2012年に聴きまくったアルバム64枚を順位付けして紹介します。
渋谷系(といいながら日本じゃない!)がやたら目立ちます。これでいいのか?
で、相変わらずダウンロードものには手を出していません。
(昨今ダウンロードオンリーのアルバムが増えているので、
このままだと紹介作品が無くなったりして...)
スペインが世界に誇る最高の渋谷系フォロワーによる2007年発表作品。 とにかく本作もクオリティが高過ぎます。 とことんキャッチーなメロディ、とびきりカラフルなアイデアが ぎっしり詰まっています...というか、 一体どれだけ詰め込めば気が済むんでしょうか? 強力な中毒性(そーいやスペインでドラッグ大国だったっけ!)があり、 彼らの音を聴いているときも聴いていないときも眠っているときも、 彼らの音が常に頭の中をぐるぐる回っています。 おかげで他の作品を聴こうという気が起きずレビューもできません... (ある意味迷惑!) 過剰なまでに反復される意味不明な日本語サンプリングもボディブローのように 効いてきます。 こういう底抜けにハッピーな音は今の時代にこそ必要だと思います。 |
イスラエルのSSWによるシンフォニックな歌物作品。 最近CDの収納場所に困り、売りに出すCDを選定している最中に、 「これ、ジャケットからトッド・ラングレンぽいのかと思って期待したけど、 地味でパッとしなかったんだよな...」と思い、 念のため再生したら、な、なんですかこれは... 現在の自分の聴きたい音が全てドンピシャで入っている超絶名盤じゃないですかっ。 個人的に、イスラエルのプログレ三種の神器は、SHESHET、NO NAMES、ZINGALE だと思い込んできましたが、その上を行く、 イスラエル史上最高の名盤だと思います。 (プログレ名盤紹介にも掲載します。) しっかし、こういう見落とし(聴き落とし?)があるから、CD売れないんだよなあ... で、本作のおかげでイスラエルものを大量注文っと!(←保管場所は?) |
スペインの渋谷系ユニットによるポップス・ファン必聴作。 いやはや...渋谷系の文化はスペインにも伝わっていたんですね... そもそも渋谷系自体がミクスチャー的な要素を持っていますが、 このユニットがユニークなのは、その渋谷系をもミクスチャー要素の一つとして 扱っているところでしょう。 ソフトロックはもちろんエレポップやディスコも取り込んだサウンドは これまでの渋谷系を一気に2段階もバージョンアップさせたような ウルトラポップなものに昇華されています。 イタリアの能天気&ヘナチョコ&イカサマな部分(←全部褒め言葉です)を さらに増幅させたようなヴォーカル、アレンジも冴えています。 2003年に作成されていたというのに、これまで存在を全く知らなかったなんて... なんかちょっと彼らに申し訳ない気持ちです。 (でもこれから他の作品を集められるのが楽しみだったりして!) |
アメリカから突如現れた超絶激烈メタルバンドのデビュー盤。 こりゃ参った...これまでありとあらゆるジャンルを組み合わせた ユニークなメタルバンドをたくさん耳にしてきたつもりですが、 まだまだこんな凄い連中が出てくるとは... スラッシュ、メロデス、メロスピ、 ネオクラシカル(イングウェイというよりインペリテリなところがミソ(笑))... といったジャンルのど派手な部分だけを凝縮し合体させたような音楽性で 荒々しく疾走し続けます。 まるでブレーキの壊れた重戦車が全ての武器を360度に砲撃し続けながら、 時速300kmで爆走しているようです。 あまりの殺傷力にこのアルバムを聴き終えると、 ボコられた後のような放心状態に陥ります。 2ndはどう頑張っても本作よりおとなしくなっちゃうんだろうなあ〜。 |
現アメリカを代表するシンフォ神、ニール・モーズの2005年発表作品。 今回もニールにしか成しえない 壮大で胸のすくようなシンフォ・ワールドが繰り広げられています。 やはりニールは絶対に外さないですね〜 (数少ない単賞1.0倍アーティスト!) 本作の特徴は音楽性がトランスアトランティックにかなり近いことでしょう。 ゲストにマイク・ポートノイとロイネ・ストルトが参加しているせい(他には、ジョーダン・ルーデス、 ステゥーヴ・ハケット、アラン・モーズらが参加)だと思いますが、 いつものニール・モーズ作品に比べて感動度が数倍アップしています。 この調子でニールは永続的にシンフォ名盤を量産し続けると思うので、 一生追いかけることになると思います! (ただ、ニール関連作は、一度にまとめて聴くとマンネリ感を覚える可能性があるので、 少し間を空けて聴くことをおすすめします。) |
イタリアの渋谷系チルドレンによる超強力なデビュー盤。 個人的に、スペインのLA CASA AZULにイタリアっぽさ (能天気&ヘナチョコ)を感じているので、 このバンドも似たようなスタイルだろうと勝手に想像していたんですが 結構違っていて驚きました。 確かに、LA CASA AZUL顔負けのピコピコ系エレポップも数曲収録されていますが、 基本的には、イタリアとは思えないくらい、 渋谷系の王道をくそまじめにコツコツと追求しています。 LA CASA AZULからエレポップやディスコな要素を取り除き、 ソフト・ロックとネオアコ色を強化した渋谷系の優等生...といったら伝わるかな... コード進行はおしゃれだし、男女ヴォーカルのハーモニーは美しいし... ドイツのRIVIERAを髣髴とさせる場面も結構多いです。 渋谷系のファンはもちろん、エヴァーグリーンなポップスとして聴いても 十分満足のいく名作だと思います。2ndが待ち遠しいぞー。 |
アメリカのサンシャイン・ポップ系SSWのデビュー盤なんですが、
なんだかものすごいことになってます! 美しいメロディ、キラキラしたアレンジ、ハートフルな演奏が一体となり、 永遠に語り継がれるべきポップ名盤に仕上げられています。 聴いていて真っ先に思い浮かんだのは、 ライナス・オブ・ハリウッドですが、 その後も、チューイー・マーブル、 リヴィエラ、ジューン&ザ・イグジット・ウーンズ... まるでフィルターレコード(全盛時)を1人で再現したかのような 作風となっています。(歴史は繰り返すのでしょうか?) ルーツには、ビーチ・ボーイズ、トッド・ラングレン、そして 70年頃のソフトロック...と、 もう日本人ポップスマニアなら号泣間違いなしですね。 10年前にフィルターレコードを愛していた方は、 絶対に買って泣いてください!(2ndも出てます。) |
グラスゴーのポップバンドによるピュアポップの傑作。 BRENT CASHからレーベルつながりで この隠れた宝石のようなバンドを知ることが出来ました。 (これだからリンク辿りはやめられない!) BRENT CASHと同様、やはり思い出すのはフィルターレコードのアーティスト達... ユニークなのは、アメリカ出身ではないのに、トッド・ラングレンとブライアン・ウィルソンの 影響が大きい(ビートルズやクイーンではない)ところでしょう。 BRENT CASHと比べると、こちらのほうが翳りがあり音に深みがあるので、 秋から冬にかけては特にしっくりくると思います。 人懐っこいメロディながら、一音一音がどこか神々しく 浮世離れしているので、 感受性が豊かな頃に聴いていたら、確実に泣いていたと思います。 一人でも多くのポップスファンに耳にしてもらいたいなあ〜。 |
韓国が生んだ究極の渋谷系ユニットによる三作目。 1st、2ndのどちらも狂ったように聴きまくったので、 この3rdも...と思いきや、あれれ、なんかちょっと違う... 最近LA CASA AZUL、FITNESS FOREVERといった、 渋谷系の音で頭が充満石饅頭なせいかと思いましたが、 どうやらそれだけでは無さそう... アイデアの量や弾けっぷりがここにきてひと段落したように思います。 ...とはいえ、さすがは天才集団...駄作に終わるはずが無く、 傑作レベルは軽く超えてしまっています。 1stや2ndで終わって&止まってしまうバンド、アーティストが多い中、 彼らは3rdでも抜群の安定感を誇っています。 本作のおかげで彼らが今後も傑作を作り続けていくことを確信できました。 個人的なキラーチューンは初期シンバルズな6曲目ですね〜。 |
膨大な数のアルバムを発表している
メキシコ...というより南米シンフォ界の巨人、CASTの2008年発表作。 これまで彼らのアルバムをじっくり聴いてこなかったんですが、 これほど濃密で圧倒的な完成度を誇るアルバムを作り上げていたとは... 初期の辺境(というか稚拙)なイメージが残っていたんですが、 長い年月を経て、バンドがとてつもない成長を遂げていたんですね。 自分がまだまだシンフォものでこんなにときめくことが出来るとは 思ってもみなかったです... 情報量と構成力は半端なく、聴き手の予想をどんどん覆しながら、 展開、展開、また展開...いったいどこまで上り詰めていくんでしょう?... 決して大袈裟ではなく、アルバム7枚分ぐらい作れる素材を、 2枚組に押し込めたような印象を受けます。 ふつうはこんなに全力疾走したら、むこう十年間はアルバムは出せないと思うんですが、 この調子でコンスタントにアルバムをリリースしてるところがまた凄いです。 どんだけ才能豊かなんでしょうか... このアルバムを聴いてすぐに、彼らの入手可能な作品を一気に注文しまくったのは いうまでもありません! |
イタリアのクラシカル・シンフォ・バンドが
結成30周年(まさかそんなに活動しているとは...!)に
して辿りついた最高傑作。 一昔前に彼らの作品を耳にした際は、 突出したものが見当たらず、今一つという印象しか残りませんでしたが、 「継続は力なり」を証明するかのように、クラシカル・シンフォ・ファンなら 絶対に押さえるべき傑作に仕上がっています。 「コンチェルト・グロッソ・2.998!」(←ほとんど3)と 呼びたくなるような感動的な1曲目を皮切りに、 荘厳で物悲しく儚げなドラマが繰り広げられ、 幾度も胸を締め付けられます。 次回作もぜひこの路線を継続して欲しいものです。 |
鮮烈なデビュー盤が印象深かった新世代のポップ魔術師、
ブライアン・スカリーによるバンド名義での作品。 今回も、かわいくもあり毒々しくもある独特の美学が貫かれた すさまじいポップ名盤となっています。 (喩えるなら、猛毒を持っている愛くるしい小動物のような感じ?) なんといっても1stよりも複雑で難解になっているにも関わらず、 聴きやすくなっているのが素晴らしいです。 (←言っていることが矛盾してるけど、そうなんだから仕方が無い!) バンド名義のせいかもしれませんが、 ある意味メジャーなプログレ名盤以上に プログレな「QUEEN II」のブラック・サイドを、 高速化かつ過激化したような印象を受けました。 早く新作が聴きたーーーい。 |
タイのカーディガンズと呼ばれる3人組ユニットの2nd。 インドネシア、韓国...これまで カーディガンズ・フォロワーをいろいろ聴いてきましたが、 このアルバムが最もカーディガンズに近いです。 (それにしても何故アジアのバンドばっかりなんだろ...?) キュートでコケティッシュなヴォーカル、 切れ味のあるカッティングが心地良いギター、 シンセ、オルガン、エレピを華麗に操り、さりげなく自己主張するキーボード、 これらを軽快に纏め上げるリズム隊... 出てくる音はまさに我々が愛していた頃のカーディガンズそのもの。 さらにタイポップスの人懐っこさが隠し味になっているのもポイントといえます。 カーディガンズにリアルタイムではまっていた方は是非聴いてみて下さい! 内容には関係ないですが、ipodでLA-ONG-FONGとLA CASA AZULが並んでいたの見て、 思わずにんまりしちゃいました。(ここんとこ渋谷系ばっかり聴いてるなあ...) |
イギリスのちょっぴり変わったポップ・ロック・バンドのデビュー盤。 自分たちのスタイルをODD POPと称し、あの手この手を使って、 差別化をはかろうとしている意気込みがひしひしと伝わってきます ...が、彼らよりもODD POPの称号がふさわしいバンドがいるでしょ〜 (XTCとかSPLIT ENZとかSPARKSとか...)。 まあ、ODD POPかどうかはさておき、一生懸命ひねくれてみせようとしていても、 根っこがウルトラ・キャッチ―なピュア・ポップであることは隠せませんね... なのでとっても気に入ってしまいました。 それにしてもGOODBYE MR Aは名曲ですね〜。 (やり方がずるいけど、元曲が神曲だからしょうがないか...(笑)) |
80年代孤高のシンフォ・ハード〜プログレ・ポップ・バンド、
IT BITESによるまさかまさかの復活作! 現プログレ・シーンの重要人物、JOHN MITCHELLが加わっていることもあり、 IT BITESが80年代に築きあげた独特なスタイルと、 KINOやFROST*のような近年のモダン・シンフォとの いいとこどりをしたような贅沢な内容となっています。 この手の復活作は、たとえ内容が良くても 古くからのマニアに認められないことが多いですが、 これを否定するファンは皆無なのではないでしょうか? 本作を聴いて、過去のIT BITESを聴いてみようという 新たなファンの獲得にも成功しているはずです。 特に1〜2曲目の流れは無敵でしょう。 シンフォファンなら一家に一枚の名盤です。 |
ロシアのトランスアトランティック!と呼びたくなるような、
本格的な王道メロディアス・シンフォ・バンドのデビュー盤。 LITTLE TRAGEDIESのような過剰なコテコテ感、 THE GOURISHANKARのような先進的なセンスといった、 ど派手な武器は持っていませんが、 心温まるメロディを主軸にし、 シンフォという枠にとらわれない幅広い視野を持った 演奏がのびのびと繰り広げられいくさまに 胸の高鳴りを押さえられなくなります。 前述したロシアのトップ・レベルのバンドに 余裕で肩を並べる逸材と断言できます! フラキン、スポビ、トランスアトランティック、ムーン・サファリ、サイモン・セッズ... といった王道シンフォの名盤を愛してきた方は絶対に聴いておきましょう。 個人的にはロシアものにしては珍しく 演奏にロック魂が込められている点が気に入っています。 1stのジャケットに林檎が使われているせいで、 いつも間違えてしまうMAGIC PIEはもう3枚もアルバムを出しているというのに、 彼らときたら...とにかく一日でも早く新作を出して欲しいものです。 |
デビュー以後、順調に快進撃を続けるアメリカのポップ・バンドによる3作目。 またしても期待を裏切らない傑作に仕上げています。 メロディのよさはもちろん、コーラスもヴォーカルも力強さがあり、 よい意味での野暮ったさも手伝ってとことんポップで楽しいです。 多くの先輩バンド/アーティストが交じり合っていながらも、 結局最後に出てくる音は全てSECRET POWERS以外のなにものでも無いところが強いです。 個人的には、5曲目のような1st路線の曲をもっと増やしてくれるとうれしいな... |
韓国のカーディガンズと称されるポップ・バンドの作品。 2003年から活動を続け、ようやくデビューアルバムの発表にこぎつけました。 のっけからインドネシアのカーディガンズことMOCCAみたいだと思ったら、 タイのカーディガンズことLA-ONG-FONGみたいな曲もあったりして ...聴いているとワクワクで笑顔がとまらなくなります。 (なぜかカーディガンズの遺伝子ってアジアに深く根付いてますよね〜。) 後半には、PEPPERTONESやLA CASA AZULを思わせるエレポップも出てきます。 ヨンジンの幅広い活動が見事にいかされているといえるでしょう。 あ〜カフェオレのみたーい!!! |
70年代初期のサイケ〜ハード・ロック〜プログレを
完全吸収したアメリカのハード・ロック・バンドによる作品。 ヒープ、パープル、サバス、クリムゾン、 フロイド、おまけにビートルズ... 幅広いジャンルの巨人達が残した偉業を上っ面だけでなく、 細部まで完全に取り込んだ上で、 彼らにしか出せない音に変換していくスタイルは 今回も全く変わっていません。 きっと彼らはどう転んでも この手の音しか出せないんでしょう... ある意味不器用といえますが、 非常に多くのバンド情報を取り込んで、 多くの人にわかりやすい形に纏め上げる手腕は 器用ともいえます。 この器用さと不器用さが同居する不思議なスタイルこそが 彼らの最大の魅力なのだと思います。 久々にバンドでコピーしたくなりました。 |
衝撃的なデビュー盤が記憶に新しいインドネシアの天使、
GITA GUTAWAによる2nd。 もう「ERWIN GUTAWAの愛娘」って表現は不要でしょう。 チンタ溢れる親父をはじめとする豪華制作陣が、 みな自分の仕事をパーフェクトにこなし、 前作とはまた違ったGITA姫の一面を見事に引き出していますが、 どんなタイプの曲でもさらりと歌いこなしてしまう 彼女の才能に改めて驚かされました。 聴き始めはあまりにベタ過ぎ(さすがインドネシア!)で 苦笑してしまった「星に願いを」も聴き終えたら、 完璧な歌唱にうるうるきてしまいました。 美しくて神々しくて可愛くて...もうギッタギタにやられました〜。 あ〜本人に会ってみたいなあ、CDに握手券いれてくれないかなぁ。 (←ERWINにボコられそう!) 今後、成長とともにピュアさが失われていくんでしょうね... そう考えるとちょっと淋しくなったりします。 |
FOWともつながりのある実力派SSWによる傑作。 彼のことを最近まで知りませんでしたが、 随所で高い評価を得ていたので、アルバムを入手することにしました。 なるほど...こりゃ確かに評判になるわけですね... ビートルズ、ビーチ・ボーイズ、クイーン、ジェリーフィッシュ... らのフォロワー組とは明らかに立ち居地が異なり、 最初から最後まで自分で手間隙かけて作り出した 人のぬくもりを感じ取ることが出来ます。 カントリー、フォークを下地とし、おおらかで、ゆったりとした、 人懐っこい楽曲ばかりが揃っていて、 聴いているとじんわりと心が満たされていきます。 とんがった音や情報過多な音ばかり聴いてる耳には このナチュラル極まりない音はとても新鮮に聴こえます。 出てくる音は違いますが、どこかMARTIN NEWELLに近いものを感じました。 (本人が写るジャケットからポップな内容は全然想像できないし!(笑)) |
ファーザー・オブ・ディスコことジョルジオ・モロダー率いる
ディスコ・プロジェクトの1st(77年作)+2nd(78年作)を
カップリングしたお買い得なCD。 初期YMOを思い浮かべずにはいられない元祖テクノ・ポップなモロダーのソロも 良かったですが、70年代独特のいかがわしいオイニーがプンプンな ディスコ・サウンドを追及しているこちらの音源もたまらなく良いです。 聴き手の度肝を抜く15分超のファンキー・チューンで始まる1st、 原曲のイメージを木端微塵に破壊した「青い影」のカヴァーが痛烈な2nd (実はツアラトゥストラ〜のカヴァーもやってますが、こっちはおとなしめ!) のいずれも傑作であることがわかります。 70年代のテクノ3冠王は、YMO、クラフトワーク、モロダー親父で決まりですね。 (...ってよくみたら枢軸国!) |
誰もが認めるスーパー・アーティスト、エリック・カルメンが、
アメリカのパワーポップ史に残る名バンド、ラズベリーズを
解散後に発表したデビューソロ作。 代名詞ともいえるALL BY MYSELF以外にも、 佳作が揃っていると予想していましたがとんでもない! 全曲が名曲レベルの超名盤じゃないですか! ハードなパワーポップから内省的なバラードまで... いろいろなタイプの曲が収録されていますが、 どの曲もすこぶるメロディが美しく心に残ります。 さらに、どんな曲でも完璧に歌いこなし、 彼独自の世界を作り上げていきます。 エリック・カルメンって凄い才能の持ち主だったんですね〜。 ラズベリーズ時代に溜め込んで温めていたアイデアを一気に注ぎ込んだような、 瞬間最大出力的なオーラが漂っていて、時折神々しさを感じます。 こんな歴史的名盤ともいえる内容なのに、日本ではなぜ過小評価されてるんだろ... (そういや、イギリスのカルメンもピンクレディのカルメン'77も評価が低いような気が(笑)...) ラズベリーズもじっくり聴かなくちゃ... と思ったら結構廃盤になってるんですね、悲しいなぁ。 |
デビューから数作品まで、ネオクラシカル系のファンから
相当な支持を受けていたドイツのメタル・バンドの6th。 前回彼らの作品聴いたのいつだっけ...ってくらい 間が空いてしまいました。 なんとなく、もっさりしてるんだろうなあ〜...と思いきや びっくりするほど格好良いじゃないですか。 ここまでクオリティの高いネオクラシカルものって、 そう簡単に見つからないでしょ。 ワンパターンと酷評されてる印象が強いですが、 品質は極めて高いので、聴き手が工夫(脳内リセットできるまで時間をおく) すればいいだけの話のように思います。 それにしてもマッツ・ミングローブ!じゃなくて マッツ・レヴィンってこんなに歌うまかったっけ? のびのびと表情豊かでとても感情移入しやすいです。 (なにげに彼のベスト・パフォーマンスでは?) |
FLAMBOROUGH HEADをはじめとするオランダの中堅シンフォバンドから有能なメンバーが集結した
メロディアス・シンフォ・バンドの2nd。 ツイン・キーボードとギターがお互いに呼応するようにして、 いきいきと爽やかに美メロを紡いでいきます。 キャメルとジェネシスを組み合わせたようなメロディアス・シンフォの教科書的なスタイル (70年代カイパやセバスチャン・ハーディをアップデートして、 オランダらしい人懐っこさを加えた感じ!?)は、 決して目新しいとはいえませんが、 曲も演奏もマイルドですこぶる出来が良いので、 ついつい何度もリピートして聴き惚れてしまいます。 特にラスト曲には感動しました... (といいながら、おまけの「スネークマンショウ」風コント?には いつも笑っちゃいます...「エディ〜〜〜〜〜!」って叫んでるし!) |
アメリカのテクニカル・シンフォ〜フュージョン・バンドの3rd。 2nd発表から10年以上音沙汰が無かったので、解散したものと思っていましたが、 新作を発表してくれました。 超絶テクニックでひたすら押しまくった1stの後、 2ndではメロディアスで大人しくなってしまったので、 3rdもさらにマイルドになってるんだろうなぁ... (年齢のこともあるし)と思っていましたがいい意味で裏切られました。 演奏がはつらつとして若々しく、1stの弾き倒し路線が蘇ったかのようです。 YTSE JAM@DREAM THEATER+YYZ@RUSH路線を極限まで追及しているのに、 何故かカシオペアが混じってしまうところがたまらないんだよなぁ〜! 疾走感あふれるラスト曲とか最高でしょう...もっと評価されるべきバンドだと思います。 |
あまりにも強烈なデビュー盤で全メタル・ファンを虜にし、
一躍スターダムに登りつめたブラジルの超正統派パワー・メタル・バンド、
ヒブリアの2nd。 1stが神盤だったことによる過度の期待、長過ぎるブランク... 一抹の不安が過りましたが、そんなものは、 1曲目のタイガー・パンチで全て吹き飛びました。 (というかこの曲だけでフルボッコ状態... ...最初から最後まで常軌を逸したハイテンションでひたすら殴られ続けます! サンダースティールやペインキラーと並び称されるべき、 究極のオープニングといえるでしょう。) その後に同レベルの名曲が控えていないことだけが惜しまれますが、 当たり前のように格好良い曲ばかりが揃っていて 文句のつけようがありません。 こうなると3rdが心配だなぁ... |
ウズベキスタンNo.1(←他にいるのか?)のテクニカル・シンフォ
〜ジャズ・ロック・バンドによる3作目。 辺境というイメージとは相反する非常に幅広い視野を持っており、 多彩なジャンルを吸収し豊富なアイデアを織り込んだ楽曲を、 卓越した演奏技術を持ったメンバーが縦横無尽に展開していきます。 この手のバンドはとかく場面展開がせわしないことが多いんですが、 このバンドはゆったりとなめらかに演奏が繰り広げられていきます。 (まるでベテランバンドのような余裕を感じさせます。) 作曲能力も優れていて何十回リピートしても決して飽きがきません。 (それだけに2曲目のYYZ@RUSHの単純パクリだけが勿体無い!) そうそう、バンド名がいつのまにかFROMUZ→FROM.UZになってるので なぜかと思ったら、バンド名=フロム・ウズベキスタンってことだそうで... FROMUZって綴り(というか響き)、結構気に入っていたんですけど... これは知らなきゃ良かったなぁ!(苦笑) |
インディーズ・ポップの宝庫アメリカから
またもや素晴らしい傑作が見つかりました。 シカゴ出身のバンドで、日本での知名度は低いですが、 ビートルズ、ビーチボーイズ、ELO、クイーン、ジェリーフィッシュ... おいしいバンドのエッセンスがわかりやすい形で次々飛び出してくる内容には、 「日本人が評価しなくて一体誰が評価するの?!」と声を大にして言いたくなります。 前述のバンド群が好きならもちろん、THE SWIFTとかFLUID OUNCES あたりが好きなピアノ・ロック・ファンにも是非聴いてもらいたいと思います。 毎回書いてますが、アメリカのインディーズ・ポップの奥深さは異常ですね... ちょっと探求しただけで、あっという間にCDが100枚、200枚と増えていきます! |
アメリカの完璧すぎるビーチ・ボーイズ・クローンによるデビュー盤。 ありがちな「60年代のビーチ・ボーイズに大いなる影響を...」 といったレベルではなくもうそのまんまです! ワンダーミンツもびっくりでしょうね。 この手の方向性を目指そうとしても、 大抵は70年代以降のポップス、 中でもジェリーフィッシュに代表されるパワーポップ的な要素が 絡んでくるものなんですが、 このアルバムには一切混入していません。 この純度の高さは、これまでの常識では考えられないレベルといえます。 ビーチ・ボーイズのファンなら有無を言わずに聴いておきましょう。 個人的にはSECRET POWERS風のオヤジ声が炸裂する2曲目とか好きだなぁ。 そうそう、このバンドと同名で、凄腕ミュージシャンが集結したプログレ・メタルの企画モノが あったのを思い出しました。(豪華メンバーのわりに内容がいまひとつだった気が...) |
インドネシアが誇る天才メロディメーカーの1人、
YOVIE WIDIANTOを中心とするポップ・ロック・バンドの作品。 いつもの彼らしく、インドネシアものとしては至ってシンプルかつコンパクトながら、 温かくて優しい歌心が満載の佳作に仕上がっています。 ストリングスアレンジを導入し徐々に盛りあがっていく1曲目には胸が熱くなりました。 毎度毎度完成度高いなあ〜。 |
カナダの知る人ぞ知るジャズ・ロック・バンドのデビュー盤。 マニアック過ぎてCD再発は無理だと思っていたので、 勿体無くてすぐに聴くことができませんでした! イエス、ELP、GG...といったメジャーなプログレ・バンドの 影響を受けながら、クロスオーヴァー、フュージョンにも傾倒した カラフルなサウンドはユニークでとても魅力的です。 2ndも甲乙付け難い内容の傑作なのですが、 プログレ度ではこのデビュー盤に軍配が上がるかな... ということで、こちらを プログレ名盤紹介に掲載することにします。 |
カナダの技巧派ジャズ・ロック・バンドの2nd。 1stから1年しか経っていませんが、 時代の流れを汲んでかプログレ色が弱まり、 クロスオーヴァー〜フュージョン色が強まっています。 中でもクロスオーヴァー〜フュージョン的要素は、1stではマハビシュヌ風でしたが、 2ndはRTF風に移行しており、「剛」から「柔」のイメージに変化した印象を受けます。 ただ変化したといっても表面的なもので、 「75〜76年当時の」プログレとフュージョンを融合させた基本的な部分はなんら変わっていませんし、 1st、2ndともに極めて質の高いジャズ・ロックであると断言できます。 もしこの後も活動していたら、一体どんなアルバムを残したのかなぁ? |
アメリカの元祖プログレ・メタル・バンドによるレコード会社移籍後の作品。
(気が付いたら未聴アルバムが3枚もたまってました...) 久々に彼らの音を聴きましたが、 デビュー当時から彼らの作品を聴き続けているせいもあってか、 自然と耳に馴染みます。(DT節健在といった感じ!) 彼らにいまさら大きなサプライズを望んではいませんが、 どっしりとした安定感があるのは頼もしいです。 メロディアスな部分が減り、ヘヴィさが増しているので、 最初はIMAGES & WORDSの後にAWAKEを聴いたときと同じような がっかり感がありましたが、 数回のリピートですぐに消え去りました。 特に、これまで積み重ねてきた経験が最大限活かされている 終盤の長尺曲の重厚さは筆舌に尽くしがたいです。 (他のフォロワーには真似できないでしょう。) メタリカっぽい曲や、ラッシュっぽい展開が出てきたのには、 ちょっとニヤリとさせられました。 (デビュー当時、ラッシュ・ミーツ・メタリカとか呼ばれてましたよね。 ある意味原点回帰?) 一方で、ミューズっぽい曲にも挑戦していて、 これが結構はまっていて良かったです。 まだまだ老いるには早いですよね〜。 |
天才アモット兄弟を擁するスウェーデン最強のメロデス・バンドによる作品。 これまではどちらかというと、一気にガツーンと畳み掛けるタイプの 即効性のあるアルバムを作ってきた彼らですが、 本作は、うってかわってプログレ的な要素を多く取り入れ、 構成も展開も複雑で難解なものになっています。 おかげで、すぐには良さが伝わりにくく、 地味に感じられるところはありますが、 緻密に計算され一気に深みを増した楽曲のおかげで、 何度リピートしても飽きのこない内容となっています。 兄弟ならではのギター・コンビネーションは相変わらず 神がかっていて、溜息が出ます... 個人的には、アンジェラの歌唱に違和感が無くなって来たのも大きいです。 彼女も地道にレベルアップしてきたんですね〜... といいながら自分が慣れただけだったりして? (←ドラえもんの声じゃないんだから...) どうでもいいけどMY APOCALYPSEのハーモニクス部分聴いて、 秋のINDICATIONを思い出して セシルチョコ食べたくなっちゃったよ〜。うぇ〜ん。 |
70年代に活躍した黒人ジャズ・ファンク〜ジャズ・ロック・バンドのコンピ集第一弾。 このCDには、1st(72年)と2nd(73年)の音源を収録しています。 なにやら暑苦しくて小汚いチープなファンク・バンドみたいな風貌ですが、 内容はビックリするほどクール!... 乱暴とは思いますが、1曲目(エレピ最高!)はロイ・エアーズだし、 2曲目以降はソフト・マシン(4〜5th)だし... しかもどの曲も完成度が高くて演奏もキレまくってます。 世間的にはスピリチャル・ジャズ・ファンクとかレア・グルーヴとか 呼ばれているようですが、 そんな括りかたじゃ勿体無いです。 ジャズ・ロック・ファン、中でも中期ソフト・マシンが好きな人には、 無理矢理でも聴かせたい一品です。 ちなみにこのバンド、ウェザー・リポート加入前の アルフォンソ・ジョンソンも参加しています。 |
現イギリスを代表するメロディアスな王道ポップ・バンドによる2nd。 とてつもないクオリティを誇った1st以上に、 名曲が揃っている(1stもそうだったけど特に前半が神がかってる!)ことに驚かされます。 ポップス・シーンでインディーズがやたら盛り上がっているのは、 アメリカだけじゃないということが、この作品を聴くと良くわかるでしょう。 音楽性からよくジェリーフィッシュが引き合いに出されますが、 他のジェリーフィッシュ・フォロワーとは一線を画す 圧倒的なクオリティを誇り、全体を気品高いブリティッシュ・ポップスの 空気が支配しているのが素晴らしいです。 (もしジェリーフィッシュが存在しなかったとしても、 彼らはこの名盤を残したに違いない!) HONEYCRACKに通じるようなハードでガッツあふれる楽曲もカッコイイ〜。 全ポップスファンに自信を持っておすすめできる名盤です。 |
ベルギーのイングウェイ・クローン、ダッシャン・ペトロッシ率いる
ネオクラシカル・バンドの3rd。 前作から少し間が空きましたが、何年経とうがやりたい音楽は不変なようで、 イングウェイ節てんこ盛りの強力なネオクラシカル作品に仕上がっています。 一時期はうざったいほどイングウェイ・フォロワーが存在しました (サークルに入ってきた後輩ギタリスト達が みんなスウィープの練習してて驚いたこともあったっけ(笑))が、 ふと考えると、このイングウェイ魂を現代になっても追求し続け、 高クオリティの作品を残しているギタリストって、 ダッシャンぐらいしか残ってないんじゃないかな。 (ある意味、伝統芸能を極めた人間国宝みたいな存在?) 最近リチャード・アンダーソンも大人しいみたいなので、 彼にはネオクラシカル最後の砦!としてがんばってもらいたいものです。 |
フィンランドのシンフォ・メタル〜メロスピ・バンドによる4作目。 ソナタ・アークティカ、ラプソディ...といったジャンルを象徴するような名バンドと 比べると突出した個性、輝き...といったものが無く、 どこかもっさりとしたところがあるのが気になりますが、 それ以外は文句のつけようが無いクオリティの高い傑作となっています。 スタート時はB級であっても、着実に経験を重ね、 これほどの作品を作れるまでバンドが成長できるなんて、 メタル・シーンはしばらく安泰が続きそうですね〜。 彼らはまだまだ成長できる能力を持っていると思うので、 今後がとても楽しみです。 |
イギリスから現れたシンフォ・プロジェクトのデビュー作。 バンド名もそうですが、デビュー盤から2枚組とは 大風呂敷を広げまくってるなぁ...という印象があり、 体力的に長時間の組曲に立ち向かう自信も無かったのですが、 予想を覆す、聴きやすく中身の詰まった内容に驚かされました。 時折イギリスの大先輩である マイク・オールドフィールドやケイト・ブッシュを連想させる場面も 出てきますがあくまでもごく一部であり、 アンビエント、ニューエイジ、トラッド、シンフォ...を織り交ぜ、 このプロジェクト独自の解釈で表現した 特大スケールの世界がゆったりと広がっていきます。 自主制作でこの手の音楽を作ろうとすると、 大抵はデジタル一辺倒に偏るものなんですが、 各人の演奏に躍動感があるのが素晴らしいです。 特に2nd Movementの中間部以降で、メタルを通過したギターが 泣きまくるところには感動して鳥肌が立ちました。 本作のおかげでまだ2枚組も聴けるんだ...と 自分の体力に少し自信が持てました。 (とはいえ2ndは1枚のようで一安心です) |
アメリカのバンドでありながら、イギリスやヨーロッパに近い感覚を持ち、
知性的かつ独創的な名盤を残しながら、
アルバムを1枚しか残せずに解散してしまった
プログレ・ハード〜シンフォ・ポップ・バンドAVIARYの中心人物によるデビュー・ソロ作。 華やかでドラマティックなAVIARYと比べると、内省的で地味な印象を受けますが、 メロディの美しさ、アレンジのユニークさに AVIARYの面影を見ることができます。 1曲目に代表されるようなピュアでみずみずしい場面が印象深いので、 ブラッド・ラヴという人物は恐らく几帳面で真面目な人なんだろうなぁ... と勝手に想像してしまいます。 3曲目はどことなくヴァレンシアっぽいなぁ... と思いつつマシュー・ワイルダーの想い出のステップ(←知ってる人どれぐらいいるのかな? 、確かLP持ってたはず!)を無性に聴きたくなりました。 |
ノルウェーが誇る孤高の天才音楽集団による2010年の作品。 タイトルどおりヘヴィ・メタルをやってるわけではなく、 重金属を思わせるずっしりとし分厚い音の塊を束にして じわじわと迫ってきます。 うわわわ...彼らの音をしばらく聴いていなかったんですが、 最近はこんなことやってたんですねぇ。 テーマだけ決めて、とりあえず全員ででかい音出して 後は演奏しながらその場で決めていこう的な、 各人の化学反応を狙った70年代手法といったらいいのかなぁ... 初期〜中期クリムゾン、中期ソフトマシン... あとは、マンフレッドマンのチャプター3あたりを思い出しました。 (出てくる音は違いますがマーズヴォルタにも通じるところがありますね。) 個人的には、PHANEROTHYME〜IT'S A LOVE CULTの頃が、 一番好きですが、こんな彼らももちろん好きです。 何をやっても天才は違いますね、次はどこに進んでいくのかなぁ。 |
スペインのハッピーな渋谷系ユニットLA CASA AZULの
デビューEP(2000年発表)に多数のボーナス曲を追加収録した再編集盤。 ただでさえウルトラキャッチーな曲ばかりなのに、 曲が結構ダブっている(ミックス違い)ので、ものすごく耳に焼きつきます。 初期ということもあり、まだこなれていないところ、 貧弱なところが目に付きますが、それが逆にチープなインディーズ色を 際立たせていて良いアクセントになっています。 (なによりフレッシュ感がうれしい!) 日本ではもう聴かれなくなった渋谷系のあの音を 独自に発展させ10年以上も活動し続けている (2011年にも新作を発表)のだから本当に大したものです。 |
オランダの激クサ&B級キーボード・シンフォ・バンドによる2010年作品。 「活動の集大成的な内容であり、 プロダクションの甘さも改善された力作」的な評価を受けていますが、 いざ聴いてみたら何も変わってなくて苦笑してしまいました! 偉大なシンフォの先人達の影響が前面に出過ぎて前のめり気味だし、 メロディは半端なくクサいし(イモくさいという表現が適切!)、 ヴァイオリンとか唐突でとってつけたような感じだし、 3連ハード曲に異常なまでに執着しているし... まあ「LIFE LINE SUITE 2010」って曲名つけるセンスに集約されているのかも! てなわけでやっぱり万人はお勧めできないですが、 こういう輩がシーンに存在してもいいんじゃないかなぁー。 これからもいちライフライナー(笑)として見守っていこうと思います。 |
スウェーデン・シンフォの中でも一際異彩を放つ実力派バンドの3rd。 5th(DESTINED SOLITAIRE)がとても良かったので、 過去のアルバムを遡って聴くことにしました。 やはり彼らは得体の知れない化け物ですね... リアルタイムではピンと来ずにスルーしてたなんて、何やってるんだか...>当時の自分 メジャー、マイナー問わず様々な70年代プログレをぶち込んだごった煮状態で、 滅茶苦茶凝っていて手間隙かかっているにも関わらず、 あくまでもさらりと演奏が進んでいきます。 マニアであればあるほど、彼らの術中にまんまとはまり、 わけもわからず翻弄されているうちに、 彼らのとりこになってしまうことでしょう。 |
スウェーデン・シンフォ孤高のバンドBEARDFISHの4th。 3rdも5thも、もやもやとして聴き手に正体をつかませない 不可思議な内容でしたが、この4thも同じ... なんとも形容しがたい、レビュアー泣かせの楽曲ばかりが並んでいて、 しかもアルバムごとに色が異なるのが凄いです。 (一体どれだけ多くの引き出しを持ってるんだろ?) 70年代プログレを土台とするバンドは、 大体、ジェネシス、クリムゾン、フロイド、GG...といったメジャーなバンドの要素が 見え隠れするんですが、彼らのマニアックなサウンドからは、 まるで彼らと70年代に同居していたかのような精神性を感じます。 (さらに70年代から現在に至るまでの音楽要素も散りばめているところがナイス!) 個人的にはPART ONEよりもPART TWOのほうが好きかなぁ... 一般的にはどっちが人気あるんだろう? |
インドネシアの大ベテラン・バンドによる記念すべきデビュー盤。 先日のFMプログレ特集で取り上げられたインドネシアのDISCUSが プログレ・ファンの間でかなり話題になったと聞き、 今から10年近く前、インドネシア・プログレの存在を 日本のマニアに知らしめたこのアルバムのことを思い出しました。 (ジェネシスもろパクリ&爆発コント風ジャケットのインパクトが強烈!) 当時カセットしか入手できず、もどかしい思いをした記憶がありますが、 ようやくCDを入手することが出来ました。 欧米のプログレ、アート・ロック、ハード・ロックへの 深い愛情と憧れに満ち満ちたサウンドには胸が熱くなります。 プログレという意味では、次作CERMIN(全シンフォ・マニア必聴の超名盤にも関わらず未CD化)のほうが 圧倒的にクオリティは高いのですが、1975年にインドネシアでこんな凄い連中がいた...という 偉業を称え、本作をプログレ名盤紹介に掲載したいと思います。 |
元ロイヤルハントの名ヴォーカリスト、ヘンリック・ブロックマン
を擁するデンマークのネオクラシカル入りメタル・バンドの2nd。 うーん...クラシック名曲のフレーズをふんだんに導入し、 ネオクラシカル、シアトリカルといった要素をうまく取り入れた 独自のサウンドが見事だった名盤1stと比べると、 随分と地味になった感があります。 (1stに収録できなかった曲を寄せ集めて収録した感じ?) とはいえ1stが名盤だっただけに、 キャッチーさが幾分失われたとしても、 合格点はクリアしている良質な作品だと思います。 ボーナス収録のディスコ名曲カヴァー (本当はボーナス(しかもカヴァー)が一番印象に残るようじゃダメでしょ!)みたいな 面白いこともできるので、今後もチェックしていこうと思います。 |
アメリカのユニークなシンフォ・ポップ・ロック・バンドによるデビュー作。 ドラマティックな2ndも素晴らしかったですが、 この1stも相当気合の入った中身の充実した傑作に仕上がっています。 1曲1曲がとにかく良く練られていて、 メンバーの演奏能力がやたら高いにも関わらず、 あくまで楽曲重視、ヴォーカル重視の姿勢を貫いているのが良いです。 中でも感情移入しやすいギターは強力にも程があります... テクニックもセンスも素晴らしすぎて圧倒されっぱなしです。 (個人的には、本当にうまいギタリストって こういう人のことを指すのだと思っています。) 今後も活動を継続してもらわないと... 無名で地味な存在ですが全力で応援していきたいと思います。 以前にも書きましたが、A.C.Tのメタル色を薄めた感じのサウンドなので、 気になるA.C.Tファンは是非チェックしてみてください! |
現メロスピ界で最も輝いているレイン・エクシードの中心人物、
トミー・ヨハンソンと、ディヴァインファイアのクリスチャン・リレグレンがタッグを組んだ、
ネオ・クラシカル系メタル・バンドのデビュー盤。 このところやや大人しかったネオ・クラシカル・シーンですが、 久々に強力な新人?が出てきた感じです。 ヒネリは無く、ただただネオ・クラシカル・メタルの基本に立ち戻ったような 教科書的な作風が清清しいです。 この時代にあってもこんなコテコテ作品を発表できるなんて、 やはりトミー・ヨハンソンの鈍感力は桁外れといえるでしょう! プロダクションもヴォーカルの表現力もレイン・エクシードの上を行っていますが、 レイン・エクシードを初期から応援してきたいちファンとしては、 トミーがネオ・クラシカルの枠にはまっている分、 いつものやりすぎ感が無いので、ちょっと物足りなさを感じてしまいます。 (でもトミーが暴走していない分、ノーマルなメタルファンにはこちらがおすすめかも。) |
スウェーデンが誇る北欧メタル伝説のスーパー・バンドが、
再びデビュー盤「SHAKIN' BRAINS」時の最強布陣で作り上げた快作。 この手の再結成ものは、各メンバーが個々に積上げてきた経験が邪魔をして 整合性が取れていなかったり、技術の進歩が悪いほうに働いて、 バンドが輝いていた頃の魅力が失われていたりすることが多いですが、 この作品は全然違います。 初期の未発表曲を焼きなおしているのが勝因だと思いますが、 メンバー全員が当時にタイムスリップしたかのような 演奏を展開していて最高に格好良いです!。 歯切れの良いアンダース・ヨハンソンのドラムに、 ヨナス・ハンソンのギターとイェンス・ヨハンソンのキーボードが ぶつかり合うさまにはテンションがあがりっ放し!... 通勤中の車内で平静を装うのが大変です。 私の中では、やっぱりヨナスだけじゃなく、ヨハンソン兄弟がいないと、 シルバー・マウンテンじゃないんだよなあ〜。 (ヨナスだけだと「石炭マウンテン」って感じ。) 個人的には大胆にメジャーコードを取り入れてるのがツボでした。 (ただ泣くのではなく、明るさ入りの泣きに激弱なのです!... (←映画で喩えると「ライフ・イズ・ビューティフル」)) |
WORK OF ART、ECLIPSE、TALISMANの重要メンバーが集結して作り上げた、
北欧メロディアス・ハードの教本的作品。 このメンツが揃って傑作にならないわけが無いでしょう。 予想通り&期待通り...寸分の狂いも無い完成度を誇っています。 ただ3人が集まったことで化学反応が起きているかというと、 そんなことはない(単純な足し算レベル)ので、 その分だけちょっと勿体無く感じます。 (←まあ、このジャンルにそんなものを求めるのは野暮なんですが!(笑)) それはさておき、北欧メロディアス・ハードが好きなら絶対に押さえておきましょう。 |
元ソナタ・アークティカのギタリスト、ヤニ・リマタイネンが結成した新バンドのデビュー盤。 ヤニが「昔のソナタみたいなことがヤリタイネン!」と 言ったかどうかはわかりませんが、狙い通り、北欧メロスピ好きならガッツポーズものの 快作となっています。 演奏力や作曲能力だけでなくどうやら根回しにも長けているようで、 ヴォーカルにはストラトヴァリウスのティモ・コティペルト、 キーボードにはこれまた元ソナタのミッコ・ハルキンが参画し、 みないきいきとしたパフォーマンスを繰り広げています。 こりゃ本家ソナタもうかうかしていられませんね〜。 本編とは全く関係ありませんが、 私と同年代の方なら1曲目の途中で中森明菜を思い出さずにはいられないと思います! |
優れたセンスが光る韓国の渋谷系プロジェクトによるデビュー盤。 ジャミロクワイをリスペクトした名前どおり、 渋谷系の中でも、クラブ、ラウンジ、アシッドジャズ...といった キーワードに属するサウンドをさらにアップデートさせた感じで かなり格好良いです。 デビュー盤ということもあってか、フレッシュで切れ味のよい サウンドが心地良いです。 リアルタイムでジャミロクワイ(初期)にはまり、 ライブを見に行ったりしていた頃を思い出しました。 本作を聴いて「渋谷系」というジャンルが、 ものすごく多彩な要素を含んでいるとともに、 ある意味曖昧なんだなぁ...とつくづく感じました。 (PEPPERTONESやLINUS BLANKETとは毛色が全然違います!... でもHOURMELTSには近いかな...) |
イギリスから出現したポテンシャル激高な新鋭メタル・コア・バンドのデビュー盤。 一応メタル・コアという仮面をかぶっていますが、 中身は「懐かしの北欧メロデス」そのもの! イン・フレイムス、アーク・エネミー、ソイルワークらが 最も輝いていた頃のサウンドを思い出さずにはいられません。 アグレッシブな演奏も格好良く、痺れます! メタル・コアにしては泣きすぎだし、クサ過ぎだし、 なにより過去のメタル・バンドをリスペクトし過ぎでしょう。 ある意味AVENGED SEVENFOLDと似たものを感じました! |
スウェーデンの実力派シンフォ・バンド、BEARDFISHの中心人物による
ソロ・プロジェクトのデビュー盤。 BEARDFISHの70年代プログレ要素を薄め、 代わりに70年代王道ロックへ接近した 親しみやすい作品となっています。 (といいながら独特の屈折感もわずかに残留しているところがポイント!) BEARDFISHで立証済みの70年代魂はますます冴えわたっています。 わざとらしさを感じさせずにこういう音をナチュラルに出すのって とても難しいと思うんですが、 さらりとやってのけるところがなんともにくいです。 恐らく一部の限られたプログレ・ファンしか耳にすることが 無いんでしょうね...勿体ないなあ。 |
スウェーデンの一風変わった
ドゥーム・メタル〜ヴィンテージ・ハード・ロック・バンドの作品。 70年代ヴァーティゴ・レーベルの魂を継承したような B級かつマイナーなサウンドで マイペースにごりごりと突き進んでいきます。 粘っこいギターも重苦しいオルガンも奮戦しているのですが、 一番目立つのはライトなヴォーカルでしょう。 (実はレコーディング前日にヴォーカルが脱退し、 楽器メンバーでじゃんけんして負けたやつが歌ったのでは?... とわけのわからない想像をしてしまうほど違和感があります!) おどろおどろしさよりもどこか微笑ましさを感じてしまう内容 (高校の文化祭のお化け屋敷レベル?)なので、 今後成長したら逆につまらなくなる気もします。 本人達は至って真剣なのか、緻密に計算して狙ったのか、 どっちなのかなぁ... |
現ブリティッシュ・ロックの象徴的存在といえるスーパー・バンドの5th。 ひとまず自分たちの活動を振り返り、 全方向に表現手法を拡散させたような作品となっています。 STOCKHOLM SYNDROMEで見せ付けたような緊張感や切迫感は薄れましたが、 まろやかでこれまで以上に色鮮やかになった印象を受けます。 本作でバンドが成長期から円熟期に移行したと言えるのではないでしょうか? 先日発表された新作がさらに楽しみになりました。 それにしても偶然にも本作を聴き出したすぐ後に 鉄拳騒動が起きたのにはビックリしました! |
アメリカのメタル・コア・バンドによる2nd。 ただ、メタル・コア・バンドと括られてはいますが、 どこをどう聴いてもメタルそのものです! (字で書くと、メタル:24ポイント、コア:8ポイントぐらいのバランス!) イン・フレイムス、アーク・エネミー、ソイルワーク...といった北欧メロデス黄金期の音に、 全盛時のメタリカやパンテラをブレンドしたような なんとも贅沢なスタイルで爆走しています。 重さ、勢い、泣き、どれも申し分無く、しっかりとバランスもとれています。 個人的には、せっかく相当弾けるギタリストがいるので、 もうちょっとギターソロを増やしてくれるとうれしいんですが... この手のバンドはメタル・コアのブームが終焉したとしても、 音楽性を変えない限りオヤジ・メタラーに愛され続け 生き残ることでしょう。 |
這いよりそうなタイトル!が印象的な、
ノルウェー〜ドイツのシンフォニック・ゴシック・メタル・バンドの3rd。 美声フィメール・ヴォーカル+シンフォ・メタルものは、 パイオニアであるNIGHTWISH登場後、数々のバンドが出現し、 音楽性も多様化してきていますが、 この作品は、その流れの中でもトップ・クラスに位置する完成度を誇っています。 重厚かつ壮大な世界観で統一された楽曲を、 元シア・トラ(シナトラじゃないよ)のリヴ・クリスティンが 優雅に気品高く歌い上げ、アレクサンダー・クルル(曹長じゃないよ)のデス声が 絡みつき盛り上げていきます。 スカボロー・フェアのカヴァーなんて、普通は思いつかないですし、 思いついたとしても、ここまでうまく料理できないですよねー。 |
ベイ・シティ・ローラーズ・フォロワーの真打ち的存在といえる、
バスターのデビュー盤。 先日ゴーストを聴いている時に、購入後放置していた本作を思い出し、 引っ張り出して聴いてみました。 絵にかいたようなフォロワーぶりに心が躍ります。 曲、演奏、コーラスのどれもがフレッシュで甘酸っぱいことこの上ないです。 なにげに「サタデーナイト」って曲まで収録してるし(あの曲とは別もの) 「ワイルドで行こう」 (←関係ないけど最初「ワイルドで移行」と変換されました... 本番障害多発しそー。)は偏差値70のお坊ちゃま学校の文化祭で、 ハードなことやってみました的な感じがして微笑ましいし... それにしても、ジャケットはもちろん、 内容を的確に表現した邦題がステキすぎます。 「すてきな足にひと目ぼれ」、「彼女をひとり占め」、 「恋はおバカさん」、「恋はO.K.! −ロック・ヴァージョン−」... もう「ロック・ヴァージョン」って響きだけで、 ご飯が3杯食べられそうです! |
アメリカのメロディアス・シンフォ・バンドによるデビュー盤。 なんとなく間違った日本かぶれがいて、 和音階とか入れまくってるんじゃ... と少し危惧しましたが大丈夫でした! 過去の先輩方の影響をもろに受け、 どこかで聴いたような音色、フレーズを織り込んだ、 いかにも欧米的なシンフォをやっていますが、 壮大さは無く、シンフォ・マニアが集まって 隅っこでちまちまとやっている感じを受けます。 メンバーがシンフォ好きなのがひしひしと伝わってきますが、 テクニックやプロダクションが今一つなところから、 音は違うもののLIFE LINE PROJECTと似たものを感じました。 スリリングな演奏なんですが、そのスリルが 花やしきのジェットコースター的なんですよね〜!(笑) 今は荒削りだけど、これから伸びていけば、面白い存在になりそうです。 (といいながら、メンバーのみなさん結構歳いってるような...) |
前作で非常に満足度の高い楽曲と演奏を披露していた、
アメリカのジャズ・ロック・バンドの3作目。 バンドが存続し無事に新作を届けてくれたことを うれしく思いながら再生してみたのですが、 あれ、こんなだったっけ?...なんだか、計算されすぎて ロック色が薄まってるような... こういう方向性が好きな人もいるんだろうけど... と、残念な気分に陥っていたらラストの大作で 全てを取り返してくれました。 カンタベリー一派+ブラフォード+ハッピー・ザ・マン+RTFを現代風にしたような、 渾身のパフォーマンスを堪能できます。 とても曲が良くできている上に、各演奏メンバーの表現力はもちろん、 チームワークが抜群に良い(カンタベリー魂が!)ので、30分間があっという間に感じられます。 ヴォーカルなしでここまで聴かせることができるのは凄いことだと思います。 |
オーストラリア期待の新世代シンフォ・バンド、ユニトピアの3rd。 ジェネシス、イエス、フロイド、クラトゥ...といった 偉大なシンフォ・バンドだけに留まらず、 多岐にわたる様々なジャンルから膨大なアイデアを取り入れた 特大スケールの傑作を作り上げています。 視野の広さ、楽曲構成力、表情豊かなパフォーマンス、、 洗練されたセンス、どっしりとした大物感、人の温もりを感じさせる音作り... まるで、ニール・モーズ在籍時のスポックス・ビアードに対する、 オーストラリアからの回答といわんばかりの内容です。 個人的には、ビートルズへの愛情表現がニール・モーズに 近いところにやられました。 |