2010年に聴きまくったアルバム92枚を順位付けして紹介します。
上位にプログレがほとんど入ってません。
近年は自分が何を聴きたいのかがますますわからなくなってきてます!
イギリスで大ブレイクしているポップ・ロック・バンドの3rd。 cdbabyとかnotlameとかをこまめにチェック&試聴して、 ビートルズ、クイーン、ジェリーフィッシュあたりの フォロワーをちびちび漁っている間に、 とんでもない怪物が出現し、しかも売れまくっていたなんて...全然知りませんでした! (まさに灯台もと暗し...ってちょっと違うか?!) フー、クイーン、ビートルズ、ビーチボーイズ、ジェリーフィッシュ、キンクス... ...といったスーパー・バンドのおいしいところをつまみ食いしたような感じですが、 決して物真似ではなく、きちんと自分たちのサウンドを確立しています。 そして楽曲、演奏、歌、コーラス...何もかもが最高...完璧すぎる名盤です。 (特にLITTLE JOANNAは、ジェリーフィッシュがクイーンとビーチボーイズを取り込んだ 個人的に一番やばいパターン使ってるので、前半と中間部とで2回も泣いちゃいました。 この曲に関してはこぼれたミルクを超えてると思います!) さらに、まだ若くてルックスが良いなんて...何かが間違ってます! LONELYのサビに懐かさを感じたのは、 「愛を語るより口づけをかわそう」(昔カラオケでよく歌ったなぁ〜)っぽいからですね!(←おいおい) 他のアルバムも急いで集めます。久々にワクワクするなあ... で、ジャケットはアージェントのパクリ?! |
韓国の男性2人組によるウルトラ・キャッチーな渋谷系ポップ・ユニットのデビュー盤。 LEE SUN HEEを聴いていて彼女の新譜が出てないか久々にYESASIAをチェック → F.I.R.の新譜が出ていたのでカートへ → 送料無料にするため他に面白そうな作品が無いかアジアものを物色... という流れでこの名盤に出会うことが出来ました。 (LEE SUN HEEとF.I.R.には感謝したいと思います!) 試聴したYoutubeの音源(1曲目、2曲目)があまりにも良過ぎたので、 CD到着が待ちきれなくなり、ipodにYoutube音源を入れようか本気で迷いました。 カラフルでキラキラした無数の音符たちが楽しそうにパレードを繰り広げていくさまは圧巻! ...何度聴いてもワクワク感が止まりません。 それにしてもついに渋谷系まで韓国にパクられてしまうなんて... いや、パクるって表現は適切ではないですね... なんてったって数十倍も進化してますから。(超渋谷系) とにかく、昔渋谷系にはまってた人は全員必聴です! よく考えるとヤサ男2人組ってのもムフフな感じですね。 (女子を取り合いになって解散しないようよろしくお願いしますよ!) |
アメリカの新鋭ポップ・バンドのデビュー盤。 貧相なジャケットからダメダメ感がプンプン漂っていますが、 内容はジャケットとは正反対... 鮮やかでカラフル...甘美なポップ・ワールドが一面に広がっています。 ELO、ビーチ・ボーイズ、ベン・フォールズ・ファイブ... あとは最近のバンドだとフィーリングあたりにも近いかなぁ... 近年のポップ勢の大半を占めるジェリーフィッシュ一辺倒の連中とは 明らかに毛色が違っていることもあり印象に残りやすいです。 泣きの要素が無くひたすら明るく楽しい(ポップ・マニアが一同に集結し、 アイデア出し合って和気あいあいと作ったような レコーディング風景を想像してしまいます)、 ヒネリが無く誰にでもわかりやすい、 普通この手のバンドにはいないハズのオヤジ声ヴォーカルが混じっている ...などいろんな特徴を持っているのは強いですね。 デビュー盤にして早くも名盤レベルに達しているように感じます。 この後も順調に製作活動を続け、 早くも3rdまで発表しているのがなんともうれしいです。 (もちろん購入済です) |
初期北欧メタルを象徴するスウェーデンの名バンドによる名盤。 輝かしい実績を誇るイングウェイ、ヨーロッパ、TNTらと比べると、 かなり見劣りして、古臭く感じるんだろうなぁ... (ジャケットもインパクトありすぎだし...) と思いこれまで聴く機会が無かったんですが、 イェンス・ヨハンソンのキーボード目当てに入手してみたらすごいのなんの... ものすごく気に入っちゃいました! 確かに、他の北欧メタルの名盤と比べると、 音は悪いし、歌はひどいし、ギターも雑なんですが、 B級バンドにしか作り出せないいろんな格好良い要素が 全てこのアルバムに封じ込められており、 結果A級バンドが束になってもかなわない名盤に仕上がっているように思います。 (B級メタルの鑑のような存在!) まず、ヨナス・ハンソンのギターがこれほどまでに魅力的だとは思いませんでした。 テクニックとかは関係ないですね...音に魂が入っているので、 すごく感情移入することができます。 もちろんイェンス・ヨハンソンのキーボードは絶品... リチャード・アンダーソンと比べると気品が感じられるのが良いです。 さらにNWOBHMの影響を強く感じさせる攻撃的なリズム隊もやばすぎます! 「様式美」+「NWOBHM」というとWHITE SPIRITにも通じるところがありますが こちらはさらに「北欧」と「ネオクラシカル」も乗ってくるんで跳満、倍満状態です! 他の作品も集めてみなくては... |
スウェーデンのメロディアス・シンフォ・バンドによる3rd。 ジェネシス、イエスのエッセンスを存分に吸収し、発展させた 現代風メロディアス・シンフォを、 バンクス直系のキーボード、ハケット&ハウ&ラティマーなギター、 キレのあるリズム隊が一丸となって展開していくのですが、 曲の出来も演奏もすこぶる良いので驚きました。 耳に残るメロディにあふれ、 ワクワクするような曲展開がふんだんに用意され、 各メンバーの演奏がはつらつと躍動しているおかげで、 アルバムをだれることなく一気に聴きとおすことができます。 個人的に今のフラキンに求めている音が、 何倍にも強化されて凝縮されているような名盤だと感じました。 音の一つ一つが、シンフォにありがちな奥まったものではなく、 前向きなエネルギーであふれているのがとにかく素晴らしいです。 過去の作品も聴いてみたいなぁ〜。 |
70年代ドイツの知られざるポップ・ユニットによる作品。 知名度の低さからさほど期待していなかったんですが、 とんでもないことになってます...めちゃくちゃ完成度が高いです! ビートルズの遺伝子を受け継ぎ、 豊富なアイデアをふんだんに盛り込んで見事に発展させることで、 あまりにも素晴らしすぎる超ポップな名盤に仕上がっています。 メロディは美しいし、演奏はうまいし、 アレンジもカラフルで細部まで実に良く練られているし... そのスタイルはまさに「ドイツのクラトゥ」といった感じです。 (←「ドイツのカナダのビートルズ」では意味不明ですね!) フールズ・ガーデンも素晴らしいバンドですが 彼らの前にドイツにこんなにも偉大な人達がいたんですね〜。 クラトゥやビートルズはもちろん パイロット、初期トッド・ラングレンあたりが好きなら 多少無理してでも押さえておきましょう! この才能は天才レベルだと思います。 メンバーの関連作品って他に無いのかな... あったら聴きたいなぁ〜 |
アメリカのベテラン・メタル・バンドによる最高傑作であり、
メタル史に燦然と輝く超名盤。 とにもかくにもアルバムタイトルにもなっている1曲目の出来が神過ぎ!... もの凄いスピードで追いかけられ、一気にマウントポジションをとられ 一方的にボコボコにされ続けて次第と意識が遠のいていくような気分になります! アルバム1曲目で聴き手に圧倒的な衝撃を与えるという点で、 パープルのハイウェイ・スターを思い出しました。(時代は違いますが) この1曲目の出来があまりにも突出しすぎているので、 それ以降の曲の格好よさ、アルバム全体の素晴らしさが わかるまでに少し時間がかかってしまいました。 紛れもない名盤中の名盤です! |
スウェーデンのメロディアス・ハード・バンドの3枚目。 前評判から完成度が高いとは聞いていましたが、 まさかこれほどとは... 華のあるヴォーカル、弾きまくるギター...演奏は完璧だし、 楽曲はツボを押さえまくりだし... とにかく文句のつけようがありません! マニアに事前アンケートでも取ってたんでしょうか? この手の音を欲しているリスナーの心を300%満たしてしまうでしょう。 これほど高いレベルに到達されると、 「型にはまりすぎ」、「完璧に作りすぎて面白みに欠ける」 なんてことをいいたくなっちゃいます。 (個人的にはバンド名で仕事(あるいは「秩父のプリンス!(爆)」)を思い出すのもマイナス点!) 懐かしい部分と現代的な部分とのブレンド具合が絶妙です。 メロディアス・ハードのファンなら必携ですね。 |
イギリスの知る人ぞ知るポップ職人ウィリー・ダーリングが
WILDHEARTSからJACKDAW4の間に在籍していたバンド唯一の作品。 JACKDAW4で繰り広げられていた ビートルズ〜ジェリーフィッシュ系のピュア・ポップを期待すると、 肩透かしにあうと思いますが、 パンク、ハード・ロック、ポップスのおいしい部分を 絶妙のさじ加減で組み合わせたスタイルがめちゃくちゃ格好良いです。 (そこいらのパワー・ポップ・バンドとは、一味も二味も違う刺激が味わえます!) JACKDAW4も最高ですが、メロディは負けてない上に、 こちらの方がスリリングだし、痛快だし、前向きだし、 オリジナリティもあるし...紛れも無い名盤と断言できます。 他のバンドとかけもちして活動を再開してくれないかなあ〜。 |
イギリスのスーパー・ロック・バンドの出世作となる3作目。 4作目のBLACK HOLES AND REVELATIONSも強烈な傑作でしたが、 この作品も全くひけをとっていません。 あらゆるジャンルの第一人者を寄せ集め、巨額のお金を投じ、 長い期間を経て作り上げられた壮大なプロジェクト作品のような 仕上がりに圧倒されるばかりです。 たった3人でも、最新テクノロジーを駆使し、 数えきれないほどのアイデアを盛り込むことで、 こんなにもスケールを巨大化させることができるんですね... 多種多様な楽曲のおかげで、何度リピートしても正体が掴めないようでありながら、 最終的に全てMUSEの音で埋め尽くされています。 ある意味、最近のプログレバンドよりも断然プログレしてますね! |
ブラジルの中堅メタル・バンドの最高傑作との呼び声も高い4作目。 EYES OF SHIVA、AQUARIAと同様に、 彼らもブラジルの偉大なメタル・ゴッド、ANGRAの影響を強く受けており、 シンフォ+クサメロ+民族色がうまくブレンドされた メロスピサウンドをたっぷり楽しむことができます。 特徴は、1992年結成という意外と古いキャリアからは想像もつかない、 あまりにもピュアなクサメロでしょう。 時折、聴いていて赤面しそうになるくらいの激クサフレーズが飛び出てきます。 (特に6曲目は異常...本家ANGRAや前述したANGRAフォロワーと比較しても、 頭3つぐらい抜きん出ているように思います。) クサメロ好きなら絶対に押さえておきましょう。 |
一昔前、2ndの奇妙な世界にどっぷりはまった思い出のある
アメリカのヴィンテージ系プログレ・ハード・バンドの近年の作品。 2ndの頃とメンバーも変わっているようなので、 どのような音になってるのか楽しみに聴いてみたところ、 びっくりするほど変わっていませんでした! ただ、自分たちの個性を十分理解していて、 それを丹念に磨き続けた成果が音に現れており、 純粋に曲のクオリティがアップしています。 ディープ・パープル、ユーライア・ヒープ、 ビートルズ(I AM THE WALRUS的ムードが最高)、 Tレックス、ピンク・フロイド...といったメジャーどころから、 クレイジー・ワールド・オブ・アーサー・ブラウン、アトミック・ルースター、 グレイシャス、ツアール...といったマイナーどころまでを 無理やり組み合わせ、 突き刺すようなオルガン、不気味なメロトロン、粘りまくるギター、 重たいリズム、シアトリカルなヴォーカル、効果的なSE... が一体となって繰り広げる唯一無二のサウンドは圧巻です! 相当面白いバンドだと思うんだけど、何故日本では受けないのかなあ... |
スウェーデンの個性的な70年代懐古系シンフォ・バンドの2nd。 EL&P、クイーン、パープル、ジェネシス、クリムゾン... 数多くの先輩バンドからヒントをもらい、 組み合わせてじっくりと料理することで 自分たちにしか出せない音を作り出し 傑作レベルの作品に仕立て上げています。 70年代懐古といっても、BIG ELFのようなどぎつさやこってり感は無く、 あくまでもナチュラルです。 また、やりたいことがいっぱいあるのか、 いろんなことに挑戦しているので正体が掴みづらいです。 おかげでややインパクト的には弱さを感じますが、 何度繰り返しても飽きずに聴き通すことができます。 それにしても最近のスウェーデンのバンドは 古きよき音楽を料理するのが滅茶苦茶上手ですね。 |
天才ギタリスト、ポール・ギルバートと
天才メロディ・メーカー、ライナス・オブ・ハリウッド
が企てたお遊びアルバム! みんなで楽しく酒を飲んでるところにANDREW W.K.の曲が流れて、 「ん、ちょっといいアイデア思いついちゃったんだけど 今からスタジオ入ってみない?」的な流れで アルバムが出来たような感じです。 弾けまくった内容からメンバーが心から演奏を楽しんでいる様子が 浮かんできます。 パワー・ポップ、ロック、パンク、メタル... をぶった切って鍋に放り込み、あまり煮詰めず フレッシュさを大事にして一気に仕上たような音楽性がキモチイイ! メタルファンとポップスファンってあまり共通点無さそうですが、 メロディ至上主義者が多いので実は探すと結構いるんですよねー。 (もちろん私もその一人) そういう人なら必聴ですよ。 この手のバンドは続編を作っても、 1stのインパクトを超えることはまず無いんですが、 本作があまりにも良いので、それでも次回作を期待したいと思います。 |
日本が誇る最高のポップ職人、永井ルイが立ち上げた新バンドのデビュー盤。 これまで聴いてきた永井ルイの関連作品は、 マニアックで多重録音的なイメージが強かったですが、 バンドサウンドでも最高級の作品が作れることを証明しています。 やっぱり天才は何でも出来ちゃうんですね〜。 パイロット、クラトゥ、クイーン、バッド・フィンガー、 トッド(ユートピア)、ELOといったお得意の70年代ポップスに、 T・レックス、チープ・トリックといった グラム・ロックやパワー・ポップの要素を新たに加えて さらにカラフル度をアップさせてるところがニクイ! こういう名作は日本国内でもっともっと売れてもらわなきゃ困ります。 世界中のポップ・マニアも知ってもらいたいです。 Not Lameあたりに出したらそこそこ売れるんじゃないのかなぁ? ACKOのヴォーカルも光ってますね。 (←歌いまわしが時折aikoっぽくきこえるのは私だけでしょうか?) |
タイトルどおりの変態ギタリストによる2008年発表作。 相変わらずザッパとパワー・ポップを合体させたような独自のスタイルで 歌詞の最低さ(○ァック&○ック連発!)、ギターの超絶さ、 楽曲の毒々しさ&キャッチーさには、ますます磨きがかかっています。 キワモノ系バンド、アーティストは、 衝撃的なデビュー盤をリリース後、だんだんパワーが薄らいで フェードアウトしていくものなんですが、 この人の作品は何を聴いても面白くてわくわくしちゃいます。 (さすがは変態の中の変態!) 今後も彼の動向を追い続けることになりそうです。 |
イギリスのアーティスト、アンディ・モルテンによる
60年代ブリティッシュ・ポップ影響下のソロ・プロジェクト作。 どことなくタンバリン・スタジオを想起させる、 アコースティックな楽器にこだわった手作り感たっぷりの音作りが アルバムタイトルどおり聴き手の耳を自然に微笑ませてくれます。 また、ピュアで人懐っこくて青くさいメロディと素朴な歌がしっかりと心に響いてきます。 中でも2曲目は超名曲です!(実はこの曲を視聴して即買いしました。) こりゃ彼が率いるバンドBRONCO BULLFROGもチェックしたほうが良さそうですね。 ジャケットはマンフレッド・マンのチャプター3からヒントをもらったのかな? |
70年代ブリティッシュ・プログレの伝統を継承する
イギリスの新人シンフォ・バンドのデビュー盤。 最近のバンドにしては珍しく、 フラワー・キングス、スポックス・ビアード、ドリーム・シアターといった 近年を代表するバンドの影響を感じさせません。 70年代のイエスが80年代以降のシンフォ情報を入れず一気に現代化し、 格調高いクラシカル・シンフォ作品を時間をかけて丁寧に作りこんだような 名盤となっています。 特にストリングスとアコースティック・ギターが調和するパートは、 荘厳で美しく、あまりの透明度に心が洗われるような気分になります。 CRYPTIC VISIONの時にも感じましたが、 自主制作でこんなにも完成度の高いものが作られてしまうと、 メジャーバンドが不甲斐なく思えてきます。 |
ついにCD再発された
70年代イギリスの実力派集団、キャパビリティ・ブラウンのデビュー盤。 「中堅どころはCD再発されない」というジンクスを、 ストライダーとともにようやく覆してくれました! 彼らの2nd「ヴォイス」はその昔、紹介記事を雑誌に投稿したほど、 個人的に愛してやまない名盤でしたが、 この1stも2ndにも負けない素晴らし過ぎる内容となっています。 まず1曲目からして感動もの...この作品を購入した人なら、 九分九厘聴いていると思われるレア・バードの名曲 ビューティフル・スカーレットをカヴァー... 原曲にも負けないドラマティックな楽曲に仕立てています。 (そういえば2ndではアフィニティも取り上げた曲をカバーしてました... プログレマニア直撃ですね!) もちろんその後もだれることなくラストの組曲へ突入していきます。 プログレ、ハード・ロック、ポップス、フォーク、ブルース... といった幅広いジャンルの要素をセンスよく組み合わせた 元祖ミクスチャー、元祖ニッチ...とでも呼びたくなる 濃密で豊潤な音楽性を考えると、時代が早すぎたのかもしれません。 タメのきいた演奏は心地よいし、 クイーンをも凌駕する分厚いハイトーン・コーラスは最強だし... ジャケットは地味ですが、めちゃくちゃ完成度高いです。 みなさん買いましょう! |
CHARLIEの2枚組に触発されて、
老後の楽しみにとっておいたスティーリー・ダンの未聴アルバムから
この1枚を聴いてみることにしました。 やっぱりスゲー!...全盛時の北の湖も吹き飛ぶような、 憎たらしいほどの余裕と安定感に満ち溢れています。 スタジオの床には、トラの毛皮が敷いてあって、壁には鹿の頭があって、 ガウンを着たメンバーが極上のブランデーでも飲みながら レコーディングしたに違いありません! 多彩なジャンルの音を好き放題に詰め込んだ変幻自在の音楽性により 正体がつかみづらいのですが、その一方でどの曲も確実にスティーリー・ダンの音に なっているのが凄いです。 歳をとればとるほどつまらなく感じるアルバムが多い中、 彼らのアルバムはその逆なのが良いです。 内容が良すぎて一気に全部聴くのが勿体ないってのもあるけど、 こちらが年齢を重ねれば重ねるほど楽しめるので、 他の作品も老後の楽しみにとっておくことに決めました! (少しずつ小出しにしながら聴きます。) 今気付いたんですが、メガデスのCOUNTDOWN TO EXTINCTIONって 本作をもじったでんしょうか? (インテレクチュアルなだけにあり得る?) |
70年代後半〜80年代に活動したインドネシアのポップ・ロック・バンドの音源集。 初っ端から、当時のYOCKIEやCHRISYEの名盤と同じ、 インドネシア特有のあったかいシンセが耳にふんわり入ってきて、 目頭が熱くなってしまいます。 70年代後半のインドネシア・プログレの歴史的名盤に涙した 私のような人(どれぐらいいるかわかりませんが...)は、 絶対に入手すべきです! 基本はポップ・ロックなので、シンフォ度は弱いですが、 突然、重厚なメロトロンが鳴り響いたり、 ジェネシス、イエス、タイ・フォン風のフレーズが 強引にねじ込まれたりと全く油断ができません。 よくぞこんな激レア音源を再発してくれました! バンドのマークって絶対にエクセプションのパクリですよね。 (オランダつながり。) 知らないとは言わせないぞー! |
ペルーが誇る伝説のビートルズ・フォロワーによる2nd。 歴史的名盤1stと同様、ビートルズへの強い憧れと 愛情に満ち溢れており、 やはりこの2ndも名盤となっています。 彼らのピュアな心が、歌、コーラス、演奏に 魔法をかけているおかげで、 このアルバムを聴いていると、 ひたすら感動するとともに 心がじんわりとあたたまり幸せな気持ちになってきます。 近年、彼らのシングル集や未発表音源集が発表されたのが うれしくってたまりません! 再結成とかしてくれないかな... |
アメリカの無名な女性(おばさん)SSWによるデビュー・ソロ。 うーん...一番近いのはキャロル・キング?... 時折シンフォ化(ルネッサンス風ピアノに泣きのギターとヴァイオリンが絡み合う!)したりする、 古き良きピアノ主体の歌ものポップ・ロック... といいたいところですが、そんなことはどうでもよく、 とにかく叙情的なメロディと独特のヴォーカルが 脳裏にこびりついて離れません。 (カビキラーでも重曹でも絶対に落とすことはできないでしょう!) よくポップの魔術師って言葉が使われますがこの人はリアル魔女ですね。 興味のある方はあくまで自己責任でチェックしてみてください。 (耳から離れない...って苦情は受け付けませんので!) こうしている今でも頭の中で「あいされんだー」って声が鳴り響いています。 (←こっちが「あいされんだー」状態だっつーの!) |
メロディアス・ハード〜産業ロック史上に輝く
アメリカの名バンドの1st(81年作)+2nd(82年作)の
お買い得なカップリング盤。 どの曲も極めて質が高く、非常に良く練られています。 トト、ジャーニー、スティクスが売れて、 何故これだけ強力な作品が売れなかったのか理解に苦しみます。 (どんなジャンルでも、こういう残念な人達っているんですよねぇ...) 近年、当時のメロディアス・ハード黄金時代に 傾倒した傑作がたくさん発表されていますが、 やはりリアルタイムに出た作品のほうが音が数段リアルですね〜。 音が過剰に詰め込まれていないのがたまらんです。 唯一の難点は、ブック○フにプリプリのベストを買いにいきたくなる2曲目でしょう。 (彼らには一切悪いところは無いんですけど...あまりにも露骨にパクリ過ぎ!!... 19 GROWING UPってずっとパナマ@ヴァン・ヘイレンのパクリだと思ってたんですが、 こんなところに大本命が眠ってたなんて...) おかげでアルバムの本来の良さに気付くのに少し時間が掛かっちゃいました。 AOR風のクールな展開が出てきたり、突如メタリックなギターが切り込んできたり、 歌メロがキャッチーだったり、シンフォニックなキーボードがうねったり... いろいろなことが出来、かつ、それらをうまくコントロールしてコンパクトに仕上げる 「バランス」の良さが彼らの最大の魅力でしょう。(←あーあ、書いちゃったよ...) |
アメリカのジェリーフィッシュ・チルドレンによるデビュー作。 またジェリーフィッシュ系かよ...と言われそうですが、 これまた良質の作品なので素通りするわけには行きません。 ややプロダクションが安っぽいですが、 ビーチ・ボーイズ風のコーラスが美しかったり、 アメリカのバンドにしては珍しくXTCのようなヒネリが 効いていたりして、問題無く聴き通せます。 個人的には、ペネベイカーのような2曲目、幼少時代の夏の日に タイムスリップしたような気分に浸れる幻想的な15曲目にやられました。 他のジェリーフィッシュ・チルドレンと同様に このバンドも続編が待たれます。 |
アメリカのインディーズ系ポップ・バンドによる
ビーチ・ボーイズ&ビートルズ愛がぎっしり詰まったピュア・ポップの傑作。 一目瞭然すぎるタイトルといいジャケットといい、 自分達でエベレスト並みにハードルあげちゃってるけど大丈夫? ...と不安になりますが、 本人達の並々ならぬ情熱とひたむきな愛情が結実し、 「ペット・サウンズ6割、ラバー・ソウル4割... 他の材料は一切使用していません!」的な傑作に仕上がっています。 ビーチ・ボーイズ、ビートルズをはじめとする ポップス・ファンなら誰しも顔がにやけっぱなしになることでしょう。 その他、ラストのI'LL NEVER FALL IN LOVE AGAINのカヴァーの中間部において、 それまで身に着けていたビーチ・ボーイズ&ビートルズの鎧を脱ぎ捨て、 本来の自分達を解放したかのような、 ジェリーフィッシュ風の演奏&コーラスが実に爽快でキモチイイです! いいアルバムだなあ... |
インドのエキゾチックなプログレ・メタル・バンドの力作。 ひやかしで飛びついたファンを一気に蹴散らすような本格的な内容で、 オリジナリティあふれるプログレ・メタルをくそ真面目に追求している姿勢が すこぶる格好良いです。 音階、歌唱、ギターソロ...様々な要素で インドの民族色をアピールしていきますが、 最大の魅力はメンバー間で生み出されるなんともいえないグループ感でしょう。 欧米のバンドがアジアの民族色をどれだけ取り入れたとしても この独特な空気は再現できないと思います。 インドは人口がやたら多いので、 今後も強力な連中がどんどん出てくる可能性大ですね。 |
アメリカのインディーズ・ポップ・シーンから
底無しの才能を持ったポップ魔術師がまたもや出てきました。(一体何人いるんだ?) 1stの頃から気にはなっていましたが、 一気にステップアップしたこの2ndのクオリティの高さは誰もが認めざるを得ないでしょう。 (メジャー級の名盤の域に達していると思います。) ジェリーフィッシュ、ベン・フォールズ、ビーチ・ボーイズ、ビートルズ、トッド・ラングレン、クイーン ...といった先人達のポップな要素だけを寄せ集め、 不純物を一切混入させずに培養したような、 とびきり美しいメロディとカラフルなアレンジにあふれています。 センス的にもレベル的にも、LINUS OF HOLLYWOODにかなり近いんじゃないかな? こういうミラクル・ポップ作品に出会うたびに、ポップス〜パワー・ポップ・シーンにおいては、 もはやメジャーとインディーズの差は完全に無くなっている。 (もしかしたら逆転している)んじゃないかなって思います。 |
ロシアから出現した斬新すぎるプログレ・バンドの2nd。 ス、スゲー!、なんなんだ、このSPHERIC UNIVERSE EXPERIENCEの100倍ぐらい 時計の針を一気に進めた感覚!... 音楽性は、これまでのロシアのイメージである、 辺境っぽさ、イモっぽさ、時代遅れ、やりすぎ感、コテコテさ、民族色、 冷たい壁のようなシンセ...とは180度異なっています。 様々なジャンルをごちゃ混ぜにして発展してきた現在進行形の プログレ・メタル・バンド、シンフォ・バンドの全エッセンスを 丸ごと全て飲み込んでしまったかのような 視野の広さ、懐の広さ、吸収能力には開いた口がふさがりません。 また過剰な数のアイデアを取り込んでおきながら、 決して聴き手を胃もたれさせない情報の整理能力も、 凄いとしか言いようがありません。 まさに突然変異...ロシアなのになんでここまでクールなんでしょうか? (もしかして国籍偽ってる?) プログレ・メタル〜テクニカル・シンフォ・ファン必聴!...シーンの救世主的存在です。 「プログレッシブ」という意味では、LITTLE TRAGEDIESよりも断然こっち... 彼らが継続して活動しているうちはプログレの未来は明るいと言えるでしょう。(褒めすぎ?) |
ドイツのおしゃれな兄妹ポップ・ユニットによる5作目。 前作があまりにも素晴らしすぎて、 勿体無くてとっておいたら5年も過ぎてました!(汗) ワクワクしながら再生ボタンを押したのですが、 前作の出来が良過ぎたのか、期待が大きすぎたのか、 加齢によって私の感じ方が変わったのか、 曲自体の魅力が弱くなったように感じました。 しかし、そう思ったのは最初だけ... 前作で強まっていたピュア・ポップ色が薄まり、 以前のラウンジ色が戻っていて、即効性がやや弱まっていただけでした。 嫌なことや悲しいことがあっても、 聴いているとすぐに優しい気持ちになれる リヴィエラの特別なサウンドは不変です。 メジャー、インディーズ問わず、バンド、アーティストが次々に登場し、 似たような音であふれかえっている中で、 楽曲を耳にすればすぐにリヴィエラとわかるのは強いですね。 彼らが表現したい音を自然に発表できる環境さえあれば、 今後も心に残る素敵な作品を残し続けることでしょう。 |
ニュー・トロルスのメンバーが全面的にサポートしたことで知られている、
イタリアの女性ボーカリストの歌ものポップス傑作。 ルックス、歌唱...天が間違って二物を与えてしまった彼女に、 恐らくニュー・トロルスのメンバー誰もが「アンナ最高〜!」となったのでしょう。 時折自分たちのアルバムよりも力が入っているように感じます。 (イタリア人の血が騒いだんですね...きっと) 彼女自身の魅力もさることながら、 彼女の魅力を最大限に引き出した、ドラマティックでありながらも 洗練された楽曲、アレンジが光っています。 |
イタリアのドラマティック・シンフォ・メタル・バンドの2nd このジャンルでイタリアとくれば真っ先にラプソディが思い浮かびますが、 ラプソディに比べると、スケールが小さく、プロダクションもチープで、 おまけに演奏も歌唱も危なっかしいです! ただメロディのクサさだけは絶対に負けていません... というか他の要素がダメダメなだけに メロディのクサさだけがやたら目立ってしまい、 クサさだけはラプソディを完全にしのいでいるのでは? という錯覚に陥りついついリピートしてしまいます。 もちろん聴き手を圧倒するようなオーラは無いですが、 その分身近な存在に感じられて微笑ましいです。 (←なんかアイドルよりも同じクラスの ちょっと可愛い子がイイみたいな感じ?!) というわけで絶対に万人には薦められませんが、 B級バンドOKのクサメロ好きなメタルマニアなら 絶対押さえておきましょう! なんか初期のヘヴンリーってこんな感じだったよなぁ(笑) |
まさかこんな日が来るとは...
プログレ復興の鍵を握るスーパー・バンドが大作を引っさげて
見事に復活してくれました! 活動休止中に個々が蓄積した経験が上積みされ 以前よりも格段にクオリティがあがっている...と言いたいところですが、 そこまではいってないかな... ただこれまでの傑作と比べてクオリティが落ちていないことは確実で、 長いブランクがあったなんて微塵も感じられません。 また活動再開を楽しんでいる様子が演奏から伝わってくるので聴いていて嬉しくなっちゃいます。 いまや曲が長くても許せてしまう唯一の存在かもしれないです。 (一体1曲に何十曲分のパーツを詰め込めば気がすむんでしょうか?) 江古田で開かれた視聴会イベントも大いに盛り上がったので、 今後もシーンをぐいぐい牽引していって欲しいものです。 |
アメリカのピアノ・ロック・バンドのデビュー盤。 デビュー時のベン・フォールズ・ファイブをお手本にした感じの、 軽快でわかりやすくて楽しくてちょっぴり泣きの入った傑作に仕上がっています。 (手本があるせいかもしれませんがデビュー盤としては出来すぎかも!) 韓国のOMEGA 3のような強烈な個性を持っていないので、 少々物足りなさも感じますが、 この手の王道路線でさらに質の高いものを出し続けているバンドは極めて少ない (あとはFLUID OUNCESくらい?)ことを考えると、 貴重な存在だと思います。 日本人は絶対に好きなタイプなので もっと知名度が上がっても良さそうなんだけど... |
デビュー盤がキーボード・シンフォ・ファンの間で大いに話題となった、
「イスラエルの高速トレース!」ことトレスパスによる待望の2nd。 音楽性の幅が広がり、バロック色は一層深まり、複雑度、疾走感もアップ... バンドが確実に成長していることを物語る傑作となっています。 キース・エマーソンよりも明らかに故リック・ヴァン・ダー・リンデンに近い キーボーディストの指さばきや音づくりがマニア心を刺激してくれます。 (時折リック・ヴァン・ダー・リンデンが完全に憑いているのでは? と感じる箇所もあったりします!...ってもしかして、この時はまだ亡くなってない?) その他、ジェントル・ジャイアントを彷彿とさせるリコーダーが絶品... クラシカルさや格調高さをいっそう際立たせています。 今回、やや泣きメロが薄まってしまった点だけが残念ではありますが、 次作では改善してくれるでしょう。 今後も、彼らにはLITTLE TRAGEDIESの良きライバルとしてがんばってもらいたいものです。 |
20世紀の音楽史に残る超絶神盤の2009年リマスター版。 とりあえずリマスター効果がどんなものなのか、 ビートルズの中で最も愛している本作を試しに買ってみました。 十数年ぶりに聴いた(しかも当時聴き狂っていたのはLP!)せいもあるのですが、 「こんな音入ってたっけ?」的な発見があり楽しめました。 (中には、「音が分離しすぎでは?」... といった違和感を感じる部分もありましたが...) リボルバーが最高傑作だと思った時期もあったし、 ホワイト・アルバム最強と断言していた時期もありましたが、 やっぱりアビー・ロード(しかもB面)にかなうものは無いでしょう。 どうやったらこんなに美しい音ばかり詰めこむことができるんだか... 思えば小学生のときにビートルズと出会ってから、 ずっとビートルズの影を追い続けている気がします。 この症状は一生治らないんだろうなあ... |
アビー・ロードが40周年ならこちらも40周年...ってことで、
ボーナス特典につられて「宮殿」の40周年記念盤を入手しました。 アビー・ロードもそうですがこちらも40年経ってるなんて全然思えません。 リマスターのおかげで、精神異常者はこれまで以上にえげつなく狂いまくり、 宮殿はこれまで以上に美しく輝いています。 17才の誕生日に、このアルバムと出会ってしまい、 ここからプログレ人生がスタートしてしまった (人生が確実に変わった!)記念すべきアルバムなので、 思い入れがありすぎて書きたいことが山ほどありますがきりが無いのでやめておきます! ただボーナス音源に期待していたんだけど、サプライズが無かったのはちょっぴり残念です。 (話題づくりのために無理やり詰めこんだような気がするんですけど...) DVDは時間に余裕が無いので見ていません。(老後の楽しみにとっておこうっと...) |
70年代から活動を続け、近年も新作を発表して健在ぶりをアピールした
インドネシアの重鎮バンド、ゴッド・ブレスの2枚組ベスト盤。 ジェネシスからレインボウまで... 時代によって、様々なバンドをリスペクトし、 様々なスタイルに挑戦しながら、 インドネシアのロック・シーンを開拓していった 彼らの偉大な足跡を辿ることが出来ます。 特に初期のシンフォニックな音源(メロトロン入り!)は涙モノ... 辺境シンフォ・ファンなら押さえておくべきでしょう。 それにしても、以前SEMUT HITAMを紹介したときにも書いた気がしますが、 名曲TRAUMAにおけるぶっ壊れたレインボウっぷりはすさまじいです。 リッチーに聴かせたらまさにトラウマになるんじゃないかなぁ... (ラタ・ブランカも土下座しそう!) 彼らの初期の作品のCD再発を切望します。(ボックスとか出ないかなあ...) |
フィンランドのマイナーなプログレ・ハード・バンドによるデビュー盤。 一昔前のラッシュ、ドリーム・シアターの影響を感じさせるものの、 キーボードが主導権を握り、ギターがへヴィーな音作りをしていないのが特徴です。 (メタル嫌いのプログレ・ファンでもOKかも。) 特に楽曲が突出して素晴らしいわけではなく、ヴォーカルの弱さも目立つのですが、 近年あまり似たようなバンドがいないせいか耳に新鮮でなかなか面白いです。 またアルバム作成にメンバーが一丸となり真剣に取り組んでいる姿勢が 演奏から伝わってきてすがすがしさを感じます。 ただ、まだまだ発展途上なのでこれからの成長に期待したいと思います。 |
ブラジルのシンフォニックな歌ものプロジェクトの作品。 エグベルト・ジスモンチ、エルメート・パスコアール、 フラヴィオ・ヴェントゥリーニ、マルクス・ヴィアナ... といった気絶モノの超豪華メンバー(一体いくら使ったんだ?)が 参加しており、否が応にも期待が高まってしまいますが、 あくまで「ゲスト」としてひっそりと花を添える程度であり、 プログレ的な展開を期待すると拍子抜けしてしまいます。 ただ、そのかわりにミナス派らしい心温まるメロディと、 美しく伸びのあるアナル嬢(←名前だからしょうがないでしょ。 でもこれで有害サイトに指定されたら嫌だ!...) の歌声がふんわりと聴き手の心を包みこんでくれるので、 心の中が優しさで満たされます。 時折カンタベリーっぽい雰囲気が味わえるのもグッドです。 ラストの日本語ナレーションは最初聴いたときビックリしました。 |
日本のストレンジデイズ系ポップ・バンド!による傑作。 ジャンルを問わず日本のバンド最大の弱点であるヴォーカルを、 当時のシーンの中心人物本人(パイロットのデヴィッド・ペイトン)を 取り込むという反則技で最大の武器に変えているのがズルいです! 楽曲のポップ度もかなりのもので、 クラトゥ+パイロットな1曲目(名曲)のあと、 やや中だるみするものの、 マーティン・ニューエル、ワンダーミンツなどを散りばめ、 ラストにフールズ・ガーデン風の名曲が待ち構えていて、 クラトゥ+パイロットの出だしに戻るという なかなか感動的な内容になっています。 ややプロダクションが雑(ドラムが打ち込み風の音でしょぼい...)に感じられるのが 勿体無いですが、このあたりは次回改善してもらうことにしましょう。 後はとにもかくにも名曲レベルの楽曲が増えてくれれば言うこと無しです! 個人的には永井ルイやピカデリーサーカスあたりとコラボして もっと濃ゆーいポップ作品を作って欲しいです! |
凄腕ギタリスト、ラルフ・サントーラ率いる
メロディアス・ハード・バンドのベスト+レア音源集の2枚組。 メロディアス・ハードとして相当クオリティが高い内容である上に、 ラルフ・サントーラのスーパー・テクニックを存分に味わえるという、 「一粒で二度おいしいサウンド!」がなんとも魅力的です。 ちょっとベスト盤(1枚目)の1曲目(中間部のピアノを聴くと、 音質や指使いからクエラ・ベッキャ・ロカンダが頭をよぎってしまうのは私だけでしょうか?!) があまりにも名曲過ぎて、他の曲が印象に残りにくい感じがしますが、 繰り返し聴くと、良い曲ばかりが揃っていることがわかります。 レア音源を収録した2枚目も、 レインボウやMSG等のカバーが収録されていて楽しめます。 (レア音源って、聴かなければ良かった...ってケースが多いですが、 このCDはそんなことはありませんでした。) |
正統派メタルを追求し続けるドイツのベテラン・バンドによる傑作。 シーンに面白くて華やかな新人バンドがどんどん出てくることもあって、 これまでずっと後回しにしてきましたが、 まず最初に本作を聴いてみることにしました。 ラルフ・シーパーズのヴォーカルはさすがに魅力ありますね。 ガンマ・レイのデビュー盤(←何年前だよ)を考えると、 ハリ、つや、力強さは薄れている気がしますが、 積み重ねてきた年月が深みとなり、重厚感、説得力が増しています。 長い活動歴のなせる業なのでしょう、 楽曲、演奏、アレンジがヴォーカルの凄さを引き立たせているとともに、 ラルフも、場面場面に合わせて歌唱を変化させ楽曲を盛り上げています。 バンドの強固な結束力が完成度に直結しているといえるでしょう。 「ヘヴィー・メタル」って言葉を考えなおすと、 こういう作品が最もしっくりくる気がします。 |
スウェーデンのピアノ・ポップ・バンドのデビュー盤。 「フィルターレコード最後の切り札」と勝手に位置づけて、 大事に6年も寝かせていましたが、いい加減聴くことにしました。 「フィルターレコード版ベン・フォールズ・ファイブ」とでも 言いたくなるような音楽性で、 AOR、ソフトロック、ジャズ...といったおしゃれな 渋谷系的エッセンスをふんだんに盛り込んだ極上のピアノ・ポップが味わえます。 誰の耳にも馴染みやすい作品でありながら、 耳の肥えたマニアや同系統のアーティストをもうならせるような 突出したセンスはさすがスウェーデンといったところでしょう。 ただ曲もアレンジも演奏もずば抜けて良過ぎるおかげで、 ヴォーカルの弱さだけが目立ってしまっています。 HMVの特典で付いてきたCDシングルもスタイル・カウンシルみたいで楽しめました。 (この手のCDシングルって大抵フリスビーにしたくなることが多いんですが、 彼らは違いました。) |
最近ドゥギー・ホワイトとの電撃合体が話題となった、
アルゼンチンのレインボウことラタ・ブランカの初期を代表する名盤3rd。 デビュー時点で既に確立していたスタイルにブレは一切無く、 1st、2ndと同様、ウォルター・ジャルディーノの リッチー+イングウェイな超絶ギターが炸裂しまくる 超様式美路線で一気に突進していきます。 (プロダクションの悪さも1st、2ndと同様なのは何とかして欲しかったですが...) どこかで聴いたようなフレーズだらけですが、 文句なしに格好良いという事実は否定できません。 様式美マニアなら1st〜3rdは必携と断言できます。 疾走曲があまりにも良すぎるので、バラードはついついスキップしちゃいます... ごめんなさい〜。 |
ブラジル最強のメタル・バンド、アングラのフォロワー〜弟分的バンド
によるデビュー盤。 とにかく、ヴォーカル、ギター、キーボード、リズム隊、民族色... アングラのあらゆる要素の特徴的な部分をきっちりと継承していることに驚かされます。 (特に最初と最後(2曲目と10曲目)は超強力!...音質が悪いので、 「アングラが正式デビューする前の未発表デモ音源」 と言われたら信じてしまいそう!) 同国のアクアリアもアングラに極限まで接近した傑作をひっさげて デビューしましたが、この作品も内容的には決して負けていません。 アングラ好きなら押さえておいて損はないでしょう。 偉大なバンドには必ずフォロワー、弟分的バンドが存在し、 中には相当クオリティの高いバンドも出てくるんですが、 大抵はデビュー盤で失速しちゃうことが多いんですよね。 このバンドもそうなのかな? |
初期ジャーマン・メタルを語る上で絶対に外せない偉大なバンド、
アクセプトが絶頂期に残した名盤。 スリリングでドラマティックでメロディアスでヘヴィ... じっくり練られて作られているおかげで、 近年の刺激的なメタル・バンドを数多く耳にした今でも、 退屈せず一気に聴き通すことが出来ます。 (時代が変わっても色褪せないのは名盤の証!) やっぱり超個性的なヴォーカルを聴いただけで、 すぐにアクセプトだとわかるのは強いですね。 前作メタル・ハートと比べると、完成度ではこちらに分があるんでしょうけど、 頂点にのぼり詰める一歩手前の勢いが強く感じられる メタル・ハートのほうが私は好きかなぁ(まあどっちも必聴盤ですけどね...) |
イングランド、エニド、ホークウインドといったバンドに関わったメンバーが
在籍していながら、当時アルバムを残せなかった
イギリスのシンフォ・バンドによる70年代中盤の貴重な発掘音源集。 いかにもマニアが大喜びしそうな音源で、実際に私も飛びつきましたが、 第一印象としてはちょっと期待はずれに感じました。 (インパクトが弱く、アルバムを発表できなかったのもわかるような気が...) しかし、何度もリピートしているうちに、なめらかなメロディや 軽快な演奏が耳に馴染んできて、どんどんこの作品にはまっていきました。 ジェネシスとキャメルを組み合わせたようなスタイルなので、 70年代カイパあたりが好きな人なら結構いけるような気がします! ダイスやイングランドのデビュー盤(超名盤)のクオリティには全然達していませんが、 ダイスやイングランドの未発表2ndが楽しめる方なら きっとこの作品も気に入ると思います。 |
ビック・バンド〜スウィング・ジャズのゴージャスな音世界を
見事に現代に蘇らせたイギリスのユニークな音楽集団のベスト盤。 これまで、クイーンとかオーケストラ・ルナとかインドネシアのモッカを通じて、 この手の雰囲気を楽しんできましたが、 こういう音楽をまともに聴いたのは今回がはじめてじゃないかな... ゆったりのんびりとしたノスタルジックな世界に どっぷり身を委ねるのもいいもんですね。 聴いていると次第に日常の嫌なことが自然と吹き飛んでいくようです。 みなさんは頭の中にどのような絵が浮かぶんでしょうね。 私は「古き良きアメリカの白黒映画で、 カップルがダンスホールで踊ってるイメージ」が浮かぶんですが、 きっと「ディズニーランド」とか「よしもと新喜劇」 って人もいるんだろうなあ〜! |
ノルウェーの実力派モダン・シンフォ・バンドによる5作目。 メジャー・デビュー盤ということもあってか、 細部まで緻密に計算された、 完成度の極めて高い音作りにうならされます。 最近のポーランドが得意とするような 内省的に深く沈みこんでいく神秘的なサウンドで 聴き手をじわじわ包み込んでしまう手法は絶品... まるで聴き手を二度と出られない樹海の奥に連れ込んでいくかのようです。 それにしてもレディオヘッドやミューズあたりのファンも取り込んでしまいそうな、 この懐の深さは一体何なんでしょう。 こういう作品が「プログレ」として扱われちゃうことを考えると、 一昔前にプログレやシンフォ好きなことをカミングアウトしづらかった 時代がバカらしく思えます! |
70年代に活動していたもののアルバムを残せずに解散した
スウェーデンのシンフォ・バンドが、
90年代に再結成しようやく発表した作品。 あのダイスが再結成し、 ジェントル・ジャイアントを意識して作ったような 1曲目に心が躍ってしまうのは私だけではないでしょう! その後も、軽快かつクールな北欧らしい演奏が続いていきますが、 強力な演奏にメロディが追いついていのがなんとも残念です。 (でも北欧シンフォ・ファンなら1曲目でもとがとれちゃうかも...) ヴォーカルは母国語なのでポイント高いです! |
アメリカの典型的なジェリーフィッシュ〜FOW系パワー・ポップ・バンドによる傑作。 インディーズ系に似たような傑作アルバムはごろごろ転がっていますが、 その中でもかなり上位にランクするクオリティの高い内容となっています。 特徴や個性といったものは弱いですが、 日本人好みの泣きメロが多く感情移入しやすいので、 パワー・ポップ好きならまず満足してもらえると思います。 次回作はいつでるのかなぁ... |
最強のメロコア・カヴァー・バンドによる、
70年代ポップスのカヴァー集。 今回は、純粋な新作ではなく、 過去音源のコンピレーションもののせいか、 壊しっぷりがおとなしく目一杯弾けていないように感じる箇所もあります... (名曲のオーラにおののいて思う存分出来なかったとか?) が、やっぱり彼らの演奏は気持ち良くて底抜けに楽しいです! 「歌の贈りもの」なんか普通取り上げないでしょー。 (バリー・マニロウが「ソンナバカナ!(コパカバーナ...く、苦しい...)」と 叫んでしまいそうです。) あとネスカフェCMの曲は、ずっとCMオリジナル曲だと思ってました!(恥) 次回は岡本真夜の曲を...(略) |
名盤「CORE」によりプログレ・デス界の頂点に登りつめた
アンドラ公国出身のメタル・バンドのデビュー盤。 2ndの「CORE」を先に聴いてしまったため、 最初は詰めの甘さや未熟さが気になってしまいましたが、 数回リピートしているうちに中毒状態に陥りました。 激しい場面展開が連続するにも関わらず、 決してちぐはぐにならず、流れるように楽曲が進められていきます。 楽曲構築能力ではドリーム・シアターやオペスに決して負けていません。 個人的には「デス」の部分に、昔はまりまくった北欧メロデス (最も輝いていた初期のイン・フレイムス、ダーク・トランキュリティ...) の香りがするのが気に入っています。 3rdの国内盤ってなんですぐに廃盤になっちゃったんでしょうか? |
プログレ不毛の時代にデビューし、現在もしぶとく活動を続けている
アメリカのテクニカル・シンフォ・バンドのデビュー盤。 リアルタイムでは、劣悪ジャケットのおかげで、 「きっと粗悪なEL&Pクローンに違いない」 という先入観があり無視してきましたが、 最近ふと気になりだしたので、 今なら素直に評価できるかも...と思い入手してみました。 とにかく、MIDIギターの活躍ぶりには目を見張るものがあります。 シンセ・パートはキース・エマーソンそのもの... とてもキーボードを使っていない(MIDIギターのみ)とは思えません。 おかげで時折シンフォニック・スラムみたいな展開が出てくると なんだかほっとしてしまいます。 きっとこのバンドのギタリストって、マハビシュヌ・オーケストラに憧れてギターを猛練習し、 技術を極めた後にEL&Pと出会い、 「自分が求めていたのはこの音... 何故キーボードでは無くギターを選択してしまったんだ& 何故もっと早くEL&Pを聴かなかったんだ...」 と、後悔&挫折し、ひきこもっていたところで MIDIギターと出会い、気がついたらこの作品を発表していたに 違いありません!(←全て私の妄想です!) EL&Pフォロワーという意味では、 無数に存在するキーボード・トリオと明らかに一線を画しているのが良いです。 予想以上に面白かったので、イェンス・ヨハンソン加入後の近年の作品も 聴いてみることにします。 |
個人的に特大プッシュしている
現在最もプログレ寄りな超絶ジャム・バンドの5th。
(THE BREAKFAST名義では2枚目) これまでも様々なスタイルの曲を演奏していましたが、 さらに音楽性の幅が広がっており、 前作の延長線上にある快作となっています。 特に歌ものの出来が良くなっているのが目立ちます。 もちろん超絶ナンバーは相変わらず卒倒モノ... ハニー・バター(←ジャム・バンドなのにハニー・バターとはこれいかに!) なんか全員キレまくってます! (この後にB級ジャズ・ロック〜フュージョンなんて聴けないです。) これだけ楽器弾けて、これだけ凄いメンバーに恵まれて、 これだけチームワークが強固だったら、 演奏してて滅茶苦茶楽しいんだろうなあ〜。 |
唯一無二のスタイルでファンを魅了する
ブライアン・セッツアー・オーケストラが、
クラシックの名曲をカヴァーした異色作。 クラシック名曲カヴァーは大好物なので これまでに聴いてきたものをあげるとキリが無い (EL&P、ナイス、エクセプション、カナリオス、ウリ・ジョン・ロート、 ピンク・マイス、メコン・デルタ、スウィングル・シンガーズ、冨田勲...) んですが、原曲の崩し方がそれらとは全く異なるのでとても新鮮です。 またスウィング・ジャズ〜ビッグ・バンドの卓越した演奏の上を、 ロカビリー魂で跳ね回るブライアンのプレイが痛快!... タイプは違いますが、ジェフ・ベックがワイヤードで凄腕メンバーのかっちりした演奏の上で 好き放題暴れまくったのを思い出しました。 このスタイルで是非続編を作って欲しいところです。 |
アメリカのスーパー・ミクスチャー・ポップ・トリオ?!のデビュー盤。 ミーカとベン・フォールズ・5を合体させ おまけにダフト・パンクを付けてノンフライ製法で仕上げたような感じでしょうか?... タイプの異なる先輩達のキャッチーな部分だけを抽出して 組み合わせることにより、すさまじくポップな音を作り出しています! またフワフワサクサクでライトな質感が耳にこそばゆくクセになります。 いつのまにか国内盤もリリースされているようですし、 将来大ブレイクしてもおかしくない逸材だと思います。 前述のアーティスト、バンドのほか、 ジェリーフィッシュやクイーンあたりが好きなら 是非一度チェックしてみてください。 |
これまでの常識を覆す驚異的なスピードで突っ走る
最強最速のメロスピバンドによる4th。 そろそろマンネリ化し、行き場がなくなって 苦しむ頃だろうと思っていましたが、 これまでの数倍近い、展開、メロディ、ギターソロ、アイデアが 用意されているおかげで手詰まり感は一切無く、 これまで以上に楽しめる内容となっています。 表向きはバカっぽいようにみせていますが、 その裏で相当努力していることが伝わってくるので、 これからも温かい目で見守っていこうと思います。 それにしてもこの速さは強烈... 人間が演奏していることを考えると「非常に危険です!(笑)」... もうこのあたりが限界でしょうね。 |
ジェネシスのライブ・サポート・メンバーとして活躍した、
影の名ギタリストによるギターメインの
ジャズ・ロック〜フュージョン楽曲集。 今頃になって、裏方のイメージを払拭し、自分の存在を アピールしたくなったのでしょうか? あふれんばかりの気合が感じ取れる力作となっています。 キャリアや年齢を考えると枯れた味わいを醸し出した 渋い内容を連想してしまいますが、そんなことは一切ありません。 若々しく勢いのあるエネルギッシュな演奏が楽しめます。 さすがにジェネシスらしさはありませんが ジャン・リュック・ポンティでの活動を思い出させるような 爽やかかつ明快なテクニカル・シンフォ風味が効いています。 1曲目はエリック・ジョンソンかと思いました。 (かなりの名演です。) |
アジア一の天才!AHMAD DHANIプロデュースによる
インドネシアの女性ポップ・シンガーのソロ・デビュー作。 個性的な声質、パワフルかつ情感豊かな歌唱、 AHMAD DHANIによるカラフルなアレンジ、旧曲のカヴァーを収録 ...DEWI DEWIのRECYCLE+と共通点の多い佳作となっています。 (この作品を「ひとりDEWI DEWI」って言ったら、本人激怒するんだろうなあ(笑)!) それにしてもAHMAD DHANIが手がけるカヴァーは面白い... ミスター・ビッグのGREEN TINTED SIXTIES MIND(当時、出だしのトリッキーな ギター・フレーズを練習しまくったっけ...) もいい感じですが、BEBI ROMEOのアルバムに入っていた名曲AKU CINTA KAU DAN DIAの イメージ正反対な崩しっぷりが最高です。 1曲目で「これがうわさのリボンブラ!」、 3曲目の出だしで90年代クリムゾンを思い浮かべるのは 私だけでしょうか? |
ブラック・メタルの本場ノルウェーの実力派バンド、
キープ・オブ・カレッシンによる傑作。 尋常ではないテンションでゴリゴリと演奏が進められ、 聴き手をぐいぐいねじ伏せていきます。 中でもドラムのキレ具合は明らかに常軌を逸しており、 すさまじくアグレッシブ(まるで暴走して制御不能になった機械のよう)... 他のメンバーもそれに呼応するように一心不乱に楽器をかきならし、吼えまくります。 個人的にはもう少しギター・ソロが多いとうれしい (ラストの曲のソロなんか全身鳥肌モノの格好良いソロを弾いているので、 もっと前面に出て欲しい!)んですが、 まぁブラック・メタルですからしょうがないですかね。 会議中にこのアルバム聴けたら絶対に寝ないで済むんだけどなぁ... |
チープ・トリックやマーベラス3あたりを髣髴とさせる
アメリカのインディーズ系パワー・ポップ・バンドの作品。
試聴した曲がどれも良かったので即入手しました。 元気良く突っ走りつつ適度に泣きを含んだ楽曲と その上に乗っかる力強くてガッツあふれる歌唱 (←日本にいないタイプの太い声質がナイス!) はなかなか魅力的であり、 シンプルに感情移入することができます。 唯一残念だったのは、試聴した曲の出来栄えがずば抜けて良く 他の曲が耳に残らなかったことです(笑) 次回作はもっと精度をあげてください! |
マルチ・ミュージシャン
(ヴォーカル、ギター、ベース、ドラム、キーボード...なんでもできちゃう!)
兼SSWのほか、
俳優、コメディアン、テレビのディレクター...と様々な分野で成功を収めている
アメリカの天才アーティストのソロデビュー作。 次作にあたるIT'S ONLY TIMEの出来が相当良かったので入手してみましたが、 本作も素晴らしい仕上がり... MARK BACINOに通じるようなすこぶるキャッチーな楽曲がずらりと並んでいます。 歌声、楽曲、ルックスから「アメリカの一人マクフライ!」と言いたくなるんですが、 それ聞いたら本人怒るかな... とにかく一人でも多くのポップスファンに耳にしてもらいたい作品です。 新作早く出ないかな... |
アメリカン・プログレの象徴とでもいうべき
「偉大なる」バンドの「偉大なる」ライブ盤! CDに収録できず漏れてしまった1曲を聴くために、 いつかLPを入手しなくては...と思っていましたが、 なんとこの曲だけでなく、未発表ライブ音源をたっぷり収録した 30周年記念盤(2枚組)...というビッグサプライズ付きで再発されました! 本来の音源(DISC1)は歴史的名盤なのでここでは説明しません (これを期にプログレ名盤紹介に掲載します。)が、 今回追加された音源(DISC2)も「これだけ凄い音源をずっと世の中に 出さないなんて、どういう神経してるんだよ!」と軽く憤りを感じるぐらいの名演となっています。 (本編とはまた違った「アメリカン・ハード・ロック・バンド」としての 格好良さを堪能することが出来ます。) 昔バンドでコピーした「伝承」は、 いまだに聴くと自然に指が動いてしまいます。 |
うちのサイトを見に来た人ならほぼ所持していると思われる、
70年代クリムゾンの終焉を告げる名盤の40周年記念盤。 内容については説明不要でしょう... 長い活動歴を経て、だんだんヘタれたり丸まったりするバンドが多い中、 最後にこれだけ強烈な名盤を残すのはやはり凄いことだと思います。 (他に思いつくのはビートルズぐらい?...) 音質が極めて向上し、これまで気付かなかった細かい音まで 聴き取れるようになったのもポイント大です。 (←これまで擦り切れる程聴いたLPをカセットテープに録音して 擦り切れるほど再生を繰り返してたから当たり前だろ!) ジョン・ウェットンのベースってこんなに格好良かったんですね〜。 ふと、もしこのアルバムを発表後にフリップが亡くなっていたら、 アルバムの評価って全然変わったんだろうなぁ... と変なこと考えちゃいました。 |
ハロウィンの弟分的バンドとして、
ジャーマン・メタル史上に輝く屈指の名盤
LIVING IN HYSTERIAを作り上げた後に発表された3rd。 知名度の低さから内容は期待できないと思い、 心して聴いてみたところ 「うわ...やっぱり...これはヒドイ!」... ただすぐに停止ボタンを押すほどでは無かったので、 何度もリピートしているうちに、 「そんなに悪くないかな?」→「結構いいんじゃないの!?」... と、どんどん印象が良くなっていきました。 きっと「2ndで日本を完全制覇したので、次のターゲットはアメリカだぜ!」 的なノリで作ったんでしょう(もう少し足固めをしても良かったように思いますが...) 当時のメジャーなアメリカン・ハード・ロックの要素が とてもわかりやすい形で盛り込まれています。 ただ根底にあるジャーマン・メタルが見え隠れするのがなんとも愛おしいです。 もし当時リアルタイムで本作を聴き、即フリスビーにした人は、 是非もう一度聴きなおしてみてください。 ジャーマン・メタル熱が冷めた今なら、 きっと良さがわかると思います。 |
アメリカのポップ・バンドEDMUND'S CROWNの中心人物によるソロ作品。 随分大きく出たなぁ〜といいたくなるアルバムタイトルですが、 名は体を表していました...リアル・ポップ・モンスターが降臨しています! (なにげに名前にも「POP」が埋め込まれてるし!) 軽快で躍動感にあふれ、シンプルにメロディが耳に残る小曲ばかりが 矢継ぎ早に放たれていきます。 (まるで16連続シングル・ヒットのよう... 個人的には真ん中のONLY ONE YOUは場外ホームランですが(←コード進行やばすぎ!)...) CAMPBELL STOKES SUNSHINE RECORDERを思い出したのは、 ほんのりWHOが入ってるからかな? |
ルシファーズ・フレンドと並び、
チープなジャケット(下町のロキシー・ミュージックみたいな感じ?)で
大損こいているイギリスの中堅ロック・バンドの
4th(79年作)と5th(81年作)のカップリング盤。 音楽性がブリティッシュなニッチ・ポップから アメリカンな産業ロックへと 変化していく様子がよくわかる興味深い組み合わせとなっていますが、 どちらのアルバムもかなり質が高いです。 曲もアレンジも演奏も良いのに、 世間でB級バンド扱い(というかその前に知られていない?)されているのが 不思議でなりません。 STEELY DANのようにヒネリの効いたお洒落な楽曲から、 典型的な産業ロック (CALIFORNIAなんて思いっきりベスト・ヒットUSAしてるし...) までなんでも器用にこなしています。(それが災いしてる?) 彼らの分厚いコーラスは本当に気持ちが良いです。 |
「スウェーデンのハンマーフォール」(←なんだそれ!)と
喩えたくなるような、古き良き王道メタル・バンドのデビュー作。 いにしえのNWOBHMとジャーマン・メタルをうまくブレンドしたような スタイルでぐいぐい攻め込み、 メタル・ファン(特に古くからの)が欲しがっている音を ピンポイントで押さえています。 またミキシングをフレドリック・ノードストロームが担当しただけあって、 プロダクションも完璧です。(ギターやドラムの独特の質感がたまらんです!) ただあらゆる要素が出来過ぎなだけにヴォーカルの弱さだけは気になりました。 新人らしさは皆無(全然冒険してない!(笑))ですが ENFORCERと同じように、新鮮味を度外視して 自分達のやりたいことを恐れずにやりぬく姿が 素晴らしい結果を生み出しているといえるでしょう。 |
ドイツの大仰なシンフォニック・ヴァイキング・メタル・バンドが
さらにスケールアップした2nd。 バルサゴスとラプソディとチュリサスが一度にやってきたような きらびやかなシンフォアレンジ&徹底したクサメロっぷりはインパクト絶大! ...一時この手の音を大量摂取し、食傷気味だったはずなのに、 すんなりと受け入れることが出来てしまいます。 あまりにも典型的すぎるクサい展開の連発に、最初は苦笑してしまうものの、 いつのまにか心が躍り、血圧が一気に上昇しています。 (根底に宿るジャーマン・メタル魂が隠し味になっているのかもしれません。) 次作も期待できそうです。 |
ポーランドを代表する極上のシンフォ・バンド、サテライトによる2009年新作。 コラージュ時代から地道に活動を続け、 積み上げてきた経験が結実した、 味わい深い一品に仕上がっています。 イタリア、オランダ、スウェーデン、インドネシア... 一聴して「○○っぽい」っていえる国はいろいろありますが、 ポーランドのシンフォも実にわかりやすいですね。 思いっきり内向きなベクトル、ひんやりとした冷たい質感、 人工的で機械的なデジタル・アレンジ、... ...QUIDAM、RIVERSIDE、AMAROKとの共通点もかなり多いです。 猛暑にはうってつけですね〜 本作を聴いていれば炎天下にどれだけいても熱中症にならない気がします! |
狂気のロック・モンスター、マーズ・ヴォルタによる極めつけの一枚。 「超弩級」という言葉を音で表現したかのような狂いっぷりで 今回も容赦なく暴れまわっています。 これまで彼らの作品で幾度と無くダメージを食らい 耐性ができてしまったのか、ドラマー交代の影響なのか、 単に夏場で疲れているのか、 想像していたほどの強烈なインパクトは感じませんでしたが、 それでもそんじょそこらのバンドをまとめて軽く吹き飛ばしてしまうような 圧倒的な内容なので、 結局鼓膜が破壊しそうな大音量で何度もリピート再生してしまいます。 彼らは今後もまだまだ進化を遂げることでしょう... どんな方向に向かって突き進んでいくのか楽しみです。 |
順風満帆に活動を続ける現イギリスのトップ・シンフォ・バンド、
マジェンタの2枚組コンセプト作品。 前向きなメロディ、格調高いアレンジ、表情豊かなクリスティーナの歌唱が 一体となった奇跡的な感動作である前作SEVENと比べると、スタイルが変わり、 リリカルで内省的で暗めになった印象を受けます。 音楽性の幅はぐんと広がり、表現力も確実にアップしていますが、 以前のスタイルがツボだったのと、 2枚組のせいか少し散漫な感じがするので、個人的にはちょっぴり残念です。 (詩やストーリーを追えればもっと楽しめるのかも...) とはいううもののやはり心が何度も動かされる傑作に仕上げるあたりは流石 ...もちろんこの後の作品METAMORPHOSISも購入済みです。 |
カナダの偉大な天才アーティスト兼ムナゲスト!、ジノ・ヴァネリの3rd。 時代先取りにも程があるおしゃれ格好良い2nd、 究極のどプログレ作である4thの橋渡し的なアルバムであり、 両名盤の要素を兼ね備えているのですが、 途中でちょっと一休みしたのか、地味でおとなしい印象を受けます。 ゆったり&しっとり&ねっとりとした歌唱に比重を置いた感じですが、 やはりAORの枠をぶっ壊す予測不可能な曲展開&明らかに凝りすぎなアレンジ、 疾走しだすと止まらない超絶演奏が出てくると一気に耳を持っていかれます。 中でも名曲WHERE AM I GOINGの中間部のギターソロ(ジェイ・グレイドン!)はやば過ぎ... このパートを聴くためだけにこのアルバムを入手しても損はしないと思います。 |
ノルウェーのプログレ・ハード・バンドによる2nd。 超絶ドラム&骨太ベースのリズムセクションの上で、 ギターとオルガンが激しくぶつかり合う姿が 格好良いことこの上無いです! 今の時代には絶対に出せないピリピリした空気が アルバム全体を支配していて痺れます。 スウェーデンやフィンランドに比べて印象の薄いノルウェーですが、 そんなイメージを払拭するかのような痛快な作品です。 プログレ名盤紹介にも掲載します。 |
70年代から活動しているカナダのシンガーソングライター、
ピーター・フォルディのベスト盤。 1曲目のROXANNEはポリスもびっくりの名曲... パイロット度200%の極上のメロウ・ポップとなっています。 (一人パイロットという意味ではDAVID DUNDASを超えてます!) その後も、パイロットのほか、BCR、クリス・レインボウ...あたりを想起させる、 清涼感あふれる佳曲が続いていきます。 知名度は低いですが、耳の肥えたポップ・マニアを唸らせるような なかなかの才能を持っているので、 気になる方はチェックしてみてください。 |
今も昔も北欧シンフォ界の最高峰に君臨するカイパの2010年新作。 もはや彼らが70年代に残した偉大な足跡に言及する必要は皆無ですね。 今回も天才ハンスを筆頭に、強力なメンバーがお互いに呼応しながら、 新生カイパならではのカラフルな音世界を作り上げています。 メンバー全員が人並みはずれた高度な技術を持っているにもかかわらず、 決してテクニックに走らず、楽曲の良さを最大限に引き出すことに注力し、 バンドの一体感を大事にしているからこそ、 人間味あふれる温かい作品に仕上がっているといえるでしょう。 しっかしなんでこんなに一音一音がエネルギッシュなのかなあ。 (年齢考えるとギャップあり過ぎ!) ロイネもがんばれ〜! |
インディーズ系パワー・ポップ・シーンのレベルの高さを物語る、
オレゴン州出身のバンドによる傑作。 誰にでも分かりやすい典型的なパワー・ポップをやっています。 ELO、チープ・トリック、FOW...様々な先輩からの影響を感じますが、 後半からラストにかけて一気にジェリーフィッシュになっていきます! ちょっときれいにまとめすぎている気がするぐらい 一曲一曲が良く出来ています。 (合格点は余裕でクリアしているので、パワーポップが好きなら押さえましょう。) 今後、彼ら独自の個性を見つけて、 もっと面白い傑作を世に送り出して欲しいと思います。 |
クサメタルマニアから絶大な支持を受けている、
イタリアのシンフォ・メタル・バンドの2010年新作。 スタイルは一切変更ナッシング! メンバーが一丸となり、とにかくクサいドラマを繰り広げ続けることに、 全身全霊を傾けています。迷いなど微塵も感じられません。 前作から確実に成長してはいますが、 B級っぽい部分、垢抜けない部分が ちゃんと残っているところがポイントです。 (本人たちが狙ってそうしているかどうかはわかりませんが...) 彼らのクサさって微笑ましいというか...妙に和むんですよね〜。 PT.4もこの路線でよろしくお願いします。 |
いくつかのプログレ・バンドを渡り歩いてきた
才能豊かなキーボーディストを中心とする
フィンランドのジャズ・ロック〜シンフォ・フュージョン系
インスト・バンドのデビュー盤。 メンバーがみなかなりのテクニシャンであり、 スリリングな演奏を堪能できます。 特筆すべきは、キーボーディストのセンスでしょう。 プログレが好きで好きでたまらない...といった感じの いい意味で垢抜けない音使いが効果覿面です。 「野暮ったいプログレなナイアシン」と喩えたら乱暴かな!?(笑) ジャケットはどうにかならなかったんでしょうか... |
オランダの新人シンフォ・バンドのデビュー盤。 バンド名からナイスのフォロワーと思わせておきながら、 実はジェネシス7割+イエス3割といった感じの 一番ありきたりなパターンのコテコテなシンフォをやっています。 これといった特徴はあまり無いのですが、 メタル色が無いのが今の時代にしては逆に珍しいし、 時折身を乗り出してしまうような場面がちょこちょこ出てくるので楽しめます。 とはいえ、まだまだ退屈な部分も多く、 オランダ出身にしてはメロウさに欠けるところがあるので、 このあたりを改善して次回は大化けして欲しいと思います。 「5BridgeS」のバンド名&ロゴをひらめいたメンバーは 思わずその場でガッツポーズしたんだろうなぁ!...(笑) |
オランダの正統派キーボード・シンフォ・バンドの作品。 同国のキーボード・シンフォを象徴する 偉大な鍵盤奏者、故リック・ヴァン・ダー・リンデンの影響を、 もろに受けたクラシカルな演奏をたっぷりと堪能できます。 (リックに捧げられた曲も収録されています。) ただ、叙情的な部分はじっくりと心に響くものの、 ロック色、スリル、躍動感...といった部分が弱い (バンドといいながら、キーボーディストを中心とした プロジェクト的要素が強いものなのでやむを得ない?) のが残念でなりません。 リトル・トラジェディーズやトレスパスを聴いている耳からすると、 「サバイバル」できるのかなぁ...と ちょっと心配ではあります。(このままじゃ「ヤバイバル!」) 彼らが「トレースの再来」、「リック・ヴァン・ダー・リンデン2世」と 呼ばれるぐらい成長してくれる日を待ちたいと思います。 |
ドナ・サマー(とお呼び!)、ブロンディ、ベルリン、リマール
...MTV全盛時を代表する偉大な名プロデューサーが、
ブレイク前夜の77年にソロで発表していた
元祖テクノ〜シンセ・ポップ作品。 売れないマジシャンみたいなジャケットのおかげで、 なかなか購入する気になれませんでしたがようやく入手しました。 な、な、なんじゃこりゃ...モロ(初期YMO)ダー!! 昔リアルタイムでYMOにはまっていた頃、 似たようなアルバムを散々探し回って、 結局見つけることができなかった (クラフトワークもジャン・ミッシェル・ジャールも イメージとは違ってたし...)んですが、 今頃見つかるなんて...当時の自分に教えてあげたかったなぁ〜。 さすがに楽曲自体の魅力はYMOに分がありますが、 この時代にこれだけ先進的な作品を作りあげるなんて...やはり天才は違いますね。 |
スペインの個性的なヘヴィー・シンフォ・バンドによる
デビュー盤にして名盤。 まるで70年代前半のイタリアン・ヘヴィー・シンフォ名作群のように 得体の知れない魔力が全体を支配しています。 全員が悪霊にとりつかれたかのように一心不乱に暴れまわりながらも、 意外なほどキャッチーで聴きやすくまとまっているのがユニークです。 この時代だから生み出すことができたサウンドであり、 今、本人達を集めて同じようなことをやれといっても絶対に無理でしょう。 プログレ名盤紹介にも掲載します。 |
強靭な女性ヴォーカリストを擁する
ポーランドの正統派メタル・バンドの2nd。 まるでカイ・ハンセンが喉の調子を崩し、 ガンマ・レイのヴォーカルを女性ヴォーカリストに委任したような内容となっていて、 目新しさは無いのですが、楽曲も演奏も充実していて聴き応えがあります。 しかしこのバンドの主役はなんといっても女性ヴォーカリストの メタル魂にあふれるパワフルな歌唱につきるでしょう。 近年に多い「ゴシック、アンビエント系メタル+繊細な女性ソプラノ・ヴォーカル」的バンドの 歌姫達の髪の毛をわしづかみにし、往復ビンタをかまして、 「メタルってのはこうやんだよ!耳かっぽじって良く聴いとけ!!」と言わんばかりの、 すさまじく格好良く男らしいパフォーマンスを披露しています! この手のバンドでここまでクオリティが高いのはシナジー以来かなぁ? このバンドがシーンに出てきたのはシナジーの影響もあるのかもしれません。 (これがホントのシナジー効果?!) |
近年のメロデス・シーンで一際目立っている
アメリカの若手メロデス・バンドによる入魂の力作。 チルボド、イン・フレイムス、アーク・エネミー... といった先駆者達がみな初期の輝きを失っていることもあり、 メロデスを聴く機会はかなり減りましたが、 久々に聴くとやっぽり気合入りますねー! 基本は初期チルボドに近いので目新しさは無いですし、 前述の3バンドがしのぎを削っていた頃のような特別な勢いも当然ありませんが、 後続バンドだげあって、その後に盛り上がったヴァイキング・メタル、シンフォニック・ブラック・メタル 等の要素をうまく取り入れているのが良いです。 (バンド名(人前で口にしたくない!)、ジャケット(持ってるのを人に見られたくない!)から、 ものすごく頭悪そう&自分達に酔ってる連中が目に浮かびますが、 実は結構計算高い!?) なにより今、偉大な先駆者達にこの手の音で これだけクオリティの高い作品を望むのは難しそうですから、 彼らはかなり貴重な存在といえます。 特に昔チルボドにはまっていた人は聴いてみることを強くおすすめします。 (なんか今のイングウェイ聴かずにイングウェイ・チルドレン聴いてるのと同じかも!(笑)) |
韓国のベテラン女性歌手による14作目となる新作(ライブ盤付き)。 最初のうちは、前作のほうが好みの曲が多いなぁ... なんて思っていましたが、気が付いたら目をつぶって 彼女の表現力豊かな歌唱にじっくり聴き入っていました。 さすが、無駄にたくさんアルバムを出してはないですね... 才能に経験が上積みされ、どんなスタイルの曲が出てきても、 曲に合わせてキャラクターを変え、完璧に歌い上げてしまいます。 (コリアン・ラップとクラシカル・アレンジが見事に融合した シンフォ・バラードには意表をつかれました。) 製作に関わるスタッフは楽しくてやりがいあるでしょうね。 ちまたではK-POP旋風が吹き荒れていますが、 せっかく聴くなら彼女の作品も押さえて、 真の韓国の凄さを知って欲しいと思います。 |
PLPと同じようにELPの遺伝子を受け継いだ、
オランダのキーボード・シンフォ・バンドLLPの作品。 いつものように面白そうなバンドをネットで試聴していたところ、 このアルバムのTHE FINNISH FINISH(16曲目)が耳に焼き付いてしまい、 就寝中、通勤中、就業中、会議中...ずっと頭の中をぐるぐる回って 仕方がなかったので、帰宅途中に久々に目白に出向きこのアルバムを入手しました。 (急ぐときはやはり店頭購入に限りますね!...こんなに待てなかったのっていつ以来だろ) 今時これは無いだろー...とスキップしたくなる安易でチープな捨て曲も多いのですが、 オーボエ、フルート、アコースティック・ギターによる クラシカルで繊細で美しい小曲、 ランブリン・オーケストラが得意にしていた三連ハード・ロック風 キーボード・シンフォ(個人的にはツボ!)など 聴き所もかなり多く、幾度も引き込まれます。 ELPの他、キャメルあたりの影響を随所に感じとることは出来ますが、 フィンランドのフォーク・ソングをテーマにしたという 異常なまでにクサいメロディの印象が強烈すぎて そんなことはどうでもよくなっちゃいます! どうやったらこんなにも殺人的なクサメロを徹底して追求し続けられるんでしょうか?... 恐らく、このバンド(というか中心人物のエリック・デ・ビアー)は 「羞恥心」というものを一切持ってないんでしょうね。 はっきり言って、万人はもちろん、 相当なクサメロマニアにもおすすめしづらい作品ではありますが、 クサけりゃクサいほど燃える(他の要素はどうでもいい!)という変態レベルの方には、 手放せない作品となることでしょう。 (私はこれを聴いた日に他のアルバムも注文しちゃいました!(笑)) |
ジャズ〜フュージョン界の超大物ハービー・ハンコックが
テクノ、ヒップホップ等を自己流に解釈して作り上げた異色作。 名曲ROCK ITを耳にした時の衝撃は忘れられません。 未来的かつ刺激的な音にすごく興奮したのを覚えています。 (その後、アート・オブ・ノイズでも同じような状態に...) 次の日から毎日サルのようにスクラッチ遊びをしていて、 こつこつとお金を貯めてやっとの思いで購入したビリー・ジョエルの2ndの LPに大きな傷を付け、泣きそうになったっけ... あと、その後しばらくはハンコックを「ROCK ITの一発屋」だと思い込んでたっけ... (ずっと後になってノーマルなジャズ・ピアノ作を聴いたときは 違和あったなぁ〜(←普通は逆だろ)) 今になって改めてアルバムを通して聴くと、音自体は古臭い部分もありますが、 過去の実績にとらわれず、ひたむきに新しい世界をがんがん切り開いていく 超攻撃的な姿勢が感じられてえらく格好良いです。 このアルバムが無かったらその後の音楽シーンはどうなっていたんでしょうね... |
インドネシアの女性ボーカリストによる3作目となる歌ものポップ。 インドネシアの女性歌ものポップスはヒット率が高いので 極力チェックするようにしていますが、 自分にとっては、特にTEREとROSSAは肌が合うというか... 絶対に外せない存在です。(あ、GITA GUTAWAを忘れてた...) 1st、2ndともに素晴らしい作品でしたが、 本作もどこか昔のDEWAを感じさせるような、 適度にメロウで遊び心のある楽曲が多く収録されています。 中間部で猪木が入場してきそうな4曲目、 インドネシアの十八番であるオーケストラ入りバラードの6曲目、 なんだかジュディマリみたいに痛快&爽快なキラーチューンの8曲目 が特に印象に残りました。 そろそろ新作が出ても良い頃ですね。 |
70年代イタリアの特別な空気をぎゅーっと封じ込めたような
デビュー盤が感動的だったものの、
その後のライブ盤がいまひとつだった、
イタリアのシンフォ・バンドのスタジオ盤2作目。 演奏はタイトで力強く、音楽性の幅もぐんと広がり、 随分と格好良くなっているんですが、 琴線に触れるような叙情的なメロディが少なくなっているのが残念です。 前作の延長線上にあることは確かなんですが進んだ方向が... 結果的に自分にとっては遠ざかってしまったというか... とはいえ、イタリアらしさがふんだんに詰まった力作に仕上がっていることは事実です。 イタリアン・シンフォが好きならやはりこのバンドを外すわけにはいかないですね。 |