2006年に聴きまくったアルバムBEST30(+74)

2006年に聴きまくったアルバム104枚を順位付けして紹介します。
歳を重ねたこともあり「老後の楽しみ」用に取っておいた数々の歴史的名盤を 少しずつ聴くようにしていますが、どれも素晴らし過ぎる内容でした。(←当たり前だっての!)


No.1
・POP JOB...THE LONG PLAYER!/MARK BACINO(98)
アメリカの王道ポップ・アーティストのデビュー作。
いやはや驚きました...メロディの覚えやすさは半端じゃないです! 一度耳にしただけで脳裏にクッキリと焼きついてしまうので二度と忘れることはできません。 (その後はもうサルのように聴きまくるのみです!)
演奏もアレンジもいたってシンプルでやや起伏に乏しい気もしますが、 キャッチーなコード進行&メロディで全てカバーした上に多くのおつりがきちゃいます。
天才ポップ職人であるライナス・オブ・ハリウッドにスタイルが近い (マークのほうがアウトドア系)ですが、曲作りの才能もほぼ同レベルの天才だと思います。
どことなくコステロっぽい声質や歌いまわしが曲にマッチしているのもポイント大です。
ジェリーフィッシュ〜ライナス系ファンならマストでしょう。 初期ミスチルが好きな人にも聴かせてみたいなー。

No.2
・IN HAZE OF TIME/TRESPASS(02)
イスラエルから彗星のごとく出現したキーボード・トリオのデビュー盤。
バンド名からジェネシス・タイプかと思いきや、 ELPどっぷり(エルサレムつながり?(笑))の 超強力なキーボード・シンフォ作となっています。
安定したテクニックを持った軽快なリズム隊の上を 70年代シンフォを彩った多種多彩な鍵盤楽器が次々に飛び回り、 スリリングな演奏を繰り広げていきます。
基本的なスタイルはELPなのですが、 音の選び方などはオランダのトレースに近いように感じます。
また曲によって泣きのギターや叙情的なリコーダーを織り込んでいるのが 非常に効果的で、単なるキーボード・シンフォ傑作をはるかに上回る 名作に仕上げられています。
今後もPLP、ランブリン・オーケストラとともに、 現代のキーボード・シンフォ界を大いに盛り上げていって欲しいと思います。

No.3
・ON THE OTHER SIDE/BROTHER APE(05)
ミクスチャー大国スウェーデンからまたまた モンスター級のポテンシャルを持ったバンドが出現しました!!
ブラフォード、ハットフィールズ風のジャズ・ロック〜フュージョンと、 トトのようなAOR〜産業ロックを融合させた後、 無理矢理テクニカルかつメロディアスなシンフォに仕上げたような 斬新なスタイルを確立しています。 アラン・ホールズワースとアンディ・サマーズを足し合わせたような ギターもインパクト大です。
リズムもコード進行も曲展開も相当複雑でありながら、 最終的にはポップでキャッチーな楽曲にまとめあげる 音楽性や方法論はA.C.Tに非常に近いものを感じました。 (才能もA.C.Tに劣らないほど高いレベルだと思います。)
この手のダイヤモンドの原石のような素晴らしいバンドが、 しっかりと活動を続けられるよう正当に評価しなければ... と強く思うのでありました。

No.4
・CITY OF EVIL/AVENGED SEVENFOLD(05)
これまでありそうでなかったユニークな音楽性で、 多くのロック・ファンを虜にした、 アメリカの新生バンドのメジャー・デビュー作。
ハード・ロック、メロスピ、メロデス、スラッシュ、 パンク、メロコア、エモ...様々なジャンルの一番良い部分だけを 寄せ集めたようなサウンドが最高に格好良いです。
特に、メロスピの「ハロウィン遺伝子系クサメロ」と メロコアの「青春の甘酸っぱさ系クサメロ」という 異なるクサさを見事に合体させた手腕には脱帽です。 (まるで「くさやに納豆かけたらめちゃくちゃ美味しくなった」みたいな感じ!)
前述したような全ジャンルのファンを無理矢理ねじ伏せ、 CD屋のレジに並ばせる、あるいは、通販サイトの注文ボタンをクリックさせる 圧倒的なパワーを感じます。 ここまで即効性のある名盤はなかなか見当たらないでしょう。
こういう強力な作品が出てくると、サルのようにひたすらリピートしてしまうので、 他のバンド聴けなくちゃうんだよなあ。(でも飽きるのも早いかも...)

No.5
・SABDA ALAM/CHRISYE(78)
インドネシアの人間国宝級ボーカリスト、クリシェの2ndソロ作品。
感動的な歌物シンフォの名盤に仕上がっています。
またインドネシアものか...とお思いの方も多いでしょうけど、 とにかく体が反応してしまうのだから仕方が無いです!
それにしても名盤として名高いデビュー作、 BADAI PASTI BERLALUよりも感動するなんて想定範囲外です。
YOCKIEのJURANG PEMISAHの感動と衝撃を再度味わいたい方は絶対に入手しましょう! (CD化されていて入手しやすいと思います。)
プログレ名盤紹介にも掲載することにします。

No.6
・AIRPLAY/SAME(80)
誰もが認めるAORの名盤中の名盤。
10年以上も前、当時つきあってた子から 「洋楽のCDってこれくらいしか持ってないけど聴く?」 (←今考えるとAIRPLAYしか持ってないってのも凄い!) と貸してもらった思い出があり、完璧な内容に感動したものの、 その後の失恋とともにずっと聴けずにいました...
先日のA.C.Tプチ・ファンの集いで話題にのぼったので、 もう時効でしょ〜とばかりに聴いてみましたが、 やっぱりこのアルバムの輝きは尋常ではないですね〜。 ヌケの良さは段違い...当時を考えると2世代ぐらい先を進んでいた音だと思います。
大天才2人が組むと短命...という宿命のせいか、 この奇跡的な1枚しか残せなかったことが悔やまれます。 (そのうちサプライズがあったら嬉しいな〜)
追伸:2曲目を聴くとホール&オーツの名曲 「キッス・オン・マイ・リスト」を聴きたくなるのは私だけでしょうか?

No.7
・SIR ARMY SUIT/KLAATU(78)
カナダの偉大なポップ・バンドの3rd。
超名盤である1st、2ndに比べると、 それ以後の作品は語られることが少ないですが、さすがはクラトゥ!... 本作もポップ・ファンなら絶対に避けては通れない素晴らしい仕上がりです。
パイロットを強く連想させるキャッチーな1曲目だけで早くもお腹いっぱい状態なのですが、 その後もこれまで見せたことのない様々なアプローチ(ファンキーだったり、ハード・ロックだったり... 当時の流行を取り入れたのでしょうね。この辺もパイロットの3rdと似てます)を導入した いろんなタイプの曲が揃っているので聴いていて飽きが来ません。
もちろんタイプは違えど全ての曲にビートルズ譲りの完璧な美メロが ギッシリ詰め込まれています。
再結成来日公演とかしてくれないかなぁ〜。

No.8
・THE FINAL/WHAM!(86)
私がちょうど洋楽を聴き始めたMTV時代にデビューし、 華々しい足跡を残してすぐに消滅してしまったスーパー・デュオのベスト盤。
当時はアイドルのイメージが強過ぎて今ひとつ好きになれませんでしたが、 最近なぜか急に聴きたくなって衝動買いしちゃいました。(CMでフリーダムを聴いたせい?)
全く色あせない名曲中の名曲ばかりが揃っていて 懐かしさと楽しさで心が満タンになります!... やはり天下を取ったアーティストはひと味もふた味も違いますね。
モータウン・サウンドを見事に消化し 独自のポップ・ワールドを築き上げたジョージ・マイケルの才能は まばゆいばかりに輝いています。
今考えると、同世代のカルチャー・クラブやデュラン2よりも ワム!の名曲の方が色褪せることなく後世に残るような気がします。

No.9
・SILENCE/A.C.T(06)
スウェーデンが世界に誇る、プログレ・ポップ〜メロディアス・ハード〜テクニカル・シンフォ・バンド、 A.C.Tが久々にリリースした待望の4作目。
デビュー以後、数多くのA.C.Tフォロワーが出現していることから、 彼らの存在の大きさがわかるでしょう。 本作はそんなフォロワー達とは明らかに格が違うことを見せつける 圧倒的な名作に仕上がっています。 (4月にジェリー本人に会った際、本作について語る表情に自信がみなぎっていましたが、 それも当然ですね。)
高度な演奏テクニック、多彩なジャンルを飛び交う豊潤な音楽性は真似できても、 最も大事な彼らならではの美メロ(A.C.T節!)だけは どうあがいても無理のようです。
特に大きな進歩も退歩もありません... が、そもそもこれまでに出した全アルバムが名盤の域に達しているので、 全く問題ありません。
今後もこの調子で1曲でも多くの曲を作り、 1枚でも多くのアルバムを出し続けて欲しいと思います。
それにしてもいつになったら来日公演が実現するんでしょうか? (飛行機に乗れないメンバーがいるのかな?)

No.10
・FRIENDS/MOCCA(04)
メロディ王国インドネシアから またもやとんでもないポップ・バンドが出てきました。
全盛時のカーディガンズを思い出さずにはいられない(POTRETの比じゃないです!)、 素朴でおしゃれな極上のピュア・ポップ・ワールドが繰り広げられています。
「トーレ・ヨハンソンがインドネシアに旅行中、偶然彼らに出会い、 ベタ惚れして彼らのためにタンバリン・スタジオ・ジャカルタ支部を設立。 トーレの全面プロデュースにより作り上げられた大傑作!」 と紹介されても誰も疑わないように思います。(←ホントか?!)
曲、演奏、アレンジの素晴らしさ(特にスウィングジャズ曲最高〜!)はもちろんのこと、 ボーカルARINA嬢のめちゃくちゃキュートな歌声がでたまりませ〜〜〜ん! (今の時代、アメリカやヨーロッパのどこを探してもここまで純真な子はいませんぜ旦那!)
国内盤も出ているそうなので入手しやすいと思います。

No.11
・DUST TO DUST/HEAVENLY(04)
ガンマ・レイの遺伝子を受け継いだフランス最強の メロディック・スピード・メタル・バンドによる3rd。
ガンマ・レイ、ハロウィンはもちろんのこと、 ブラインド・ガーディアン、アングラ、ラプソディ、シンフォニーX、 アット・ヴァンス...多くの名バンドのおいしい(=クサい!)部分だけを 寄せ集めて凝縮させたような感じです。 ある意味、本作品だけで現メロ・スピ界の全貌が把握できるといって良いでしょう。 徹底したパクリ精神によりオリジナリティは無いものの、 結果的にこの手のリスナーの満足度を存分に満たす手法は、 まるで一昔前のストラトヴァリウス(VISIONSの頃)のようです。
傑作だった2ndから驚異的な成長を遂げているのがなんとも頼もしいですが、 ひきかえにベタでイモっぽい親しみやすさが失われているのはちょっぴり淋しい気もします。
...といいながらもやっぱりこのクサさは驚異... ドリアンもくさやも逃げ出してしまいそうです!(笑)

No.12
・707/THE SECOND ALBUM/707(98)
アメリカのメロディアス・ハード・バンドの 1st(1980年作)と2nd(1981年作)をカップリングしたお買い得盤。
明るさと切なさを兼ね備えた究極の美メロが全曲にコンパクトにまとめられています。
疾走曲ではドライブ感にあふれ、バラードではドラマチックに泣きまくる 緩急自在の演奏と歌はあまりにも素晴らしく、幾度となく感動させられます。
メロディアス・ハード史に輝く金字塔として、 もっともっと高い評価を受けるべき大名盤といえるでしょう。 それなのに現在ルネサンスレーベルのCDR仕様(プレーヤとの相性により再生できない可能性あり)でしか 入手できないなんて絶対におかしいです!

No.13
・IT'S NOW OR NEVER/朴完奎(PARK WAN KYU)(02)
韓国のスーパー・ボーカリストによるソロ3作目。
いかにも「ハード・ロック色を強化しました」的なジャケットに反し、 メタル〜ハード・ロック色は大幅に後退し、 韓国お得意のバラードの比重がやたら高くなっています。
出だしこそワールド・プロレスリングな感じの明るく元気な曲調ですが、 その後はもう哀愁バラード在庫一掃状態!... 安全地帯あり、シカゴ16〜17(デヴィッド・フォスター)あり、 ルイス・エンリケス・バカロフ(コンチェルト・グロッソ)あり... 手段は違いますが、どんなアレンジを施しても全曲クサいことに変わりありません! 小野正利の名曲カヴァーも相当ヤバイです。
そんな中、体がちぎれてしまいそうな感情むきだしのシャウトは ますます凄みを増しており、近寄りがたいオーラを放っています。
あまりのクサさに「何この韓国ドラマのテーマ曲コンピ集!」と、 一笑に伏す人も結構いるんでしょうね。 このアルバムに感動できる人間で本当によかったと思います。 (感動できるアルバムが1枚でも多いほうがお得ですから...)

No.14
・HAPPY-GO-UNLUCKY/JOHN CUNNINGHAM(02)
イギリスのソロ・アーティストによるポップ作。
なんともやる気の無いジャケットですが中身は本物中の本物です!
ビートルズをベースとしたのんびりマイペース路線のポップ・ワールドを 淡々と繰り広げるスタイルは 「イギリスのエミット・ローズ」(←「それってポールじゃないの?」とか言わないように!(笑))といった感じです。 シンプルで耳になじみやすく人間味あふれるスタイルは、音こそ違うものの マーティン・ニューエルあたりにも通じるように思います。
ピュア・ポップ・マニアなら絶対に聴いておくべき素晴らしい内容なのに なぜ知名度が低いのか不思議でなりません。
廃盤となっている旧作の再発を切望します!!

No.15
・UNDER THE BLOSSOM - THE ANTHOLOGY/TEMPEST(05)
ジャズ・ロックとハード・ロックを高い次元で融合し、 知的かつエネルギッシュな独自の音楽性を確立した ブリティッシュ・ロック史上に残る名バンドの2枚組アンソロジー。
名盤2枚(1st+2nd)をカップリングしたDISC1の素晴らしさについては もはや語る必要は無いでしょう。(おさらい程度に聴いておきましょう。)
問題はなんといっても未発表曲+BBCセッションを収録したDISC2です。 特にマニアにはあまりにも有名な伝説のBBCセッション (ブートを持っている人はかなりいるでしょうね... ブート否定派の私でさえ入手を何度も考えました!)は凄いなんてもんじゃないです!
ギタリスト交代時の短い引継期間に奇跡的に実現した、 アラン・ホールズワース+オリー・ハルソールのツイン・リード体制なんて反則でしょー!、 あまりにも強烈すぎて心臓に悪いです!
天下のホールズワースにバッキングさせて 互角かそれ以上のソロを弾けるのは、天才オリー・ハルソールぐらいなものでしょうね。 もちろんジョン・ハイズマンのドラミングもキレまくりです。
BBCセッションのオフィシャル化は嬉しい限りですが、 あまりの凄さにスタジオ盤(どちらも名盤なのに(^^;)...)が 聴けなくなってしまったのがちょっと残念です!

No.16
・SOLID STATE WARRIOR/ROGER JOSEPH MANNING JR.(06)
ポップス史に偉大な足跡を残したジェリーフィッシュ解散から十数年... ようやく発表された天才ロジャー・マニングのデビュー・ソロ作。
くらげにさされた多くのポップ中毒患者は、 インペリアル・ドラッグ、ムーグ・クックブック...と 何度もはぐらかされ、じらされて、禁断症状が出ていたと思いますが、 ようやく特効薬がリリースされました!。本作は思いっきりポップど真ん中です!
ありとあらゆるポップなアイデアがぽんぽん飛び出す、 きらびやかで万華鏡のような音世界を作りあげる才能は、 絶頂期のトッド・ラングレンに匹敵すると思います。
もう一人の天才アンディ・スターマーも触発されて 本格活動してくれるといいんだけどなぁ〜。

No.17
・JETI/XL(99)
フィンランドの知性派プログレ・バンドによる傑作。
ジャズ・ロック、チェンバー、シンフォ... 一言では言い表せないほどの多面性を持ち、 緻密に構築された独特な音世界はさらに深みを増し、 美しさにも磨きがかかっています。
MIDIヴァイヴの透き通った音色には心底癒されます。
マイク・オールドフィールドが今若かったなら、 こんな作品を作り上げたかもしれませんね。 プログレ・ファンだけでなく、坂本龍一(音楽図鑑〜未来派野郎の頃)が 好きな人あたりにも是非聴いてもらいたい作品です。

No.18
・BEST OF + 5/TERRA NOVA(05)
長いブランクを経て近年再び活動を開始した、 オランダのスーパー・メロディアス・ハード・バンドのベスト盤+未発表曲集。
このバンドは、個人的に、超名曲RIGHT NOW(何百回も聴いてるのにいまだに悶絶します(特にギター・ソロ!)) のイメージがあまりにも強いのですが、 その他にも数多くの名曲を残していることを再認識できました。
メロディアス・ハードものはとかくオーバー・プロデュースになりがちで、 人のぬくもりが感じられなかったりすることが良くあるのですが、 彼らのサウンドは躍動感があり、バンドらしさがあって、 人間味にあふれているのが何とも頼もしいです。 だから美メロがより琴線に触れるのでしょうね。
今後もメロディアス・ハード・シーンの牽引役として、 残念な結果となったグランド・イリュージョンの分も頑張って欲しいものです。

No.19
・12 25/TEN POINT TEN(03)
競馬ファンなら雪降る日経新春杯が思い浮かんでしまう アメリカのシンフォ・バンドのクリスマスをコンセプトとした作品。
現アメリカン・シンフォ・シーンを牽引する SPOCK'S BEARD(NEAL MORSE)、IZZと同レベルの驚異的な洗練度&クオリティで 聴き手を感動の渦にぐいぐい引き込んでいきます。
部分的には、カンサスの明快さや躍動感、フロイドのストーリー性、 マンダラバンドのファンタジックな世界観を思わせますが、 単なる懐古主義的シンフォの枠にとどまらず、 現代的なメロディック・ロックとしても十分アピールできる 懐の深さを持っているのが素晴らしいです。
プログレッシャーはもちろんそうでない人も 今年のクリスマスはこのアルバムを聴いて過ごしましょう! (ワム、山下達郎、ジョン・レノン、マライヤ...のローテはもう良いでしょ!)

No.20
・COLORS/ZABADAK(01)
その昔、メジャーシーンでかなりの人気を博していたことが 昨日のことのように思い出されるザバダックの近年の作品。
私も当時(遠い音楽〜私は羊の頃)は入れ込んでいたものの、 上野洋子が抜けてから興味が失せ、 その後、バンド名と音を耳にする機会はほとんど無くなりました。
HMVのセールで本作を見つけ、懐かしさのあまり買ってはみたものの、 上野洋子は不在だし、インディーズ発売だし、知名度は下がってるし... と特に期待していませんでした... が、いざ聴いてみると、 全盛時の独特な世界観をそのまま受け継いだような曲もあれば、 琉球音楽のエッセンスを取り入れるなど新路線の曲もあり、 内容が充実していて相当楽しめました。
中でもアルバムタイトル曲は、イマジンのパクリ?...と思いきや、 小林武史がプロデュースしたようなアレンジが心に響く 名曲に仕上がっています!(黄金期の名曲にも負けていません。)
昔ザバダックを聴いていた人には是非聴いてもらいたい傑作です。 再度メジャーシーンに復帰する可能性を十二分に感じました。 あとは時代が味方するかどうかだけでしょうね。

No.21
・..AND THE STORY GOES...../AGNES MONICA(03)
ひたすらメロディアスな名作、傑作がざくざく掘り出され、 全貌がつかめないインドネシアのポップシーンから、 またもやかなりの傑作を発見しました。
女優兼歌手による歌ものですが「女優さんがちょろっと歌ってみました」的ななまっちゃろさは皆無... パワフルでパンチのきいた歌唱は迫力満点です。 層の厚いインドネシアの女性ボーカリストの中にあってもトップクラスに入るでしょう。 「天は二物を与えず」というから女優業は大根?... いやいや表情豊かな歌唱を考えるときっと女優としても超一流だと思います。
他のインドネシアものと比べ、メロディ一辺倒ではなく、 少し前に日本で流行ったR&B系(というか宇多田っぽい)アレンジが施されていて、 格好良くてセクシーでとても洗練されているのが特徴です。
TITI DJやDEWAのAHMAD DHANIが参加していることからも、 相当気合を入れて(お金をかけて)作られた作品であることが分かります。
マニアよりもごく普通の音楽ファンに聴いてもらいたいなぁ... 誰もがインドネシアの音楽シーンの凄さに驚くはずです。

No.22
・SENYUMAN/TITI DJ(03)
インドネシアの歌姫達の中でも、知名度、実績共にトップクラスであり、 一部のプログレッシャー達にも比較的知られている女性アーティストの作品。
インドネシアのポップシーンの精鋭達が集結しているだけあって、 どの曲も素晴らしい仕上がりとなっています。
BAHASA KALBUもなかなかの内容でしたが本作の質の高さは比べ物になりません。 アダルトなイメージづくりも見事に当たっています。
アグネス・モニカと競演した名バラードHANYA CINTA YANG BISAは何度聴いても感動します。 (アグネス・モニカのアルバムに収録されたバージョンも同じくらい素晴らしかったなぁ...)
ただ「TITI DJの七変化!」みたいなプチ写真集風ジャケはちょっとやり過ぎかも (「美」に対するただならぬ執念を感じます... なんとなくインドネシアの松田聖子みたいな存在に思えてきました!)
内容とは全く関係ないんですが、 アルバムタイトル曲聴くと「タラコ〜♪タラコ〜♪」を思い出しちゃいます...orz

No.23
・ARE YOU SERIOUS?/VAN DUREN(78)
一部のマニアの間で大絶賛されている メンフィスのマイナーなポップ・アーティストのデビュー・ソロ。
ポップさなど微塵も感じさせないルックスのおかげで、 これまでなかなか聴く気が起きませんでしたが、 ようやく聴いてみたらすごいのなんの... ルックスとメロディの落差はまるでマーティン・ニューエルのようです!
評判どおり、ポール・マッカートニーやエミット・ローズに良く似た音楽性 (特に、華の無さはエミット・ローズと良い勝負!)ですが、 随所にソウル色が滲み出ていることから、 個人的にはデビュー時のトッド・ラングレンが一番近いように思いました。 (ヴァン・デューレンはメンフィス、トッドはフィラデルフィアですけどね...)
これほどの名盤が人知れず埋もれていたなんてびっくり...発掘した人は偉過ぎです。 ポップス・ファンなら有無を言わず入手しましょう!

No.24
・OOPARTS/永井ルイ(01)
日本を代表するマニアックなポップ職人によるソロ作。
永井ルイには、過去に2度も心を打ち抜かれている (タンポポの乙女パスタ、ちょびっツのRAISON D'ETRE) ので、この初のソロ作にも相当期待していましたが、 その期待を大きく上回る強力な傑作に仕上がっていました。
ソロ作ということで、好き放題やれる分、 ポップ度&マニアック度が過剰なまでにアップしています。
ビートルズはもちろんのこと、クイーン、ELO、パイロット、トッド・ラングレン、 バッドフィンガー、クラトゥ...といったビートルズ第二世代の 面影を至る所で発見できるのがなんともたまりません。 個人的には、同路線の先輩である、杉真里、松尾清憲よりも、 やり過ぎている分、断然好みです!
それにしてもこれだけの才能を提示しておきながら、 作品をほとんど出してないのはズル過ぎ... 一刻も早く新作を作って欲しいです。
とりあえずは関連作(アニメ系や企画ものばかりでこれまで購入を躊躇してました)を 即刻集めることにします!

No.25
・SITTING IN THE PARK/GANGWAY(88)
デンマークのネオ・アコ〜モダン・ポップ系バンドの名作3rd。
小刻みに転調を続ける複雑で予測不能な曲展開なのに、 何故だかメロディがとてつもなくキャッチーで美しくて泣けるので 脳裏にくっきりと焼きつきます。 絶対におかしいです...ちょっと常識では考えられない凄さです!
断片的にはXTCやプリファブ・スプラウトに近いような印象を受けましたが、 この作品における楽曲の輝きはあまりにも素晴らしく、 この両方のバンドをも超えているように思います。
ストロベリー・スウィッチブレイドを手がけた デヴィッド・モーションによる魔法のようなプロデュースが 作品にまばゆいばかりの輝きを与えています。
それにしてもこれだけの名盤を残しているバンドの作品が 何故入手困難なんでしょう...ううぅ...理解に苦しみます。

No.26
・THE BLACK PARADE/MY CHEMICAL ROMANCE(06)
2006年末現在、最も輝いているスーパー・バンド、 マイケミことマイ・ケミカル・ロマンスの2006年最新作。
国内盤発売日前日(12/4)の夜、ユニオン御茶ノ水店内で耳にして思いっきり感動し、 家に帰ってネットで注文しようと決めて店を出たものの、 途中でどうしても気になり、結局池袋レコファンで購入しました。 (店内で耳にしただけでこれほど感動することはめったに無いです。 今までだと、カーディガンズ1st、ベン・フォールズ・ファイブ1st、 クーラ・シェイカー1st、ダフトパンク2ndぐらいかな...)
ジャンル的にスクリーモとか呼ばれてますが、 そんなチンケな枠には全然おさまらない モンスター級の「ロック名盤」といえます。 デヴィッド・ボウイ、チープ・トリック、クイーン... 様々な70年代ロックの巨人達の影をちらつかせながら、 壮大なストーリーが展開していきます。
構想、アレンジ、演奏...何もかもが素晴らしいですが、 特にメロディの凝縮度は半端じゃないです...この手の音楽が売れるってことは、 メロディ重視の時代に戻りつつあるのでしょう。(嬉しいです!)
このようなメジャーで素晴らしい音楽に出会えることを考えると、 ネットで注文してばかりでなく、たまには店にも寄らないとですね。
終わり良ければ全て良し...2006年を締めくくるにふさわしい作品です。

No.27
・HYMN OF THE SEVENTH GALAXY/RETURN TO FOREVER(73)
最もロック色が強く超絶度の高い第二期RTFの幕開けとなる記念すべき作品。
LPしか持っていなかったので改めて買いなおしました。
その昔、クリムゾンやイエスの代表作をひととおり聴き終え、 高価なプレミアの付いたマイナー・バンドの廃盤を必死に集めていた頃、 興味本位で入手したマハビシュヌやRTFにもの凄い衝撃を受けたのを覚えています。
内容の凄さに引き換え300円ほどで中古盤を拾えてしまうお買い得感のおかげで 一時は廃盤集めがバカらしくなったものです。
後に参加するアル・ディメオラのおかげで ギターのビル・コナーズの評価がやたら低いのが可哀想です。 (すごくいいギター弾いてるのに...)
いつ聴いても演奏の爆発力にはぶったまげますね〜。
ちなみにこのCD(新品)は1000円でした。(昔(LP)も今(CD)も お買い得に感じるとは思いませんでした!)

No.28
・F.I.R.(飛兒樂團)/SAME(04)
台湾から飛び出したアジアを代表するポップ・ロック・バンドのデビュー盤。
最初に入手した2ndがかなりの傑作だったことをふと思い出し、 最近の活動を調べようとオフィシャルサイトにアクセスした途端 耳に飛び込んできた「FLY AWAY〜♪」というキャッチーなフレーズにやられました! ...あまりにも頭から離れなかったので、すみやかにこの曲を収録しているデビュー盤を入手しました。
彼らの魅力が凝縮された名曲FLY AWAYをはじめとする様々な種類の曲が収録されていますが、 どの曲においても、女性ヴォーカル、ギター、キーボード&プロデュース... 3人がそれぞれの持ち場で卓越したパフォーマンスをフルに発揮し、 さらに各々の個性が喧嘩することなく見事に調和しています。
3作目(もちろん購入済!)を聴くのが楽しみです。

No.29
・JETLINER/SAME(03)
海外通販サイト探索中に発見した アメリカの無名ポップ・バンドのデビュー作。
クイーンがパワーポップ化したような最高に気持ち良い1曲目を試聴し、 ベタ惚れしてすぐに購入したのですが、 残念なことにこの路線の曲はほとんど収録されておらずちょっと拍子抜けしました。
しかし、彼らの魅力はそれだけではありませんでした。 他にも古き良き70年代の香りを感じさせるメロウな佳曲が存在しており、 とりわけエルトン・ジョン風ピアノ・バラードの美しさは際立っています。
いろいろな曲があって正体がつかみづらいですが、 その分、他のパワー・ポップ・バンドと比べて印象に残りました。
この次もアルバムを出せるといいなあ。
追伸:主要メンバーが「アダム」という名前だったので、 気になって調べてみたら、やはりあのモーツァルトの「アダム」と同一人物のようです!!
細々と頑張ってたんですね...ますます応援したくなりました。

No.30
・24 WISHES/田中理恵(03)
数多くのアニメで活躍する人気声優、田中理恵のソロ・アルバム。
発売当時は恥ずかしくて購入できなかったのですが、 永井ルイのOOPARTSを聴いているうちに 個人的超名曲RAISON D'ETRE(ちょびっツのエンディングテーマ)の 別歌詞曲SWEET SWEETをどうしても聴きたくなり今頃になって入手しました。 (生まれて初めて買った記念すべき声優さんのCDです... 一般的な大型CD店に置いてなくて入手に一苦労しました。(結局アキバでゲット))
入手直後はSWEET SWEETばかりを狂ったようにリピートして恍惚状態になっていましたが、 他にもいい曲が揃っていることに徐々に気付き始めました。
永井ルイ、かの香織、新居昭乃、高浪敬太郎、サエキけんぞう... といった個性豊かな豪華作家陣が提供した色とりどりの楽曲に対し、 田中理恵が七色の声を使い分けていろいろな女性を見事に表現しています。 (特に「ニンギョヒメ」は名曲...あまりにも切な過ぎて泣きそうになります。) 曲よし歌よしアレンジよし...一般リスナーに十分アピール可能な傑作といえます。
本格的な女性ヴォーカリスト/アーティストの域には軽く達しているでしょう。 これだけの才能をアニヲタだけに独占させるのはあまりにも勿体無いです!


その他

・REDHEAD/BLEU(03)
尾崎紀世彦もびっくりの強烈なモミアゲをたくわえたロッカーによるパワー・ポップ作品。
目玉はなんといっても、元ジェリーフィッシュの アンディ・スターマーが参加していることでしょう! (一体どんな手を使って表舞台に引っ張り出したんだろ?) 特にアンディが関わった曲はクラゲ印100%のとてつもない名曲に仕上がっています。
ただそのおかげで他のアンディ抜きの曲がさほど印象に残らないのも事実です。 (なかなか良い曲が揃っているんですけど...大天才と比べちゃ可哀想?)
今後は是非ともポップ神(=ジェリーフィッシュ)の領域を目指し、 さらに良い曲を作り続けるよう精進してもらいたいものです。

・THE ORGONE BOX/SAME(01)
マイナーながら聴き応えのあるブリティッシュ・ポップの傑作。
60年代に閉じ込められてしまったようなメロディや音の質感は、 以前どこかで聴いた事があるなぁ...と思ってよーく考えたところ、 イスラエルのROCKFOURにかなり似ていることに気づきました。 (ROCKFOURの中期ビートルズ色を強め、イギリスらしい翳りを加えたような感じです。 ビートルズというよりジョンに傾倒している点ではCOTTON MATHERにも近いですね。)
また曲によっては、60年末にひっそりと名作を残して消えてしまった「グレープフルーツ」あたりも連想しました。 (そもそも幻の「オレンジ」(「ズ」は付けないでね!)から本作が生まれたことを考えると柑橘系つながり!?)
私をはじめとする多くのポップ・マニアにこの傑作を伝えてくれた ストレンジ・デイズに大いに感謝したいと思います。

・HUMAN AFTER ALL/DAFT PUNK(05)
フランスのスーパー・テクノ・ユニットによる待ちに待った新作3rd。
ずば抜けたセンスが光った超名作2ndからどのような変化・進化を遂げたのか 大いに期待していましたが、2ndの延長線上...というよりは手前といった感じで ちょっと拍子抜けしました。
目新しさは無く、テクノ色が強まり、ポップ色が薄れただけで、 まるで前作発表時アルバムに収録できなかった未発表曲(捨て曲)を 今になって寄せ集めたようにも感じました。
前作発表時は時代のはるか先を走っていたのに、長い間停滞していたために 時代に追い抜かされてしまったように思えます。
たださすがはダフトパンク... 聴き応えのある曲もあるし、なかなかの傑作には仕上がっています。
今度は意地を見せてくれ〜!

・THE RED SHOES/KATE BUSH(93)
あまりにも長すぎる沈黙を破りついに新作が出た(←もう出ないと思ってました!)と知り、 驚いたとともに、この前作を昔買ったまま聴かずにいたことを思い出し、 部屋中を発掘してようやく聴きました。(この頃の国内盤は高かった...3000円もします...)
音を数秒聴いただけですぐにわかってしまう、プリンスやジェフ・ベックの存在感は さすがですが、結局そんなスーパースターでさえもケイト・ブッシュにとっては 赤子同然!...まるでケイトが手のひらの上で彼らを転がして遊んでいるように思えます。
THE DREAMING、THE HOUNDS OF LOVEの頃に比べて「毒」が薄まり、丸くなっている点で やや物足りなさも感じますが、独自の世界観は相変わらずで、 まだまだ誰も太刀打ちできない強烈なオーラを放っています。
新作はどうなってるのかな?...

・MIRROR/EMITT RHODES(71)
元祖「ひとりビートルズ(ポール仕様!)」ことエミット・ローズによる2ndソロ。
スタイルは隠れた名作であるデビュー盤と何ら変わっていません。 華はありませんが、背伸びせず、飾ることのない、 ありのままの普段着ポップスとしては最高の部類に入るでしょう。
このスーパー・マイペースぶりを考えると、仮に今、彼がアルバム作ったとしても、 この当時の作品と全然見分けがつかないような気がします!

・SONIC FIRESTORM/DRAGONFORCE(04)
超人的なスピードを誇るイギリスのクサクサメロスピバンドの2作目。
前デビュー作も桁違いに速かったですが、 ドラマー交代によりスピードはさらに倍!(巨泉風)... あまりの速さに、中学生の頃使っていたWカセットデッキの 倍速ダビングボタンを思い出しちゃいました!
速すぎてメロディが脳裏に焼きつく間が無く、 曲が印象に残りにくいのがちょっと残念ではありますが、 スピード至上主義で売ってるバンドですからある程度は致し方ないでしょう。 (でもスピード落としたらクサ過ぎて聴けなかったりして!...)
ギターは相変わらずキメで名古屋弁っぽくなるのがおかしいです。(ミャーミャーいってます!)
あまりにも安直でわかり易い(悪く言えばIQ低そうな(^^;))スタイルなので 好き嫌いがはっきり別れると思いますが、私は大いに支持したいと思います。

・EMBRACE THE GALAXY/SPACE ODYSSEY(03)
重度のイングウェイ病患者(笑)であるリチャード・アンダーソンが、 MAJESTIC、TIME REQUIEMに続いて立ち上げた新バンドのデビュー盤。
ある程度予想はしていましたが、 やっぱり徹底したネオクラシカル&パクリぶりで、 ボーカル以外は前述のバンドとの差異がほとんど見つかりません! (=クオリティも同じぐらい高いです。)
わざわざ新バンドを作らなくても...といいたいところですが、 もしかしたらリチャードのあまりにもハイペースな創作活動に 周りがついていけないのでバンドを増やしてるのかもしれません!
これからまだまだバンドが増えたとしても、路線はほとんど変わらないことでしょう。 (「ネオクラシカル魂百まで」...って感じですね。)

・WISH YOU WERE HERE/BADFINGER(74)
悲運のブリティッシュ・ポップ・バンドによる後期の傑作。
初期APPLE時代の青くささを残し、 ビートルズの弟分としてのスタンスを良い意味で引きずりつつ、 のびのびと力強い演奏がなんとも頼もしいです。
APPLE時代の名盤に比べると印象の薄い作品ではありますが、 内容は全くひけをとっていません... むしろ本作のほうがバンドが成熟し、ピークに達しているようにも思えます。
4曲目に日本語のナレーションが出てくるのにはびっくりします... きっとプロデューサーのクリス・トーマスのアイデアでしょうね!(声の主はミカだし...)
それにしてもフロイドの大名盤とアルバムタイトルがかぶってしまうなんて (こちらのほうが先にリリースしてるのに...) なんだか彼らの運の無さを物語っているように感じてしまいます。
パイロット、ELO、クイーンらの現在の活動振りを考えると、 アルバムタイトルどおり「WISH YOU WERE HERE」という言葉を 天国の二人に送りたくなります。

・POP OK/PROJECT POP(03)
インドネシアのやんちゃな六人組バンドによる作品。
曲と曲の間に、小芝居風喋りパート(スネークマンショウ風?... 内容がわかればもっと楽しめるんだろうけど...) がやたら長く収録されていて、毎回早送りしなきゃならないのが うざったいですが、肝心の楽曲はなかなか楽しめます。
レッチリ、ビートルズ、モンキーズ、クイーン...に民族色を加え 現代風アレンジで包んだポップなサウンドが妙に面白いです。
また、普段アホアホなくせして、シンフォニックなスローバラード(←やっぱり収録されてる)は、 大まじめに歌い上げていて素直に感動してしまいます。 (この落差はKANTATA REVOLVEREと共通するかも!...)
きっとライブはもっと楽しいんでしょうね。
これからもインドネシアものをさらに掘り下げる必要がありそうです...

・TIME/7FOR4(04)
ドイツが誇る驚愕の超絶演奏集団による2nd。
度肝を抜いたデビュー盤からさらなる進化を遂げています。 楽曲の深み、構成の複雑度、演奏の超絶度はさらにアップ (特に変態ラテン曲なんて体中の血が騒いで大変!)していますが、 きちんとわかりやすさをキープし続けているのが嬉しいです。 現代のジャズ・ロック〜プログレ・メタル・シーンを代表する傑作と言えるでしょう。
それにしてもこんな演奏生で見たらどうなっちゃうんだろ... ELECTROCUTION 250、4FRONTとセット(超絶&数字付きバンドつながり!) にして誰か日本に呼んでくれないかなぁ〜。

・LIVE IN SOUTHAMERICA/FOCUS(04)
オランダのスーパー・プログレ・バンド、 フォーカスの2002年メキシコ公演を収録したライブ盤。
タイスはまだまだ元気で円熟した職人技を次々に披露しており、 その力強く頼もしい姿に引っ張られるように他のメンバーも奮闘しています。 (ギターはやや物足りなさを感じますが、 ヤン・アッカーマンと比べちゃ仕方無いですよね。)
名曲ばかりをズラリと揃えたベスト盤的な選曲がたまりません。 特にシルヴィアは何度聴いても、グレイの曲に似...じゃなかった感動し身震いしてしまいます!
ヤン・アッカーマンがいないという理由で近年の来日公演を見に行かなかったのですが、 タイスがこれだけ元気だったのなら見ても良かったかも...
ジャケットのピンボケ写真はフォーカス!(笑)あわせると絵的にきつくて わざとぼかしたんでしょうかね?(^^;)

・ACE A'S + KILLER B'S/DODGY(99)
イギリスの実力派ポップ・バンドによる輝かしい足跡を封じ込めたベスト盤。
ブリティッシュ・ポップの伝統をしっかりと受け継いでおり、 軽快で心地良いメロディはもちろんのこと、 随所に遊び心を盛り込み、多くの引出しを場面に応じて使い分けるポップ・センスが光ります。
至る所で余裕を感じさせるところはさすがメジャー・バンドといった感じです。
イギリスっていつの時代にもこの手の良質なバンドがちゃんと存在してるんですよね〜。

・PARADISO/METAMORFOSI(04)
ここ数年、数多くの名バンドが復活劇を繰り広げ、 昔からのシンフォ・ファンを狂喜乱舞させている中、 ついにあのメタモルフォーシまでもが力作を作り上げシーンに戻ってきました!
シンセ、オルガン、ピアノ...多彩な鍵盤楽器の壁とオペラチックな歌唱が繰り広げるドラマは、 信じられないぐらい名盤「インフェルノ」の頃と何も変わっていません。
まるで30年近い空白を一気に埋め尽くすかのように、 クラシカルで重厚な音世界が展開されていきます。
あまりにも特別だった70年代イタリアン・ロック・シーンで活躍し 歴史的名盤を残した彼らだからこそ、 ここまで重みのある作品が作れるのでしょう。
どんなにテクニックがあっても、どれだけ録音技術が進化しても、 今のバンドには決して出すことのできない音と空気が詰まっています。イタリア最高〜!

・NEANDER VARIATIONS/FUGATO(04)
アフター・クライング、ランブリン・オーケストラに続き、 またしてもハンガリーから強力なオーケストラ+ロック合体プロジェクトが登場しました。
ダークでヘヴィなアフター・クライング、 キャッチーで躍動感あふれるランブリン・オーケストラに比べると、 ロック色が薄く行儀が良過ぎるためにインパクトに欠けますが、 クラシカル度と格調の高さはなかなかのもの... クラシカル・シンフォ・ファンなら一聴の価値があると思います。
このジャンルはほとんどハンガリー(というかPERIFERIC RECORDS)の一人勝ち状態ですね〜!

・CALEIDOSCOPE/XSAVIOR(05)
北欧を代表するスーパー・ボーカリスト、 ヨラン・エドマン率いる新バンドのデビュー盤。
ヨランの別バンドであるKHARMAは歌をメインとした曲作りを行っていたのに対し、 このXSAVIORは楽曲がメインとなっています。 言い換えれば、KHARMAが純粋にヨランの歌のうまさを引き出していたのに対し、 このXSAVIORでは様々な楽曲に応じて声や歌いまわしを変化させる ヨランの引き出しの多さ、適応能力の高さに焦点をあてているといえます。
まるでDREAM THEATER、QUEEN、IT BITES、THE FLOWER KINGSが融合したような、 メタル、シンフォ、ポップが複雑に絡み合ったスタイルは同国スウェーデン のA.C.Tを連想させます。(さすがにA.C.T級の必殺メロディは無いので耳に残りにくいですが...)
KHARMAもXSAVIORも方法論は違えどクオリティの高さは半端じゃ無いので、 大変でしょうが是非活動を両立させて欲しいと思います。

・ONE-NINE + SINGLE/KANG SUSIE(02)
韓国歌謡ポップス界の基本中の基本、カン・スージーの2枚組ベスト盤。
いかにも韓国らしいシンフォ・バラードも良いですが、 私がリアルタイムで聴いていた(80年台後半の) 古き良き日本のアイドル歌謡を想起させる楽曲が多く、 なんともいえない懐かしい気持ちにさせてくれます。 (来生たかお、萩田光雄、武部聡史...あたりが出稼ぎしてたりして?!)
少し触れただけで壊れてしまいそうな繊細なボーカルは絶品で 一部のプログレ好きにやたら受けがいいのも頷けます。 さらにキュートで愛くるしいルックスなのですから 当時の韓国の青少年達はたまらなかったことでしょう!(爆)
もう少しデビューが遅く韓流ブームにのっかれば 日本での評価も全然変わっていたでしょうね。 でも妙に日本で騒がれて本来の持ち味を失うよりは 今のままで良かったかもしれないなぁ...

・MOOD BAZAAR/RIVIERA(02)
ドイツの兄妹ポップ・ユニットの3作目。
初期のオシャレなラウンジ色を残しつつ、 ピュア・ポップ大名盤である次作の誕生を予感させる、 1粒で2度おいしい内容となっています!
作詞、作曲、演奏、歌、アレンジ、レコーディング... このアルバムを作り上げる全ての工程を 本人達が一番楽しんでいるようなハッピー感が アルバム全体をふんわりと包み込んでいます。

・I/KINGSTON WALL(92)
知る人ぞ知る、フィンランド幻の名バンドによる衝撃のデビュー作。
基本はジミヘンの影響(本作でも名曲FIREをカヴァー)を 強く感じさせる骨太ハード・ロックなのですが、 耳を疑うほど手数の多い超絶ドラミング、 自由度が高く個性的なフレーズ満載のギター、 数多くの仕掛け、そしてトリオならではのグルーブ感... さまざまな特徴を持った独特なサウンドがすこぶる格好良く、 全身の血が騒いで仕方ないです。
個性・才能豊かなメンバーが自分達の音を極めようと集結した結果、 自然とこのトリオに行きついたんでしょうね。
トリオ編成がロック・バンドの究極形であることを 今回再確認することができました。

・FAR FROM THE MADDING CROWD/WUTHERING HEIGHTS(03)
デンマークのシンフォニック・トラッド・メタル・バンドによる一大傑作。
国内盤はCCCDだったので海外通販で輸入盤を仕入れました。
ケルティックなメロディとアレンジをふんだんに取り入れた、 シンフォニックかつファンタジックな音世界が次々に繰り広げられていきます。 クオリティは極めて高く、 まるでラプソディを分解し再構築したかのように思えます。 (ギターはややクセがありますが、それはラプソディも一緒ですね!)
ラッセル・アレンが口内炎の痛みをこらえて歌ってるような特徴のあるボーカルは、 どこかで聴いた事があると思ったらリチャード・アンダーソン率いるスペース・オデッセイの 人だったんですね。
ラプソディの本格的なライバルとして今後も期待大です。

・USA...YOU KNOW?/LA TORRE DELL'ALCHIMISTA(05)
デビュー盤にて70年代イタリアン・シンフォの世界を見事に蘇らせることに成功し、 数多くのマニアをうならせた新鋭バンドのライブ盤。
スタジオ盤に比べて演奏が粗く、 アレンジもさほど工夫がみられないのでちょっとガッカリしましたが、 デビュー盤の楽曲自体の出来が良過ぎるので結構楽しめます。
ただデビュー〜本作の流れを考えると 次回作で思いっきりコケそうな気がして怖いです... (というかその前に解散しないでね!)

・ORDINARY JUST WON'T DO/GRAND ILLUSION(04)
スウェーデンのメロディアス・ハード・バンドによる3作目。
奇跡的な名盤に仕上がった前作と比べ、北欧ならではの透明感や泣きが薄くなり、 アメリカ色が濃くなっているのが個人的には残念ですが、 質の良いメロディが凝縮されていることに変わりはありません。
喉を痛めそうな無理矢理シャウトも健在です! (そのうち声が出なくなりそうな気が...)
現在の北欧メロディアス・ハード・シーンにおいて、 もっともクオリティの安定しているバンドだと言えるでしょう。 (株にたとえるなら東京電力!?)

・MUSIC FROM THE FILMS/ZODIAC(85)
旧ソ(×猫を噛む)はラトヴィアのシンフォ〜テクノ・バンドによる サントラ曲を収録した作品(3作目)。
これまでの作品と同様、 「(YMO+アルテミエフ)×へっぽこ!」な ZODIACサウンドを存分に堪能できます。
この時代の共産圏ならではのヒンヤリ・ピコピコなシンセ・サウンドは とても愛らしくてクセになります。
それにしてもこんな楽曲、どんな映画のどんなシーンに使われたんだろ?

・2005/METAL MAJESTY(05)
オランダの熱狂的なクイーン教信者、ヴァレンシアによる メタル・クイーン・プロジェクト!の2nd。
今回もヴァレンシアがやりたい放題やってくれてます。 ノーマルなヴァレンシア・ファンからすると、 「王子ご乱心!?」といった感じでしょう。(のっけからアウアウ叫んでるし!)
メタルといいつつも、あくまでもヴァレンシア流のメタルなので、 ユニークな内容に仕上がっているんでしょうね。
今回国内盤が出なかったのでちょっと心配ですが、 今後もプロジェクトを継続して、コンスタントに傑作を出しつづけて欲しいと思います。
それにしてもボーカルの徹底したフレディぶりは凄すぎ... フレディの霊魂が激しく憑依しているとしか思えないです。

・TIERRA DE LIBERTAD/MEDINA AZAHARA(01)
長い活動歴を誇るスペインの大ベテラン・バンドによる2001年の作品。
初期はプログレ・バンドとして語られることの多い彼らですが、 近年はすっかり民族メタルのスペイン代表の座に君臨し、 マイペースな活動を続けています。
本作も「ジプシー・キングスが突如アングラに影響を受けて メタル・アルバムを作ってしまった!(笑)」ような、 スペイン色たっぷりの、 ほのぼのシンフォ・メタル〜メロディアス・ハード・サウンドが楽しめます。
スパニッシュ・メタルといえば、DARK MOORやWARCRYがあまりにも有名ですが、 サウンドを数秒聴いただけですぐにスペイン出身であることがバレバレな彼らこそ、 真のスパニッシュ・メタル・バンドと呼べる存在だと思います。

・CALENDAR DAYS/THE ROCKET SUMMER(03)
アメリカの天才パワー・ポッパーによる痛快なデビュー作。
まっすぐでみずみずしい感性が音にそのまま反映されていて、 とてもすがすがしい気分に浸ることが出来ます。 その昔ベン・フォールズ・ファイブのデビュー盤を 最初に耳にしたときの衝撃を思い出しました。
弱冠20歳にしてたった一人でこれほどの傑作を作り上げるなんて... 恐るべき才能の持ち主であることは誰が聴いても明らかでしょう。
きっと年月を経て歳を重ねても、程良い感じに枯れた名作を 作り上げてくれるんでしょうね。 (さすがにその頃はロケット・サマー名義じゃ無くなってるかな?!)

・ON FIRE/WIDOW(05)
ツイン・リード・ギターの魅力を最大限に押し出した、 アメリカのB級メタル・バンドの3作目。
今回も相当頭悪そうな醜悪ジャケ (「メタル」のことを「ヘヴィメタ」と呼ぶような一般の人に、 メタルがみんなこんなものだと思われたら嫌だ!) のせいでなかなか買う気が起きませんでしたが、 安値で落ちていたので拾ってきました!
メンバーの彼女なのか?、シナジーの線を狙ったのか?(打倒キンバリーたん?)、 いつのまにか女性ボーカリスト、リリー(←ベッドの上で泣いてる人ではありません!)が加入していて ちょっとびっくりしましたが、女性ボーカル、男性ボーカル、デス・ボイスの3声が入り乱れることにより 曲の面白みが随分増えました。
しかしなんといってもこのバンド最大の売りは「ツイン・リード・ギター」に尽きます。 楽曲のパターンがある程度決まっていて、アルバムを通すと単調なのが欠点ではありますが、 アホそうに見えてもツイン・リード・ギターのおいしいツボを的確に押さえています。
今後も良い意味でB級の王道を貫いて欲しいと思います。 (次回のジャケットも違う意味で期待したいと思います!)

・RADIO WAVES GOODBYE/4FRONT(01)
知名度は低いものの、デビュー盤で既に メジャー級をしのぐ輝きを放っていた アメリカのテクニカル・シンフォ・バンドの2nd。
歌を入れたり、ヴァイオリンやサックスのゲスト参加があったり... デビュー盤では見られなかった様々なチャレンジが結実し、 とてもカラフルな傑作に仕上がっています。
ただその反面で、デビュー盤の破天荒な押しの強さ(弾き倒しヂカラ)が 大幅に減ってしまったのは残念です。 (ちょうどFINCHやTRANSIT EXPRESSの1stと3rdの関係に似てるかも。) 何かを得るということは何かを失うということでもあるんですよね。
いずれにせよテクニカル・ハード、シンフォ・フュージョン好きなら、 1st、2ndのどちらも押さえておいて損はないと思います。(ちなみに私は断然1st派です...)

・THINGS THAT HAPPENED THEN/THE ORGONE BOX(02)
ストレンジ・デイズの強力プッシュにより、 ポップ通の間で一躍有名となった幻のポップ・バンドのデモ音源集(2nd)。
本作もデビュー盤に劣らないほど内容が充実しています。 単なるデモ音源集だと思ってナメてかかると痛い目に合うでしょう。
聴いているうちにイギリスのバンドならではの憂いが漂うくすみがかった 音世界にじわじわと引きこまれてしまいます。
個人的には、THE ORGONE BOX、ROCKFOUR、COTTON MATHERを 「60年代回帰ポップ・バンド御三家」と呼びたいと思います!

・ATLANTIS ASCENDANT/BAL-SAGOTH(01)
長い間音沙汰が無かった上に凄腕ドラマーをDRAGONFORCEに引き抜かれたこともあり、 消滅したのかと思いきや、2006年になって久々の新作6thを発表し健在ぶりをアピールした シンフォニック・ブラック・メタルの祖による5th。
コッテコテでクッサクサな「バルサゴス劇場」に変化はありません... (スーパー・マイペースぶりはある意味「吉本新喜劇」に通じるかも!)
おかげで強力な内容ではあるものの、 私の耳がなれて(飽きて)しまったこともあってか、 前作(4th)までの勢いがやや衰えてしまった感があります。
「バルサゴスのピークは3rd〜4th」とか「もう終わったバンド」とか言われないよう、 新作で大きく飛躍してくれてるといいなあ。

・FURIOSAMENTE/FURIO CHIRICO(01)
プログレ・ファンなら誰もが知っている(ファン以外は誰も知らない?!) イタリアが生んだ世界最強超絶ドラマーによるソロ作。
アルティをジャズ寄りにした内容かと思いきや、 あまりにもオーソドックスなフュージョンをやっているのでちょっと面食らいました。 (フリオ・キリコ甲斐が無い!)
ただやはり本性を隠せないのか、ありきたりなフュージョンにしては やたらドラムが主張しまくるやかましい(←もちろん誉め言葉)展開も ちらほらと出現します! (この手の「フリオ・キリコにしか出来ないフュージョン」路線で アルバムを通してくれたらもっと面白くなったのに...)
とはいうもののトリップやアルティとは異なる、ドラマー「フリオ・キリコ」の 一面を知ることが出来る、なかなか興味深い傑作だと思います。

・7 DEADLY SONGS/LORD OF MUSHROOMS(05)
南フランスはモナコ公国のプログレ・メタル〜シンフォ・ポップ・バンドによる2nd。
この手の音楽はスウェーデンの独壇場だと思っていましたが、 ついにスウェーデン以外の国(しかもモナコ!)から出現したことに驚いています。
クオリティはすこぶる高く、IMAGES & WORDSをリリースした頃のドリーム・シアターが、 イット・バイツに影響されてアルバムを作ったような作風はとてもユニークです。 大胆かつ効果的にポリリズムを取り入れたシャープでスリリングな演奏は、 多くのプログレ・メタル・ファンに衝撃を与えることでしょう。
似たタイプの曲が多い、演奏の凄さに楽曲(メロディ)が追いついていない... など気になる点もありますが、次回の課題ということにしておきましょう!
この手のA.C.T〜XSAVIOR系バンドがどんどん増えてくれるとうれしいなあ。

・THE WHOLE SHEBANG/FLUID OUNCES(04)
ピアノを大々的にフィーチャーしたポップ・ロック・バンドの4枚目。
エキゾチックな旋律が刺激的な1曲目、 ジェリーフィッシュとベン・フォールズ・ファイブが競演したような2曲目... 想像をはるかに上回る素晴らしい内容に大いに胸躍りましたが、 さすがにこの勢いは最後まで続きませんでした!(当たり前か)
ただ、アルバム単位ではジェリーフィッシュ、ベン・フォールズ・ファイブといった超メジャー級に 及ばないとしても、楽曲単位では彼らと十分肩を並べるものもあるので、 ピアノ・ロック〜ピアノ・ポップ好きならチェックすべきでしょう。
ピアノにニューオリンズ風味が感じられるのが絶妙なスパイスとなっています。

・MOZART/SAME(93)
クイーンの後継者バンドとして、一時ロックファンの間で そこそこ話題になったものの、酷評されることが多く、 いつのまにか消えてしまったアメリカのバンドのデビュー作。 モーツァルト生誕250周年を記念して聴いてみることにしました!
確かにクイーンの遺伝子を強く受け継いでいますが、 オランダの2人の王子とはアプローチが異なっていて 出てくる音に違いがあるのでなかなか楽しめます。 (1曲目なんかダークネスみたいで笑っちゃいました!)
クイーン一色では無く、スティングの名曲をカバーしたり、 間奏で突然レインボウっぽいフレーズが出てきたり... センスも才能もかなりのものだと思うのですが、 音質が最悪なのがなんとも勿体無いです。 (ロイ・トーマス・ベイカーが関わってるのに何故...) 音が良ければ違う結果になっていたかもしれません。
クラトゥのように時代を経た今だからこそ、 彼らを正当に評価すべきだと思います。

・MY RIVER FLOWS/IZZ(05)
現メロディアス・シンフォ・シーンにおいて最も勢いのある アメリカの実力派バンド待望の2005年新作。
プログレ5大バンドやカンタベリー勢はもちろん、ジェントル・ジャイアント、PFM、フォーカス、 セバスチャン・ハーディ...さらにはフラキン、スポビ、エコリン... おまけにビートルズまで吸収したような 贅沢なサウンドをたっぷりと味わうことができます。 これまでのシンフォの歴史を総括したような傑作と言えるでしょう。
「温故知新」の精神を大事にした基本に忠実なスタイルを今後も貫いて欲しいものです。
近年のフラキンやスポビから失われつつあるものが、 この作品にはしっかりと存在しています。

・JALOPY POP/SPARKWOOD(05)
アメリカはテキサス出身のポップ・バンドによる2nd。
キーボーディストが主導権を握っているだけあって、 ギター主流のパワー・ポップ勢とは印象が異なります。
甘酸っぱいメロディ、ジャケットのようにカラフルで鮮やかなアレンジ、 随所でソフトロック色を感じさせるコーラスワーク... 方向性としてはチュウィ・マーブルに近いものを感じました。
甘めのポップが好きなら押さえておきましょう。

・TIME ODYSSEY/VINNIE MOORE(88)
サウンドだけでなくタイトル(リチャード・アンダーソン度200%)からも元ネタがモロバレな イングウェイ系ギタリストの2ndソロ。
以前バンドものを聴いてピンと来なかったのでソロ作を聴かずにいましたが、 本作にジョーダン・ルーデスが参加していると知り、聴いてみることにしました。
この時代の速弾きネオ・クラシカル・ギター・インストものを象徴するようないかにもな内容ですが、 ヴィニー・ムーアの個性をしっかり感じ取ることが出来ます。 速弾きをはじめとするギター・テクニックはとにかく安定していて滑らかな印象を受けます。 (反面、ロックらしい強引さ、勢いという点ではちょっと物足りないかも...)
ジョーダン・ルーデスはサポートの域を越える活躍ぶりをみせています... この頃からすでに自分のスタイルを確立していたんですね。 ドリーム・シアターに入る人はさすがに違います。

・THIS GODLESS ENDEAVOR/NEVERMORE(05)
アメリカの強力な実力派メタル・バンドによる6作目。
普段はヘヴィでダークでアグレッシブな演奏で攻めまくりながら、 ツイン・ギターによるソロでは超絶高速フレーズで泣きまくる... という理想的なスタイルが貫かれていて格好良さにホレボレします。
まるでアーク・エネミーがデス声を封印したような印象を受けましたが、 過去に遡ると初期のメタリカ、メガデス、パンテラあたりに行きつくようにも思いました。
ジャケットも雰囲気があってナイスですね!
今後もまだまだ成長しそうな勢いを感じます。

・THE ASTRAL EPISODE/SPACE ODYSSEY(05)
スウェーデンのネオクラシカル鍵盤超人リチャード・アンダーソン率いる メタル・バンドの2作目。
本作も、これまで彼が率いてきた(いる)全バンドの全アルバムと方向性は同じ... 金太郎飴(イングウェイ飴というべき?(笑))的作風といえます。
そのことをわかっていながらも結局聴き込んでしまうのは、 この「飴」の品質が極めて高く、一定の水準が保証されているからでしょう。
そんな中、七色の声を持つボーカリスト、ニルス・パトリック・ヨハンソンの 奮闘はなかなか目立っています。(1人エイリオンみたいな展開もあるし...) このスーパー・ボーカリストの存在感がもっと増えると、 より面白い作品に仕上がるんでしょうね〜。 (でもリチャードより目立つとクビにされちゃうような気が...(笑))

・YOU MUST BE KIDDING/BIG KID(04)
ジェリーフィッシュの影響が色濃いカリフォルニア出身の無名ポップ・バンドによる作品。
ジェリーフィッシュ・フォロワーの多くは、 ギター・メインのパワー・ポップ・スタイルをとっていますが、 このバンドはそれだけにとどまらず、ビーチボーイズ〜ワンダーミンツあたりに通じる ソフト・ロック曲も収録しているのが面白いです。
まるで時間と金をかけずに「こぼれたミルク〜」を作ったように思える箇所もあります。 (「こぼれたミルクは脱脂粉乳」といった感じ?)
プロダクションの甘さは気になります(なんてったってCD−Rリリースだし...)が、 CD−Rリリースとは思えないクオリティの高さには驚かされます。
さすがアメリカは広いなぁ...

・NATIONWIDE/ROCKFOUR(04)
イスラエルのサイケ・ポップ・ロック・バンドによる2004年の作品。
アルバムを発表するたびに、どんどんメジャー化し、たくましさを増しているのが良くわかります。
彼らの作品が簡単に入手できるようになったのは非常に喜ばしいことなのですが、 その反面、SUPERMARKETの頃の胸を締め付けるような切なさ、いまにも壊れそうな儚さが、 かなり失われてしまったのが残念です。 (こんなことなら売れないままのほうが良かったな〜!) ...とはいえ質はまだまだ高いのでご安心下さい!
次回は初心に戻った泣き重視のアルバム制作を行って欲しいものです。

・4 - UNITED/VALENTINE(97)
オランダの「一人なりきりクイーン」こと、ヴァレンタインの4枚目。
クイーンの音世界をとことんシンフォニックかつドラマティックに再現する手法は これまでと基本的に変わっていません...が、 本作ではその手法を極限まで突き詰めています。
これまでもシンフォニック度、ドラマティック度は相当過剰なものでしたが、 今回は「さらに倍!」...徹底してやり過ぎています。 時折チャイコフスキーになったり、ウルトラセブンのテーマになったり... その大仰ぶりに何度も笑みがこぼれてしまいます... (といいながら感動している自分もいたりして!)
アルバムの大半の曲が大阪滞在中に作られたそうですが、 大阪で何かあったんでしょうか?!...

・RAGAM/NERV(05)
インドネシア期待の新人プログレ・バンドによるデビュー作。
民族色がプンプン漂う泥臭いオープニングから怪しい展開を期待しましたが、 その後ほとんどはヴィオラ主体のオーソドックスなメロディアス・シンフォ・フュージョンとなっていて ちょっと拍子抜けしました。(インドネシアらしさ激薄!)
ただ民族色にこだわらずシンフォ・フュージョンとして聴くと、 なかなかの完成度でありかなり楽しめます。
華麗なヴィオラの活躍に対してそれ以外の楽器(特にギター)が弱かったり、 起伏に乏しいゆったりとした流れがやや退屈に思えたり、 先述したように民族色の取り入れ方が甘かったり... DISCUSに比べると音楽性はまだまだ (といいながら現地の発売元は確実にこちらのほうがメジャー!)ですが、 今後に期待できるバンドであることは間違いないでしょう。
それにしてもこのバンド名...エヴァンゲリオンと関係あるんでしょうか?!

・MINDREVOLUTIONS/KAIPA(05)
スウェーデンのスーパー・シンフォ・バンド、新生カイパの3枚目。
新生カイパの1作目は、オリジナル・メンバー2人をメインとし、 周りのメンバーがそれをサポートするような感じでしたが、 本作では、オリジナル・メンバーと同じかそれ以上に 周りのメンバー(ベース、ドラム、そして男女ボーカル)が輝いています。
演奏もぐっと引き締まっており、バンドらしさが数段アップしています。
スタートこそ「旧カイパ復活プロジェクト」のような感じでしたが、 もはや旧カイパとは無縁の本格的な超実力派新進シンフォ・バンドと認識したほうが良さそうです。
カイパのデビュー作を発表してから30年経過しているにも関わらず、 いまだに理想の音楽を求めてエネルギッシュに活動し続ける ハンス・ルンディン、ロイネ・ストルトのアーティスト魂には頭が下がります。

・IMPERIAL DRAG/SAME(96)
天才ポップ職人ロジャー・マニングがジェリーフィッシュ解散後、 エリック・ドーヴァーとともに立ち上げたバンド唯一の作品。
恐らくポップヲタクだけにやってみたいことがたくさんあり過ぎて、 ジェリーフィッシュだけでは満足できなかったんでしょう。 ジェリーフィッシュともムーグ・クックブックとも異なる ハードでグルーヴ感あふれる独特なロック・サウンドが楽しめます。
Tレックスのようなグラムな展開も ツェッペリン風リフ攻撃もいいのですが、 コモドアーズの名曲マシンガンを髣髴とさせる ファンキーでグルーヴィな1曲目のインパクトは強力... しばらくメロディが頭から離れそうにありません。
バンドや方向性が変わっても、完成度が高くマニアックで、 遊び心を忘れないところがいかにも彼らしいです。

・LET'S BOTTLE BOHEMIA/THE THRILLS(04)
デビュー盤が素晴らしかったアイルランドのポップ・ロック・バンドの2nd。
デビュー盤があまりにも傑作だと、 2作目でコケる(その後もデビュー盤を超えられない)ケースがやたら多いですが、 彼らはデビュー盤と同じ...いやそれ以上の傑作を作り上げることに成功しています。 流行とは無縁ののんびりと我道を行く姿勢が、音に反映されているのがなんとも心地良いです。
人懐っこいメロディ、さわやかなコーラス、のどかな演奏、絶妙なストリングス... そしてコリン(星じゃないよ)・ブランストーンの隠し子では? と疑いたくなるような魅力的な歌声!... 個性豊かなサウンドは一聴しただけですぐに彼らだとわかります。
彼らの音を聴いていると、何故だか青空の下で芝生に寝転がって まったりしたくなるんですよね〜。

・OF WARS IN OSYRHIA/FAIRYLAND(03)
フランスのドラマティック・シンフォ・"RPG"・メタル・バンドのデビュー盤。
ダーク・ムーア、ヘヴンリーといったシーンのトップに位置する実力派バンドのメンバーを擁し、 ラプソディに酷似したスタイルを貫いている... といえばメタル・ファンなら容易に想像のつく音でしょう。
デビュー盤としては出来過ぎな内容であり、ラプソディに迫る勢いを感じますが、 結局ラプソディ、ダーク・ムーア、ヘヴンリーが混在しているような 保守的なサウンドとなっているためバンドの個性が見えず、 新鮮さに欠けるのが残念ではあります。
多少完成度がダウンしても構わないので、 次回作では思い切って何か新しいことに挑戦して欲し... と書いてたら新作もう出ちゃったみたいです(^^;)

・ROMANCE/ULF TURESSON(98)
90年代にスウェディッシュ・ポップ・ブームを巻き起こした 立役者の一人である天才アーティストのソロ作。
原田知世(名盤I COULD BE FREEを何度リピートしたことか...)や ル・クプル(心療内科ドラマには癒された...)など 日本人アーティストに提供した楽曲のセルフカヴァーを多数収録しています。
聴いているうちに、当時会社帰りにしょっちゅう渋谷のレコード店に立ち寄っていたことを思い出し、 とても懐かしい気分になりました。 (今は無き渋谷レコファン(ハンズの近く)の店内で カーディガンスの1stを耳にしたときの衝撃は忘れられないなあ ...その後、スウェディッシュ・ポップ・ブームが 渋谷から一気に全国展開していったのを体感したっけ...)
日本人リスナーをターゲットにしたとしか思えないような、 なんとも美しく切ないメロディに心を打たれまくりです。 こりゃ日本人アーティストに馴染むのも当然ですね...
EXCUSEやFREEWHEELと同様にシンプルで素朴なのだけれど、確実に耳に残る曲ばかりです。
早く再活動してくれないかなあ〜。

・FLYING DOG/PAUL GILBERT(98)
天才ギタリストによる2ndソロ作品。
ポール・ギルバートといえばRACER Xの衝撃、MR.BIGの成功... この2つのイメージが強すぎて、ソロ作をチェックする気が起きなかったのですが、 近年、若きポップ神、ライナス・オブ・ハリウッドと活動を共にしていたこともあり、 段々気になってきたので聴いてみることにしました。
いやはやこれほど極上のポップ・センスを持っていたとは... 引出しの多さも想像以上...驚きの連続です。 (特にバカテクギターなMARK BACINO風の曲なんか最高!)
超一流なのはギターの腕だけではなかったんですね〜。 (さすがにギター天才度を100とするとポップ天才度は80ぐらい?... でもそこらへんのパワー・ポップものなど簡単に吹き飛ぶほどポップな才能も豊かです。)
ただ異なる2つの才能を持っていると、どちらのファンにも 正当に評価されにくい傾向にあるのが勿体無いです。 (実際、ヤング・ギター読んでそうなギター小僧にはテクニック的に物足りないでしょうし、 ポップ・マニアはギターが前に出すぎなのが気になるはず... でも私のようなギター弾き+ポップ好きにはこの作風はど真ん中!)
多様な音楽性はとても魅力的ですが、 なによりもやりたいことを思う存分やってる感が、 アルバム全体からビシビシ伝わってくるのが本作の最大の魅力だと思います。

・SUPER HITS/MEN AT WORK(00)
ベストヒットUSA世代なら誰もが思わずニヤリとしてしまう、 80年代オーストラリアを代表するスーパー・ロック・バンドのベスト。
この時代のこの手のバンドは大抵一発屋で終わるんですが、 彼らは大ヒット曲を数曲残しているのが強いです。 オーストラリア出身という物珍しさだけではなく、 実力があったからこそ結果を残せたのでしょう。
今聴いても、やたらと耳にまとわりつく奇妙なメロディ、 曲者コリン・ヘイのひょうひょうとしたキャラクターを そのまま投影したようなとぼけたスタイルは新鮮です。
それにしても「ノックは夜中に」って日本語タイトルは イイ味出してますよね〜!

・SURSUM CORDA/QUILL(77)
アメリカのキーボード・トリオによる幻のシンフォ作。
オルガン、ピアノ、メロトロン、シンセ...といった 多彩な鍵盤楽器をメインとした大作指向(組曲2曲)なサウンドからは、 プログレ、シンフォ、ELPに対する強い憧れが感じられます。
ややひとりよがりというか自己満足的なところがあり 起伏の乏しさが感じられるのでプログレ名盤紹介には掲載しませんが、 キーボード・シンフォ好きならなかなか満足できる内容だと思います。
それにしても77年にテストプレスされたという 25枚のアルバムは誰が持ってるんでしょうね? 日本で持ってる人いるのかなぁ... (全部メンバーが持っててヤフオクで荒稼ぎしてたら嫌だ...)

・FRENCH CANCAN/CARNIVAL IN COAL(99)
フランスのハレンチな変態ミクスチャー系・デス・バンドによるカヴァー曲集。
先日御茶ノ水のパチンコ屋を通った際に、 マイケル・センベロの名曲「マニアック」の現代風カヴァーが 流れていて気になり、ネットで調べていたらこの危険物を発見!...当然即買しました。
まだまだこんな変態がいたんですね〜。さすがはおフランスです!。
デス、シンフォ、ポップ、テクノ、トランス、ニューウェーブ、ラテン... いろいろな音がぐちゃぐちゃに交じり合った音楽性... お子様には見せられない変態コンセプト(表ジャケも悪趣味ですが、中もひどいもんです)... 何もかもが刺激的です。
オジーのカヴァーも良いですが、本作のハイライトは「マニアック」に尽きます。
これほどマニアックな「マニアック」は聴いたこと無いです! (パチンコ屋で流れてたのは絶対彼らのバージョンじゃ無いんだろうなあ〜。)

・LAST FLIGHT/TAI PHONG(79)
あまりよろしくない評判とジャケの酷さ(あの「侍」は何処に行ったんでしょう?(切腹したとか?)... 「ゲストに大木凡土が参加(笑)」とかさんざんネタにしてました!)のせいで ずーーっと聴かずにいたタイフォンの3rd。
全シンフォ・ファンが涙したこれまでの名盤2枚と比べると、 泣き続けて涙が枯れてしまったのか トレードマークの「ドラマティック」、「叙情」、「泣き」といった 要素が大幅に減少しています。
アルバム全曲を聴かずに処分したシンフォ・ファンがいたとしてもおかしくありませんし、 10年前なら自分も酷評していたかもしれません。
しかし、いろいろな音楽を聴いて耳が少しは大人になったおかげで、 今はこの明るく楽しくポップなタイフォンも楽しめるようになりました。
大幅に路線変更したのは事実ですが、じっくり聴き込むと、 本作が決して安易に作られたものでは無く、曲も演奏もしっかりと練られていることがわかります。
これまで見せたことの無いシンフォ・ポップ(南アフリカのラビットを思い出しました)な展開もあれば、 減少したとはいえ従来の「泣き泣きタイフォン節!」も随所に残っています。
もしこの作品が「タイフォン」とは違う名前で発表されていたなら、 プログレ・ポップの佳作として大いに評価されたことでしょう。
本作を気に入らず、どこかにしまったままにしている方は、 久しぶりに発掘して聴いてみることを強くお薦めします。

・AMPUTECHTURE/THE MARS VOLTA(06)
前作の衝撃がまだ消えないうちに発表された 現代のプログレッシブなモンスター・バンド、 マーズ・ヴォルタによる2006年新作。
池袋レコファン店内でサウンドを初めて耳にしたときは 「なにこの格好良過ぎる原点回帰クリムゾン!」 と心の中で絶叫しました!(音だけでなくジャケットもクリムゾンしてるし...)
ビートルズ崩壊とともに、ほぼ時を同じくしてこの世に生を受けた2大怪物... クリムゾンとツェッペリンを合体させ、 マーズ・ヴォルタ秘伝のタレを混ぜ込んだような 圧倒的なスタイルで今回も思う存分かましてくれます。 大体のっけからドラムレスで緊張感を保ったまま延々引っ張り続けるなんて 彼らにしか出来ないでしょう。
前作に比べると狂人的な激しさは減りややおとなしくなっていますが、 洪水のように溢れていた音情報はかなり整理されて聴きやすくなっています。 (演奏の凄さなら前作、楽曲の凄さなら本作といった感じです。)
今回もクリムゾン、ツェッペリン好きなら必聴必携ですよ!
(逆にマーズ・ヴォルタ好きでクリムゾン、ツェッペリンを聴いたことがない ヤングなパーソンはクリムゾン、ツェッペリンを聴いてみてね!)

・LUXAETERNA/AQUARIA(05)
ブラジルの大型新人シンフォ・メタル・バンドによるデビュー作。
クラシックでドラマティックで疾走感あふれるシンフォ・メタル王道路線に、 アクセントとしてブラジルの民族色を取り入れたサウンドは、 同国の英雄アングラの影響をもろに受けたものとなっています。
あまりにも内容がアングラに酷似 (アングラの弟分というよりはアングラ・クローンという表現が適切だと思います... 細かく言えば、アングラの1stと2ndを足し合わせ、ヴォーカルの癖を抜いて、 ギターをやや弱くして、キーボードをやや強くした感じですが...) していて面白味に欠けるのが残念ですが、 本家アングラが作り上げた名盤と比べても遜色の無いクオリティを持った 満足度の高い楽曲、演奏を存分に味わえます。
オリジナリティにさほど拘らない シンフォ・メタル・ファンならきちんと押さえておきましょう。

・SATURDAY MORNING DREAM/THE OOHS(02)
デビュー盤における、つめの甘さをカバーする美しいコーラス・ハーモニーが印象的だった、 アメリカのかなりマイナーなポップ・バンドの2作目。
デビュー盤同様のビートルズ、クイーン、パイロット路線ですが、 今回はアメリカのバンドらしくスティクスあたりも取り込んでいます。
前作ではさほど感じなかったのですがボーカルの弱さがちょっと気になりました (特に1人だけメインで歌っちゃいけない人が歌ってるような...) ...が最大の武器であるコーラスは決まっています!
ポップ・フリークなオヤヂ達が集まって、 自分達のやりたいことをひたすら楽しく演奏しているハッピーな姿は ピルバグズに非常に近いものを感じます。
オリビア・ニュートン・ジョンの名曲「そよ風の誘惑」のカバーはなかなかの仕上がりなのですが、 ジャケットのメンバーのイラスト&写真を見ながら聴くとちょっとだけキモいです!

・NOW THAT EVERYTHING'S BEEN SAID/THE CITY(68)
アメリカ最強の女性SSW、キャロル・キングが 60年代に結成していたバンドによる伝説の作品。
「幻の名盤」、「隠れた名盤」などと称されることが多い作品ですが なるほど聴いて納得!... なんてったって未来永劫語り継がれるであろう超名盤 「つづれおり」の世界がほぼ完成しているのですから。 (まだ60年代だというのに...)
アメリカの片田舎で撮影したようなジャケットそのまんまの 素朴でのんびりとした雰囲気がなんとも耳に馴染みます。 キャロル・キングはいい曲書くし、いい声だし、いい歌歌うよなぁ〜 としみじみ感じました。 (...ってよく考えたらバンド作品でしたね(汗)... キャロル・キング以外の存在に気付きませんでした。 ごめんなさい! > 他の男子2名)

・OSIRIS/SAME(82)
バーレーンのシンフォ・バンドによるデビュー作。
メンバーのアラビアンでオイリーなルックス&名前からは全く想像のつかない、 ヨーロッパ直系のメロディアスな叙情シンフォ・サウンドを展開しています。
まさか中近東にこんな音楽をやってた人たちがいたなんて...いやはや音楽に国境は無いとはまさにこのことです。 ただ民族色を期待する辺境ファンは、民族色の薄さに肩透かしをくらうと思います (ヨーロッパのバンドが中近東テイストを取り入れたほうがよっぽど中近東バンドっぽい!)
キャメルの2ndの録音と演奏の質を下げたような (デモテープ並みでやりたいことに演奏がついていっていない)内容は、 多くの人に薦められるようなものではないですが、 B級シンフォ好きにはこのひたむきな姿勢と甘〜いメロディが結構くせになると思います。
それにしても何故キャメル風サウンド?...あ、わかった...砂漠つながりってことですね!(笑)
中近東のシンフォ・バンドでは五本の指に入る存在だといえるでしょう。 (って他にシンフォ・バンドいるのかよ!)
ラストのボーナス曲はどことなく旧ソ連のC級シンフォ・バンドの 未発表音源みたいで微笑ましいです!

・1999-2002 REMASTERING/NOVASONIC(02)
韓国を代表するラッパー、キム・ジンピョと 韓国を代表するプログレ・バンド、N.EX.Tのメンバーにより結成された、 オリジナリティあふれるロック・バンドの2枚組ベスト盤。
基本は、韓国語ラップによるハードコア〜ヒップホップ系スタイルであり 「韓国のレッチリ」と表現したいところですが、 そこに、テクノ、シンフォ、メタル、ポップス、韓国民族音楽... といった多種多様な音楽をなんでもぶちこんで 長時間コトコト煮込んでいるから大変です。(闇チゲ鍋状態!)
好き放題やってるように見えて、 押さえるべきところはしっかり押さえて 聴き応えのある楽曲にまとめあげてしまう手腕には脱帽です。
韓国語ラップがやたら格好良く聴こえるのも、 このラッパーの力量によるところが大きいんでしょう。 母国語への並々ならぬこだわりというか執念を感じます!
それにしても「ラジオスターの悲劇」が突然出てきたときは驚いたなぁ〜。 (ラジオスターのヒゲキ感激!なんつって...)

・LA LLAVE DE LA PUERTA SECRETA/RATA BLANCA(05)
アルゼンチンが世界に誇る偉大な様式美メタル・バンド RATA BLANCAの2005年新作。
今回も全盛時のレインボウの遺伝子を見事に受け継いだ、 古き良き様式美サウンドを繰り広げています。
驚異的な名盤に仕上がった前作EL CAMINO DEL FUEGOと比べると、 やや見劣りするのが残念ではありますが、 超絶様式美なオープニング(ナレーション後の2曲目)と 最後の最後で様式美のヨロイを脱ぐラストの名バラードを聴けるだけでも 十分おつりのくる内容です。
哀愁の巻き舌ボーカルとリッチー以上にリッチー (といいながらいざという時にイングウェイ(アルカトラス時代)に変身!) なギターのコンビネーションは絶品です。 着メロにキル・ザ・キング入れてるような 大ベテラン・メタラーなら絶対に聴きましょう。
ジャケットが韓国のDIONYSUSのEXCALIBURと似てるのは偶然ですよね。

・REPUBLIK CINTA/DEWA19(06)
現インドネシア・ロック界の頂点に君臨するスーパー・バンド、DEWA19の2006年新作 (いつのまにか「19」が復活してるのはレコード会社移籍と関係あるのかな?...)
これまでのアルバムの多くの楽曲で、様々な音楽性を披露してきた彼らですが、 まだ底を見せていなかったんですね〜。 エキゾチックなストリングスが刺激的なイスラム民族音楽風、 ほんわかかわいいヴォードヴィル風、黒っぽいホーンが格好良いファンキーな展開もあれば、 クイーンのブレイク・フリー (この曲のプロモを初めて見たとき(当時中学生)は目がつぶれるかと思ったなぁ... ちなみに逆の意味で目がつぶれそうになったのは デュラン・デュランのグラビアの美少女!)の 斬新なカヴァーも...もちろん従来のシンフォニックなバラードもやってます。
ただいろんなことをやってはいるものの どの曲も「メロディ第一主義」を貫いているところが素晴らしいです。
祖国インドネシアを強くアピールしつつ、 世界に目を向けた傑作に仕上がっています。 天才AHMAD DHANIがいる限り、彼らはこれからも成長しつづけていくことでしょう...
最後に一つだけ苦言?を...英語曲が増えたのは良いんですが、EMOTIONAL LOVE SONG、 LOVER'S RHAPSODY...って赤面もののタイトルだけはなんとかしたほうがいいと思いマス! まあ、インドネシア語ものもLASKAR CINTA、REPUBLIK CINTA... って感じなんで似たようなもんですけど!(CINTAはインドネシア語で「愛」の意味。)

・LEARNING CURVES/EINSTEIN'S SISTER(99)
アメリカのマイナーなパワー・ポップ・バンドの2nd。
ジェリーフィッシュがエモーショナルになったような、 コステロがパワー・ポップをやっているような、 ルビナーズが若返ったようなサウンドはとても親しみやすいです。
ひたすらエネルギッシュに突っ走っているように思わせて、 実は曲構成、アルバム構成が計算され尽くしている (全く中だるみすることなく、一気にアルバムを聴き通せます。) のがなんとも心憎いです。
ジェリーフィッシュ・チルドレンとしては、 間違いなくトップランクに位置するバンドだと思います。

・THE ORACLE/RING OF FIRE(01)
ウクライナの凄腕キーボーディスト、ヴィタリ・クープリを中心とする 超絶ネオ・クラシカル集団によるデビュー盤。
教祖イングウェイと名作を残したマーク・ボールズをはじめ、 ジョージ・ベラス、ヴァージル・ドナティ... といった、ネオ・クラシカル界の超有名人が勢揃いし、 期待通りのサウンドを作り出しています。
凄腕メンバーが集まると、とかく方向性が定まらず駄作になるケースが多いですが、 「超絶イングウェイ!」といった明確な方向性が定まっているおかげで、 傑作に仕上がっているのでしょう。(そのかわりサプライズはありませんが...)
やや行き詰まりをみせていた近年のアーテンションよりも、 安直ではありますがわかりやすい分確実に楽しめます。
ヴィタリが、あの独特なシンセ音の一点張りではなく、 ようやく様々な音色を使うように進化を遂げている (今まで取説見て無かったとか...(笑))ので、 サウンドのカラフル度がかなり向上しています。
ただ仕事を思い出すタイトル名だけは戴けないにゃ〜... (Ver7〜8の頃相当苦労したので...)

・BUGALOOS/SAME(70)
「アメリカの子供向けTV番組から誕生」というユニークな看板のおかげで、 マニアックなファンには有名なソフト・ロックの傑作。
「バガバガバガバガ〜!」と連呼するオープニング(ラップ現象@YMOを思い出しました!) から絵に描いたようなソフト・ロックの世界が展開されていきます。
確かに、70年前後のアメリカのTV番組を想起させるようなサウンドですが、 それにしてはソフトロック色が濃く、作品として出来過ぎています。 単独のアルバムとして充分評価できる内容といえるでしょう。
子供向けだけあって、健全さ、さわやかさは折り紙つき...とにかくハッピーです! (今のアメリカからは想像つかないですね...)

・JUST AS I THOUGHT/DAVID SANCIOUS(79)
様々な楽器を操る著名なセッション・ミュージシャンとして知られながら、 最強黒人プログレッシャー!という裏の顔を持つアーティスト、 デヴィッド・サンシャスの4thアルバム。
ELPとマハビシュヌの合体という離れ業をやってのけた名デビュー盤以後、 シンフォニックな2作目、クロスオーヴァーな3作目... とシンフォ〜ジャズ・ロック・ファン必聴作を発表しつづけた 流れを汲み、本作もすこぶる水準の高い傑作に仕上がっています。
本作ではELPやマハビシュヌだけでなく、 ブラフォードやUKを思い出さずにはいられない 楽曲が収録されていて、思わず頬が緩んでしまいます。 (エディ・ジョブソン風のきらびやかなキーボード類はもちろん、 アラン・ホールズワース風の流麗なギターをも デヴィッド・サンシャス本人が弾いていたのにはビックリ!)
もの凄い才能を持っているのにも関わらず、 これほど知名度・評価が低いアーティストも珍しいと思います。

・FROGG CAFE/SAME(01)
アメリカのシンフォニック・ジャズ・ロック・バンドのデビュー作。
ザッパ影響下のひねくれ系ジャズ・ロックと メロディアス・シンフォを組み合わせ、 チェンバー色を加えたようなユニークな音楽性を持ち、 ヴァイオリン、トランペットなどの飛び道具を武器に、 高度な演奏を繰り広げるスタイルはなかなか魅力的です。 (特にヴァイオリンの躍動感は見事)
デビュー作ということもあってややまとまりに欠けていますが、 その荒削りさが逆に良い方向に作用しているように思います。

・CRECIENDO/JAIME ROSAS CUARTETO(05)
近年活況なチリのプログレシーンの中心的存在、 ENTRANCEのキーボーディストが率いるテクニカル・シンフォ・バンドの作品。
衝撃的だったENTRANCEをさらに上回る超絶度でひたすら弾き倒していきます。 一度勢いづくともう手がつけられません!(さすがはラテン系)
ENTRANCEに比べ、常にキーボードを主役に据えている分、 わかりやすい内容に仕上がっています。
ただ、ENTRANCEと同様、魅力に乏しい曲がちょっと多いような気がします。 (特にスリリングでスピーディーな曲以外)
今後はもっとメロディを強化し、引きの曲を充実させるなどして、さらにレベルアップして欲しいと思います。 (もしかして全曲押しまくったほうが楽だったりして!(笑))

・HIDE FROM THE SUN/THE RASMUS(05)
前作DEAD LETTERSで大ブレイクした、 フィンランドの哀愁・叙情バンドの6枚目。
基本路線は変わっていないものの、 前作のような即効性を感じなかったので当初は焦りましたが、 何度も聴いてるうちにとてつもなくセンチメンタルなメロディの洪水に飲み込まれ、 いつのまにかヘビロテ状態に陥っていました。
まるで哀愁のRASMUS節を歌うためだけに生まれたような ボーカリストのハスキー声にやられっぱなしです。 今回もボーナス曲を含め捨て曲が一切ありません。 (彼らの作品は絶対にボーナス入りの国内盤を買わなきゃダメです!)
特に荘厳なストリングスが調和した8曲目SAIL AWAYの殺傷力はすさまじく、 いつも意識レベルが低下してしまいます!

・WINTERSUN/SAME(04)
フィンランドのヴァイキング・メタル・バンド、エンシフェルムの中心人物ヤリ・マーエンパーが バンド脱退後に立ち上げたヴァイキング〜メロディック・デス・メタル・プロジェクトのデビュー作。
最も輝いていた初期チルボドがヴァイキング・メタルに影響されたような、 日本人メタラーの琴線を直撃するスタイルで一気に畳み込んでいきます。
この手の良いとこ取り系スタイルは、志半ばで終わる=完成度が低いケースが多いんですが、 この作品はとにかく完成度が高いのがポイント... ヴァイキングな世界観、民謡調メロ、ネオ・クラシカルな高速ギターソロ、 爆走するブラストビート、勇壮なコーラス、攻撃的なギターリフ... あらゆる面においてスキが見当たりません。 (強いて言えば2曲目の出来があまりにも突出し過ぎていて 他の曲が印象に残りづらいところかな...)
エンシフェルムも良いバンドでしたがこりゃ辞めて大正解ですね〜。
はたしてエンシフェルムはヤリ抜きで今後やり抜くことができるんでしょうか!(爆)

・SVETLOST U A-DURU/LAZA RISTOVSKI(97)
旧ユーゴの最重要ミュージシャンによるベスト盤。
70年代から90年代まで、長年にわたり、 様々なバンド、プロジェクトで幅広いジャンルの音楽を 追求していたことがよく分かる内容となっています。 ブルース、産業ロック、歌物ポップスから へなちょこメタル!(OSVAJACI...B級クサさがたまりません)まで... 面白い曲から退屈な曲までが無造作に入り混じっています。
そんな中、辺境プログレ・ファンにはおなじみの SMAK、BIJELO DUGMEの音源が収録されているのですが、 肝心のプログレ色が薄くちょっとガッカリ...
しかし目玉はちゃんと存在します。 BEZIMENI、IPE I LAZAの非常に貴重な音源にプログレファンは涙することでしょう。 特にIPE I LAZAの音源は、ドラマティックな20分ほどのシンフォを無理矢理5分に縮めたような、 シンフォの魅力満載の極めて中身の濃い超名曲です。
辺境シンフォ・ファンならこの1曲のためだけに買っても損は無いです。 一刻も早くIPE I LAZAの作品がCD再発されるといいなぁ。

・KATAKAN SEJUJURNYA/YUNI SHARA(99)
インドネシアを代表する歌姫姉妹のお姉さんのほうの作品。(妹はKRIS DAYANTI!)
これまで数多くのインドネシア女性ポップスを聴くたびに、 現代的で洗練されたメロディとアレンジのセンスに驚いてきましたが、 本作はこれまで聴いてきた作品とは一線を画す、前時代的でなんとも懐かしい作風となっています。
昔の竹内まりや風オールド・ポップスから、昔のテレサ・テン風プチ演歌まで... まるで子供の頃に商店街の有線で流れていたような のんびりさが実に心地よいです。
インドネシアのポップスに接したことの無い人にとっては ある意味イメージどおりの作品と言えるかもしれません。 (よく見るとジャケット写真も古臭いですし。)
インドネシアにもこういうナツメロ調ポップスというジャンルがあるんですね... またまた勉強になりました。

・A MATTER OF ATTITUDE/FATE(87)
デンマークのメロディアス・ハード・バンドによる2nd。
マーシフル・フェイト関連バンドでありながら方向性は真逆... 明るくてさわやかな80年代産業ロック〜北欧メロディアス・ハードの傑作となっています。
1曲目はどことなくスターシップを連想しました (邦題つけるなら「コペンハーゲンもロックシティ」(笑))
名盤4thと比べると、マティアス・エクルンドがいない分、 平坦で面白味に欠けますが、曲自体は良いので、 安心して楽しむことができます。
エンジニアのミスでエフェクトつまみが最大になってたのでは?... といいたくなるようなキンキンなリヴァーヴが 時代を感じさせてなんとも微笑ましいです。

・ONE WAY TICKET TO HELL ...AND BACK/THE DARKNESS(05)
70年代ブリティッシュ・ロックにお馬鹿なコンセプトを盛り込んだ 個性的なスタイルが見事に時代にはまり、 デビュー盤が売れまくったイギリスのロック・バンドの2作目。
タモリ倶楽部の空耳アワーで本作の楽曲が放映されたのを見て、 買ってあったのを思い出し、慌てて引っ張り出してきました。
しかしいざ聴いてみると、デビュー盤に比べ、 頭でっかちになった感じでインパクトが弱まっており、 やっぱり一発屋だったのね...と当初は悪い印象しか残りませんでした。
このままずっと聴かないつもりでしたが、ネット上のいたるところで 絶賛されているのを見て思い直し、何度もリピートしているうちに良さが分かってきました。
今回のほうがブリティッシュ・ロック度が強いですね... おかげで聴けば聴くほど味が出てきます!
ロイ・トーマス・ベイカーの起用(モーツァルトみたいに音質最悪じゃ無くて良かった!)で、 クイーン度がかなりアップしていますが、 他にもスパークスやシン・リジィなんかを思わせる箇所もあり、 オヤヂ・ロッカーの心を思いっきりくすぐってくれます。
いまや彼らは代々受け継がれてきた伝統のブリティッシュ・ロック魂を 現代に伝え、後世に引き継ぐ大変貴重な存在といえるでしょう。

・TERPANDRE/SAME(80)
メロトロン・ファンの間では有名な、 フランスのジャズ・ロック〜シンフォ・バンド唯一の作品。
評判通りいろいろなメロトロン音が、あちこちで鳴り響きまくっています。
これまでメロトロンが入った多くの楽曲を聴いてきましたが、 本作のおかげで、メロトロンの素晴らしさ、美しさを、奥深さを さらに知ることが出来ました。
もちろんプログレ名盤紹介にも掲載します。

・THE RETURN OF N.EX.T PART 1 THE BEING/N.EX.T(94)
韓国プログレを代表するスーパー・バンド、N.EX.Tによる初期を代表する作品。 彼らが本格的にプログレ・メタルの道を歩み始めた記念すべき作品でもあります。
最近入手した彼らの再結成作品が過去曲の再録集となっていたので、 まずはオリジナルをまじめに聴こうと思いこの2nd以降の作品を全て入手しました。
基本は、当時山ほど存在したドリーム・シアター影響下の プログレ・メタル・サウンドであり、今聴くと古臭さを感じます。 またバラードは何故だか盛り上がると アルフィーみたい(特にハイトーン・コーラス)になってしまうので 思わず苦笑してしまいます!
後のノヴァソニックに通じるミクスチャー・ラップ曲が興味深いぐらいで、 今ひとつ面白味に欠けるアルバムだなぁ...と思いながら聴いていると、 ラストにとんでもない曲が... まるで「風に語りて」+「クリムゾン・キングの宮殿」に 「ラッキー・マン」のシンセとメタル系の激泣ギター・ソロをかぶせたような、 あまりにもこってりんこなシンフォ・バラードに素直に感動してしまいました。
強引にも程があります...やっぱり韓国モノはこうでなくっちゃ!


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