1998年に聴きまくったアルバムBEST10(+7)

1998年に聴きまくったアルバムを紹介していきます。
1998年はメタルに明け暮れた1年でした。
そして、気が付いたらほとんどがスウェーデンのバンドでした! (BEST3は全てスウェーデン) メタルもプログレもポップスも スウェーデンは今が旬といえるでしょう。


No.1
・TALES OF MYSTERY AND IMAGINATION/NOCTURNAL RITES(97)
スウェーデンの超正統派HMバンドの2nd。とにかく聴きまくった。
全盛時(守護神伝)のハロウィンを越える、人なつこいメロディセンスがすごい! とくにRING OF STEELでのパッヘルベルのカノンをアレンジした 楽曲のクサさは、思わず笑みが出てしまうほどである。
この手のキャッチーなジャーマン系メロディの曲作りでは今、彼らがダントツでしょう。
個人的には、スウェーデンの同系統バンドとして大ブレイクしたハンマー・フォールは、 直球すぎて単調で若干退屈なので(といっても、そこそこ良いアルバムだが...) 数倍こちらの方が好きである。
演奏力も水準以上でしょう(各レビューで指摘されるほどテクニックが無いとも思えない) また日本盤ボーナストラックに捨て曲が無いのも好感が持てる。
唯一ケチをつけるとしたら意味不明のジャケットでしょう。 こんなに中身が素晴らしいのにもったいない。
ライブを見てみたい。絶対来日して下さい!

No.2
・ENTROPIA/PAIN OF SALVATION(97)
このバンドもスウェーデン。97年発売当時から延々聴き続けた。
現HR/HM界で最もプログレッシブなバンド、ペイン・オヴ・サルベイションのデビュー作であり、 オリジナリティ溢れる、知性に満ちたサウンドを展開している。
そんじょそこらのドリーム・シアター系と一緒にしてもらっては困るほど、 音楽性は高度でありポテンシャルも高い。
絶妙なミクスチャー感覚に満ちたプログレッシブ・サウンドは斬新である。
変拍子や複雑な曲展開をこなすバンドのテクニックももちろんすごいのだが、 やはりダニエルの歌の上手さに尽きる。 表現力、表情豊かであり、他のバンドとの差別化をはかっている。 単なるハイトーンシャウトのみのメタル系ボーカリストなどカスのように思えてくる。
2ndも素晴らしい作品だが、この1stの方が衝撃度、インパクトでは上でしょう。
ライブはどんな感じなんでしょう。是非来日公演お願いします!

No.3
・WHORACLE/IN FLAMES(97)
声がデスなだけで、とにかくドラマティック、泣きにこだわる作品。 ここまでやってしまえばデスメタルとは呼べないでしょう!
録音がまた素晴らしく、エフェクトの残響処理などこれぞ北欧!といった感じで、 独特の冷たい泣きが十二分に味わえる。
泣きメロ作りでは、イェスパーはHM界屈指の存在であり、 天才と認めざるを得ない。
本作により、完全に兄弟バンド?ダーク・トランキュリティと 大きな差がついたといえる。
デスだから...と敬遠してるメタルファンはもったいなさすぎる!

No.4
・BETTER THAN RAW/HELLOWEEN(98)
ハロウィンの素晴らしさを再確認したアルバム。
ドラマーのウリ・カッシュが今回から曲作りに加わっているが、これが大成功! 彼にこんな才能があったなんて驚きである。 (こんなに才能あるんだったらもっと早く参加しなさい!)
本作ではいろんなタイプの曲をやっている (ジューダス/メイデン風、メタリカ/メガデス風、ドリーム・シアター風などなど...) が、どの曲にもハロウィン独特のキャッチーさが残っているのがたまらない! (聴けばハロウィンとすぐわかるのは凄い!さすが本家本元)
今回のTシャツももちろん買いました。(Time of the oathのも持ってます) 来日公演も良かったです。
復活作MASTER OF RINGS以降はコンスタントに佳作を出しているので しばらくは安心でしょう。 (とかいってるとまたカメレオンみたいなの出したりして...(^_^;))

No.5
・THE FINAL EXPERIMENT/AYREON(96)
ドラマチックで深遠な音世界は何度聴いても感動もの。
バンドサウンドを排除し、スタジオにこもって自分の世界を描ききる アルイエン・アンソニー・ルカッセンの才能はすごい。 頭の中はどうなっているんだろうか?
シンフォニックでプログレッシブで 想像力をかきたてられる素晴らしい音世界であり、 HM/HR界のマイク・オールドフィールドといった印象を受ける。
近年のプログレ勢と比較して、これほどのコンセプト感、トータル感、スケールの壮大さ をもった作品はほとんど皆無と言って良いでしょう。
No.6
・STIGMATA/ARCH ENEMY(98)
メロデスの金字塔的作品であるHEARTWORK/CARCASS路線の正統な後継者 アーク・エネミーによる、 名作HEARTWORKを完全に越えたといっても過言ではないアルバム。
ギター・ソロ、リフここまで練られたデス・メタルがあっただろうか...
イン・フレイムスがメロディに執拗なこだわりを見せるのに対し あくまでアグレッシブで攻撃的な部分と流麗なツインリードに こだわるアーク・エネミー、どちらも素晴らしいじゃないデスか...
来日公演で披露した新曲も素晴らしいものだったし、新作も期待大!

No.7
・LEGENDARY TALES/RHAPSODY(97)
プログレといえばイタリアと相場が決まっている?が メタルでは完全にドイツ、スウェーデン...というイメージを一気に覆した作品。
これはアングラの1st以来の衝撃だ...
ロール・プレイング・メタル!とは正に的を得た表現でしょう。 (メンバーがロープレ風キャラクターに扮している写真は、 見てる側が恥ずかしくなるが(^_^;)...)
やっぱりイタリア人はクラシカルなものやらせたらすごい、 ブラインド・ガーディアンの新作もすごかったが、大仰さではこの作品が究極でしょう。
2ndではさらにクラシカル度がupします。

No.8
・GREATEST HITS/STYX(95)
スティクスといえばミスター・ロボットとベイブのイメージしかなかったが 改めて数々の名曲を聴くと、とても器用なバンドであり、 いろんな曲をやっていることに驚かされる。
プログレあり、ハード・ロックあり、 バラードあり、キャッチーな歌ものあり... しかし、どの曲にもいえることだが、 大メジャーバンドだけあって、クオリティは最上級である。
デニスの歌は上手いし。説得力があるし... やはり売れるバンドは何かが違う。
このベストには入ってないけど、CRYSTAL BALLのラストの 最もドラマティックな名曲CLAIR DE LUNE/BALLERINAは 是非バンドでやってみたいと思っている。

No.9
・KRONOLOGIA/CRUCIS(95)
 (76年発表の1st&2ndカップリング)
南米プログレの中でもトップクラスの衝撃! はじめてイタリアンロックの名作と出会ったときのような 感動がよみがえってきた。 詳しくはプログレ名盤紹介(その2)で紹介してます。 

No.10
・THE DIVINE WINGS OF TRAGEDY/SYMPHONY X(96)
来日公演前、曲を覚えるために、新作4thを聴いていても、 結局いつのまにかこの3rdを聴いてました!
4thはコレという曲がなく どうしても印象が薄いと思う。(ラストも和音階が浮いてるし)...
OF SINS AND SHADOWS〜SEA OF LIES〜OUT OF ASHESの流れは 文句の付けようがない。コンパクトでキャッチーで シンフォニーXの全てが凝縮されている。
ドリーム・シアターとイングウェイを足して2で割ったような サウンドは、アーテンションより頼もしい存在である。 ラストのCANDLELIGHT FANTASIAも美しいし...
5thは大丈夫かなぁ、煮詰まっていなければ良いんだけど... と書いていたら、ZERO-CORPORATIONが無くなってしまった。 彼らはどうなっちゃうんでしょう、誰か助けてあげて下さい!

その他

・VAIN GLORY OPERA/EDGUY(98)
ジャーマン・メタルの期待の新世代バンドであるエドガイの作品。
ハロウィン、ブラガ、ガンマ・レイ、ストラトヴァリウスら 先輩達の影響を受けながらも、 それらを自分たちなりに消化したスケールの大きいサウンドを展開している。
メンバーの平均年齢が20歳というから今後が末恐ろしいバンドである。
FAIRYTALEなど素晴らしい曲を書いているが、 異ジャンルのウルトラボックスの曲であるHYMNを メタルアレンジし、完全に自分たちのものにしてしまうなど センスも抜けている。
次回作が勝負となるでしょう。

・FAITH HOPE LOVE/KING'S X(90)
KING'S Xの3rdであり最高傑作。
実は4thは発売時に即買いしたものの、 当時あまりぱっとした印象がなく長い間放っておいたのだが、 最近改めて聴き直してみたら良かったので、 あわてて2nd、3rdを買いに行き、すぐにはまりました!
暖かく、そしてどこか懐かしさを感じさせる 彼らにしか絶対出せないサウンド作りは凄い。 ラッシュとは違う意味で恐るべき3人といえるでしょう...
3人が一丸となり、職人が丁寧に時間をかけ磨き上げたような、 心のこもった温もりのある作品で、 聴くと心が温まります。

・DIES IRAE/DEVIL DOLL(95)
不気味で恐ろしい作品であり、 中途半端なブラック、デス系メタルバンドが泣いて逃げ出すほどの出来である。
FORMULA 3の1stと同じタイトルだが、サウンドに類似性は見あたらない (当たり前か!)
なにかに取り付かれたようなミスタードクターの表現力に尽きる

・STARDUST WE ARE/THE FLOWER KINGS(97)
97年からずっと聴き続けました。
カイパのギタリスト、ロイネ・ストルトがこんな素晴らしい仕事を 今現在やっていることに非常に驚きました。
完全にカイパの頃に比べて進化しており、 90年代シンフォの最も良質な音といえるでしょう。 ボーカルがジョン・ウェットン風なところは笑いますが...
1曲目IN THE EYES OF THE WORLDは何度聴いたことか... スケールが大きく、宇宙的な広がりを見せる名盤です。

・NIGHTFALL IN MIDDLE-EARTH/BLIND GUARDIAN(98)
約3年ぶりの新作。
昔はハロウィンの弟バンド的存在だったが、 ファンタジー系のコンセプトに基づいた作風で、 いまや完全に確固たるオリジナリティを確立している。
時間を掛けただけあり、アルバム内の曲構成も完璧で 細部まで緻密に練り上げられている。
トルーキンの「指輪物語」などをコンセプトにした作品だが 当然、マンダラバンドのものとはアプローチが異なってます。 男らしいハンズィのボーカルが頼もしくて格好良いです。

・FIREWORKS/ANGRA(98)
HM/HRの最高峰「ペインキラー」で知られる クリス・タンガリーデスのプロデュースということで 期待の高まった3rdだが、 期待していたほどスゴイ作品ではなく(^_^;) (期待しすぎたかな?)第一印象はガッカリでした。
今回から本格的にオーケストラを導入しているが、 そのせいか以前に比べてサウンドが丸っこくなった気がするし、 1stや2ndのようにコレ!というドラマティックな名曲が無いし... とはいうものの、そこは腐ってもアングラ! 他のバンドに比べて、クオリティは高く、 聴き続けているうちに印象はどんどん良くなっていった。
ライブは最高でした。
キコのギター・テクニックはさらに進化しており、 相変わらず変幻自在に弾きまくってます。

・SUPER BEST OF 荒井由実/荒井由実(97)
 (72〜76年の作品集)
ユーミンのベストが売れてまくっているのを見て、 「荒井」時代の曲が聴きたくなり買ってきた。
こなれて円熟の域に達してしまう松任谷時代に比べ、 とぎすまされた感性を感じ取れる荒井時代の方が断然アーティスティックである。
アイデアが斬新で様々なタイプの曲をやっており、 詞も繊細かつ大胆、メロディも美しいし、 キャラメル・ママの演奏も恐ろしく格好良いし、 名曲揃いですべてが最高である(日本のキャロル・キングといえば誉めすぎか?)。
特に、最後の「翳りゆく部屋」のパイプオルガンアレンジによる荘厳な美しさは プログレファンなら涙モノでしょう!
ちなみに、いまだにユーミン(松任谷由実)のベストは買ってません(^_^;)


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