コロナ禍で閉塞感漂う1年だったので、
気分を変えるため、例年以上に、
いろんなジャンル、いろんな国、いろんな年代の作品を耳にした年でした。
ドイツのプログレアグルーヴ!(造語(笑))の名盤! 個人的に好きすぎる要素ばかりがてんこもりで 初めて耳にした時、あまりの格好良さに 心臓が止まりそうになり途中で再生をやめたのを覚えています。 ただ、こんな時代になり聴かずにくたばるわけにいかず、 もう大丈夫だと思って引っ張り出してきました。 でも時間がたってるのに全然ダメ...体中の血流がおかしなことになります。 夜中に聴くと興奮して眠れなくなります(デパスの敵!) フランスのCORTEXと同系統ですが、 こちらのほうがホットで疾走感があって痛快なんですよね〜。 たまにはプログレ名盤紹介に こういう変わり種を掲載するのもアリでしょう。 貴重なライブ盤も出ているので、 気になった方は売り切れ前に押さえましょう。 |
ブラジルのポップなプログレ・メタル・バンドの2nd。 うれしいのなんの...こんなにも自分好みのバンドが 出現してくれるなんてもう夢みたいです!! 一応、「クイーン、ラッシュ、ドリーム・シアターあたりを融合させた キャッチーなメロディ満載のドラマティック・プログレ・メタルやってます!」って ことになってますが、はっきり言ってA.C.Tのフォロワーでしょ!?これ!(笑) ブラジルには同系列でSEVEN SIDE DIAMONDがいますが、 ポテンシャルでは彼らを上回っているように思います。 とにかくA.C.Tのファンは絶対に聴いてください。 このサーカス的な世界観をみなさんと共有したいです! NEW ENGLANDのファンも大好物だと思います。 個人的にはスペインのDRY RIVERのデビュー作以来の衝撃を受けました。 |
ノルウェーの激クサ新鋭シンフォ・バンドによるデビュー盤。 徹底して号泣し続ける2ndが桁違いの内容(個人的神盤)だったので 入手してみました。 2ndに比べるとインパクトは弱めで、印象に残らない小曲もありますが、 泣き曲の説得力がやはりえげつない!! ノルウェー語で牧歌的な歌ものをのんびり歌っていたかと思うと、 突如キーボードとギターの激泣きセメントバトルが開始されます。 いずれも音色、フレーズともツボを突きまくりで、 お互いに譲らないので涙が止まらなくなります。 ハイライトは10曲目でしょう... 天国への階段とザ・リドル(ニック・カーショウ)とバレリーナ(スティクス)を混ぜて 泣きを極限まで増幅したような名演です。(伝わるかな?) タイプは違うもののエボシ岩が見えそうな12曲目とかも良いですし、 荘厳な演奏を従えて力強くノルウェー語で歌い上げるラストも 感動ものです。 ジャケットはSTARDRIVEのデビュー盤から AHMAD ALBAR風のリーダーの顔を消去したような感じですね(笑) 新作が出るまで涙をためておかなきゃ... |
ニューヨークのSSWによる、ありったけのビートルズ愛にあふれた
究極のポップ作品。 楽しい曲、格好良い曲、渋い曲、ユニークな曲、泣ける曲... あらゆるタイプの曲にビートルズの遺伝子がしっかりとわかりやすい形で 埋め込まれていますが、愛が深いせいか鼻につくことはありません。 ビートルズっていろんな曲をやってたんだなぁ... と改めて感心しながらアルバムをリピートし続けてしまいます。 知名度が低いにも関わらず、素晴らしい楽曲ばかりが揃った名盤なので、 ここで紹介するのが勿体なくも感じますが、 タイトル通り隠れたままにしておくほうが勿体ないので、 一人でも多くのポップス・ファンに耳にしてもらいたいと思います。 |
数あるスティーリー・ダン・フォロワーの中でも
際立った個性と完成度を誇る大名盤。 TALC同様、イギリスの二人組になりますが、 ジャミロクワイの初期ツアーメンバーだった経歴もあって、 さらに都会的でお洒落で洗練されていてグルーヴィーです。 スティーリー・ダンとジャミロクワイの比率が、 曲や場面により8:2だったり、3:7だったりと変わってくるので、 飽きることなく何十回もリピートできます。 そもそもスティーリー・ダンもジャミロクワイも 様々なジャンルをブレンドした豊潤な音楽なので、 調合が難しいと思うのですが、 彼らは見事にその難題をクリアしています。 個人的には、さらにシェリル・リンやダフト・パンクを スパイスに使った4曲目にやられました!センス良すぎ! |
70年代アメリカン・ロックを語る上で絶対に外せない
アンドリュー・ゴールドの2nd。 愛聴した名盤1st、3rdにそれぞれ似ているところもありますが、 この作品独自の魅力も多いのが嬉しいです。 ジャケットの遊び心を象徴するような変則的なオープニングから 耳にこびりつく強力な歌メロにFOOL ON THE HILL的なリコーダーのおかげで 1曲目から早くも爆死!... その後も尺八が出てきたり、マンフレッド・マンをカバーしたりと 手を変え品を変え楽しませてくれます。 軽快なロックン・ロール、しっとりとしたバラード... いろんなタイプの曲がありますがどれも名曲で、 曲を聴いていない時でも、 頭の中にふと本作のいろんなフレーズが流れてきます。 シンプルに音楽の楽しさ、美しさ、優しさ、格好良さを 堪能できる真の名盤です。 |
アメリカのビートルズ・フォロワー系SSWの作品。 アレンジは極めてシンプル、アイデアも少な目ですが、 その分ビートルズへの深い愛にあふれた フレーズの一つ一つがダイレクトに伝わってきます。 SGT. SUNSHINEとかBADFINGER BRIDGEとか、 曲名からもビートルズへの憧れが伝わってきますね。 独特な声質も味があって印象に残ります。 さらにメロトロンの使い方も絶品で泣けます! 本作発表後に脳卒中を患ったようですが、 リハビリを続けた結果、今は復活し音楽活動を続けているようで安心しました。 |
イギリス生まれ、アメリカ育ちの名SSW、ルパート・ホルムズの2nd。 1stがあまりに感動的(遡ったら2002年に一番はまったアルバムでした)だったので、 ずっと眠らせていましたが、アンドリュー・ゴールドの2ndを聴いて、 ふと彼のことを思い出して聴いてみました。 (2人は、職人気質(ルパートはバーブラ・ストライサンド、 アンドリューはリンダ・ロンシュタット)、活動時期、 ひげ面!などキャラが似てると思ってます) 以前ベストで聴いていた曲もありますが、 アルバムの形で聴くとまた味わいが増しますね。 まるで1本の映画を見ているような感覚に陥いります。 (特にSTUDIO MUSICIANは超名曲) 1stのような濃密な作りこみはされていませんが、 一つ一つの音にこだわりぬいた 非常にプロフェッショナルな名作であることに変わりありません。 表情豊かで耳に残る美しいメロディが凝縮されています。 5thでブレイクするわけですが、 その時期とは異なるピュアな初期の名作群を 多くの人に聴いてもらいたいです。 |
いきつけのスーパーで突然耳に飛び込んできた「まちのうた」の
メロトロンに感動し購入した日本のデュオによるコンピもの。 後でわかったのですが「ケンメリ」の人達だったのですね。 70年代から80年代頭にかけて活動し、 フォーク、シティ・ポップ、ニュー・ミュージック、歌謡曲... といった様々なスタイルで美しいコーラスを特徴とした良曲を 多数残しています。 最初のうちは、シュガーベイブ(2,3,8曲目)や 大瀧詠一(4曲目)っぽいと思っていたら、 中盤からはチューリップ化(7,10,11,12曲目)し、 後半は歌謡曲路線(クリエーション(クリエイションではない!)、 アリス、堀江淳、H2O...)に移行します。 さらには、ビーチ・ボーイズ(16曲目)、トッド・ラングレン(3,8,19曲目)、 赤ルパン!(21曲目)...悪く言えば器用貧乏で没個性的な存在と言えますが、 これだけ引き出しの多い素晴らしいデュオがいたなんてびっくりです。 すっかり外に出なくなってこの手の音楽の出会いは減ってしまったけれど、 こういう出会いは大切にしていきたいですね。 それにしても「まちのうた」のメロトロンは絶品過ぎます(ケストレル級) もっと使ってほしかったけれど、 この1曲しか使われていないのが逆に良いんでしょうね。 |
フランス最強の爆裂クッサクサなパクリ系メタル・バンドによる5th。 新作が出てから聴こうと思ってずーーーーーっと待っていたんですが、 出そうにないので聴くことにしました。 カイ・ハンセンをこよなく愛し、ハロウィン、ガンマ・レイはもちろん 彼の源流の1つであるクイーンまで遡り、 おいしいフレーズは、改版せん!でそのまま借用してしまう スタイルはさらに磨きがかかっていて最高です。 特に3曲目はメタル系クイーンとしては究極... VALENTINE、VALENSIA、JONO、JOOST MAGLEVも土下座するレベルだと思います。 クイーンの圧倒的な知名度を考えると、 100人聴いたら100人が気付くでしょう(いや10人くらいはクイーンだと思うかも) 新作出ないのかなぁ...ここ10年でパクれるネタは山ほどたまってると思うんだけど(笑) せっかく同じ芸風!のインサニアが14年ぶりに復活してるので、 彼らにも復活してもらってこのジャンルを大いに盛り上げてほしいです。 |
スウェーデンの愛すべきB級メロスピ・バンドの3rd。 1stは今一つでしたが、4thが素晴らしかったので 3rdも聴いてみたら、4thと同レベルの傑作じゃないですか... おかげでリピートしまくりです! 現在のハロウィンでは味わうことのできない 守護神伝のスタイルをこれほど忠実に守護しているバンドは ほかに見当たりません。 さらにハロウィンだけでなく、レインボウ、ガンマ・レイ、 ストラトヴァリウス、ソナタ・アークティカ、アングラ等を リスペクト(笑)した激クサなフレーズを全部ぶち込んで 三日三晩煮詰めた感じなので悶絶しっぱなしです。 オリジナリティの無さは十分わかっているんですけど、 耳が欲してしまうのだから仕方が無い... 個人的にはメジャーな歴史的名盤よりも名盤です。 川田利明の入場テーマっぽいフレーズが出てくるのにも やられました! |
イギリスの新鋭シンフォ・バンドの2nd。 鮮やかで瑞々しいメロディが凝縮されたデビュー盤が、 あまりにも良かったので、 期待し過ぎないよう気持ちをセーブして 聴いてみましたが、ナンノこれしき クオリティは一切落ちていません。 今回も感動的な場面が多数織り込まれていて 結局愛聴することになりました。 GG風のヒネリも加わって彩りが豊かになっています。 3曲目のオープニングを聴くたび、 翳りゆく部屋が頭を過るんだよなあ〜。 |
ジェリーフィッシュへの憧れに満ち溢れたミラクル・ポップ作品。
(邦題をつけるなら
「こぼれたジェリーフィッシュ愛に泣かないで」ですかね) シアトルの学生達がフリーでアップした音源が評判を呼び 本作のリリースにつながったようですが、 それも頷けるクオリティの高さ... 甘酸っぱいメロディの連続にうっとりしてしまいます。 低予算でシンプルな演奏ですが逆に親近感を覚えます。 エッジのきいたハードなギターもフィットしています。 バンドは今どうなっているんでしょう... みな年を取って「若気の至り」的な(あまりにジェリーフィッシュ過ぎる) 楽曲、演奏が恥ずかしくなっているとかかな?,,, と勝手に想像を膨らませてしまいました。 新作を望んでいるマニアは世界中にたくさんいると思います! |
スウェーデンのインスト・バンドによるデビュー盤。 1曲目に感動しリアルタイムで入手したものの、 あまりにも純粋で誠実な音楽だったため、 じっくり受け止めるまで準備に時間がかかってしまいました。 「天の川」を意味するバンド名どおり、 この世のものとは思えないほど清らかすぎる音が 丁寧に散りばめられていてアルバムを通して何度も感動できます。 普段音楽を聴かない人からあらゆるジャンルのマニアまでを 虜にするジャンルを超越した名盤だと思います。 様々な楽器を自作自演していますが、さすがはIKEAの国だけあって、 はたのぼる(知ってる人いる?)とはレベルが5万倍ぐらい違います! 是非YOUTUBEで検索してみてください。 個人的にはマイク・オールドフィールドの遺伝子を 受け継いだトリビュートっぽい曲にやられました。 |
ソ連が産んだ恐るべき天才、ヴィクター・スモールスキによる
ドラマティックなシンフォ・メタル・バンドのデビュー盤。 ヴィクター・スモールスキ好き!にはたまらない内容でしょう。 作曲、アレンジ、ギタープレイ(ソロもリフも)... 何もかもが独創的で、彼の持っている唯一無二の才能が 最大限に発揮されています。 また、実力のあるヴォーカルを3名も抱えているのですが、 みな情感豊かに歌い上げていて説得力ありまくりです。 こういうのをずっと待ってたんです。 マインド・オデッセイを聴きなおしたくなりました。 |
インドネシアの新人SSWによるデビューソロのリパッケージ盤。 大大大好き過ぎるBEBI ROMEOの活動状況をチェックしていた際に、 彼が全面協力していると知り本作を即入手しました。 メロディ、アレンジ、空気感... ROMEOはもちろん、DEWA(特にONCE加入直後)、ADA BAND、MELLYとが活躍していた 20年近く前に戻ったよう...浪漫亭ちっくがのんすとっぷなのん!(興奮しすぎて意味不明) DYNOの表情豊かな歌声もマッチしていて最強です! 過剰に甘い蜜のプールにどっぷりと溺れることができました。 やっぱりインドネシアものはこうでなくっちゃ! インドネシアのポップス・シーンがまたこの時代に戻ってくれないかなぁ... BEBI ROMEOも本格的に始動してくれないかなぁ... このあたりを心底共感してくれる方がいたら ぜひぜひおともだちになりたいです。 |
天才の中の天才ギタリスト、ポール・ギルバートによるライブ盤。 2006年に名盤FLYING DOGを愛聴した後、次も聴こうと決めておきながら、 いつでも入手できる安心感から耳にするまでに 15年も経過してしまいました。 (自分がレビューしたことさえ忘れてました!) RACER X(EXTREME VOLUME LIVE)でも 証明済ですが、ポールはライブ映えしますよね。 本人が一番演奏を楽しんでいるからでしょう。 聴いていて実に気持ちが良いです。 ギターの超絶っぷりばかりが目立ちますが、 ヴォーカルも相当上手いですね。 ポールを支えるバンドメンバーのサポートも光ります。 プログレファンは、ラストの「悪の教典#9」に卒倒しておきましょう! MR.SKINって天国への階段騒動で有名な 伝説の名バンド、SPIRITがオリジナルだったんですね。 選曲のセンスも流石です。 |
スペインのミラクル・ポップ・バンドによる2011年作。 近年ようやく新作が出たので安心して耳にすることができました。 短期間で傑作を連発していたので、そろそろネタが尽きるのでは とやや心配していましたが心配無用でした。 スタイルの幅をぐんと拡張し、 ハイスピードで畳みかけたり、ディスコ度・ピコピコ度を高めたり、 ドラマティックな展開を盛り込んだりと 閉塞感を打破する様々な工夫がなされています。 もちろんポップマニアをニヤリとさせる遊び心 (先人へのリスペクト)も健在です。 ありったけの高揚感を堪能でき、体を動かさずにはいられない、 ハッピー&キャッチーの極みといえる名盤です。 コロナ禍の今だからこそ一人でも多くの人に楽しんでもらいたいなぁ。 |
カナダのプログレ・ハード・バンドの1st(78年)+2nd(79年)のカップリング盤。 ゾンだけに劣悪な顔ジャケットのせいで大損こいています (カナダは他にもMAN MADEって酷いのがありますね...)が、 このジャケからは全く想像つかないような 爽快極まりない素晴らしい内容です。 スタイルを一言で例えるなら「カナダが誇るアメリカン・プログレ・ハード大名盤!」でしょう。 (なんかロッキー羽田(和製アメリカンドリーム)みたいになってしまった...(笑)) プログレ名盤紹介には、プログレ度が高く楽曲の出来も勝る1stを掲載しますが、 ポップ(産業ロック)化した2ndもドラマティックな4曲目をはじめ聴きどころの多い力作です。 |
プログレ好きなら誰もが知ってる(持ってる)キーボード・シンフォの名盤。 未発表ライブ音源が新たに追加された、 CD3枚組の決定盤的エクスパンデッド・エディションが出たので またもや買いなおしました。 (もう出ないよね?... 私と同様、LP、CD、ライブCD等複数お持ちの方は多いでしょう) 1枚目のオリジナル盤の内容はいまさらですが、 プログレ名盤紹介で触れることにします。 今回の目玉は2枚目の未発表ライブ音源ですが、 さすがBBC RADIO!...音質は最高で、 スタジオ盤とはまた違った激しすぎる演奏に圧倒されます。 モラーツの演奏はもの凄く迫力がありミスタッチなど気になりません... やはり華がある人はライブ映えしますね。 3枚目のニューキャッスルの演奏と聴き比べができるのも嬉しいです。 ナイスのリズム隊の2人もナイス当時より演奏力がアップしています。 ただ、リー・ジャクソンのライブでのヴォーカルはクセが強い!(笑)... 私は嫌いじゃないですが... 尺の関係なのかナイスの曲を演奏しているのも興味深いです。 (ロンドやって欲しかったけどやるわけないですね!) |
70年代イギリスを代表するスーパー・ポップ・バンドの3rd。 20年以上前、名盤1stと出会って毎日何度もリピートし続け、 ほとぼりが冷めた頃に2nd、3rdをチェックしたものの、 1stほどの感動が得られなかった記憶があり、 改めて3rdを聴きなおしてみました。 そうそう!、当時ハードでファンキーな1曲目に、 はてなマークがたくさん浮かんだ記憶が蘇ってきました! (パイロットに求めてるのはコレじゃない(笑)) でも今聴くと凄く格好良いじゃないですか。 その後も名曲名演ばか... 1stから受け継がれた極上の美メロやコーラスはもちろん、 イアンのプロフェッショナルなギター・プレイ、 ロイ・トーマス・ベイカーのマニアックな仕事ぶり、 感動的な要素が満載です。 特にクイーンを思わせる旧B面のドラマティックな畳み掛けには プログレ心を激しく揺さぶられました。 若い頃にはまらなかった作品も 聴きなおさないとダメですね。こりゃ... |
70年代に活動し3枚のシングルをリリースしたものの
アルバムは残せなかったイギリスのロック・バンドによる発掘コンピもの。
(73〜78年に録音された楽曲を収録) 所詮はアルバム出せなかったわけだし、 内容が良ければとっくに再発されたり話題になっているはずだし、 さほど大した中身では無いと思いつつ聴いてみたら大間違い... クオリティ激高です。 当時何故アルバムが発表されなかったのか理解に苦しみます。 この時代のイギリスのカラフルなロック・シーンをぎゅっと凝縮したような内容で、 ハード・ロック、ポップ・ロック、グラム・ロック等が混在し、 プログレ風味まで加えたスーパー・ニッチな作風となっています。 バンドでは、CITY BOY、SPIDERS FROM THE MARSあたりが思い浮かびました。 (←これじゃ良さが伝わりづらい...) 各メンバーの演奏力も安定していて個性豊かで捨て曲はありません。 ディグダグもびっくりの掘り出しものの中の掘り出しものです。 |
NWOBHMを語る上で外すことのできない名盤。 伝統的な70年代ブリティッシュ・ハードの流れを汲みつつ 新たな時代をこじ開けようとする荒々しい突進力が半端ないです。 まるで狙いを定めた虎が獲物に向かって 一直線に猛進するかのようなすさまじい勢いが感じられます。 ジョン・デヴァリルのどこか危なげなシャウトも、 ジョン・サイクスのスリリングなギターも、 格好良すぎてクラクラします。 1曲目の荒々しさはまるで日向小次郎のネオ・タイガーショットですね。 (←この喩え必要?) |
アメリカの新鋭シンフォ・バンドによるデビュー盤。 新鋭といいながらも、MARS HOLLOW、TEN JINNらの メンバーが結成したバンドなので完成度は高いです。 イエスの影響を強く感じさせる場面が多いので、 「21世紀のスターキャッスル」と呼んでもいいかもしれません。 アメリカらしい抜けの良い軽快な演奏を楽しめますが、 個人的には、畳み掛けが気持ち良い2曲目、 初期フラキンのような広がりを感じさせる 感動的な5曲目(曲目がアレだけど(笑))が 気に入りました。 |
ペルーのビートルズこと
WE ALL TOGETHERのファンなら感涙必死の貴重な音源。 WE ALL TOGETHER、LAGHONIAのメンバーが73年に こんなにも素敵な作品を残していたなんて全然知りませんでした。 (WE ARE NOT TOGETHERにも収録されて無かったし...) 内容はWE ALL TOGETHERと同路線... 温かいビートルズ愛に満ちあふれた ゆったりとしたドリーミーな楽曲が揃っています。 8曲目のシンセはマレーシアのTRUCKみたいだし、 9曲目はもろラズベリーズだし、 ...ビートルズ・フォロワー好きなら絶対に押さえてください! |
メキシコのスーパー・シンフォ・バンドによる2014年作。 相変わらず神業としか思えない圧巻の仕上がりで 開いた口がふさがりません。 巨大なスケールながら緻密なアレンジがなされ、 超絶かつエモーショナルな演奏が延々と続いていきます。 彼らの音を耳にするたび 「天才は一生進化する」(昔の上司の座右の銘) といった名言を思い浮かべてしまいます。 安定感は、LITTLE TRAGEDIES、KARFAGENといったモンスターをも 上回っているでしょう。 大ベテランにこんな力作を出されたら 新人バンドはやりづらいだろうなぁ... |
映画音楽や俳優でも知られるフランスのSSW、
ピエール・ヴァシリユの1965-1981年の音源集。 面白い音楽が無いかネット上で探しまわって 辿り着くことができました。 (コロナ禍じゃなければ出会えなかったかも) 幅広い時代にわたるB面的音源の中から、 ユニークでおしゃれな音源を集めているので、 一言で言い表せない面白さがあります。 どの曲も型にはまることなく自由な発想で作られていながら、 きちんと耳に残るのが素晴らしいです。 ゆったりとした浮遊感の中を延々と母国語で 語りかける2曲目(お客さんに嫌われそう!)、 ベースの躍動感がたまらない3曲目、ひたすら切ない6曲目、 フランス情緒たっぷりの10曲目、 ピアノをバックに歌を紡ぐラスト... いい曲ばかりが揃っています。 |
未発表音源のSCOPE IIIを聴いて卒倒してからずっと再発を待ち望んでいだ
オランダのジャズ・ロック・バンド、スコープの1stと2ndが
ようやく再発されました!! 聴いてもらえるとわかると思いますが、 内容の濃さを考えるとあまりにも再発が遅すぎます。 1st、2nd、もっというと未発表の3rdも含め ジャズ・ロック・ファンなら全作マストなのですが、 プログレ名盤紹介には、 ロック色が強めで勢いあふれる 1stを掲載したいと思います。 ボーナス収録された、前身バンドSTRANGE POWERの音源も 格好良いです。 |
哀愁の名ヴォーカリスト、ピート・サンドベリが、
フラワー・キングス系列のリズム隊(ヨナス・レインゴールド、ハイメ・サラザール)ら
歴戦の猛者と結成したスウェーデンのネオクラシカル〜メロスピ・バンドによる唯一作。
(メンバーがこれまで関わった作品をリストアップしたら凄い数になりそう!) 高度な演奏は期待できるものの、ジャケットは地味だし、 面子的にサプライズは無いだろう...と思っていましたが、 良い意味で大きく裏切られました。 演奏技術はもちろん超絶なんですが、まるで新人バンドのようなフレッシュさがあり 疾走感にあふれています。 そしてシンプルに曲が良い!...メロディのクサさも尋常ではなく激臭を放ちまくり... メンバーの年齢を考えると少しは遠慮しそうなものなんですが、 恥ずかしげもなく最後までやりぬいています。 バッハの無伴奏チェロ組曲のカバーもすこぶる格好良いです。 一見、典型的なネオクラシカル+メロスピをやっているように見えて、 明らかに一味違う魅力が感じられるのは、 メンバーの力量と経験によるものなんでしょう。 20年ほど前にひっそりリリースされ、さほど話題になっていない作品ですが、 この手の音が好きなら確実にチェックすべき隠れた名盤だと思います。 |
天才LINUS KASEを擁する
スウェーデンのメロディアス・シンフォ・バンドによる待ちに待った5th。 前作から8年ですか...ブランクが長いので一時はANGLAGARDを恨みたくなりましたが、 待たされた甲斐のある目の覚めるような一大傑作となっています。 全3曲(前作の続編となるラスト曲はなんと37分!)と大作志向で、 まるで膨大なアイデアが絡み合った壮大な迷宮に放り込まれ、 一つずつ謎を解き明かして先に進んでいくような気分になります。 予測不能な場面の連続ですが、どこを聴いても メロディが甘く優しいので安心して身をゆだねることができ、 尿意を忘れるほど長さを感じることなくラストまで聴き通すことができます。 キーボードが2人いるのも強みですね... オルガン、シンセ、メロトロンらのコンビネーションはカラフルで華があります。 LINUSのサックスもよいアクセントになっています。 内容とは関係ないですが、このVってタイトル、 SPOCK'S BEARDやSYMPHONY Xも使ってましたよね。 Vは海外でも縁起の良い数字なのかな? (でもツェッペリンはVから使ってなかったりする...) |
もやしみたいなアルバム&バンド名ですが、
侮ってはいけません! あの「タイフォン」の流れを汲んだ 70年代フレンチ・シンフォの名盤で、 CD未発作品の中では、最後の大物的存在でしたが、 近年ようやくCD再発されました。 この手の作品は、音を耳にするまでの期待値が上がり過ぎて、 中身はそれほどでもなくガッカリすることも多いですが、 本作の素晴らしさはモノホンです。 タイフォンそのものと言えるパートは鳥肌もの... 再発されて本当に良かったです。 プログレ名盤紹介にも掲載します。 |
ヨーロッパ版渋谷系の中心基地であるELEFANT RECORDSから
またもや素晴らしい傑作が見つかりました。 スペインの男女のデュオによるデビュー盤なのですが、 渋谷系を実に良く研究していて、 自分たちのスタイルに取り込んでいます。 弾け飛ぶメロディ、キュートで舌足らずな女性ヴォーカル、 ライトな電子音を取り入れつつ人のぬくもりも 残した絶妙なアレンジが一体となった、 お洒落でかわゆい楽曲が22曲も収録されています。 中には、もろピチカート・ファイヴな曲もあり、 思わず顔がにやけてしまいます。 是非、LA CASA AZUL、FITNESS FOREVER、PAPA TOPOとセットでどうぞ! |
フランスのこってり系叙情派シンフォ・バンドによる4th。 一部のマニアの間で話題となった傑作AFTER ALL... から、もう10年以上経つんですね... コンセプト色が強まり、 旧東欧シンフォにも通ずる冷たく暗いシンセの壁は さらに高く分厚くなっています。 また、新たに加入したヴォーカリストの エモーショナルな歌唱がシアトリカルな説得力を さらに向上させています。 気分が乗らないときは聴きづらくなりましたが、 たまにはどっぷりと沈み込むのも良いもんです。 |
ベルギーのミュージシャン、PIERRE LEONARDによるポップ・プロジェクトの2012年作。 プログレにしろメタルにしろ層の薄さが目立つベルギーですが、 これほどのマジカル・ポップの傑作を作れる才人がいたんですね〜。 演奏もアレンジもシンプルですが、 メロディがしっかりしていてすぐに耳に馴染みます。 楽曲数がやたら多い(28曲!)のですが捨て曲も似たような曲も無く、 聴き手を飽きさせないソングライティング力は 相当なものだと思います。 90年代初めから活動しているだけあって演奏もさりげなく上手いです。 そろそろ新作を出してくれないかな... |
カナダはトロント出身のプログレ・メタル・バンドによる3rd。 初期ドリーム・シアターにカナダの英雄、ラッシュを 融合させたような強烈かつ強靭な作品です。 良く考えてみれば、ドリーム・シアターは、 メタリカ・ミーツ・ラッシュと呼ばれていたので、 それに改めてラッシュを掛け合わせるのはアリですよね(←奇跡の血量みたい) バンド名(ピラミッドの定理)や幾何学的なジャケット (どことなくSYZYGY(WITSEND)っぽい) のコンセプトどおり精密機械を思わせるような 超絶演奏で圧倒していきます。 特にニール・パート風の鋭利なドラミング(タム回しとかそっくり)が 滅茶苦茶格好良いです。 |
70年代ブリティッシュ・プログレらしい名盤を1枚残して消滅した
バンドのコンプリート音源集。 本編の6曲に加えてボーナスを13曲も追加収録,,, って...こりゃ全員買いなおすしかないでしょう! 本編の初回CD再発当時、インパクトが弱い印象を持っていましたが、 今回、音質向上したリマスター音源を改めて聴きなおすことで、 思っていた以上に演奏が安定している傑作であるに気付けました。 今さらですがプログレ名盤紹介に 掲載します。 ボーナス曲はどれも、アルバムのようなプログレ〜ハード・ロック色が皆無の ソフトでメロウな歌ものでした。 本当に同じバンドなのか疑いたくなるレベル(同名の別バンドが存在するし...)ですが、 個人的にはこの路線も嫌いじゃないので気に入りました。 |
ドイツの新鋭シンフォ・バンドによる2nd。 視野が広く多くのアイデアを詰め込んでいますが、 それらをきちんと整理し、現代的なセンスでまとめあげた スタイリッシュで感動的なメロディアス・シンフォに仕上がっています。 SEVEN STEPS TO THE GREEN DOOR、SYLVANらもそうですが、 ジャーマン・シンフォも70年代から随分変わりましたね! 個人的にはA.C.T風のポップな4曲目が特に気に入りました。 |
スウェーデンの才能あふれるミュージシャン、ヨハン・ノービーが
クイーンを世界一愛するオランダの強力メンバーを従えた
メロディアス・ハード・バンドの3作目。 ヘビロテした前作の路線を期待していましたが、 全体的に路線が変わっていてやや面喰いました。 クイーン色は薄れ、ダークで内省的な内容となり 前作のような軽快で明るい曲は無くなりました。 アルバム全体が圧倒的な悲壮感に支配されています。 カラフルさが失われたのは残念ですが、 心身を削るようにして作り上げられた、泣きメロ、歌唱、演奏は さらに深化していて神々しさを感じます。 新型コロナ以前の作品ですが、本人の精神状態に影響を与えるような 何かがあったのかなぁ? (昔、失恋をきっかけ?に、やたら暗い曲を残し バンドを去った某プログレ・メタル・バンドの 初代キーボディストを思い出してしまいました...) |
突然飛び込んだアレキシ・ライホ逝去のニュースを知り、
失意の中、購入済ながら未聴だった本作を耳にしました。 1stや2ndは当時毎日のようにリピートし、 イン・フレイムスの前座で来日したときも チルボド目当てで川崎までライブを見に行くほど心酔していましたが、 その後の路線変更にすっかり興味が無くなり 新作が出ても買わなくなりました。 本作は、原点回帰したとの評判とジャケットが良かったことから 一応購入したものの、 一度心が離れてしまったせいで今まで放置していました。 肝心の内容ですが、初期のテクニカルなネオクラシカル路線と その後のモダンなへヴィネス路線が良い感じで融合されていて楽しめました。 ヤンネのダサ格好良いキーボードも前に出ているし、 アレキシのギターソロも華があるし.. 疾走曲も多いし、傑作と呼んで良いと思います。 ロクセットのカヴァーはレインエクシードに 触発されたんでしょうか。聴き比べて楽しめました。 それにしても、 二度とアレキシのギターが聴けないなんて残念でならないです... |
言わずと知れた超メジャー級のライブ名盤。 久々に良い音で聴きたくなりレコードから買いなおしました。 70年代には、パープル、ツェッペリン、クリムゾン、イエス、 GG、マグマ...と多くのバンドが歴史的なライブ盤を残していますが、 80年代ばラッシュ(神話大全)と本作が思い浮かびます。 「ライブの躍動感、高揚感、グルーヴ感ってこういうことだよ!」 って誰にでもわかりやすく教えてくれる作品と言えます。 スティングはもちろん、 ダリル・ジョーンズもオマー・ハキムもブランフォード・マルサリスも 素晴らしいのですが、初っ端のケニー・カークランドのピアノが あまりにも凄すぎてなかなか最後までたどり着けません! 「ブルー・タートルの夢」の収録曲も最高なんですが、 ポリス時代の名曲の崩し方がさらに最高で痺れます。 |
オーストラリアよりも層の薄いオーストリアのプログレ作品の中で、
特別な輝きを放つ叙情派シンフォ名盤。 レアアイテムとして知られる本編 (プログレ名盤紹介に掲載)だけでも かなり貴重ですが、今回の再発では、なんとボーナスCDとして さらに貴重すぎるライブ音源を収録しています。 で、このライブ音源が秀逸!... 未発表曲はどれもアルバム収録曲と同レベルの名曲だし、 アルバム収録曲は意外なほどロック色が強くて格好良いし... よくぞこの形で再発してくれました。(再発ものの鑑ですね) 全然関係ないけどTHE KEYの7:35ぐらいのよれよれな オルガン音ってプリンスのレッツ・ゴー・クレイジーの オープニングに似てますよね?! |
フランスのネオクラシカル系メタル・バンド、
アダージョのギタリストによるデビュー・ソロ。 この手のギター・インストものにありがちな超絶技巧を披露していますが、 ジェフ・ルーミス、マティアス・エクルンド、グレン・ドローバーら 豪華ゲストの活躍もあり単調にならずに聴き通せます。 高速フレーズを連発し大量の音符を詰め込んでおきながら、 極限まで音数を減らし間を大切にしたラスト(ベートーヴェンの月光!)の ギャップにまんまとやられました。 |
ブリティッシュ・ハード・ロックの原点ともいえる名盤。 久々に聴きたくなったものの、CDが行方不明なので買い直しました。 本当にいろんなことやっていますが何をやっても格好良いんですよね〜。 ツェッペリン出現前にこんな恐ろしいバンドがあったことを 多くの人に知ってもらいたいです。 1stと2ndとで音楽性が異なるんですが(どっちも大好き!)、 内容的にこの1stはプログレ名盤紹介に掲載すべきでしょう。 |
ブリティッシュ・ハード・ロックを語る上で外すことのできない
名バンドの2ndかつ最終作。 再発LPから買い直しました。 1st発表から1年しか経っていませんが、 実験的でスケールの大きいスタイルからシフトし、 等身大のバンド・サウンドで勝負しています。 アメリカン・ロック的なアプローチも、 アコースティック・ギターの大幅導入も、 見事にはまっていて、1stと甲乙付け難い名盤となっています。 ラスト曲は学生の頃ラジカセにあわせて ギターを弾いていた思い出のある大好きな曲です。 つい久々にギターを引っぱりだしてきちゃいました! |
イギリスのジャズ・ピアニストによるフュージョン〜レア・グルーヴの名盤。 プログレ、メタル、ポップスもそうですが、 この系統は特に優れたマニアがいるんですよね。 こんな隠れた名作を発掘、再発するなんて素敵です。 ひたすら都会的でメロウな名曲ばかりが揃っていて うっとりします。 特徴はどこまでもコロコロと転がり続けるエレピでしょう.... ここまでソフトでドリーミーなエレピは聴いたことがありません。 エレピの象徴のようなアルバムだと思います。 (メロトロンでいうところのスプリング!) 深夜に聴きたくなってしまうのは、 昔クロスオーバーイレブンを聴いていたせいなんだろうなぁ... 甘美で優雅な女性スキャットはどこか赤ルパン的でもあります。 |
60年代からアルゼンチンの音楽シーンを牽引し、
膨大な作品を残している偉大なミュージシャンによる
78年と79年作品のカップリングCD。 アルゼンチン色(フォルクローレ、タンゴ)をふんだんに取り入れた ジャズ・ロック〜フュージョン〜AOR的な作風は、 南米プログレ・ファンに十分アピールする内容といえます。 ピアノ、アコギをバックに歌い上げられる ジェントルな歌ものは心に響きますし、 パーカッションが効果的なジャズ・ロック曲の 疾走感、高揚感はすこぶる心地よいです。 特に、深夜高速ドライブ的なイメージの後者は ジノ・ヴァネリに作風が近いのが面白いです。 実際に影響を受けたのか、偶然スタイルが似たのか、 ちょっと気になります。 |
ジャケット、バンド名から並々ならぬクサさを
期待させてくれるフィンランドのメロスピバンドのデビュー盤。 発売当時、御茶ノ水ユニオンの店内で耳にして気になってから 20年近く経過していたとは...時の流れはあっという間です。 力量不足で、演奏、アレンジともにどこかもっさりとしていますが、 ハロウィン、ガンマ・レイ、ソナタ・アークティカへ憧れを抱き、 自分たちがやりたい音楽をひたすらやりぬこうとする ピュアな情熱が愛おしいです。 もともとクサさを徹底追及するスタイルでありながら、 デビュー盤ということで青くささも混じり合っているため 相当な異臭を放っています!。 確かインサニアもこんな感じだったなー。 |
セッション・ミュージシャン、プロデューサー業も器用にこなす
職人ダン・ハフが結成したアメリカン・ハード・ロック・バンドのデビュー盤。 メロディアス・ハードや産業ロックが好きなら 誰もが持っている名盤になります。 この手のジャンルのツボを押さえまくっていて、 ひたすら完成度が高く、欠点が無さすぎて面白味に欠けるのが 唯一の欠点というべきでしょう。 実は最初に聴いた時はさほど印象に残らなかったのですが、 繰り返し聴くたびに内容の奥深さに気付かされ唸らされました。 ダン・ハフのギターは想像どおりうまかったんですが、 ヴォーカルがこんなにナチュラルにうまいとは 知りませんでした。 |
アメリカの独創的なシンフォ・バンドの4th。 アメリカは、昔から風変わりな屈折系シンフォが ちらほら出てくる国で、 古くはYEZDA URFA、その後はECHOLYNなどが思い浮かびますが、 このバンドは、それらの系譜を受け継ぐ ポテンシャルを保持しています。 ひょうひょうとしてつかみどころが無いまま、 先読みできない演奏が延々と続いていきます。 70年代プログレ・バンドのエッセンスや チェンバー的なアプローチもうまく取り入れています。 ただ、収録時間がやたら長いので一気に聴くと疲れますね (次回はコンパクトにしてほしい...) |
ラテン入りオルガン・ロック・バンドと
バンド名が同一な
アメリカの新人メタル・バンドによるデビュー盤。 自分たちが愛してやまないメタル・ヒーローへの憧れを 思う存分ぶちまけた内容になっていて、 まっすぐな心意気がとても眩しく感じられます。 NWOBHM、スラッシュ、ジャーマン、メロスピ、メロデス、... 様々なメタルの格好良い(かつクサい)部分だけを うまく抽出してブレンドさせていてバランスも良いです。 2人の華やかな高速ギターをはじめ、 メンバーの演奏はテクニカルながらちゃんと勢いがあります。 2ndでこのインパクトを超えるのは難しそうだなぁ... |
ビートルズの遺伝子を美しく昇華させた名ポップ・バンドの2nd。 3rdを改めて聴きなおして衝撃を受けたので、 2ndも聴きなおすことにしました。 当たり前ですがやはり本作の出来も半端ない!... 当時これだけの名盤あっさりと聴いて レビューしなかったなんて... 「一体どこをどう聴いてたの?」と 当時の自分を説教したいぐらいです。 (それぐらい当時1stに心酔しすぎていたとも言えますが...) パイロット節ともいえる甘酸っぱい弾けるような ソングライティングが冴えわたっていて、 ウィリアム・ライオールもイアン・ベアンソンもいて カラフルな鍵盤と職人的なギター・プレイが同居し、 アラン・パーソンズが引き続きビートルズ的なプロデュースをし、 ハンド・クラップもちゃんと入っている... これだけ条件が揃って名盤にならないわけがないです! 何枚目が最高傑作なのか評価が分かれるなんて、 実力のある名バンドの証ですよね。 そろそろ温存していた4thを聴こうと思ってたんですが、 ますます勿体なくて聴けなくなっちゃったなあ。困った... |
オランダのド派手な弾き倒し系ジャズ・ロック・バンドの2nd。 メンバーに大きな動き(ベースが脱退し、キーボードがベースを担当し、 キーボードは新メンバーが加入)がありながら クオリティは下がるどころかさらにアップ... まさに怪我の功名状態となっています! 1stに比べると、ロック色は後退し、 クールで洗練された印象を受けますが ひとたび全員にスイッチが入った時の 殺傷力は相変わらず強烈すぎます。 (ドラムは明らかに無敵モード!) ライブ音源とか残ってないのかなぁ... |
フランスの才気あふれるアーティストによるメロディアス・シンフォ作。 複数の楽器を演奏し、ヴォーカルも担当し、 フロイド、イエス、ジェネシスあたりから ビートルズやクイーンまで取り込んだ 明快で温故知新的なシンフォ・ワールドは、 ニール・モーズに通じるところがあり、聴きごたえがあります。 内容的にもっと話題になってもおかしくないと思うんですが... おそらくジャケットで大損こいてるように思います。 1曲目の終盤の盛り上がりは、エルトン・ジョンの血まみれ〜みたいで えらく格好良いです。もし安値で落ちていたら拾ってあげて下さい! かなりの掘り出し物だと思います。 |
カナダの変態プログレ・メタル〜メタル・コア・バンドの3rd。 前作と同様に目まぐるしく楽曲が展開し続けるため先が全く読めません。 一人一人がとてつもなく高度な演奏技術を持っていますが、 各人が技巧に走りすぎることは無く バンドサウンドとしてきっちりと統制が取れているのが良いです。 ありったけのエネルギーを放出し、好き放題ぶちまけているようにみえて、 しっかり計算された曲作りがなされています。 メロディの甘辛感も実にうまくコントロールされています。 これだけ強烈な演奏と対峙しておさえこむことができる 個性的なヴォーカルも大したたまげた! この後の作品も絶対に聴くべきですね。 |
デビューからずっと追いかけてレビューし続けている、
個人的に大好きなアメリカのインディーズ・ポップ・バンドによる5th。 前作でマシになったジャケットですが、 以前のようにまたショボくなってますね(笑) さて肝心の内容ですが、今回も文句なし! 1曲目(特に中間部最高!)からSECRET POWERSらしさが炸裂してます。 人懐っこく耳に残るパワー・ポップを存分に楽しめます。 今回はいつもよりもELO色が強めの印象を受けました。 あと10曲目のアメリカンでノスタルジックな雰囲気は、 並行して聴いていたANDREW GOLDっぽくて心に染みました。 相変わらず良い曲ばかり...しかもこれだけ傑作を連発してるのに、 知名度が低いのが残念でなりません。 |
衝撃的なデビューを飾ったアメリカのインディーズ系プログレ・バンドの2nd。 前作がハイクオリティ過ぎたので、続編を出せてもインパクトは弱まるだろうと 思い込んでいましたがとんでもない! 2人組プロジェクトからバンド編成に形を変え、 さらにスケールアップしています。 今回もすこぶる曲が良く、とてもインディーズとは思えない王道メロディが満載... 場面によっては映画のクライマックスで使われていてもおかしくないです。 カンサス、ジェネシス、クイーン、リック・ウェイクマン... 偉大な先人達の影響を受けてはいますが、 70年代プログレの上っ面だけをなぞった連中とは 明確に異なり、真摯に自分達の出したい音楽を追い求める姿勢が 一つ一つの音から伝わってきます。 そういえば昔、カンサス〜クイーン風感動系シンフォ・バンドで FLAGSHIPってバンド(プロジェクト)がいて大号泣したのを思い出しました(聴きなおそうっと!) バンド名もサウンドもどことなく似ているのが面白いです。 |
フランスの元祖プログレアグルーヴ(2回目!)の大名盤。 REAL AX BANDを聴いて久々に聴きたくなり引っ張り出してきました。 まったく、いつ聴いてもお洒落だよなぁ... 本作を初めて耳にしたときは、プログレの悪しきイメージ (ダサい、オタク気質、時代遅れ、頭でっかち、ファンを公言できない...) とは真逆の内容に卒倒した記憶があります (というより、本作をプログレと呼んでいいのか躊躇したっけ...) 当時、散々聴きまくったのに、なぜかレビューしていない (当時の自分のボキャブラリーでは表現できなかったから?)ので、 改めてプログレ名盤紹介にも掲載したいと思います。 |
デビュー盤で究極のビーチ・ボーイズ・クローンぶりをみせつけた
アメリカのポップ・バンドによる2nd。 今回もビーチ・ボーイズどっぷり?、 タイトルからしてプロコル・ハルムとかぶち込んでる?... など勝手な想像をしつつワクワクしながら再生しました。 今回はビーチ・ボーイズ色を薄め、 代わりに同時代のソフト・ロック色をふんだんに盛り込んだ作風ですが、 相変わらず質は高くやり過ぎなぐらいマニアックです。 (特にバカラック色が凄い(ヨンジンに歌わせたい!)) ポップ・マニアであればあるほど細かい気付きが多く、深く楽しめると思いますが、 エヴァーグリーンな内容なのでもあるので、 普段音楽を聴かない人でもすんなり楽しめると思います。 |
惜しまれつつ解散したビーグル・ハットのメンバーが在籍する
国産ポップ・バンドのデビュー盤。 ビーグル・ハットの流れを汲み、 ビートルズ+ビートルズの遺伝子を受け継いだ名バンド達の エッセンスをふんだんに取り入れた 聴き応えのある作品になっています。 まず1曲目が名曲!... クラトゥ+パイロット+ビートルズ...ってのっけから飛ばし過ぎでしょ... 「タイムマシンツアー」ってテーマも良いです。 (思わず「時空ツアーズ」(こっちも名曲)を思い出しました。) その後もユニークな詞を取り入れたり、風変わりなインスト曲があったりと いろいろな手を使って楽しませてくれます。 この作品は日本語詞で正解でしょう。 最後にボーナスでビーグル・ハットにも参加していた デヴィッド・ペイトンが英語で歌っていて 普段ならこっちのほうが好みなんですが、 アルバム構成上この曲だけ浮いていて(曲調も何故かヘヴィかつダーク) 収録しないほうが良かったのでは?と思ったほどです。 (ボーナス前がまた美しい曲なのでなおさらそう思います) |
80年代に活躍した超絶メタル・バンドの復活後第一弾となる作品。 ポール・ギルバートはもちろん、全メンバーのテクニックは 一切衰えていないし、良曲が揃った傑作となっています。 ただ、ライブの印象が強いせいか、年齢的な問題なのか、 久々に集まったからなのか、思ったほどスリルは感じませんでした。 直線的なスピードでは無く、華麗なコーナリングで勝負している感じですね。 (レーサーXなだけに...) 腱鞘炎でブルースが参加してないのは残念 (腱鞘炎はギターのせいだよね?)ですが、 復活作としては合格ラインを余裕でクリアしているので、 この後の作品も聴いてみたくなりました。 |
アメリカの王道メタル・バンドの4th。 1曲目でいきなりペイン・キラー風に暴れたと思えば、 2曲目以降はメイデン...アメリカのバンドですが、 伝統のブリティッシュ・メタル魂を継承した傑作です。 メタル・ファンの喜ばせ方を実によく把握しています。 NWOTHMの流れが一区切りついても これだけ気合の入ったものを作れるモチベーションを 維持しているのは大したものです。 個人的には、時折変則的な音階を取りいれる ギターがメガデスっぽく感じられて気に入りました。 |
第二期ジェフ・ベック・グループによる1972年のライブ音源。 ジェフ・ベックは、 ハード・ロックを開拓した第一期も、 トリオの可能性を追求したBBA(ばばあではない!)も フュージョンにギター1本で殴りこんだブロウ・バイ・ブロウ〜ワイヤードの時期も どれもが最高なんですが、 個人的には第二期が最高オブ最高なので、 この時期の貴重なライブ音源を高品質で聴くことができて大変ありがたいです。 超一流の個性派メンバー達と火花を散らし、 ファンク、ソウル、ハード・ロックを融合させた独自のスタイルで勝負していた この第二期が彼のキャリアの中でも 最もチャレンジしていた時期だと再確認できる熱演となっています。 ギターの表現力の限界をがんがん広げていく ジェフ・ベックの天才的なギター・プレイはもちろん、 マックス・ミドルトンの流れるようなピアノ&エレピも、 ソウルフルなボブ・テンチのヴォーカルも、 様々なアプローチで聴かせるコージー・パウエルのドラムも格好良すぎですが、 このライブの立役者はクライブ・チャーマンでしょう... ダイナミックで躍動感あふれるベースがバンドの演奏を特別なものにしています。 個人的にベックの曲の中で 一番好きなDEFINITELY MAYBEが2回収録されているのが嬉しいです。 こんな演奏生で聴いたら頭がおかしくなってしまいそうだ... |
中古レコード盤を漁っていた時代に、
欲しくてしょうがなかったプログレ・ハード名盤に
未発表音源2枚(T2、1971-1972)をセットにした3枚組の決定盤。 みなさん何度目かはわかりませんが、 こんな形で出されたら買いなおすしかないですね。 DISK1である本編は20年ぶりぐらいに聴きましたが、 なにげに出だしがパイロットの3rdっぽかったんですね(吹き出してしまいました!) 音質も向上していてアルバムの凄みを再認識できました。 こちらはプログレ名盤紹介でレビューします。 DISK2のT2(2nd用デモ音源)は、1st路線に加え、 メロトロンの使い方が進化し、シンフォ風のウェットさも加わった 佳作となっています。 DISK3の1971-1972は、ドラマー以外のメンバーが交代しているものの、 T2の特異なスタイルは見事に継承され演奏も安定した佳作となっています。 ただDISK2、3ともにデモ音源なんですよね... もしこの2枚分のアイデアを1枚にまとめ、 プロダクションに時間とお金を費やすことができ、 当時すんなりリリースされていれば、 1stと同レベルの名盤として扱われていたように思います。 余談ですが、昔、T2が世間で話題になっていると友人から聞き、 そんなわけないだろと思ったら、シュワちゃんの映画だったと知り ずっこけたのを思い出しました(苦笑) |
イスラエルのシンガー兼アクターによる2ndソロ。 1stと同様、KAVERET時代からの盟友である 天才YONI RECHTERが全面参加しているので 音楽性が豊潤な歌ものポップの傑作となっています。 80年代らしいライトで垢ぬけたAOR的アレンジが新鮮で、 YONI RECHTERが付き合いの長いGIDI GOVの良さを いろんな手法を使ってうまく引き出しています。 (とろけるようなエレピもたっぷり聴けます!) ブロンディっぽい1曲目、メロウな泣きの3曲目、 軽快でシャープな5曲目、ジェントルな7曲目、 疾走感たっぷりのアーバンな10曲目...良い曲ばかりですが、 個人的には、70年代のYONI RECHTERらしさが強い キャッチーでノスタルジックな9曲目にやられました。 追伸:1曲目の1:22のところが「満員電車〜満員〜!」に聴こえるので、 本作をお持ちの方は是非チェックしてみてください。 |
個人的に大好きなアメリカのマイナーなプログレ・メタル〜プログレ・ハード・バンドの2nd。 プログレ要素といっても小難しさは一切ありません。 スリリングな場面が次々と切り替わっていきます。 クイーン、サヴァタージ、ラッシュ... といった偉大な先輩達の旨味を吸収した ドラマティックな作風ですが、 決して大仰にならずフットワーク良く ソリッドにまとめあげているのでサクサク聴けます! そろそろ新作出さないのかなあ... |
アメリカはデトロイトのインディーズ系ポップ・トリオの2nd。
(この地名を聞くといつもアラビアの怪人が頭を過ってしまいます(笑)) 才能豊かな3人が集結しているだけあって、 ジェリーフィッシュ〜FOW系列の ポップど真ん中サウンドがたっぷりと堪能できます。 特にメンバーのルックスからは創造しがたい (3人いれば普通は1人ぐらいはイケてるはずなんですが...) コーラスのハーモニーが絶品です。 |
アメリカの白人黒人男女混合グループによる作品。 人種、性別の垣根を取り払い、 ロック、カントリー、ファンク、ソウル、フォーク、 ポップ、ソフト・ロック、ラテン... 実に幅広いジャンルをこの1枚に網羅しています。 色々なことをやっているのに、統一感があるのは、 自由で希望あふれる空気感が全体に漂っているからでしょう。 ハッピーなアメリカン・ミュージックの総決算的な名盤と言えます。 今後も決して色褪せることはないと思います。 むしろ、時代が経過するごとに 今後もどんどん評価があがるような気がします。 |