳なフルート... 70年代後半にひっそりと盛り上がっていたイスラエル・シンフォの歴史を紐解き、 特徴を見事に捕捉し、自分たちのスタイルを形成したかのようです。 (その前に、イスラエル人の血によるものかもしれませんが...) 目の付け所が実にシャープで、他のシンフォ・バンドでは味わうことのできない 甘さ控えめの大人向けシンフォを堪能できます。 たまにはこういうクールでインテリジェントな音も聴いておかないと... いつもコテコテ&クサクサ系ばかりじゃ耳もつらいですし! |
イスラエルの実力派シンフォ・バンドによるデビュー盤。 以前から一部のマニアの間で話題となっていた作品(2005年録音)でしたが、 ようやくリリースされました。 相当のプログレ好きが集まり、自分達がやりたかったいろんな音を、 納得いくまで突き詰めてみたような作風です。 メロディアスかと思いきや、シリアスだったり、 荘厳なアコースティック系もあれば、ヘヴィな展開もあったり... 幅広いスタイルをカヴァーしていて散漫にもとれますが、 ヘブライ語の女性ヴォーカル(イスラエル声!(笑))が統一感を与えています。 イスラエルのバンドは昔から短命な気がする (NO NAMESとか、SHESHETとか)ので、 このバンドはもちろん、TELIOF、SANHEDRIN、SYMPOZIONあたりには ぜひとも頑張ってもらいたいです。 3曲目聴いてカーヴド・エアの2ndを思い出すのは私だけかなぁ... |
トリプル・ギターを武器としたアメリカのメタル・バンドによる2nd。 メタリカ声のヴォーカルと、三本のギターが絡み合った重厚で アグレッシブな演奏が楽しめます。 ただ、楽曲自体の魅力が、演奏とヴォーカルのレベルに比べると やや乏しいような...どこか物足りなさも感じてしまいます。 バンドのポテンシャルを考えると、 まだまだ面白い方向に伸びていく可能性を秘めていると思います。 もしメンバーに会うことがあれば「お前らの全力ってこんなもんか!?」 と言ってやりたいです。(←絶対に言えないだろ!) |
70年代フィリピンの名バンド、JUAN DELA CRUZの
べーシストによる2006年作品。 某店の紹介文に、インドネシアのCHRISYEに似ているようなことが 書かれていたので入手してみましたが、 うーーーん... プログレっぽいフレーズがたまに出てくるものの、 メロディも、歌声も、共通する部分はあまり無いんじゃないか... 同じアジアならモンゴルのハランガに近いように感じます。 ローカル色を感じさせる歌もので、 特に面白みが無いと切り捨てればそれまでなんですが、 何度か聴いているうちに人懐っこさを感じてしまう人もいるでしょうね〜。 (これぞ辺境マジック!) 万人にはお勧めしませんが気になる方はどうぞ。 JUAN DELA CRUZといえば、ギターのWALLY GONZALEZは今何やってるのかなあ... |
アメリカのメロディアス・ハード〜産業ロック隆盛時に
活躍した中堅バンド、707の3作目。 ジョナサン・ケインが関わっているのと、 ケヴィン・チャルファントのヴォーカルのおかげで、 ジャーニーをコンパクトにしたような内容となっています! 個人的には、このバンドには1stや2ndの頃のとびきりアメリカンな雰囲気が 合っていると思うのですが、この方向性も結構いけますね。 オープニングのアルバムタイトル曲は、ボーナスのライブ音源(めちゃくちゃ格好良い〜!)と 比べると行儀が良すぎて物足りなく感じちゃいます。 |
「シンフォ5枚作ったら、ジャズ・ロックやるって約束してたよね、ロイネ兄さん!」
というヨナス・レインゴールドの強い思い(←全て私の勝手な妄想です!)が
結実したようなフラキン一派のジャズ・ロック〜フュージョン・プロジェクト作品。 ウェザー・リポートとリターン・トゥ・フォーエヴァーを足して、 マハビシュヌっぽさも加えちゃえ...的な ゴージャスな内容です。 ジャコパス大好き!なヨナスのベースはもちろん、キーボードもドラムも ど派手で超絶な演奏を披露しています。 (ラレ・ラーションやゾルタン君だったのね、どおりで...) こんなものをひょいと作れちゃうなんて、 フラキン関連メンバーのポテンシャルは底なしですね〜。 フラキン・フォロワーとの格の違いを改めて感じました。 超絶ジャズ・ロック〜フュージョン・ファンは絶対に聴いておきましょう。 (フラキンのイメージのせいで耳にしていないとしたら勿体なさすぎですよ。) |
アメリカの本格的なプログレ・メタル・バンドの2012年作。 出だしはメタリカ?と思いましたが、 その後は2ndで大ブレイクした頃のドリーム・シアターのメタル度を増量したような 内容となっていてかなり楽しめます。 (当時このアルバムが出ていたら、国内盤はゼロ・コーポレーションから出てたんじゃないかな?!) カヴァーでエルトン・ジョンの「葬送〜血まみれの恋はおしまい」を取り上げてることから、 ある程度想定してはいましたが、ここまでドリーム・シアターに心酔しているとは... 現在活躍している新世代のプログレ・メタル・バンド勢と比べると、 時代遅れで後ろ向きといえるし、演奏も荒削りではありますが、 曲は良く練られていると思います。 ただ、DISK2のカヴァー曲集は工夫不足でちょっと残念でした... オリジナルが聴きたくなってしまうようじゃダメでしょう。 (DISK2を聴かなかった方がバンドの印象は良かったです。) 過去のドリーム・シアターに固執するスタイルは、 逆に今となっては新鮮にも思えるので、 徹底的にこの路線を追及するのもありだと思います。 |
「くどすぎるキャロル・キング」(←一応ほめ言葉!)こと、
人を惹きつける何かを持った女性SSWの2nd。 この2ndも知名度の低さに反し、えらく本格的な内容です。 湿り気を含みずっしりと重かった1stに比べ、 この2ndはアメリカナイズされた感じで、 シンプルかつ軽やかなスタイルに変化しています。 聴き手が身構える必要が無くなり、 かなり聴きやすくなったといえます。 (その分こってり派には物足りない?...) とはいえ、メロディ、歌声、ピアノ...には相変わらず 太い芯が一本通っていて耳に焼きつきます。 女性(というか母)の強さを改めて認識できる力作です。 |
元ジェリーフィッシュの天才ミュージシャン、
ロジャー・マニングによるソロ2作目。 1stと同様、今回も無数のアイデアが散りばめられ 1曲1曲が特別な輝きを放っています。 「ジェリーフィッシュを発展させた」という言葉では 全然収まりきらない、膨大な音楽要素が無理なく無駄なく詰め込まれているにも関わらず、 盟友ジェイソン・フォークナーとアプローチの似ている曲が収録されているのが面白いです。 (サルのイモ洗い状態?) そろそろ新作出ても良さそうなんですがまだなんでしょうか?待ち遠しいなあ... (ジェリーフィッシュ再結成の準備中とかだったらうれしいんだけど...) |
BLACKBYRDSの仕掛け人としても知られる、
著名なジャズ・トランペッター、ドナルド・バードによる
ジャズ・ファンク〜レア・グルーヴ系の傑作。 70年代の真ん中にこんなにも洗練された音楽を創造し、量産していたなんて... ロイ・エアーズもそうですが、 底知れぬ才能に大いに驚かされます。 でも、こんなものを70年代にジャズの枠から出していたんですから、 当時頑固なジャズ親父に相当叩かれたことでしょう! 「スカイ・ハイ・サウンド」って表現はそのものズバリですね。 あまりにピッタンコカンカン過ぎてミル・マスカラスも覆面脱いじゃいそう!(意味不明) |
いまやメタルコアの象徴ともいえるスーパー・バンドによる5th ドラマーが死去し、マイク・ポートノイがドラムを担当している、 影響もあるのかもしれませんが、 重厚でプログレ寄り(特にフロイド色が強い)な内容にシフトした、 極めて芸術性の高い作風に仕上がっています。 これまでのキャリアの集大成というか、持てる力を全て出し尽くした感があります。 彼らの最高傑作といって良いでしょう。 ただ、個人的には、CITY OF EVILのような (芸術なんかクソくらえ的な)悪ガキっぷりやいい意味での薄っぺらさとは もう二度と出会えないことを改めて認識し、 ちょっぴり切ない気分になりました。 |
イージーリスニング界永遠の貴公子こと
リチャード・クレイダーマンの2枚組ベスト盤。 ベスト盤は死ぬほど出ていますが、 長い間曲名がわからず探していた「星空のピアニスト」を 収録していることから本作を入手しました。 (わかったのはイトーヨーカドーのおかげ!) 「渚のアデリーヌ」、「愛のオルゴール」、「愛しのクリスティーヌ」... なんとも懐かしく美しい旋律の連続にうっとりします。 ポール・モーリアとリチャード・クレイダーマンのメロディは、 70-80年代をリアルに生きてきた日本人の耳に しっかり焼き付いていることを実感しました。 嬉しい誤算だったのは、こちらも長い間探していた 「恋はピンポン」、「小さなピアノの詩?」が収録されていたことです。 特にポップ・コーンみたいなシンセ・ポップ「恋はピンポン」は、 リチャード・クレイダーマン=ピアノのイメージとかけ離れていたので とても意外でした。 最も軽視されがちなジャンルではありますが馬鹿にせず聴いてみましょう。 なんだかんだいって良いものは良いのです! |
北欧メタルの大御所バンドによる2011年の作品。 実は彼らの音を耳にするのは名盤VISOINS以来だったりします。. (ってことは15年ぶり?) ティモ・トルキのいないストラトヴァリウスって一体どうなんだろ? アンドレ・マトスのいないアングラが成功した例もあるし... となにげに興味がわいたので聴いてみることにしました。 あれれ、なかなかいい感じじゃない! 初期のパクリ&ネオクラシカル&メロスピ路線と、 プログレ・メタル路線が程よくブレンドされています。 大ベテランだけあって、落としどころが良くわかっていますね。 それにしてもイェンス・ヨハンソンってリチャシンじゃなかった リチャアン(←誰もそう呼ばないだろ)にクリソツですなー。 スローテンポの曲を思わずスキップしたくなるのは 15年前と全く変わっていませんでした!(笑) |
カナダのAOR超人、ジノ・ヴァネリによる名曲新録作品集なのですが、
これがまたえらく気合が入ってます! 「プロフェッショナル」という言葉の意味を改めて感じさせる、 圧倒的な演奏と、それを牛耳る説得力十分のヴォーカルは、 さらに円熟味を増し、驚異的なパフォーマンスを披露しています。 ただでさえ名曲なのに、どの曲もみな新たな命が吹き込まれたかのように、 いきいきと主張しまくっています。 まあ超人ジノには枯れた味わい...なんて逃げ方は似合わないですよね。 「世界で最も高価なコンビーフ」のような ギラギラオーラ全開の歌声が心地よいです。 (当時とキーが変わっていないと思われます...すごすぎるー) 相変わらず演奏もゴージャスでお金がかかっていますが、 中でもドラムへのこだわり(手数多すぎ、音でかすぎ...)が 変わっていないのが嬉しいです。 この布陣で是非第二弾をお願いしたいですね。 (今度は「戦争組曲」を是非!) |
一昔前、日本で絶大な人気を誇った
デンマークのハード・ロック・トリオ
DIZZY MIZZ LIZZYの中心人物によるデビュー・ソロ。 ハード・ロックの枠が無くなったこともあり、 自由かつ自然に自分がやりたい音をそのままシンプルに詰め込んだ感じがします。 バンド時代と比べ、内省的な肌触りもあり、 ガツンとくるものが無く、最初は物足りなさを覚えましたが、 聴けば聴くほどじわじわきます。 結局良いメロディを書ける人は、 どんな音楽が流行っていたとしても、 生き残ることができるんですよね。 この稀有な才能を公開する場が、バンド解散後も与えられて 本当に良かったです。 |
アメリカのB級メタル・バンドによる3rd。 女性ヴォーカルがいつの間にかいなくなっている (メンバー間で奪い合い?!)ものの、 他はデビュー時から何も変わっていません。 ツイン・ギターに拘るあまり他をおろそかにしているし、 相変わらずペラペラなプロダクションだし(特にドラムがドイヒー!)、 どの曲も同じように聴こえるし... まさに「キング・オブ・Bクラス」を邁進しています。 ただ、だからこそこのバンドが愛らしく感じてしまうのも事実なのです。 (もしかして1stから追いかけてレビューしてるのって私だけ?) メンバーが夜勤バイト掛け持ちしてなんとかアルバム出してそうな感じとか、 メンバーが自分の子供にキラキラネーム(重金属(めたる)君とか...)つけてそうな感じとか、 たまりません! まあ、やりたい音がはっきりしていてぶれないのは強いですよね。 |
AMORPHIS、SWALLOW THE SUN、MOONSORROW、KREATOR...
といった輝かしい経歴を持つメンバーが集結した、
フィンランドのシンフォ・デス・バンドによる2nd。 歴戦の猛者が集まっているだけあって、 そんじょそこらのバンドとはレベルが違います。 アグレッシブなパート、繊細なパートのいずれも説得力があり、 どの曲も考えられてしっかりと作られている上に、 アルバム全体にも統一感があります。 民族色の取り入れ方も的を得ています。 個人的には、他バンドとは一線を画すキーボーディスト (70年代シンフォ風味があり、どこか女性的なセンスを感じます)がツボでした。 粗悪なジャケットだけは次回からなんとかしてもらいましょう。 バンド名から版画の時にしか使い道が無いあの道具を思い出してしまうのは 私だけでしょうか... |
ジャズ・ファンク〜レア・グルーヴの名バンドによるコンピもの。 レア・グルーヴの「ロイ」といえば「エアーズ」といいたいところですが、 「ポーター」も負けていません。 大蛇のような極太ベース、軽快なドラム、転がりまくるエレピ、 あやしげなフルート、ファンキーなヴォーカル... 90年代にJTQあたりを聴いていた人なら、 きっと気に入ってもらえると思います。 そもそも1940年代にバリバリのジャズをやっておきながら、 70年代にこんな道に進んでしまうなんて、 どことなくドナルド・バードみたいですね。 名曲名演ばかりですが中でも「パナマ」のグルーヴ感は半端なく、 この時代にしか絶対に味わえない空気感に全身が痺れます! (「ヴァン・ヘイレン」もいいけどこっちも負けてないです。) いやはや、マイアミもいいけどロイ・ポータ(略) |
驚異的なポテンシャルを見せつけた2ndが話題となった、
ロシアの新鋭プログレバンドによるデビュー盤。 どうやって撮影したのか想像すると笑えてしまうジャケットはさておき、 この作品も2ndほどではないものの相当に面白いです。 ドリーム・シアターがジェントル・ジャイアント化したようなテクニカル・メタル路線から、 ポーランドのリヴァーサイドに通じる旧共産圏シンセ&最先端デジタルアレンジな内省的シンフォ路線まで、 まあいろいろと楽しませてくれます。 目の付けどころがシャープで、引き出しも多く、 演奏も完璧なのですが、アルバムを通して最も印象に残るのは ラストのジェントル・ジャイアントのカヴァーだったりするのがほんのちょっと残念かな (GGの曲力が凄いともいえるんですが...) いずれにせよ彼らが作曲能力を磨けば一層レベルアップすると思います。 バンド名から「剛力ちゃん」を連想してしまうのは私だけでしょうか。 |