例年に比べてメジャーものが増えてます。
いつでも聴けると思って後回しにしてきましたが、
このままでは聴けずじまいになりそうなので(年齢的に...)
今後も封印をどんどん解いていく予定です!
未来のポップス界を担うスーパー・ポップ・バンドによる2nd。 今回はトッド・ラングレンが参加していると聞き、 一抹の不安がよぎりました (これまでトッドに個性をつぶされた失敗事例を多く知っているので...)が、 トッドの参加が見事に功を奏し、 前作とは比べ物にならないくらいの感動的な名盤になっています。 いわゆる「おもちゃ箱ひっくりかえし系」ですが、 懐かしいおもちゃ、見たこともないおもちゃ... いろとりどりのおもちゃが無数にばらまかれていて楽しいです。 (世界的おもちゃコレクターも驚愕!) ダダリオ兄弟の才能がトッドに押しつぶされるようなレベルでは無いんでしょうけど、 トッドも年を重ね、豊富な経験をいかして、 バンドの良さをうまく引き出しているようになったんじゃないかな... 古くからのファンも新しいファンも納得せざるをえない圧巻の内容です。 まだアイデアを出し尽くしたとは到底思えないので、 今後も非常に楽しみです。 |
90年代後半に活躍したイギリスのロック・バンド、マンサンの最高傑作(98年発表)
の4枚組からなる21周年記念盤。 場所を取るし高価ですが、SIXは2003年に最もはまったアルバムなので 躊躇なく購入しました。 SIXの制作過程がわかるDISK2(アウトテイク、デモ音源)、 SIXと同時期に録音されたDISK3(THE DEAD FLOWERS REJECT)を メインにレビューしようと思い数周したのですが、 どちらも良い内容であるにもかかわらず、 やっぱりDISK1に戻ってしまいます。 (あまりにも本編が神盤過ぎるので仕方が無いですね...) 本来プログレをやっていないバンドが 突然変異的にプログレ化すると、 とてつもないモンスター作品が生まれることがあるんですよね。 (ジガンティのテラ・イン・ボッカとかクイーンIIのブラック・サイドとか...) いま改めて聴いても、総合的にOK COMPUTERを上回る プログレ超名盤だと思います。 聴いたことが無いプログレ・ファンは絶対に押さえてください! |
ジム・ボジア同様ずっと気になっていた、
こちらもアメリカのポップなSSWのデビュー盤。 こりゃすごい...聴いてすぐに衝撃が走りました! メロディのキャッチーさがとんでもないのです。 ありえないレベルの即効性で、 マーク・バシーノとライナスが一緒にやってきたように感じました。 心を思いっきりわしづかみにする切なすぎる メロディ、アレンジ、声質、歌唱,,,何もかもが個人的な大好物ばかりでたまらんです。 調べてみたらこの名盤をアイフォンのアプリで録音して作ったそうな (全然そんな風には聴こえないです)... さらに、ギターを横にして弾いていたり(ジャケットどおり)、 リンダ・パーハクスやエミット・ローズの復活に貢献してたり、 知れば知るほどとんでもない天才であることがわかりました。 ロジャー・マニングとも親交があるようですね... アメリカはやっぱり広いなあ〜。 |
「クサメロのみを追求したせいで
他の全機能が衰退したラプソディ!」のような偏執的な音楽性で
熱狂的な信者を多く抱えるイタリアのドラマティック・シンフォ・メタル・バンドの4th。 これまで続いていたNEW ERAシリーズでは無くなっていますが、 期待を裏切るどころか激クサ&激ダサ路線はより一層パワーアップしています。 イタリアらしいクラシカル的なクサさを基本としながら、 一昔前の韓国系バンドのようなメロメロなナルシスティックさや、 泣き泣きの昭和歌謡曲(演歌含む)的要素まで盛り込まれているように思います。 (アジアの血が流れているメンバーがいるとしか思えません。) 粒が揃わないおかげで気合が伝わりまくる速弾きギターソロも最高だなぁ... 5曲目(名曲)のオープニングは高校野球の学校紹介かと思いました(笑) |
BUZZのおかげで久々に聴きたくなり引っ張り出してきた
チューリップ(50周年コンサート中!)の初期を代表する名盤。 姉の影響で子供の頃から耳にしていたこともあり、 思い入れがあり過ぎなのを差し引いても、 間違いなくビートルズ系ポップスとして 日本が世界に誇れる金字塔的作品だと思います。 チューリップ=財津和夫のイメージが強いですが、 ハードさとメロウさを上手に使い分ける イアン・ベアンソンのようなギタープレイが光る安部俊幸、 天性のスウィーテストな歌声がたまらない姫野達也 (風邪気味なせいで普段よりスウィート度がアップ!?)、 ポール風のベースだけでなくボーカルやコーラスで活躍する吉田彰、 歌うようなドラミングで楽曲に表情をつける上田雅利... とメンバー各人の個性がうまくかみ合っています。 もちろん楽曲もビートルズ愛にあふれた名曲ばかり... 同年にデビューしたパイロット (そもそも本作のタイトル&コンセプトがパイロット的!)のように フレッシュに躍動する「明日の風」、 財津和夫らしい美メロとメロトロン(ラストはSPRING風ダブルメロトロン!)が味わえる 「セプテンバー」(いつも名作アニメ「キャプテン」のOPを思い出す...)、 マーサ・マイディア風なノスタルジック感が切ない「あの、ゆるやかな日々」、 青木望の美しいアレンジも手伝って 「日本のロング・アンド・ワインディング・ロード」と呼びたくなる名バラード「青春の影」、 そしても究極のハイライトである、アビー・ロードB面+ヘイ・ジュード的な 壮大なドラマティック・メドレー「愛は不思議なもの〜笑顔をみせて」 ...聴き終える頃にはいつも感極まってしまいます。 ビーグルハット、シープ、クラフトニー、ピカデリーサーカス等を愛する マニアックなファンで本作を聴いていない方はいないと思いますが、 万が一未聴でしたら絶対に聴いてみてください。 |
韓国が誇る世界最強レベルの激クサ・ロック・バンドによる
3rdアルバムの第一弾。 韓国ものにありがちな分割商法(曲数が少ないのにインストとかで水増し)は、 嫌いなんですが、今回に限っては大正解。 あまりにもクサ過ぎるので、聴き手のメンタル崩壊リスクを考慮すれば、 これぐらいのボリュームで良いと思います。 韓国ドラマBGM、昭和歌謡、ヴィジュアル系らを混ぜ込んで発酵させ、 廃棄寸前まで放置したようなネメシス節は絶好調! 私の感覚が絶対おかしいとは思うのですが、 韓国からしか絶対に出てこないこの音が好きで好きでたまらんち会長,,, 結局これしか聴けなくなります。 唐突に渋谷系化する4曲目はPEPPERTONESかと思いました!(笑) |
下半身に金色の玉を2つぶらさげた意味ありげなジャケットが目を引く
カナダはバンクーバーの新人ロック・バンドによるデビュー盤。 先行シングル(5,7曲目)における、 クイーンにシンフォ要素(シンセやメロトロン入り)をぶち込んだ 楽曲があまりにも大好物過ぎるので即入手しましたが。 このスタイルは彼らのほんの一部分に過ぎませんでした。 鮮烈で赤裸々だった70年代の ハード・ロック、プログレ、モダン・ポップなどが ごった煮になったようなカラフルな傑作となっています。 いい意味で下品で大胆な音使いは、 初期のダークネスに近いかもしれないですね。 演奏もタイトでシャープで格好良いです。 個人的にはスティクス(カナダだからZON?)な、 6曲目がめちゃくちゃ気に入りました。 |
ブリティッシュ・ハード・ロックの伝統を忠実に受け継いだバンドの2nd。 あまりにもアーガス(とてもようがす!)なジャケットが気になって試聴したところ、 けたたましく弾き倒すオープニングに全身が痺れて 数秒で購入を決定しました! 100点満点な1曲目以降も凄いことになっています。 ツインリードでギターが泣いて泣いて泣きまくり... ジャケット以上にウィッシュボーン・アッシュまんまですが、 シン・リジィやNWOBHMの要素も取り込んでいて さらに激臭を放っていて悶絶しまくりです。 いっそのことバンド名を「アッシュボーン・ウィッシュ」に改名してほしいです!(笑) ちなみにクリスチャン・バンドらしいですが、 あまりその要素は感じられません。 |
アメリカの伝説的なSSWによるデビュー盤であり、
アサイラム・レコードの記念すべき一作目でもある名盤。 昔から気になっていましたが、 フォークのイメージが強く、耳にするのが遅くなってしまいました。 当たり前ですが、 言葉にすればするほど陳腐になってしまうレベルの神盤です... ここまでくるとジャンルが苦手だとかどうとかそんなのは関係ないんですよね。 神々しいのにフレンドリー... いつの間にか隣に座って寄り添ってくれるような ひたすらやさしい音楽...気が付いたら涙が出ていました。 感性が鈍くなりこんなに心が動くことはもう無いと 思っていたのでなにげにうれしかったです。 明るい未来が見えなくても、 なんとか未来が見つけられるような気がしてきます。 繊細だった若い時に耳にしていたら一体どうなってたんだろう... 号泣していたかもしれないし、でも、 若すぎて良さが理解できなかったかもしれないし... まあどっちもでいいですね。 とにかくこの作品を耳にすることができて今は幸せです。 |
今世紀のイギリスを代表するウルトラ・ポップ・バンドの4th。 そろそろマンネリ感や閉塞感が出てきてもおかしくないんですが、 ここにきてこれまでで一番カラフルな作品となっています! 似たような曲の無い「おもちゃ箱ひっくり返し系」といえますが、 メロディのキラキラ感、コーラスハーモニーの美しさは 全曲に共通しています。 おかげで即効性がありながら長い間リピートしても 飽きがきません。 個人的にはスパークスやブライアン・スカリー的な毒気が混じった 4曲目にやられました。 それにしてもウィリーの関わる作品には外れが全く無いですね... これからも安心して一生ついていこうと思います。 |
デビュー時のプログレ名曲カヴァー・プロジェクトといった
同人的なイメージのおかげで当初敬遠していた
フィンランド発多国籍プログレ・プロジェクトの3rd。 本作からオリジナル曲も扱うようになり、 大好きなLINUS KASEやROBERT WEBBが参加しているし、 イングランドの未発表曲カヴァーを収録しているので、 聴いてみたら、メロディアス・シンフォの名盤レベルじゃないですか... クオリティの高さに卒倒しました! 初期フラキンにも似たところはありますが、 イエスとジェネシスを見事に絡めて彼ら以上のドラマを作り上げたイングランドを 真っ先に思い浮かべます。 (イングランドのカヴァーは当然かもしれませんが、 それ以外の楽曲でも同様の印象を受けます) マニアが集まっているだけに、マニアが喜ぶ勘所を完全に熟知しているから、 ここまで素晴らしい内容になったのでしょうね。 ガーデン・シェッドで涙を流したプログレ・ファンなら必聴必携です! 彼らはこの後ものすごいペースで作品を続々リリースしてるので 少しずつ押さえていきたいと思います。 |
ノルウェーのギタリストによる一大メロディアス・シンフォ作品。 ポール・ディアノ、ティム・リッパー・オーウェンズの ツアー・ギタリストという経歴からはまったく想像がつかない内容で、 ありったけのマイク・オールドフィールド愛に埋め尽くされた感動的な傑作です。 面白いのは、70年代のマイクと80年代のマイクが同居しているところと、 目を離すと唐突に脱線しまくる(ドレッグス化したり、メタル化したり、 フュージョン化(2曲目の出だしは、TRUTH@T-SQUAREっぽい(笑))したり...) ところでしょう。 おかげで本家のような高尚さは無く、構えず気軽に聴くことができます。 スウェーデンのトリビュートでも証明済ですが、 北欧×マイクの組み合わせってとても相性良いですよね〜 |
韓国が誇る世界いや宇宙最強レベルの激クサ・ロック・バンドによる
3rdアルバムの第二弾。 第一弾から2年も空いているのに実質6曲ですか... 曲数が少ないのが難点...といいたいところですが、 やはり本作も圧倒的にクッサクサ過ぎるのでこれぐらいでOKです。 本作も、恋人が不治の病に侵される系(血液型はRHマイナス!)の韓国ドラマで 流れてそうな泣き泣きのメロディが詰まっています。 世界中のあらゆる悲しみを一人で背負ったかのような悲痛さに、 アルバムを聴き終えると2枚組の大作を聴いたような気分に陥ります。 彼らには今後も変わらずに己の道を突き進んでほしいです。 (どうか明らかにおかしな路線であることに気づきませんように...(笑)) |
正統派ポップスがヒットしづらい時代に成功を収めた
イギリスの実力派ポップ・バンドの3rd。 1stも2ndも即効性かつ中毒性の高い個人的超名盤だったので、 ワクワクしながら再生したのですが、 あれれ、なんかおかしいゾ... いつものように刺さってきません。 1曲目だけかと思ったら2曲目も3曲目も... かなり焦りましたが、後半から終盤に向けて ようやく従来の路線に戻り、私が望んでいるタイプの 感動的な楽曲が続いてくれたので一安心しました。 その後何回かリピートして前半の曲も気に入りましたが、 やっぱり後半のスタイルのほうが断然好きなんだよなあ... 今回も2枚組デラックス・エディションを購入して正解でした。 (本編とボーナス盤とでクオリティの差が これほど少ないバンドは他に思いつかないです... 本作の場合、本編の前半とボーナス盤の良曲を 数曲入れ替えてほしいぐらいです!) |
ふと懐かしいアニメ(ジムボタン!)を思い出してしまう、
アメリカのポップなSSW、ジム・ボジアによる2005年作品。 何度か来日し評判となっていたので、ずーっと気になっていましたが、 こんなにも素晴らしい才能を持っていたんですね! アメリカらしい明快なパワー・ポップと 内省的なアコースティック系バラードを織り交ぜ、 さらにはプログレ的アプローチ(TIMMY SEANのデビュー盤を思い出しました)まで 飛び出します。アルバムを通してメリハリがついていて深みがあります。 同系統のポップ職人たちの作品と比べても、 かなり引き出しが多く長期にわたって聴き続けたくなる 個性を持っているのが良いですね。 ハスキーな声質も耳に残ります。 |
マニアの間では知名度の高い
イタリアのドラマティック・シンフォ・メタル黄金期の名盤。 ラプソディが作った流れにうまく乗っかり、 激臭メロディを山ほどぶちこんできらびやかに疾走していきます! 当然ラプソディに比べると、パフォーマンスもプロダクションも 見劣りしますが、 その分楽曲の素晴らしさがクローズアップされているように感じます。 70年代のイタリアン・プログレ・シーンがそうであったように、 イタリアのバンドって、一度時代の流れに乗ってしまうと、 手が付けられないんですよね〜。 結果として本作も彼ら本来の実力以上の力が加わり、 名盤に仕上がったように思います。 クサメタル好きなら7曲目だけでも押さえておきましょう... (ダーディアンも逃げ出すレベルの激臭曲!) |
マルタで結成され、現在はチェコで活動を続ける
メロディアス・シンフォ・バンドの2020年新作。 前作も極上のメロディに彩られた傑作でしたが、 ここにきてさらに成長を遂げていたので驚きました。 一つ一つの音がまるで宝石のように美しく、眩いばかりの輝きを放っています。 スリリングに躍動するパートも多く盛り込まれていて、 メリハリが増し、感動的な山場が何度も訪れます。 真正面から受け止めづらいレベルの神々しささえ感じます。 メロディアス・シンフォの理想像と言える名盤でしょう。 ムーン・サファリが引き合いに出されることが多いですが、 奇跡的なメロディ・センスは70年代のカヤックに通ずるところがあると 思っています。 |
ルーニーに在籍していたテイラー・ロックが率いるバンド名義でのデビュー盤。 メンバーにあのクリス・プライスがいて、二人の個性がうまく混じり合うことで、 ルーニーともクリス・プライスのソロとも一味違う アメリカン・パワー・ポップの充実作に仕上がっています。 テイラー・ロックのハードでアメリカンな要素と、 クリス・プライスの湿り気たっぷりの泣き要素との相性は抜群... これは相当強力ですよ! バッドフィンガーやラズベリーズあたりが好きな人はもちろん、 全パワー・ポップ・ファンに強くおすすめしたい傑作です。 |
個人的に大好き過ぎるCAPABILITY BROWNの後続バンドによる
76年発表の1srと77年発表の2ndのカップリング。 思い入れが強すぎてずっととっておきましたが このところ残業続きの自分へのご褒美に解禁することにしました! ギター、キーボード、ヴォーカル、そして鉄壁のコーラス!!... 至るところにCAPABILITY BROWN臭を残しつつも、 このバンドになってから開拓した新たな面もたっぷり披露してくれています。 音楽マニアであればあるほどたまらない豊潤な内容でしょう。文句無しの名盤です。 もともとCAPABILITY BROWN自体、音楽性が多彩で プログレの狭い範疇では括れないプロフェッショナルなバンドだったので、 ニッチ・ポップ〜モダン・ポップにシフト・チェンジしたのは 自然な流れといえるえでしょう。 特に、神盤VOICEの流れを受けた1stの弾けっぷりには痺れます! |
ロシアが誇る究極のキーボード・シンフォ・バンドによる2008年作。 常識では考えられないハイペースで作品を 作り続けていた時期の作品ですが、 薄味にならず、相変わらずのコテコテ濃密サウンドで がんがん襲いかかってきます。 無数の音数で空間をびっしりと埋め尽くしていくさまは、 ただただ格好良いです(ヴォーカル除く) シンフォ界で畳みかけ選手権を開催したら、 彼らとメキシコのCASTが決勝に残るでしょうね! しかし本作にはまっているタイミングで 争いが始まってしまったのは大変残念です。 (LITTLE TRAGEDIESもKARFAGENも絶対に失いたくないぞ!) |
ロシアのメロディアス・シンフォ・バンドによるデビュー盤。 リリース当時、そこそこ話題になっていたので入手し、 1曲目のオープニングがあまりにも自分好みの音だったので、 例によってずっと寝かせていました。 近年のロシアン・シンフォといえば、 LITTLE TRAGEDIESやLOST WORLD BANDなど、 偏執モンスター系のイメージが強いですが、 このバンドは70年代の王道プログレをルーツとした、 フラキン的な正統派メロディアス・シンフォのスタイルを貫いています。 同国のAPPLE PIEやウクライナのKARFAGENと似たタイプであり、 母国語ヴォーカル(唯一の弱点!... ロシア勢の中では頑張ってるほうですが...)ぐらいしか ロシアらしさは感じられません。 ピュアでまっすぐなメロディが多く、軽快で華やかな演奏と相まって、 心を打たれる場面が何度も出てきます。 途中で中だるみ的な曲もあるにはありますが、 最初と最後が感動的でありアルバム全体で良い印象しか残りません。 メロディアス・シンフォ好きならまず満足できる傑作といえるでしょう。 |
新鋭のように見えて実は20年選手のベテランである、
イタリアン・シンフォ・バンドによる6年ぶりの新作。 ジェネシス影響下の前作もなかなかの傑作でしたが、 今回は70年代イタリアの先輩バンド達のパッションを受け継ぎ、 「サダコと千羽鶴」をテーマにした渾身のコンセプト・アルバムとなっています。 この路線変更は大正解!...まるでラッテ・エ・ミエーレのように、 クラシカルで叙情あふれるドラマが次々と繰り広げられる感動作品といえます。 70年代イタリアのあの特別な音が大好きなマニアなら必聴といえるでしょう。 惜しいのは、ギターがあまり出てこないところです... ハイライトで力強くガツンとギターに決めてほしい場面がいくつかありました。 ただ逆に考えると、ギターが前面に出なくても ダブル・キーボードで場面に応じ多彩な音色を使い分け、 幾重にも重ねることで、 これだけ重厚な作品に仕上げる手腕は大したものです。 この路線でまだまだ成長を続けてほしいと思います。 |
音楽通も納得の徹底したプロフェッショナリズムを誇る名SSWによる3rd。
(その昔、タイトルのせいでシングル集と勘違いしてました...) 1st〜2ndの流れを受け継ぎ、 本作も、拘りぬいたアレンジと ひたすら聴きやすいメロディの連続に唸らされます。 AOR寄りになったり、エルトン・ジョン風のアプローチを見せたり、 聴きこむほどいろいろな発見がありますが、 彼の作品の中でも1、2位を争うぐらい大好きな個人的超名曲 I DON'T WANT TO GET OVER YOU(意外なコード進行がたまらない!)を 収録しているのが高ポイントです。 これだけ手の込んだサウンドでありながら、 相変わらずジャケットに意識が回っていないところが 微笑ましいです。 |
現ノルウェーを代表するシンフォ・バンドのデビュー盤。 今になってノルウェーの過去の名盤が続々と再発されていることをきっかけに 彼らのことを思い出し、 ちゃんとレビューしていなかった本作を改めて聴いてみました。 やはり素晴らしい!...デビュー盤とは思えないぐらい 鮮烈で充実した傑作です。 フラキン、スポビ、トランスアトランティックらを独自解釈し メロディアス・シンフォとテクニカル・シンフォを両立させています。 長尺曲が多いですが、展開がめまぐるしいのでだれることがありません。 70年代ヴィンテージ系キーボードと、近年風のメタリックな超絶ギターとの 対比も面白いです。 明快な歌メロも良いのですが、 インストパートでの爆発的な畳みかけが痛快です。 ムーン・サファリ並みのポテンシャルがあると思うのですが、 今一つ知名度が追い付いていないのが残念です。 |
デビュー盤がレア・グルーヴの名盤としても高く評価されている
フランスのジャズ・ロック・バンドによる2nd。 70年代における激動の音楽シーンを物語るかのように、 2年の歳月を経て、1stの稀有な個性は大きく後退し、 大衆的なジャズ・ロック〜フュージョン・バンドに変化しています。 ただ、つまらなくなったかというとそうではなく ブロウ・バイ・ブロウ〜ワイヤード風の シャープでタイトな演奏の格好良さは1stを上回っています。 またロマンティックなメロディとおしゃれなアレンジも光っています。 一般的な評価ではデビュー盤に負けていますが、 シンプルでリアルな本作のほうが好きな方も 結構いるのではないでしょうか? ずっと本作が最終作だと思っていたんですが、 この後に3rdも出していたんですね... しかも未発表音源も出ていたり、再結成もしているようなので、 この後の音源もゆっくりチェックしていきたいと思います。 |
独特な音楽文化が根付いているスコットランドはグラスゴーの
ポップ・バンドによる2003年作。 本作もいかにも彼ららしい、 さりげなくささやかだけど優しく美しい楽曲ばかりが収録されています。 リピートしていると、日常のイライラが消えていきます。 庭に咲いている花が綺麗だと気付かせてくれるような、 子供時代のピュアな感情が蘇ってきます。 悲しいこと嫌なことが多い今だからこそ こういう音が世界に必要なんじゃないかな... TODD IS GODって名曲を収録しているけど、 あなた達も十分神々しいです! |
デビュー盤が面白かったので引き続きスティクス初期の傑作として名高い
2ndを聴いてみました。 デビュー盤もなかなかの内容でしたが、 のっけから壮大でありながらキャッチーさを併せ持ったサウンドが炸裂!... 一気に垢抜けていて大いに驚かされます。 曲によっては後の、メロディアス・ハード〜産業ロック路線を 先取りしたかのような印象を受けます。 たった1年間でこれだけ急成長できるものなんですね。 成功の要因はジェイムズとのヤング対決を制した? デニス・デ・ヤングの躍進でしょう。 彼のナウでヤングな感性がフルに発揮されていて瑞々しいです。 実際に名曲LADYで結果を残しているのも素晴らしいです。 ただ、ドアーズのあの曲とキャロル・キングのあの曲と EL&Pのあの曲を合体させたような3曲目は、うーん... まあ、こういう、ちょっとこずるいところも 彼らの魅力の一つといえるんですけどね! |
北欧の小さな島国アイスランドを代表するプログレ名盤。 辺境シンフォのイメージがあり期待値がとても高く、 いつものように長期間寝かせてました。 オープニングでダークでシリアスな作風と思わせながら、 その後はメロディアス... 音楽性がカラフルで母国語ヴォーカル以外に辺境らしさは感じられません。 よくよく考えてみれば、のちにビョークやシガー・ロスを輩出した国なので、 内容の素晴らしさは当然と言えば当然ですね。 もちろんプログレ名盤紹介に掲載します。 |
華麗な女性ヴォーカルをフィーチャーした
フランスのシンフォ・メタル・バンドの2nd。 1stも良かったけど、2ndはさらに良くなっています。 派手さは無いんですがやっぱり中毒性があるんですよね。(個人的には名盤レベル) ドラマティックでシンフォニックでクラシカル... さらにプログレ・メタル的な要素も加わっていますが、 どれも比較的薄味であっさりしています。 あくまで主軸になるのはわかりやすいクサメロと歌唱であり、 アレンジの厚さも、疾走度合も、本当に良い塩梅なので、 ヴォーカルの良さが引き立っています。 突出した個性は見当たらないんですが、 あえていえば日本語詞へのこだわりですね。 歌詞カードは、海外製品の取説のような怪しい誤表記がちらほら... でも発音がきれいでとても聴き取りやすので泣けてきます。 (頑張って練習したんだろうなぁ...) DARK MOOR、FAIRYLAND、ANCIENT BARDSあたりが好きなら、 チェックしてみてください。 もう活動して無さそうなのがとても残念です。 |
90年代ロック史上に残る問答無用の超名盤の20周年記念盤。 SIXの21周年記念盤を見つけたときに こちらもリリースされていることを知り慌てて入手しました。 まずはDISK1...改めて素晴らしい...特にPARANOID ANDROIDは いまだに何度聴いても鳥肌が立つし 頭がおかしくなりそうなほど大好きです。 貴重なDISK2の音源も想像以上に素晴らしかったです。 中でもLIFT...さすが幻の名曲と呼ばれただけある美しさ... DISK1の陰鬱な空気感とは少し異なり、 どこかホッとする印象を受けました。 これらが当時OK COMPUTERに含まれて世に出ていたら OK COMPUTERやRADIOHEADへの評価はどうように変わっていたんだろう... いろいろと思いを巡らしながら聴くのも面白いですね。 20年前の感性と今の感性を比較しながら楽しむこともできました。 思えば当時多くのロック・ファンが、 本作でプログレというジャンルを意識することになったんですよね。 またプログレにスポットが当たるような名盤が 出てこないかなぁ... |
2000年代の一時期に心酔しまくっていた
アメリカのプログレッシブ・ハード・コア・トリオの2009年作。 ようやくジャケットが格好良くなった(北欧メロデス風?!)のに、 本作発表後すぐに解散してしまい、悲しかったのと勿体ないのとで すぐに耳にすることができずいつのまにか存在を忘れていました(汗) 最近、彼らが活動を再開していることを知り、 あわてて再生してみたらやっぱりえげつなかった! 少しシリアスになった感じはしますが、 寺堂院高校のような三位一体攻撃の前に 手も足も出ません...やられっぱなしです。 解散前という印象のせいか、 まるで、クリムゾンのレッド、ツェッペリンのプレゼンスに通じるような バンドの集大成的な内容になっているようにも感じました。 今の彼らはどんな音を出しているんだろう... 新作をチェックするのが楽しみでなりません。 |
イタリア期待の新鋭シンフォ・バンドによる4th。 オープニングからもう鳥肌... あの70年代イタリアン・シンフォが放っていた 特別な輝きを見事に再現することに成功しています。 この手のバンドは昔から一定数存在しますが、 本作は純度がとても高いおかげで、 様々な先人達が脳裏に浮かんできました (具体的には、クエラ・ヴェッキア・ロカンダ、 ロカンダ・デッレ・ファーテ、PFMなど) シンセの音色やヴァイオリン、フルートの質感など かなり研究を重ねているように思います。 |
フォーク〜トラッド・メタルの象徴とでも称すべき
フィンランドの重鎮バンドによる2011年作。 一時期、この手のジャンルにどっぷりはまっていた時期があり、 様々なバンドをひととおり聴いてお腹がいっぱいになった頃に 日本国内で彼らが妙にブレイクしたこともあって、 これまでちゃんと聴いてこなかったんですが、 ブレイクする理由が十分納得できる傑作でした。 このジャンルにはよくもわるくもニッチで未成熟なイメージがあったのですが 本作は絶対的なメジャー感に支配されています。 揺るぎない強固なスタイルが貫かれており、 安心して単純明快なパフォーマンスを楽しむことができます。 モーターヘッドのカヴァーによる怒涛の締めくくりにはやられました。 |
メロトロン好きなら誰もが知ってるブリティッシュ・プログレの名盤に
幻の2ndの音源がセットになったお買い得すぎるエクスパンデッド・エディション。 チューリップのセプテンバーにおけるダブル・メロトロンを聴いて存在を思い出し 久々に聴いてみました。 その昔、プログレに深くのめりこみだした頃に存在を知り、 どうしても中身を聴きたくなったものの貧乏学生には手が届かず、 禁断のリプロLPに手を出した唯一の作品だったりします(目白ワールドディスク(SYビル)で入手) 本編1stは今更ながらプログレ名盤紹介で触れることにしますが、 驚いたのはお蔵入りとなった2nd音源... これまで同じような未発表音源をたくさん耳にしてきましたが、 それらとは明らかにレベルが違います。 ロック色が強まり、攻撃的な要素が増え、演奏力(特にオルガン)がアップし、 クレシダ、ナイス、グリーンスレイド(ロウソン曲)等が 頭を過るような佳曲が多く収録されています。 これだけ力を入れ時間をかけてしっかり作りこんだにも関わらず アルバムを発表できなかったなんて、 当時のメンバーはとても悔しかったことでしょう。 名盤レベルなので1stしか耳にしたことのない方は是非チェックしてみてください。 それにしても、音質は格段に向上しているし、幻の音源はたっぷり付いてくるし、 なにより安価で簡単に耳にできるし...今のファンは恵まれてるよなあ〜。 |
華々しいデビュー盤が印象深い
フランスのシンフォ・メタル・バンドによる3rd。 壮麗でドラマティック... 言葉にするとデビュー時から特に変わっていないように思えますが、 メンバーの入れ替わりが激しいせいか、 音自体は結構変わっているように聴こえます (特にヴォーカルの性別が変わったのはでかい!) キーボードが主導権を握った重厚なオーケストレーションが際立つ シンフォ度の高い傑作ではありますが、 きらびやかなアレンジに比べて メロディが負けているように感じられるのがちょっぴり残念です。 このところ、HEAVENLY、INSANIA、DERDIAN、HIGHLORD ...とえげつなくクサい作品ばかり聴いていたせいもあって そう感じるのかもですが... (その昔、背脂系ラーメンにはまっていた時期に、 あっさり系ラーメンが物足りなく感じたのとある意味似ているかも!) |
イスラエル・プログレの中で
真っ先に押さえるべき名バンドSHESHETの女性ヴォーカリストYEHUDIT RAVITZと
イスラエルのプログレ・シーンの中心人物であり
多くの名盤に携わった天才YONI RECHTERによるデュオ作品。 才能あふれる二人が脂がのっている時期にコラボしたわけですから 傑作にならないわけがありません! この時代のYONI RECHTER関連作の中では、 プログレ色は弱めでおとなしい印象を受けますが、 引き出しの多さ、ジャンルの幅広さは相変わらずです。 (イスラエル国宝に認定すべきYONI RECHTERのピアノ&エレピもやっぱり最高) YEHUDIT RAVITZが持ち込んだと思われる、 ボサノヴァ風味(歌はヘブライ語!)も強く印象に残りました。 どの曲も素朴にみえてお洒落なのが良いんだよなぁ... |
70年代後半のアメリカン・ハード・ロック・バンドによる唯一作。 確か永井ルイがストレンジ・デイズで紹介していて ずっと気になっていたんですが、 今回実際に音を聴いて気に入っている理由がよくわかりました。 ハードさとポップさがうまく混じり合った楽曲、 ライブ映えするソリッドな演奏、ドライブ感たっぷりのギター、 ガッツあふれるヴォーカル、分厚いコーラス... 何から何までクオリティが高いです。 ただクイーン、キッス、エアロ、チープ・トリックあたりと比べると いかんせん華が無いんですよね〜。残念無念... ただB級マニアにとっては逆に愛おしくて仕方がない 存在といえるでしょう。 ベイビーズとか好きな人にも聴いてもらいたいな。 |
デビューからずっと追い続けている
アメリカの愛すべきインディーズ・ポップ・バンドの6th。 このジャンルは単発で終わるバンド、アーティストが殆どなので、 これだけ多くの作品を残しているのは凄いことだと思います。 ELOやジェリーフィッシュの流れを受け継いだ楽曲、 楽しくハッピーな演奏、 素朴で味のあるヴォーカル、息の合ったコーラス・ハーモニー、 センスの欠片もない劣悪ジャケット... 何もかもデビュー盤の頃から変わっていません! 本作発表後の活動状況が不明なのと、 本作のラスト曲のタイトルが READY TO GET OLD AND DIEなので、 バンドが存続しているのか、 今後作品を発表してくれるのかが心配です。 |
小国アンドラ公国が産みだした奇跡のプログレ・デス・バンドによる4th。 これまで培ってきたスタイルを総括し、さらに純度を高めた圧巻の名盤となっています。 暴虐と静寂、美しさと醜さ、難解さとキャッチーさ、怒りと泣き、破壊と癒し、デス声とノーマル声,,, 相反する要素が幾重にも絡み合った迷宮のような音世界に ぐいぐいと引き込まれ抜け出せなくなります。 デスメタルも極限まで突き詰めると、ここまで芸術的な作品に到達するのですね。 ただ、アルバム全体に漂う異様な緊張感と激し過ぎる振れ幅の連続は、 年齢的にちょっとキツかったりもします。 (こんなことならリアルタイムで聴いておけばよかったなー) |
フランスのスーパー・ヴァイオリニストによる
ジャズ・ロック〜クロスオーヴァー時代真っ只中の傑作。 手に汗握る1曲目から飛ばしまくり...懐かし格好良い〜! その昔、日々プログレ廃盤を漁りまくっていた頃に、 マハビシュヌ、RTFらとその関連作の存在を知り、 これまでの価値観を一気に覆され、 しばらくジャズコーナーばかり漁るようになったのを思い出しました。 ジャン=リュック・ポンティやダリル・ステューマーぐらいしか 知っているミュージシャンがいないのに全員が超絶演奏を決めまくっていたのも驚きですが、 これだけクオリティの高い傑作群のLPが100円〜500円で簡単に入手できたのにも 驚きました。 (コスパが良すぎて、一時は廃盤漁りが馬鹿らしく思えました!) このあたりのポンティの作品は安定感が半端ないです。 艶やかで華のあるポンティらしいヴァイオリンに胸が躍ります。 |
スウェーデンのスティーリー・ダン愛好家によるデビュー盤。 同世代のフォロワーとしては、TALCやSAMUEL PURDEYが、 素晴らしい作品を残していますが、 それらにまったく見劣りしない傑作です。 特徴としては、スティーリー・ダンの本質部分に焦点をあて、 シンプルでスタイリッシュに仕上げた印象を受けます。 クールであっさりしていますが、 しっかりとゴージャス感を残しているところが心憎いです。 若くして大器晩成(笑)な演奏も良い感じです(特にギター) スティーリー・ダンが好きなら つべこべ言わずに押さえておきましょう! これだけ魅力的な作品を出しておきながら、 その後作品が発表されていないのが残念でなりません。 メンバーの1人は、日本の大手アイドルグループ(ジャニーズ、ハロプロ)に 楽曲提供してるようです... そのほうが収入が安定するって理由で バンドが消滅してたら悲しいなあ... |
連日のリモートワークで腰痛に悩まされ
姿勢矯正椅子を使っていたら今度は尻痛が...
ということで黒人女性シンガー、シリータのデビュー盤を聴いてみました! 夫であるスティーヴィー・ワンダーの強力なバックアップを受け、 仲睦まじい愛のコラボレーションにより育まれた一品となっています。 この頃のスティーヴィーは、パフォーマンスやレコーディングでアウトプットしまくっても、 それ以上にアイデアが無限に湧き出ていた絶好調な時期であり、 当時のスティーヴィー色が強い(楽曲、歌唱、シンセ、クラヴィネット...)ですが、 それに埋もれることなく自由奔放で力強く自己表現する シリータの魅力もたっぷりと味わえます。 当然捨て曲なんてありません... ジェフ・ベック並みにトーキング・モジュレータを効果的に使用した SHE'S LEAVING HOMEのカヴァーが特に印象に残りました。 (二人の距離が近い近い!) 二人は離婚してしまいますが、 離婚後も共同制作で2ndを発表しているのでそちらも押さえたいと思います。 (ジェフ・ベックでおなじみの「哀しみの恋人達」を収録していることで 知られていますが、自分達のことなのかな?) |
超絶爆裂ドラマー、ビリー・コブハムの2nd。 デビュー盤で成功を収めた後、 その方法論を踏襲した続編を作るアーティスト、バンドが多い中、 名盤スペクトラムからメンバーをがらりと変え、 ブレッカー兄弟やジョージ・デュークらと 新たなアプローチで挑んだ意欲作となっています。 超絶演奏はどちらかというと控えめで ロック色が後退したせいか、一聴すると地味なんですが、 知的でナイーブな面にじわじわと引き込まれます。 ポール・ギルバートとかもそうですが、 超絶テクニックの持ち主って、 本来持っているアーティスト的な部分にスポットが当たりにくくて 損しているところがありますよね〜。 |
愛すべきジャーマン・メタル・バンドの最終作。 キーパー・メタル、ハロウィン・フォロワーが多数存在する中、 彼らはひたすらガンマ・レイを崇拝し活動を続けた結果、 B級、中堅といった域を完全に脱し、 クオリティの極めて高い メロディアスなパワー・メタルの傑作を完成させています。 ここまでの傑作になると、 カイ・ハンセンも無視できなくなったのでは...、 バンドを呼び寄せ 「今すぐ椅子で殴られるか、解散するか、どっちか選べ!」 と言われてやむなく解散したのでは? ...とわけのわからない妄想が浮かぶほど ガンマ・レイへの愛にあふれた良作です! |
ウルトラ・レア・アイテムとして知られている、
アメリカン・プログレの裏名盤。 原盤の入手が難しく謎めいた部分のあるこの手の作品は、 過大評価されがちな(再発で評価を落とす)ことも多いですが、 本作はプログレ度が非常に高く過去の高評価も十分納得できます。 再発時に収録曲や順番などを若干いじっているのは残念ですが、 よくぞ再発してくれました。 (若い日の記録をそのままさらけ出すのが恥ずかしかったのかな?) 詳細はプログレ名盤紹介に掲載します、 |
ご存じアメリカン・プログレのスーパー・メジャー・バンドによる記念すべきデビュー盤。 ふた昔ぐらい前になりますが、 70年代後半の彼らの黄金期をひととおり押さえた後、 「庶民のファンファーレ」が収録されていることを知り本作を急いで入手したものの、 期待外れですぐに聴かなくなったのを覚えています。 (カウベル始まりのオープニングはなんかジェイムス・ギャングみたいだし、 「庶民のファンファーレ」は「貧民のファンファーレ」と言いたくなるぐらい安っぽいし...) で、今回改めて聴いてみたら印象ががらりと変わりました。 未成熟ではあるものの、演奏、楽曲、アイデア...アルバムの随所に、 その後の成功につながる秘められたポテンシャルが垣間見えて 聴いていてワクワクしてきます。 中でも、ヴォーカル、コーラス、オルガンが強く印象に残ります。 昔つまらないと思った作品は星の数ほどありますが、 改めて聴きなおしたほうが良いものもたくさんあるんだろうなぁ... |
ディディエ・ロックウッドの参加で広く知られている
フランスのニッチなジャズ・ロック・バンドの唯一作。 楽曲によって作風がころころ変わり、 ジャズ・ロック、フュージョン、ブラス・ロック、レア・グルーヴ、 ファンク、AOR、ビック・バンド・ジャズ... といった要素が混在しているので全体が捉えづらいです。 (聴き手の度量が試される作品かも) ロックウッドは時代背景もあってか どこかポンティっぽさも感じさせながら 好プレイを連発していますが、 本作で最も目立っているのはべースです。 (うねりがもの凄い!) まあいろいろ手広くやってはいますが、 シンプルに自分の好きな曲をピックアップして 楽しむのが吉でしょう。 個人的には、ニューヨークに行きたくなりつつも 「阿修羅原のテーマ」が脳裏に浮かぶ1〜2曲目が 最高に気に入りました! |
イタリアのジャズ・ロック・バンドの唯一作。 プログレ名盤紹介に掲載していなかったので、 久々に聴きなおしましたがやっぱり格好良いです。 このサイトを立ち上げた頃(ひととおりイタリアの有名どころは押さえたと思いこんでいた頃)に、 本作の存在を知り、イタリアの層の厚さを思い知らされ さらに深堀りが必要と知り、ワクワクしたのを覚えています。 |
多くの歌姫が揃ったインドネシアのポップシーンにあって、
とりわけ安定感抜群なヴォーカリストの1999年作。 お家芸といえるスローバラードの1曲目、 トロピカルで元気な2曲目、 MELLYの曲だろすぐにわかる3曲目、 しっとりゴージャズな4曲目、 透き通るような美しさが感動的な5曲目、 ファンキーで小洒落た6曲目... 良曲が続きますが、 どんなスタイルの曲も華麗に歌いこなしています。 インドネシアらしい甘いメロディと 90年代のアーバンなアレンジが混在した この時代のインドネシアの歌ものは、 極めて質が高く外れが無いので安心して楽しめます。 タイトルのKASIHって「愛」って意味らしいんですが... CINTAとかSAYANGとかとどう使い分けてるんだろう? |
カナダのビートルズことクラトゥのメンバーによるソロ
(1997〜2001年の音源集) クラトゥの2ndに近い作風で、 シンフォ+ビートルズなソングライティングは健在... 1、2曲目は名曲レベルです。 大ベテランらしく、いい感じで枯れた部分もあり、 ところどころ同年代に活躍したジェフ・リンのソロ(近年のELO)を思わせます。 特筆すべきは過剰なまでのメロトロン... 隙間なくがんがんなり響いています。 (13曲目はジョーンジーのあの名曲を思い出しました!) ポール風の甘いヴォーカルも良いんですよねー。 本作以降も驚異的なペースでアルバムをリリースし続けているので、 ゆっくり追い続けようと思います。 あ、3曲目はシンフォニック・ヤヌスの鏡かと思いました(笑) |
スウェーデンのメロスピバンドの3rd。 発表当時、新宿DISK HEAVENで猛プッシュされていた 1st、2ndはかなり聴きこんだんですが、 本作で唯一にして最大の武器である疾走を止めてしまったと聞き、 ずっとチェックしていませんでした。 あまり期待せず久々に耳にしたんですが、思ってたより全然良いじゃないですか! 確かに疾走度はダウンしていますが、 楽曲に緩急をつけるように工夫しているので疾走感は残っています。 そして単純に曲が良くなっています。 シンフォ・メタル、プログレ・メタル的なスタイルを取り込みつつ 北欧メタルの透明感が土台にあるのが良いです。 NATIONのような2曲目とかたまらないですね〜。 ただ問題はボーナス曲..... 今回X JAPANとハロウィンの名曲カヴァーをやってるんですが、 出来はともかく、楽曲が強すぎるので、 せっかくの本編の印象が消えてしまいます。 (前回もネヴァーエンディング・ストーリーのテーマで 同じ事やってる!) 地元に、パスタやピザがおいしいイタリアン・レストランが あるんですが、最後のデザートが美味すぎて デザートしか印象に残らないのと被ります!(笑) |
個人的に激推しなアメリカのプログレ・ハード・プロジェクトによる3rd。 やっぱり本作もすごく良い!... クイーン、ラッシュ、キングスX等のおいしい部分を ミックスさせたような独自のスタイルで一気に駆け抜けていきます。 先人たちへの深い愛情や表現したい音への強い信念があれば、 お金をかけなくても心に残る良質な作品は作れるんですよね。 いたずらにアレンジを豪華にしたり、展開を難解にしたりする、 大御所バンドに見習ってほしいです。 思えば70年代のバンドはいろいろな制約の中、 工夫とアイデアと情熱で勝負していましたよね。 彼らは自分にとって特別な存在です。 そろそろ新作をお願いしたいなあ。 |
お菓子の名前を付けるのはプリチーなガールズ・バンドだけにしてくれよ!
と言いたくなる、イギリスは男3人のソフト・ロック・グループ
のデビュー盤(バニラファッジも同様) 名は体を表すように、甘さたっぷりのメロディばかりで 聴いているこっちがとろけてしまいそう... 初めて聴いたとは思えない楽曲ばかりです。 (実際はヨーカドー店内で既に耳にしてた?) 古き良きフランス映画みたいなインスト曲が入ってるのは 順番は逆なんですがPEARLFISHERSみたいですね。 たっぷり収録されたボーナスもどれも佳曲ばかり (というか本編を上回ってる!... ラストとか黄色いリボン風の名曲)で とても満足度の高い1枚です。 ジャケットは「たのしい幼稚園」の付録みたいですね!(笑) |
スペインの個性派プログレ・メタル・バンドのライブ盤。 クイーンとドリーム・シアターを合体させたスタイルで スタートし、多くのアイデアを盛り込んで深みを増していった 足跡をたどることができます。 演奏はスタジオ盤に比べて荒めだ(スペインだけにアラメダ?!)けれど、 躍動感があり、観客と一緒に熱く盛り上がっているので心地良いです。 最後はボヘミアン・ラプソディで幕を閉じるのですが、 曲が強すぎるし、大した工夫もみられないのが残念に感じました。 (耳なおし?にオリジナルを聴きたくなりました) せっかくいい曲をたくさん作ってるんだから。 もっと自信をもって自分たちの楽曲だけで勝負してほしかったなー。 |
惜しくも解散してしまった北欧の曲者シンフォ・バンドの2011年作。 これまでの作品と同様、本作も手を変え品を変え、 70年代プログレ〜ハード・ロックの世界を 独自の解釈で表現しています。 華やかな表の部分だけでなく、 ダークな裏の部分にもしっかりスポットをあてているのが良いんですよね。 いわゆるフラキン系よりも一段階高い位置からロックを俯瞰しているにも関わらず、 細部は超絶近視状態にこだわっているマニアックさも持ち合わせているのが なんとも面白いです。 |
カナダのメロディアス・シンフォ・バンドによる2枚組コンセプト作品。 発表当時ごく一部で名盤と騒がれていたものの、 ジャケットや知名度から半信半疑でしたが、 確かに聴きごたえのある力作となっています。 フロイド風の全体構成やサウンドコラージュに、 ジェネシス影響下のメロディアス・シンフォが融合し、 時折マイク・オールドフィールド風ギターを重ねたり、 ゴッドブレスが拝借しそうなプログレ有名フレーズを織り込んだり,,, 叙情シンフォ好きなら押さえておくべき作品だと思います。 プロダクションの詰めの甘さも、フランス語のドラマ的やりとりの多さも 内容の良さでカバーしています。 ただ内容とは全く関係ないんですが、 このCDをPCに取り込んだ際に音飛びが発生し、 よりによって一番感動的なハイライトがぶち壊されるのが物凄く残念です。 取り込んだのは10年くらい前なので、 膨大な段ボール箱群の中からこの一枚を見つけるのは不可能です... この曲だけデジタルでいいので買えないものかなあ... |
「アルゼンチンのUK」と喩えたくなるような、
4人の才能が集結したスーパー・プログレ・バンドの2nd。 天才チャーリー・ガルシアのこれまでの歩みをなぞるかのように、 SUI GENERISの繊細で南米的な歌心と LA MAQUINA DE HACER PAJAROSのハードでテクニカルな演奏を 併せ持ちながら、さらにAOR、ポップス、フュージョンなど多彩なジャンルを 網羅した極上の大人向けプログレとなっています。 ペドロ・アズナールをはじめ、全員がスーパープレイを連発していますが、 すべて楽曲にうまく溶け込んでいます。 どうでもいいですが、1曲目中間部のDON'T STOP DANCING部分で いつも空耳の「農協牛乳〜!」の絵が浮かんでしまいます... |
ジャーマン・メタル・バンド、エドガイのトビアス・サメットが立ち上げた
壮大なプロジェクトの2nd。 先にデビュー作を聴いてレビューしたつもりが2ndを先に聴いたことがわかり 慌てて修正しましたが、 後から聴いたデビュー盤と印象は変わらなかったので微修正で済んで助かりました(笑) いつでも聴ける安心感からずっとチェックせずにいたら 20年以上経ってしまいましたがようやく再生... 「メタル・オペラ」ということで、 エイリオンみたいな感じを想像していましたが、 これは「ジャーマン・メタル・オペラ」というべきでしょう。 マイケル・キスク、アンドレ・マトス、ロブ・ロック、オリヴァー・ハートマン... 個性的な人材を見事に配し、ジャーマン・メタルの理想像を追求しています。 トビアスは、パフォーマーとしての力量はともかく、 仕掛け人としては超一流ですね。 ファンがどんな音楽を欲しているかを完全に把握しています。 特にマイケル・キスクにこの手の楽曲と絡ませた功績はでかいなぁ... 曲によってはアレンジを80年代にして日本語詞にして 椎名恵に歌わせてみたいなぁ! |