2011年に聴きまくったアルバムBEST30(+34)

2011年に聴きまくったアルバム64枚を順位付けして紹介します。
2011年はレビュー枚数が激減しました...一番大きいのは、震災の影響ですが、 アニソンにはまったのも一因だったりします(笑)
ちなみに、特にはまったのは、以下の5曲です。
 1.じゃあね(モジャ公ED): おにゃんこ以上に名曲!。小坂明子は天才!。KYOKO SOUND LABORATORYを聴きたくなりました。
 2.Zzz(日常ED):ヒャダイン氏のセンスが冴えてます。とてもキュート(特に間奏)。
 3.ハミングガール(AチャンネルED):ポップスファン(特に永井ルイファン)なら必聴。乙女パスタサウンドに感動!
 4.君を知ること(侵略!?イカ娘ED):1期のEDも良かったけど、2期はもっと良かった。
 5.ハッピーハッピーハーモニー(たまごっちED):無条件にテンションがあがります。中毒性がすごくて、 一時期ずっと頭の中で鳴ってました。(おさかな天国状態!)


No.1
・A DOORWAY TO SUMMER/MOON SAFARI(05)
スウェーデンのメロディアス・シンフォ・バンドのデビュー盤。
「フラワー・キングスのフォロワー」というイメージが強すぎて、 積極的に聴く気になれないまま随分間が開いてしまいましたが、 こんなに感動的な内容だったとは。
フラキンはフラキンでも最近じゃなかったんですね... 初めてフラキンに出会ったとき(スターダスト〜でした)、 もの凄く感動して胸が熱くなったことを思い出しました! (プロデュースに関わったトマス・ボーディンは、 絶対昔の自分達のことを思い出して興奮したに違いありません!)
フラキンのほかにも、SIMON SAYSのような爽快感、躍動感を持っていたり、 BRIGHTEYE BRISONのような人懐っこい美メロが満載だったり... スウェーデンのメロディアス・シンフォのいいところだけを 寄せ集めたような超ど級の名盤と断言できます。
デビュー盤でこんなに素晴らしい上に、あと2枚 未聴作品(しかも2ndは2枚組)が残ってるなんて... うーん...なんてシアワセなんだろう〜!

No.2
・THAT'S ENTERTAINMENT/CYMBALS(00)
既に解散してしまった、最高級の渋谷系バンドによるデビュー盤。
愛聴している韓国のPEPPERTONESが影響を受けたバンドにシンバルズを あげていたのでチェックしてみたら、これ、とんでもない名盤じゃないですかっ!
まさに「日本のPEPPERTONES」(←だから順序逆だってば)と いわんばかりの名曲が揃っています。 (ためしにPEPPERTONESの楽曲とシャッフルして聴いたら 違和感無さ過ぎて笑ってしまいました!)
聴いていると、全世界にしあわせのメロディが降り注がれているような 錯覚に陥ります。(←こう書くとなんかニャプニャプな感じだなぁ...!)
ここのところ体調を崩し、うつ気味だったんですが、 このアルバムのおかげで日々ニコニコ&ワクワクです。
やっぱり音楽の力って偉大だぁ〜。

No.3
・THE ALLIANCE OF THE KINGS: THE BLACK CRYSTAL SWORD SAGA PT.1/ANCIENT BARDS(10)
イタリアのドラマティック・シンフォ・メタル・バンドによるデビュー盤。
KINGS、CRYSTAL、SWORDといったキーワードを入れ、SAGA 1...と続編を匂わすタイトルは、 ラプソディ・フォロワーまるだしもいいところですが、 アルバム内容もタイトル以上にラプソディ極まりない内容となっています。
楽曲も演奏も新人とは思えないほどとてつもなく高いクオリティで、 パワフルな女性ヴォーカルの歌唱もフィットしています。 (女性ヴォーカルのおかげで2ndの頃のDARK MOORを感じさせる部分もあります。)
RHAPSODYよりも身軽で疾走感にあふれ展開が速く、 新人らしいフレッシュさが感じられるのも好感が持てます。
いやはや、デビュー盤でこんなに完璧なシンフォ・メタルの名盤が ひょっこりと出てくるなんて、凄い時代になったもんです。
せっかくSAGA 1を作ったんだから、ちゃんと続編(SAGA 2)も出して頂戴! (←タイトルに、DRAGON、EMERALD、BATTLEのどれかが使われるに100ペソ。)

No.4
・BELIEVERS & DECEIVERS/BRIGHTEYE BRISON(08)
先日、待ちに待った新作4thが発表された スウェーデンのメロディアス・シンフォ・バンドによる3rd。
あまりにも2ndが素晴らしく、個人的な思い入れが強すぎたおかげで、 新作が出るまで耳にすることが出来ませんでしたが、 ようやく再生できました(笑)
す、すごい...やはりこのバンドのレベルは桁違いだぁ!... アルバム5枚分位に相当するアイデア、メロディを 惜しげもなくぎゅうぎゅうに詰め込んでいます。
また、これだけ情報が多いと散漫になるものですが、 丁寧かつマイルドに仕上げられ、アルバムに統一感があります。 こりゃアルバム製作に時間がかかるわけですね〜。
メロディ重視モノは聴きやすい反面飽きやすいという欠点が 存在するものなんですが、 彼らの場合は、情報量の多さ、展開の激しさにより、 何度リピートしても、ワクワク感が薄れることはありません。
困ったなぁ...こんな大名盤聴いちゃうと、 ここ最近聴いた他のアルバムの感動を忘れちゃうんですよね〜。

No.5
・ENDGAME/MEGADETH(09)
唯一無二のインテレクチュアル・スラッシュ・メタル・バンド、メガデスによる 2009年の新作。
その昔、彼らに心酔しアルバム(2nd〜4th)を一日中聴きまくっていた時期があったんですが、 来日公演をすっぽかされたあたりから興味を失い、 いつのまにか彼らの音を耳にすることなく長い年月が経っていました。
本作の評判がすこぶる良く、全盛時の勢いが復活した!とか騒がれていても、 どうせまたそれなりだろ...と半信半疑でした... が、試しに聴いてみたら、す、すげぇえーー! これって「全盛時の勢いが見事に復活」なんて 生ぬるいレベルじゃないでしょーー。 下手したら最高傑作じゃないの?
楽曲や演奏はもちろんのこと、 血気あふれる若者にしか絶対に表現できない、 荒々しさ、刺々しさ、怒り、毒...といった要素が 蘇るどころか何十倍にもパワーアップしちゃってます。
もうきけんがあぶなくってたいへんですって!... いったいどんだけやばいクスリ使ったんだよ! > ムステインさん

No.6
・DESTINED SOLITAIRE/BEARDFISH(09)
スウェーデンの個性的なテクニカル・シンフォ・バンドの5th。
これまでとっつきにくいイメージが強く、 まじめに聴かずにいました(同じBEARDならSPOCK'Sの勝ち!)が、 心に余裕が出てきたので、満を持して本作を聴いてみることにしました。
うわあ、やっぱりわけわかんない!... GG?、ザッパ?、フロイド?... 古いようで新しくもあるし... 屈折しているようでキャッチーでもあるし... ホットかと思えばクールだし... 彼らが何を目指しているのかサッパリわかりません... 聴いていて混乱しまくりちよこです。
しかしわからないけど断片の一つ一つが魅力的なので 気になってリピートし、そのたびに少しずつアルバムとの距離が近づき、 いつの間にかアルバムにどんどんのめり込んでいる自分に気付きました。 (思えば昔プログレを聴き始めた頃はみんなこんな感じに思ったっけ...)
彼らの音を言葉で的確に表現するのは不可能です。 でもそれこそが彼らの最大の魅力といってよいでしょう。
きっと私だけでしょうけど、 どこかオランダのSUPERSISTERに似ている気がするんだよなぁ...

No.7
・VOICE FROM THE SILENCE/SYMPHONITY(08)
チェコのメロスピ・バンドNEMESISがバンド名を変更し、 オラフ・へイヤーと合流して作り上げたデビュー盤。
「聚楽よ〜〜〜ん」(←もうこのネタ古くて通じない?)な ジャケットの酷さから期待してなかったんですが、 メチャクチャにクサ格好良いじゃないですか!
これまでチェコのメタルってあまり印象が無かった (SALAMANDRAぐらいしか思い出せない)んですが、 やれば出来るんですね。 (FERMATA、MODRY EFEKT、SYNKOPYを生んだ東欧の音楽大国だから当然と言えば当然か...)
メロディの泣き、クサさ...ともに世界最強レベルに達しています。 DERDIAN、REIN XEEDあたりと比べても遜色ありません。 (個人的にはメロディのセンスにWIZARDSに近いものを感じました。)
このレビュー見て、「なんだ、こんな絵に描いたようなB級作品に感動してるのかよ...」 と思われる方もいるでしょうが、感動しちゃったんだからしょうがないです。
で、このアルバムを聴いた直後もの凄い勢いでNEMESISを 注文したのはいうまでもありません!

No.8
・NEW STANDARD/PEPPERTONES(08)
韓国のお洒落なウルトラ・ホップ・ユニットによる2nd。
渋谷系の究極進化形ともいえる超名盤1st(いまだに愛聴してます!)の後なので、 ネタを全て出し尽くしてないだろうなあ...とすごく不安でしたが、 ENFORCER同様...いやそれ以上に彼らもやってくれました! この2ndも紛れも無い名盤と断言できます。
楽曲の半分は1stの延長線上にありますが、 もう半分ではちゃんと彼らの新たな一面をみせてくれています。 (いずれにせよ、単純に心がワクワクしてシアワセになれるという点は 共通しているんですけどね。)
今回は自分達で歌う曲が増え、アグレッシブさも増しているので、 1stに比べると男性的になった印象を受けます。
本作の最大の目玉はヨンジンとのコラボでしょう(あまりにも卑怯です!) ...なんてったって渋谷系×渋谷系ですからね... キュートすぎて、耳がとろけそうです。
1stのときにも感じたんですが、彼らの曲って、 何故かノイタミナ枠のアニメに使われてそうなイメージが浮かぶんですよね〜。 (共感してくれる人がいたらうれしいな)

No.9
・AND WE'RE NOT HERE AFTER ALL/OVERHEAD(08)
フィンランドのメロディアス・シンフォ・バンドによる3rd。
宮殿〜ポセイドン期のクリムゾンの叙情的な部分だけを抽出、吸収し、 現代的なセンスを加えて再構成させた感動的な名盤に仕上がっています。
まるで再現不可能と思われていた精巧な硝子細工を、 熱意と時間をかけ見事に現代に蘇らせたような印象を受けます。
聴き手を1969年にタイムスリップさせておきながら、 要所をデジタルアレンジでソリッドに固めたり、 ただ激しく泣き続けるのではなく、 涙をこらえて淡々とした表情をみせたり、 さじ加減が絶妙...熟成した大人のバンドといえます。 本作で一気にシーンのトップ・クラスに躍り出たと言って良いでしょう。
圧倒的な透明度に心が浄化され、聴き終わると清々しい気分に浸れます。
次回、彼らがこの作品を越えるものを作り出せるのかちょっと不安です。

No.10
・EXCELSIOR!/MASTERMIND(98)
なにげに経歴の長いアメリカのテクニカル・シンフォ・バンド、 マスターマインドが、あのイェンス・ヨハンソンを迎え、 ジャズ・ロック色を強化した意欲作。
すごい乱暴に喩えると、初期の「マハビシュヌ入りELP」が 「ELP入りマハビシュヌ」になったような感じです! (マハビシュヌ好きならマスト)
イェンスに刺激されたのか、イェンスが刺激を受けたのか、 とにかくメンバー全員が狂ったように担当楽器を弾き倒しています。
大抵、超絶バンドってデビュー盤でやかましく大暴れした後、 テクニックよりも楽曲重視...とかほざいて、 どんどんおとなしく、枯れていくものなんですが、 このバンドは何年経っても弾いて弾いて弾きまくるのみ... この姿勢には本当に頭が下がります。
これだけ格好良いアルバムを作っているのに、 知名度や評価が低すぎるのが残念でなりません。

No.11
・WORLDS APART/SILENT FORCE(04)
ロイヤル・ハント絶頂期を支えた名ヴォーカリスト、 DCクーパーを擁する実力派メタル・バンドの一大傑作。
メロディ、演奏、歌唱が非常に高い次元で対峙した、 極めてクオリティの高い楽曲が勢揃いし、 最初から最後までだれることなく、 威風堂々とアルバムが進行していきます。
もともと才能あふれる人材が集結しているとは思いますが、 全員の能力が最高到達点に達しているように感じます。
これまでDCクーパーの歌唱には、器用過ぎて印象に残りづらいイメージを 持っていたんですが、歌メロの引き出しが豊富な本作のおかげで、 そんなマイナスイメージは吹き飛びました。
クラシック名曲(ひなまつり含む!)の取り入れ方も絶妙です。 (確かEVIL MASQUERADEの1stもこんな感じだったような(君が代入ってたし)... って良く考えたらロイヤル・ハントつながりなんですね!(笑))

No.12
・INVERSA VISUAL/L'HERBA D'HAMELI(09)
なんとなくアラビアっぽい綴りのおかげでいまだに正しいバンド名が覚えられない スペインのプログレ・バンドの作品。
近年のスペインにはメタルのイメージしかなかったんですが、 そんなイメージを一気に覆す快作となっています。
例によって、70年代に活躍した先輩バンドの影響をたっぷりと受けていますが、 彼らはお手本の選び方が絶妙です。 王道ともいえるジェネシスやイエスを入れず、 キャメル、(3rdからラッパ系を抜いた)ソフト・マシン、(初期)キャラバン、 ハットフィールズ、PFM... といったあたりを融合し、スパイスにスペイン風味を加えています。
その結果、部分的には聴いたことがあるような懐かしさを感じさせながらも、 全体的にはこれまで聴いたことのないユニークなサウンドが完成されています。
個人的には、スペイン発という先入観があるせいかもしれませんが、 時折、GOTIC、CRACK、ICEBERG...といった同国の先輩達を思い出し、 ワクワクさせられました。
疾走感がありクールで爽やかでありながら、 歌心満載の心温まる一面も持ち合わせています。 現スペインの頂点といってしまってもよい名盤でしょう。

No.13
・SHIN-KEN/PERSEFONE(09)
小国アンドラ公国を飛び出し、世界最強のプログレ・デス・バンドの座に君臨したバンド、 PERSEFONEが、宮本武蔵をコンセプトに和の要素を取り入れて放った異色作3rd。
この手の試みは、欧米人が持つ「日本」の間違ったイメージも手伝って 大抵失敗する上に、ブック○フで余ってそうな一昔前の二流ゲームソフトみたいなジャケ... さらに国内盤は即廃盤... おいおい大丈夫かぁ...激しく劣化していることも想定しながら聴いてみたんですが、 劣化だなんてとんでもない! 神盤2ndの流れを受け継いだ、彼らにしか出来ない 甘美で毒々しいプログレ・デスの世界が延々と繰り広げられた名盤となっています。
彼らの楽曲は、尺が長かろうが短かろうが、一度リスナーの耳に 喰らいついたらアルバムの終焉まで絶対に離れませんね。
勝因は「和」の要素がかなり控えめなところでしょう。(隠し味程度♪)
次回はどんなプログレッシブなことに挑戦してくれるのかな?

No.14
・MAJESTIC/REIN XEED(10)
スウェーデンが誇る激臭モンスター!、 レイン・エクシードによる待望の3作目。
いやはやトミー・ヨハンソンはとんでもない逸材です... 方向性にブレなど一切ありません。 透明感、疾走感、ドラマティック度、シンフォニック度、メロディのクサさ... メロスピに求められるありとあらゆる要素において 突出したレベルに達していて 聴いていると顔がにやけまくってしまいます。
これまでの作品も十分すぎるほどクサかったですが、 本作では、スローバラード的クサさ、80年代産業ロック的クサさ、 トラッド的クサさなどを新たに習得していて、 ファ○リーズも消○力も逃げ出しそうな勢いです!!
まだまだ底が見えないだけに次回作が楽しみです。

No.15
・DESTINATION MOTHERLAND - THE ROY AYERS ANTHOLOGY/ROY AYERS(06)
ジャズとファンクを融合した独自の音楽を確立した、 アメリカの名ヴィヴラフォニストによる2枚組アンソロジー。
PEPPERTONESをきっかけに懐かしの渋谷系やアシッドジャズをおさらい しているうちにこの作品に出会うことができました!
ギョエ〜、うそだろ〜!? こんなにもお洒落で格好良い音楽を 70年代に作り出してたなんて信じられない... 曲によってはジャミロクワイそのまんまじゃないですか!
こんなにも偉大すぎる神レベルのアーティストをこれまで知らなかった &聴いてこなかった自分が恥ずかしいです。
90年代にアシッドジャズにはまっていながら、 ロイ・エアーズのことを知らないという方 (=私のような不届きモノ)は、是非耳にしてみてください。 絶対にぶっ飛ぶと思います。
で、次はどれを聴けばいいのやら... (発表アルバム数膨大過ぎ!)

No.16
・MOON ROCK/PAUL STEEL(08)
世界中のポップマニアが驚愕するような とてつもない才能を神から与えられた、 イギリスの病的ポップ・マニアによる超名盤。
イギリス出身でありながら、BEATLESではなく、 BEACH BOYSをお手本としているのがユニークです。 (また、そのBEACH BOYSもJELLYFISHを経由しているところがミソ!)
また特筆すべきは、メロディ、コーラス、アレンジの美しさでしょう... WONDERMINTSやLINUS OF HOLLYWOODに大いに通じるところがあります。
過剰なほどに詰め込まれた仕掛けも全てはまっています。
MIKAを引き合いに出されたりしてるみたいですが、 個人的には前述のバンド、アーティストのほか、 LAMAR HOLLEY、SETH SWIRSKY...といったアーティストとの近似性を強く感じました。 (このアルバムが気に入って、LAMAR HOLLEY、SETH SWIRSKYを未聴の方は、 是非チェックしてみて下さい。) で、このアルバムを聴いた直後もの凄い勢いで彼が在籍するSTARS AND SONSを 注文したのはいうまでもありません!

No.17
・SECRET POWERS & THE ELECTRIC FAMILY CHOIR/SECRET POWERS(09)
デビュー盤が最高だったアメリカの新鋭ポップバンドの2nd。
ジャケットの雰囲気が一変した (パッとしないのは変わってないけど...)ので、 音楽性も変わったのでは?...と少し心配しましたが、 デビュー盤の延長線上の内容だったので一安心!
底抜けにポップでひねくれることなく明快で、 良い意味での粗さを持ったサウンドは、 似たバンドを意識させることはありません。 (SECRET POWERS節と表現して良いでしょう。)
今作では泣きのバラードに挑戦したり、サイケ要素も取り入れたり...と 枠を広げているのが好感が持てます。 (終盤の「シド・バレットの代わりに一般人が加入した初期フロイド風の楽曲!」 はいまひとつでしたが...)
大好物のオヤジ声ヴォーカルも相変わらず活躍していてニンマリ! 今後も彼らを断固支持していきたいと思います。

No.18
・WONDERLAND/MCFLY(05)
絶大な人気を誇るイギリスの4人組ポップ・ロック・バンドの2nd。
曲も演奏も歌もフレッシュで勢いがあってよく出来ています。 非の打ち所はありません ...が、先に聴いた3rdのMOTION IN THE OCEAN(個人的に2010年に最も聴きまくったアルバム!) のイメージのおかげでどうしても物足りなさを感じてしまいます。 (3rdが名盤過ぎるから悪いんですよね...聴く順番って重要!)
とはいうものの、アルバムの至るところで、 頂点を極めたバンドだけが持っている特別な輝きを感じることが出来ます。 こりゃ多くのパワー・ポップ・バンドが束になっても勝ち目は無いですね。
セールスはアイドル扱いのおかげ?... いやいや、ビートルズもクイーンも最初はアイドルでしたから、 やはり実績を残すバンドは次元が違うってことでしょう...紛れも無い傑作です。
ところで後半のオーケストラ・アレンジはインドネシアの巨匠 ERWIN GUTAWAにしか聴こえないんですが...!(笑)

No.19
・SITCOM NEIGHBOR/SAME(07)
カリフォルニアのビートルズ・フォロワー系ポップ・バンドによるデビュー盤。
このバンドも例によってインディーズなんですが、 インディーズという枠を軽く飛び越えるほどの優れたセンスをみせつけてくれます。
ビートルズを中心としたポップス界の大先輩達から多くのものを受け継いではいますが、 彼らは他のバンドに比べてとてもライトなのがユニークです。 大抵は、マニア根性が災いして、自分の好きな音を全部詰め込みたくなるものなんですが、 彼らはつねに冷静...アイデアをきちんと整理し、適度なヒネリを加えながら シンプルかつコンパクトにアルバムをまとめあげています。
どの曲も粒揃いですが、個人的にはビーチ・ボーイズ入りのFOOLISH GIRLが一番気に入りました。 (←久しぶりにフラキンのSTUPID GIRLを聴きたくなりました!)

No.20
・WATERCOLOR DAY/SETH SWIRSKY(10)
デビュー盤がなかなかの傑作だったアメリカの 才能豊かなポップ・アーティストによる待望の2nd。
おおお、これは待った甲斐がありました!
1stよりも格段にレベルアップしていて、 最初から最後まで顔が緩みっぱなしです。
ビートルズ、ビーチ・ボーイズ、トッド・ラングレン... 元ネタがとてもわかりやすいので、 初めて耳にしたときから、 既に何百回もリピートしてきた名盤を聴いているような錯覚に陥ります。 (どの展開もわかっているのに、心が反応してしまうんですよねー。)
...というわけで即効性は抜群です! (その分飽きやすいかもしれませんが...)
ポップスファンはマストですね。

No.21
・THE OLD ROAD/MARTIN ORFORD(08)
イギリスの名シンフォ・バンドIQに在籍していた鍵盤奏者による2ndソロ。
いろんなところで単なるソロ作とは思えないほど 高い評価を受けているので入手してみました。 (それこそIQの作品なんかよりも全然評価が上!)
おお、確かにこれは強力!... 現在進行形のシンフォとしては理想系な内容といえます。
作曲能力は、大天才ニール・モーズに肉薄すると言っても良いでしょう。 トランスアトランティックやニール在籍時のスポビに近いスタイルですが、 イギリスっぽい整合感、気品が感じられるのが特徴といえます。
また多くのゲストがとても良い仕事をしています。 特にジョン・ウェットンが歌ってる曲なんか胸が熱くなっちゃいました。 (近年のジョン・ウェットンってあまり聴く気が起きなかったんですが、 本作の歌唱を聴いて、ちゃんと押さえなきゃって気持ちになりました!)
しかし、これだけの一大傑作作っておきながら本作で音楽活動を引退するとか!? おいおいお前は山口百恵かっ!(←歳がばれる)。
でも、センスがニール・モーズっぽいってことは、 シーンにまた戻ってくる可能性もあるんじゃないかな?

No.22
・TWENTIES = LOVE/HOURMELTS(07)
韓国の渋谷系プロジェクトによるデビュー盤。
大本命PEPPERTONESを先に聴きまくっているせいで、 どうしても薄っぺらく感じられる部分はありますが、 ラテン、ジャズ、ボサノヴァ、ラウンジ、ポップス... といった要素を緻密に融合させておきながら さりげなくお洒落に聴かせるハイセンスな手腕は相当なもので、 とても耳馴染みが良く、中毒性が高いです。
女性ジャズヴォーカルも艶やかでうっとりします。
20年近く前、渋谷系に入れ込んでいた人に、 PEPPERTONESとあわせてなんとしても聴いてもらいたい傑作です。

No.23
・CHIMERA/DUNCAN MACKAY(74)
南アフリカが誇る最強キーボーディストが、 イギリスに渡る前に発表していた、 目の覚めるようなキーボード・シンフォの大名盤。
あるとあらゆる鍵盤群を自由自在に操り、 勢い良く暴れまわっていて手が付けられません!
トレース、リフュジー、デヴィッド・サンシャス... といったど派手なキーボード・シンフォの名作群と比べても 遜色の無いクオリティを誇っています。
個人的には陰鬱としたヴァーティゴっぽい空気が 全体に漂っているのがツボだったりします。
もちろんプログレ名盤紹介にも掲載します。

No.24
・DIAMONDS/ENFORCER(10)
NWOBHMの魂を完璧な形で現代に蘇らせたデビュー盤が衝撃的だった スウェーデンの新鋭メタル・バンドENFORCERによる待望の2nd。
向かうところ敵無しといった感じで延々と疾走し続けたデビュー盤が 格好良過ぎたので、 2ndは少なからず失速するに違いないと思っていましたが、 彼らはやってくれました!(かっことじとじ!)
演奏能力は明確にアップし、やや一本調子だった楽曲もカラフルになっています。
さすがにがむしゃらさや野性味は少し薄くなってはいますが、 トータルで考えると、デビュー盤と甲乙付け難い文句無しの名盤となっています。
ここ最近、重要な会議の日は出勤時に必ずこのアルバムをリピートしています。
ただ、彼らにはこれ以上話題になって欲しくないし、売れて欲しくないなあ〜。 売れだすとすぐ調子に乗って余計なことに手を出したり、 ハングリーさに欠けて勢いがなくなったりするんですよねー。 なのでみなさんこのアルバムは買わないで下さい!!(笑)

No.25
・KERRS PINK/SAME(80)
ノルウェーのメロディアスなシンフォ・バンドによるデビュー盤。
シンフォというよりも 多羅尾坂内楽團(北欧エレキの1のほう!)を聴いているような錯覚に陥る場面も ちょくちょくありますが、 フルート、シンセ、メロトロンに、イモくさ〜い泣きのツイン・ギターが絡みつく シンフォニックな楽曲には思わず胸が熱くなります。
プログレ名盤紹介にも掲載したいと思います。
どーでもいいですが、バンド名で画像検索したところ 「イモ」が出てきたのには笑いました。(名は体を表す?)

No.26
・LOMBA CIPTA LAGU REMAJA 1978/V.A.(03)
インドネシアのプログレ系アーティストが多数参加した 第二回目のLCLR音源集。
第一回の1977年に比べると、二回目だし、 CHRISYEはいないし...ちょっと劣るのでは? と思っていましたが、こっちのほうがシンフォ度は上でした! (この時代のYOCKIEのキーボードは最強ですね)
私にインドネシアの血が流れている、または、 私の前世がインドネシア人なのかもしれませんが、 この時代のインドネシアものには、人の心を無条件に動かす 何か特別な力を秘めているように思います。
中でもボーナスのLENTERAは強力!... リリカルなピアノとやさしいメロトロンに誘われ 天界に連れて行かれるような感動的な名曲です。 (ジガンティとか好きな人に聴かせたい!!!)
ちなみに79年以降のLCLR音源をチェックしてみたところ (83年くらいまで聴いてみました)、 ジャズ・ロック、フュージョン、AORあたりを 取り入れ次第にシティ・ポップス化していくんですが、 びっくりするぐらいプログレ色が抜けません!
LCLRの音源集めたら1年くらい他の音源聴かなくても 退屈しないんじゃないかなあ。

No.27
・PENANTIAN HIDUP/SAMSONS(07)
インドネシアのフレッシュなロック・バンドによる2nd。
オーソドックスなインドネシアのポップ・ロックをやっていて、 目新しいことは何もないのですが、とにかく楽曲のクオリティがやたら高いです。
一昔前のDEWA、PADI、ADA BANDあたりと似た印象もありますが、 彼らよりも洗練されていて、若々しく、何より爽やかです。
天才ERWIN GUTAWAによるオーケストラ・アレンジとの相性も素晴らしく、 マイウェイを無理矢理シンフォニックかつ大仰にしたような感動的な バラードなんか最高にクサ過ぎて感覚がおかしくなりそうです!
他のアルバムも集めなきゃですね。

No.28
・THE DARKENED ROOM/IZZ(09)
アメリカの王道シンフォを牽引する真の実力者が、 満を持してリリースした強力作。
以前に比べダークで地味になった感じを受けますが、 中身が詰まっていて全曲しっかりと練られているので深く印象に残ります。
不要な部分は削り落とされ冗長さのかけらも無く、 アルバムの収録時間も短いのですが、 内容が極上なだけに逆に満足感で心が一杯になります。 (まるで最高級の料理を腹一杯食べちゃだめなのと似てるかも。)
それにしてもこれだけ素晴らしい作品を作り続けているのに、 なんで有名にならないんでしょう... いつもパッとしないジャケットのせいかなあ?

No.29
・TODAY IS BEAUTY'S BIRTHDAY/OSO CLOSO(09)
アメリカはテキサスのテクニカル・シンフォ・ポップ・バンドによる2nd。
プログレ、シンフォ、メロディアス・ハード、ジャズ・ロック、ポップ、ハード・ロック... 多彩なジャンルを自由に飛び回る音楽性、人懐っこいメロディ、 絶妙なストリングスの導入、物語性のあるアルバム構成、 超絶テクニックを持ちつつ表情豊かなギターソロ... 本人達が影響を受けたかどうかはわかりませんが、 私の大好きなA.C.Tとの類似点がかなり多いことに驚かされます。 (A.C.T系というと、XSAVIOR、LORD OF MUSHROOMS、MIND'S EYE、 EXPEDITION DELTA...あたりが知られていますが、 これらのバンドとはアプローチが異なるのが良いです。)
クオリティも相当なもので、A.C.Tにひけをとらない感動的な傑作となっています。
音楽性がマニアック&ニッチ過ぎるせいかもしれませんが、 こんなに才能豊かなバンドが、全然知られていないなんて勿体無い... 新譜を待ちわびているA.C.Tファンの方々には なんとしても聴いてもらいたい一品です。 (←私がお金を払ってでもいいから直ちに聴いてもらいたいレベル!)
個人的にはヴォーカルが超絶オヤジ声なのがツボでした。 (A.C.Tとの一番の違いはヴォーカルですね〜。 どちらも個性的という意味では同じですが...)

No.30
・LA CONFERENCIA SECRETA DEL TOTO'S BAR/EN EL ESTUDIO OTRA VEZ/LOS SHAKERS(08)
ウルグアイのビートルズことLOS SHAKERSの3rd(68年作) +4th(71年作)+シングル音源集。
1st、2ndが、火傷しそうなくらいホットな「赤盤」だったことを考えると、 本作は「青盤」?...確かに、サイケ、アート・ロック風の楽曲が増えていますが、 それだけではありません。ラテン音楽の「影」の部分をうまく染みこませた 南米のバンドにしか作り出せない名曲が多く、 時折、あまりのメロディの美しさに泣きそうになってしまいます。
ポップスファンなら、WE ALL TOGETHERもこのバンドも 全音源を押さえなきゃだめでしょう!
天才ファットルーソ兄弟の豊かな才能を 今一度認識することができました。


その他

・EVERCIRCLE/SAIDIAN(09)
ドイツのマイナーなメロスピバンドによる3rd。
知名度とジャケットからはかなりヤバそうな雰囲気が漂っていますが、 日本人をターゲットにしたとしか思えない極めてクサいメロディが 随所に埋め込まれた傑作となっています。 (引越前の新宿○ィスクヘブンだったら、 数ヶ月間はプッシュし続けそう...といえば伝わる?)
疾走曲の出来栄えは合格点を余裕でクリアしていますが、 この手のバンドによくある、ハイトーンになるとヘロヘロ、 疾走曲以外はゴミ、音質が劣悪...といったところが無いのが、 なかなか頼もしいです。
そして特筆すべきは、スローバラードの完成度が高いことでしょう。 生命線ともいえる激クサな疾走曲と比べても、 さらにクオリティ(クサさ)は上なんじゃないかな? 私の耳が安いせいもあるんですが4曲目には素直に感動しちゃいました!
まだミドルテンポの曲が中途半端なので、このあたりが改善されれば 今後日本でも話題になると思います。

・THE KING/LIFE LINE PROJECT(09)
某声優の大ファン達が結成したプロジェクト!...じゃなかった オランダのメロディ命なキーボード・シンフォ・プロジェクトのコンセプト作。
THE FINNISHING TOUCHの弱点が補強されていることを期待していたんですが、 ...うーーーん...ちょっと残念なことになってますね。 1978年の作品をリメイクしたとのことですが、 この内容を考えると、当時の音源が残っていたとしても...てな感じです。
ヴォーカルが入っていたり、キャメル+ELPだけでなく ジェネシスやマイク・オールドフィールドっぽいところがあったり と多少の違いはあるんですが、あくまでも「多少」に過ぎません。 (逆に考えればTHE FINNISHING TOUCHがOKならまず気に入る?!)
いろいろ苦言を呈しながらも、 アコースティックパートの叙情的な響きに吸い寄せられて ついつい再生してしまうんですけどね。(笑)
実は懲りずに2010年発表の「DISTORTED MEMORIES」も購入済だったりするので、 そちらもあまり期待しないで聴きたいと思います。

・HARMONIC CRUSADER/LYLE WORKMAN(09)
なんとジェリーフィッシュのこぼれたミルク〜にも参加していたという アメリカのスタジオ・ミュージシャン〜セッション・ギタリストによる シンフォニック寄りのギター・インスト作品。
ジャズ・ロック〜シンフォ〜フュージョン...いやいやそんなもんじゃない! ...視野が広〜〜い...ギター・インスト作って範疇は完全に超えてます。
超一流のアーティスト達と接触し、様々な経験を積み重ねただけのことはありますが、 そこで得たものをしっかりと自分の音として表現できる能力に非凡なものを感じます。
いろいろなスタイルを披露しながらも、 アルバム全体はクールな雰囲気で統一されているのが これまた格好いいです。
欠点は、彼の名前からどうしても 「吉幾三の笑顔」を思い浮かべてしまうことだけです!

・LOMBA CIPTA LAGU REMAJA 1977/V.A.(03)
マニアには「LCLR」として知られている、 インドネシアの名アーティスト達による1977年の超お宝音源集!
ビッグネームのCHRISYE、PRAMBORS BAND、KEENAN NASUTION...らの 音源が素晴らしいことは予想できていましたが、 他のアーティスト達の作品もとても良くてびっくり。
温かく湿っぽいメロディ、無垢で真っ直ぐな歌声、 ゆったり&やわらかな演奏、何故かシンフォ寄りになってしまうアレンジ... 不思議とどのアーティストの作品にも同じことが言えます。
インドネシアの、しかも1977年だから出すことのできた奇跡を体感することが出来るなんて... 100円テープ顔負けの凶悪な音質なんか一切気にならなくなります。ありがたや〜。

・ME & MY BURT/YEONGENE(06)
韓国のカーディガンズことライナス・ブランケットの 女性ヴォーカリストによる バート・バカラックの楽曲のカヴァー集。
出だしの歌声からいきなり 「なに、この透明度をアップした原田知代!」と ドキドキしちゃいました。
韓国に「少女時代」ってグループがいますが、 その名前はこういう作品にこそふさわしいでしょう! (←自分の理想を語るなって!)
楽曲は最高(バカラックのカヴァーだし)、演奏も最高 (グラスゴーのミュージシャンが集結したらしいんですが、 きっと彼女の美声を聴いて、みな目がハートマークになり、 ノーギャラで参加したに違いありません!) ですが、そんなことはどうだって良い!といいたくなるぐらい 歌声が素敵過ぎます。癒されたい方は是非どうぞ。

・AFTER ALL.../EYE 2 EYE(08)
フランスのメロディアス・シンフォ・バンドの作品。
いまどき珍しいほど叙情にこだわったコテコテなシンフォ路線を くそ真面目に追求しています。
フランスの大先輩タイ・フォンを髣髴とさせる場面も数多く出てきます (さすがにタイ・フォンの神レベルにはまだまだ到達していません... 足りないのはアジアの血なのかもしれないなぁ)
ヴォーカルが弱かったり、メリハリが無かったり... まだまだ課題は残っていますが、 メロディアス・シンフォ好きなら、 まず満足するレベルには達していると思います。
ジャケットが「アメリカのクレシダ」ことAFTER ALLに どことなく似てると思うんですが偶然なんでしょうか?

・LAND OF THE FREE II/GAMMA RAY(07)
ジャーマン・メタル界の重鎮バンドが2007年に発表した彼らの代表作の続編。
メガデスがあまりにも良かったので、懐かしさのあまり ひさびさにガンマ・レイを聴いてみたら、 こっちも予想をはるかに上回る驚異的な傑作でした!
マンネリだとか、専任ヴォーカル入れろとか... そういった周りの声を一気に蹴散らすような、 強靭なメタル魂を感じます。
ここにきて何故かメイデンを強く意識させるような フレーズを多用しているんですが、それが見事にはまっていて すこぶる格好良いです。
メガデスにしろガンマ・レイにしろ、いまだにこんな傑作出されたら 若いバンドの出番が無くなっちゃいますよね。

・SAUDADES DE ROCK/EXTREME(08)
一世を風靡したファンク・メタル〜アメリカン・ハード・ロック・バンドの なんと13年振りとなる復活作。
メガデス、ガンマ・レイの流れでこの作品も入手しちゃいました。
本当に久しぶりなの? ...といいたくなるぐらい息のピッタリあった 手ごたえのある力作に仕上がっています。 やはり全米No.1のヒット曲を持っているバンドは格が違いますね。
ヌーノの縦横無尽なギター(←ヌーノほど「縦横無尽」って言葉が似合う ギタリストは他にいないでしょう)はますます冴え渡っているし、 ゲイリーの声はいい感じに味わいが増しているし、 弱点だったドラムは補強されているし、 コーラスは相変わらず気持ち良いし... ただ欲を言えば、2ndの頃の弾けっぷりが欲しかったな〜。(欲張りすぎ?)

・HEADING NORTH FOR THE WINTER/THE WELLINGTONS(08)
オーストラリアのパワー・ポップ・バンドの作品。
オーストラリア&ポップというと 真っ先に才人マイケル・カーペンターが思い浮かぶんですが、 このバンドもとびきりポップ...全然負けていません。
誰にでもわかりやすい「パワー・ポップの教科書」的な内容で、 FOW、MARK BACINO、FUZZBUBBLE...といったバンドが脳裏に浮かびました。
パワー・ポップ・ファンなら、ほかにもいろんなバンドを思い出しつつ、 気が付いたら本作を手放せなくなっていると思います!

・MOONLANE GARDENS/ORANGE & LEMONS(07)
フィリピンのギター・ポップ・バンドによる最高傑作の3rd。
インドネシアやタイだけじゃなく、 フィリピンにもちゃんと良心的で実力のあるバンドが存在していたんですね。 ビートルズ愛に満ちあふれた素朴で明快なギター・ポップが楽しめます。
欧米のバンドには出せないであろう純粋さ、誠実さになんとも心が温まります。
英語曲に混じってタガログ語で歌われるローカルな楽曲も味わい深いです。
バンド名は恐らくXTCから取ったんでしょうね。 (...とみせかけて上野洋子のファンだったら笑うなあ!)

・BOSSA NOVA HOTEL/MICHAEL SEMBELLO(83)
一般的な音楽ファンには「マニアック」の一発屋として、 マニアックな音楽ファンには「マニアック」以外の活動が評価されている 才能あふれるAOR系ミュージシャンのデビュー・ソロ。
下積み時代に温めていたアイデアを表現できる場が出来た喜びを 思う存分ぶつけたかのようなみずみずしい仕上がりです。
アイデアの豊富さ、斬新なアレンジ、ユニークなコード進行、 きらびやかなシンセ、印象的なギター・ソロ、男の色気を感じさせる歌声... 天才ジノ・ヴァネリと共通する部分がかなりあるように感じます。
ジャンルとは関係なく、音楽を愛する多くの人に聴いてもらいたい 名盤といえます。
追伸:「マニアック」を聴くと「ミスター・ロボット」と 「ファー・フロム・オーヴァー」を思い出すのは私だけでしょうか?

・WITHIN/EMBRACED(00)
スウェーデンが生んだ伝説のプログレ・デス・バンドによる最終作2nd。
ツイン・キーボード、ツイン・ギターを含む7人体制を武器に、 メロデス、シンフォブラック、ゴシックメタル、プログレメタル... といった幅広いジャンルを包含した贅沢な音世界を繰り広げていて、 収録されている全曲の全場面が神々しいオーラを放っています。
PERSEFONEの名盤COREは、彼らがいなかったら 作ることが出来なかったんじゃないでしょうか? ドラマの激しさではCOREにやや軍配があがりますが、 その他は互角といって良いでしょう。 何より、プログレ〜シンフォ・デスの開拓者でありながら、 早期にこれほど完成度の高い究極の名盤を残した功績は偉大過ぎます。
こりゃ1stも絶対に入手しなきゃダメですね。

・PICTURE/KINO(05)
イギリスのネオプログレ系の精鋭ミュージシャン達が集結した 「裏トランスアトランティック」的なシンフォ・プロジェクトの作品。 (←何故「裏」かというとメンバーの知名度が低いから!)
アルバム発表後かなり話題になりましたが、 後に登場したFROSTのデビュー盤が名盤過ぎて印象が薄まってしまった (ある意味、キャラがミスターシービーとかぶります(笑)) こともあり、耳にするまでに時間がかかってしまいました。
今更いうのもなんですが、さすが話題になっただけのことはあり とても良くできたアルバムです。 緻密に計算されつくしていて、 一音一音が丁寧に磨き上げられている感じがします。
プログレと呼ぶにはあまりにもあっさりとした内容ながら、 「プログレ」のダシがちゃんと効いているおかげで、 ノーマルな音楽ファンから重度のプログレファンまで、 幅広い層にアピールできるのが強みです。
個人的には、1曲目の中間部のHOPE@KLAATUみたいな展開にやられました。
しかしKINOにせよFROSTにせよ、 シンフォの救世主的な名盤作っておきながら、 そのあとが...救世主は単発で終わっちやダメでしょ!

・ENTRE DOS MUNDOS/ENTRANCE(08)
南米チリの超絶技巧キーボード・シンフォ・バンドによる3作目。
しばらく音沙汰が無く、メンバーも個々に活動していたので、 すっかり解散したものと思っていましたが、 バンドがまだ存続していて一安心です。
これまでのスタイルに特に変化は無く、いかにも彼ららしい、 ノリの良いスピーディーなキーボード・シンフォが楽しめます。
ホールズワース風ギター、南米らしいパッションを感じさせる 熱いヴォーカルも存在感タップリでさらに一安心! やはり優れた武器を多く揃えているのは強いてすね。
次回作も買うことになりそうです。

・MY DIARY/MOCCA(02)
インドネシアのキュートなホップ・バンドMOCCAのデビュー盤。
PEPPERTONESを聴いているうちに彼らのことを思い出し、 ネットで近況を調べていたら、入手不可能と思われていた本作を発見、 やっと入手することが出来ました!
もっとたどたどしくて危なっかしいと予想していたのですが、 やりたい音が明確に見えているし、バンドもまとまっていて、 落ち着いた印象を受けました。
最初っからARENA嬢の可憐な歌声をフルに引き出す術を身に着けていたんですね ...さすがはMOCCAです。
今後も親近感あふれる素朴さをずっと失わずに 活動を続けていって欲しいと願うばかりです。
そうそう、その後ネットで彼らのことを検索していたら、 MOCCAのARENA嬢とPEPPERTONESがコラボしてたことがわかり 一人で興奮してしまいました!(あまりにもはまり過ぎてます!)

・WALKING ON H20/MIND'S EYE(06)
スウェーデンのメロディアス・ハード〜プログレ・メタル・バンドの作品。
テクニックでゴリゴリ押すのではなく、 緻密に計算された楽曲を並べ、 ゆるやかに孤高の世界を構築していきます。
ただ知的なセンスは他の追随を許さないほど高いレベルにあるものの、 全体的にはインパクトが弱く、地味なのが勿体無いです(悪く言えば頭でっかち)。
聴き手がアルバムの奥深さに気付き、リピートし始めるようになれば しめたものですが、恐らくそこに至るまでに時間が掛かりすぎるので、 いまひとつブレイクしないんじゃないかなぁ? (事実私がこのアルバムを聴き始めたのは1年以上前だったりします!)
ポテンシャルは十分なので、あとはキッカケさえあれば...

・THE FADING GHOSTS OF TWILIGHT/AGENTS OF MERCY(09)
北欧プログレ界の人間国宝!ロイネ・ストルトが立ち上げた 新バンドによるデビュー盤。
まるでフラワー・キングスが原点回帰し、ジェネシスを意識してアルバムを作ったような きらびやかなシンフォをやっています。
スターダストなフラキンの音を出すには、今のフラキンでは無理という ことなのかもしれませんね。
MOON SAFARIに触発されたのか、KAIPAに対抗しようとしたのか... いずれにせよこんな素敵なバンドが結成されたことは、 ファンとして大いに感激すべきことだと思います。 (「こういうのを待ってましたよ〜!、ロイネ先生!〜」 って人は絶対に私だけでは無いはず!!(笑))
ロイネのギターソロもいつも以上に魂が入っています。 (一瞬ケストレルが憑依する7曲目とか感動的です。)

・ET CETERA/SAME(76)
マニアなら「カナダのジェントル・ジャイアント」で通じる 全プログレファン必聴の名盤。(NATHAN MAHLじゃないですよ!)
BEARDFISHを聴いていてふと思い出し、久々に聴いてみましたが、 やっぱり強力なアルバムですね。 このアルバムはいつ聴いても刺激的で、 つど新たな発見をすることができます。
なぜかプログレ名盤紹介にこれまで掲載していなかったので、 これを機に掲載したいと思います。

・THE AUTUMN DEFENSE/SAME(07)
誰もが、古き良き時代のアメリカのフォーク、ロックを思い浮かべるであろう シブ格好良いバンドの傑作。
4曲目に収録されているWINTERLIGHT(名曲過ぎる!)を試聴してひたすら感動し、 バンドのことは詳しく知らないまま即購入しました。 (後にブラッド・ジョーンズがいることを知りビックリしました。)
これまで60〜70年代タイムスリップ系のバンドを星の数ほど聴いてきましたが、 この手の方向性でこんなにも中身が充実したものを聴いたことがありません。 大抵は、メロトロン、エフェクト(ワウワウ、ファズ...)、SE、シンセ、ハモンド、テルミン... といった道具、手法に頼るものなんですが、 彼らはものすごくシンプルでナチュラルです。
はっきりいって4曲目以外はどれも地味なんですが、 曲自体が良いのでじわじわきいてきます。
ジャケットも70年代東芝のLPオビとかがめちゃくちゃはまる感じですね。
しっかし、このごくあたりまえなヴィンテージ感は今聴くと逆に新鮮です... アメリカの底力を感じます。


・BEACON OF LIGHT/ADVENTURE(09)
キャメル、フロイドを髣髴とさせる ノルウェーの70年代回帰型叙情派シンフォ・バンドの2nd。
なかなか恥ずかしいバンド名ですが、内容はもっと恥ずかしいです。 過剰なクサさといい、詰めの甘さからくるB級感といい、 ざっとアルバムを聴いて真っ先に思い浮かんだのが オランダのLIFELINE PROJECTです。 (3連ハードロック曲をやってるところまで似てます!)
特にKERRS PINK譲り?のギターのクサさは相当きてます。 マニアなら愛さずにはいられない内容といえるでしょう。

・INTERGALACTIC TROT/STARDRIVE(73)
アメリカのシンセ狂!ロバート・メイソン率いる、 唯一無二のスペース・シンフォ・ジャズ・ロック・バンドによるデビュー盤。
この時代にシンセを開発、製作するだけでも凄いのに、 スティーヴ・ガッド、マイケル・ブレッカーが参加...って ロバートは一体どれだけお金持ってたんでしょうか? (親父は石油王に違いない!)
シンセ、シンフォ、ジャズ・ロック、ファンク、フュージョン... やりたい音を全部ぶち込んで、 1枚のアルバムにしてしまったようなサウンドはインパクト絶大... この面白さはスタードライブでしか味わうことが出来ません。 (ある意味最高級のB級グルメみたいな音です...名盤と迷盤の真ん中くらい?!)
まあ、ノーマルなファンには人気無いでしょうね... (こういう作品こそプログレファンが評価して救ってあげないとダメでしょ)
スティーヴ・ガッドが経歴から抹消してたら笑うなあ!
ジャケット見てGOD BLESSのAHMAD ALBARを 思い出すのは私だけじゃないですよね!

・DEATHRACE KING/THE CROWN(00)
スウェーデンが誇る最強のメロデス〜デスラッシュ系バンドによる傑作4th。
ひたすら暴虐的に突き進む破壊力満点の演奏に開いた口が塞がりません... ただただ圧倒されぐいぐい引っ張られてしまいます。
過剰に泣きまくったり、アメリカに目を向けたりするデスバンドが多い中、 自分達の進むべき道を信じた迷いの無さが感じられて頼もしいです。
この系統のバンドは、とかく、 ヴォーカルが演奏に負けてショボショボだったり、 ギターソロが皆無かあってもつまらなかったり、 曲がどれも同じように聞こえたり、 音質がラジカセで録音したようにチープだったり... 1、2個は欠点があるものなんですが、この作品は違います。
こんなの聴いてたら夏バテなんかしてらんないですね!ウオ〜!

・THE BOY WHO KNEW TOO MUCH/MIKA(09)
イギリスから突如現れ、一大旋風を巻き起こした天才アーティストによる待望の2作目。
全てが新しく色鮮やかに感じられたデビュー盤を聴きまくった後なので、 どうしてもインパクトが弱く見劣りしてしまいますが、 MIKAが作り出すミラクル・ポップ・ワールドはやはり特別な輝きを放っています。 曲を耳にした誰もがMIKAを思い出さずにいられないところが、 インディーズにごろごろ存在するポップの魔術師達との大きな違いでしょう。
ピアノ、歌、メロディ...あらゆる要素に あふれんばかりのパワーとパッションがみなぎっています。
ライブのMIKAも堪能できるお得な2枚組限定版を購入するようにしましょう。
どうでもいいけどMIKE@想い出の九十九里浜ってその後どうなったのかな...?

・RENACER/SAME(02)
アルゼンチンの様式美系メタル・バンドによる佳作。
前のめりなイングウェイ風ギター、テンション上がりっぱなしのヴォーカルをはじめ メンバー全員が火の粉の飛び散るような演奏を展開しています。
やはりラテン系の血は勢いづくと凄いですね... ジャケットの火の鳥も火傷しそうなほど熱いです!
決定的な楽曲が無いこともあり、王者RATA BLANCAの域には達していませんが、 適度なB級臭も含めかなり楽しめる内容です。 酷暑にあえて暑苦しい音を聴くのも良いものですね。 (真夏に熱いお茶を飲んで汗をかくのと同じ感覚?!)


・BLUE MURDER/SAME(89)
ジョン・サイクスを中心としたアメリカのハード・ロック・トリオによる デビュー盤にして最高傑作。
個性の強い凄腕メンバーが集まっていますが、 最小編成のおかげか衝突することも無ければお互いに遠慮することも無く、 見事にかみ合った名演を楽しむことができます。
優れた人材が優れた関係でアルバムを作ると、 やはりそんじょそこらのバンドとは格段にレベルが違いますね。
カーマイン・アピスはBBA同様、スーパーギタリストを擁する トリオ編成だと最高の仕事っぷりをみせてくれます。
ジョン・サイクスもノビノビと自由にプレイしていて心底ホレボレします。 (ギター弾きにはたまらないフレーズがわんさか出てきます!)
実はリアルタイムでは「ブルマーだ!」と呼ばれネタにされていた 印象しかなかったんですが、 こんなに格好良い作品だったんですね〜...恐れ入りました。

・E=MC2/GIORGIO MORODER(79)
偉大な実績を残した名プロデューサーであり、 テクノ・ポップというジャンルのパイオニアでもある、 イタリアの天才アーティストによる名盤。
FROM HERE TO ETERNITYと同様に 時計の針を一気に10年進めたような斬新で先鋭的なサウンド (←ジャケットの風貌は、イタリアの下町でピザ作ってそうな ふつーのおっさん!って感じなんですけどね(笑))でありながら、 FROM HERE TO ETERNITYよりもポップで誰もが親しめる内容となっています。
とかく「元祖テクノ・ポップ」というとクラフトワークが取り上げられますが、 個人的には断然モロダーですね!... やっぱりテクノ・ポップってぐらいだから、とびきり「ポップ」じゃないとダメでしょう!
この人がいなかったら、YMOもダフト・パンクもパフュームもコンピューターおばあちゃん!も 世に出てこなかったんじゃないでしょうか?!

・OPTICAL ILLUSION/TIME REQUIEM(06)
イェンス・ヨハンソンのネオクラシカル面のみをパワーアップさせたような 凄腕キーボーディスト、リチャード・アンダーソンが率いる 超絶ネオクラシカル集団の3rd。
相変わらずメンバーは流動的で、ヴォーカルもヨラン・エドマン (←掛け持ちしすぎ!)に変わっていますが、 どんなメンバーであっても、 各メンバーのアグレッシブなバトルをたっぷり楽しめる作品に 仕立て上げるところはさすがです。
また、これまでパクリや焼き直しが目立っていた楽曲ですが、 やや複雑度や深みを増し独自路線を模索しようとしているのも好感が持てます。 (そのぶんダイレクトな攻撃力が弱まったともいえるので 好みが分かれると思いますが...)
バンドを掛け持ちしてあれだけ精力的に活動してたにも関わらず、 最近リチャードの名前を聞かないような気がするのでちょっと心配です。 (もしかしてネタ切れ?腱鞘炎?燃え尽き症候群だったら悲しいなあ...)

・GODS OF 1973/CASTLE CANYON(09)
70年代初期に活動していた アメリカのELP系キーボード・トリオによる未発表音源集。 (73〜74年の音源に加え、新録音源を収録!)
この時代特有の音色がたまらないシンセをプッシュした楽曲は、 さすがに一線級とはいえないものの、 重厚で力強さがあり、 当時アルバムを残していてもおかしくないレベルといえます。
これだけのものが、40年近い時間を経てリリースされるなんて、 さすがはアメリカですね。(面積はでかいし、人口も多い)
当時の音源を新録して今の世に産み出した メンバーの気合(というか執念)を褒めてあげたくなる佳作です。

・UNIVERSE/SILVER MOUNTAIN(85)
初期北欧メタル・シーンを大いに盛り上げたスウェーデンの名バンドによる2nd。
イングウェイのせいでイェンス・ヨハンソンがいなくなっているのが 致命的なマイナスポイントとなり響いていますが、 専任ヴォーカルが加入する(というかヨナス・ハンソンが歌っていない!)という 好材料もあり、なかなか侮れない内容となっています。
本作の最大の売りは、ヨナスの魅力を思う存分味わえるところでしょう。 これだけ不器用で人間くさい様式美〜ネオクラシカル・サウンドは 他に見当たらないと思います。
ひたすら、しみったれた音でむせび泣き続けながらも、 意外と変なところで豪快だったりする ヨナスの独特すぎる個性に脱帽です!

・JIM NOIR/SAME(08)
イギリスはマンチェスター出身のポップ・アーティストによる2nd。
類まれなる才能が発揮されたデビュー作をさらにマニアックに深堀りした 濃密なサウンドが楽しめます。
「お花畑でビーチ・ボーイズを聴いていたらうたた寝してしまい、 ふんわりと空に浮かび、気がついたら宇宙をさまよっている夢を見た」 ような感じ...といったら伝わるかなあ...
他のアーティストでは味わうことのできない、 カラフルでドリーミーな世界がなんとも心地よいです。 (現実を忘れて身を委ねたくなってしまいます。)
まさにマジカルでミラクル... こういう人にこそ「ポップの魔術師」と いう称号を使わなきゃですね!

・ARTWORK/WORK OF ART(08)
今後の産業ロック〜メロディアス・ハード界を背負って立つであろう スウェーデンの超大型新人バンドによるデビュー盤。
内容が良いのはわかっていたのでしばらく寝かしていましたが、 やはり期待を全く裏切らない傑作でした。
ひんやりとしてみずみずしい透明感が アルバム全体を支配する中、 この手のマニアが理想としているサウンドを 次々に具現化していきます。
アルバムの細部にまで緻密に計算され、非の打ち所は無く、 あまりにも完璧すぎるので、才能、金、運... ありとあらゆるものを全て出し尽くしたのでは?... と妙に心配になっちゃいます。
最近2ndが出たみたいですが、内容大丈夫なのかなぁ。
TOTOファンは絶対に押さえておきましょう。

・EXCAVATIONS OF THE MIND/SKY ARCHITECT(10)
オランダ期待の新人シンフォ・バンドによるデビュー盤。
70年代と現代のサウンドが交錯し、 アグレッシブに攻める場面もあれば、ひょうひょうとした味わいを見せたり... どうにも掴みどころの無いマニアックな作風となっています。 (本当に新人なんでしょうか?)
おかげで即効性が無く、危うく本作の面白さに気付かずに終わるところでした... (どこか気になってリピートし続けて大正解!... 即効性が無い分、長く楽しめることができるのが嬉しいです。)
オランダらしいメロディの温かさもあるにはありますが、 それだけに逃げず、いろんな武器を揃えながら、 それらを小出しにするところがニクイ!
小粒なBEARDFISHと喩えたら乱暴かな?。

・BURNING FORTUNE/CAULDRON(11)
ENFOFRCERの新譜と聴き間違えそうなほど、 NWOBHMへ傾倒しまくりな、カナダのB級ピュア・メタル・バンドによる2nd。
インターネット等の影響もあってか、 世界のあちこちでほぼ同時期に同じようなムーブメントが 起きやすくなってるんでしょうね。 ENFORCERに肉薄せんとばかりの、 ダサ格好良い&懐かしいサウンドでガンガンズンズンぐんぐん上昇!... 自分達が出したい音に向かってブレることなく一心不乱に突き進んでいきます。
しかし、こんな強烈なバンドがうじゃうじゃ出てきたら、 NWOBHMの時より盛り上がっちゃうんじゃないの?! →でも数年したらみんないなくなってそうな気も!(笑) →といいながら十数年経過したら、本作を聴いて 育った若い世代がまた同じような音を目指したりするんじゃ... とかいろいろなことを考えちゃいました。
とりあえずこのブームには乗っかって楽しんでおこうっと!

・WONDERFUL LIFE/THE TORIES(97)
元祖ジェリーフィッシュ・フォロワーこと アメリカの美メロ・ギター・ポップ・バンドの 輝かしいデビュー盤。 (フォロワーに元祖もクソもないか!(笑))
ジェリーフィッシュ・マニアならご存知の方も多いと思われる 基本中の基本とでもいうべき名盤だけあって、 メロディも演奏も最高... 中でも気持ちを乗せて歌い上げるヴォーカルの良さが際立っています。 (感情移入しやすいので気分が高揚します。)
後のジェリーフィッシュ・フォロワー達 (CHECKPOINT CHARLEYとかBIG KIDとか...)も 結構参考にしたんじゃないかなぁ。
音沙汰が無いのでおそらく解散してるんでしょうね... いつの日か再結成して、本作に負けないくらいの名盤を 作ってもらいたいものです。


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